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若山健彦氏(以下、若山):みなさま、こんばんは。ミナトホールディングス株式会社代表取締役会長兼グループCEOの若山健彦です。本日は遅い時間に多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございます。

当社の2024年4月から9月までの6ヶ月間の、2025年3月期の第2四半期の決算を、本日15時半に発表しました。その内容について、本日公開した決算説明資料に基づきご説明します。

内容は、スライドに記載の目次のとおりです。

グループ各社が担うセグメント領域

まず、第2四半期の決算ハイライトです。昨年度より、デジタルデバイス、デジタルエンジニアリング、ICTプロダクツという主要3セグメントで事業を構成しており、その他のセグメントと合わせて、スライドに記載の内容となっています。

2025年3月期 第2四半期決算ハイライト

本日発表した6ヶ月間の売上高は118億7,700万円で、通期業績予想の進捗率は59パーセントとなりました。営業利益は4億6,500万円で、進捗率は63パーセントでした。

進捗率は半期が終わったところで50パーセントが目処となりますが、それを大きく越えました。第1四半期の決算発表時には、進捗率は売上高で24パーセント、営業利益で7パーセントと、第1四半期のため、25パーセントが目途でしたが、そこから比べると、目途を超える良いかたちでの着地となりました。

通期業績予想については、期初に発表した前期比減益予想を維持しており、来年度以降に大きな業績の回復を目指したいと思います。

ROM書込みサービス事業の業績見通し

減益の主な要因についてご説明します。ROM書込みサービス事業において、今月竣工する工場の建屋や設備の減価償却が大きく増加し、今期の減価償却費は5億8,300万円を予定しています。昨年度の2億5,200万円に比べて大幅に増加する一方、今期の売上や受注はまだ十分に伸びないと予測されているため、減益となっています。

当社では定率法という会計処理を用いているため、来年以降は減価償却費が減少していきます。またお客さまからの受注が来年以降増えるという予測をもとに、大きく回復し成長軌道に乗ると見込んでいます。

2025年3月期 第2四半期連結業績

2025年3月期第2四半期の連結業績です。ハイライトでお伝えしたとおり、ROM書込みサービス等のデジタルエンジニアリングセグメントの減益があり、前期は子会社の事業会社売却益による特別利益が大きく計上されました。

その要因がなくなり、売上高は118億7,700万円と前年同期比プラス約26パーセントの伸びとなりました。一方で営業利益は4億6,500万円、経常利益は3億8,200万円、親会社株主に帰属する当期純利益が2億3,500万円と、前年同期比で大きくマイナスになっています。

2025年3月期 第2四半期 連結売上高

しかしながら、パソコン・サーバー等の需要回復が顕在化しない状況の中でも、デジタルデバイスセグメントにおける新規顧客の開拓や大型スポット案件の受注により、四半期連結売上高は大幅に増加しました。

連結売上高が第2四半期だけで約71億円と、過去に比べても突出した数字となりました。

2025年3月期 第2四半期 連結営業利益

当社で重視している、四半期ごとの連結営業利益です。今期を含めた過去2年間の比較をスライドに記載しています。それぞれアップダウンがあり、昨年度は大変順調に推移したものの、今期も第1四半期に比べて第2四半期が大きく伸びていることがおわかりいただけるかと思います。

スライド右側に示した累計営業利益でも4億6,500万円まで達しており、業績予想の7億3,500万円に対して非常に順調に推移しています。

2025年3月期業績予想に対する進捗状況

通期連結予想に対する進捗状況は、50パーセントを目処としています。通期の売上高の約6割を進捗し、営業利益は63.3パーセント、経常利益は57.6パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は48.5パーセントと、おおむね順調に推移しています。

連結営業利益の増減分析

我々は営業利益を重視しており、さまざまなかたちで分析を行っています。スライドに示したとおり、増収効果でのプラスに対して、減価償却費増加や収益性低下によるマイナスがあったため、昨年度に比べて4億3,400万円のマイナスとなっています。

一方、スライド右側の棒グラフにもあるように、昨年度は約10億円だった上期のキャッシュフロー創出力が、今期は7億9,200万円となりました。減価償却費を足し戻すと、特に大きくマイナスになったわけではないことがおわかりいただけると思います。

2025年3月 期第2四半期連結貸借対照表

連結貸借対照表については、デジタルデバイスセグメントでサンマックス・テクノロジーズの大幅なスポット案件や、仕入れ等の在庫が増加しました。それに呼応して短期借入金が23億円と増加しています。

純資産については純利益が出て58億8,900万円となり、連結貸借対照表上は健全性を十分に保っています。自己資本比率は31.2パーセントとなります。

セグメント別 2025年3月期 第2四半期業績

第2四半期のセグメント別の業績です。デジタルデバイスセグメントは、サンマックス・テクノロジーズのメモリ事業等で売上高は70億800万円となりました。前年同期比で大幅な増収となり、営業利益も前年同期比2倍以上の8億4,800万円となっています。

一方で、昨年度の営業利益を牽引したROM書込みサービスを手掛けるミナト・アドバンスト・テクノロジーズを中心としたデジタルエンジニアリングセグメントは減収減益となりました。設備投資等からくる減価償却費の増加、あるいはお客さまからの注文減少のため苦戦しています。

プリンストンを中心としたICTプロダクツセグメントは増収で、営業利益はほぼ横ばいの3,200万円となっています。

その他セグメントについては、昨年度はシステム部門等があったため利益が大幅に出ていますが、本年度はほぼゼロで推移しています。

2025年3月期 第2四半期セグメント別ハイライト

各セグメントのハイライトです。ただいまお伝えしたとおり、デジタルデバイスセグメントについては大型スポット案件等の受注等で大きく伸びました。

デジタルエンジニアリングセグメントは、ROM書込みサービス等において前期比マイナスとなりました。

ICTプロダクツセグメントについては、Web会議のシステム等が若干軟調に推移しているものの、モニターやその他のデジタル関連機器の事業が伸びており、販売実績が大きく伸長しました。

その他セグメントは、システム会社の売却により減収減益となっています。

セグメント別【デジタルデバイス】

デジタルデバイスセグメントの売上高をグラフで表したものをスライドに示しています。サンマックス・テクノロジーズを中心としたメモリ事業は、新規顧客開拓と大型スポット案件の受注で売上高が大幅に伸び、累計売上高も70億円と年間の目標に迫る勢いとなりました。

セグメント別【デジタルデバイス】

デジタルデバイスセグメントの営業利益です。こちらも第2四半期に大きく伸ばすことができました。累計営業利益は8億4,800万円と、すでに昨年度1年間の営業利益を上回るレベルです。営業利益率も8.3パーセントから12.1パーセントに回復しました。

セグメント別【デジタルエンジニアリング】

デジタルエンジニアリングセグメントです。ミナト・アドバンスト・テクノロジーズ等のROM書込みサービスに加え、我々のデバイスプログラマーであるROMライター、そしてそれを自動で書き込むオートハンドラという製品、また超薄型サイネージ「WiCanvas」やATM向けタッチパネル等が順調に推移しています。

一方、ROM書込みサービス事業での書込み数量減少により、全体としては減収減益となっています。

セグメント別【デジタルエンジニアリング】

営業利益についても、ROM書込みサービスの書込み数量減少により、昨年度の第1四半期、第2四半期に比べて大幅に下がっています。第2四半期が終わったところで、ほぼ同等となる営業利益300万円を計上しています。

セグメント別【デジタルエンジニアリング】

デジタルエンジニアリングセグメントのトピックスです。2024年11月中に新しい工場が竣工します。

約50年ぶりに、横浜市都筑区にミナト・アドバンスト・テクノロジーズ新本社の工場が竣工するということで、スライドには完成間際の写真を載せています。すでに設備等も設置し、第一期工事はすでに完成して、現在は第二期工事の完成を待っています。最終的には1つの建屋としてスタートします。

今月後半には竣工し、12月頭には竣工式ということでセレモニーを行い、正式に稼働開始します。

作業スペースは旧本社の約5倍に拡大し、書込み能力としては3倍から4倍ほどを目処に設備の立ち上げを行っています。こちらは機械の設置によってフレキシブルに対応できるということで、大きく能力を向上させる余地を得たということで、大変期待しています。

セグメント別【ICTプロダクツ】

ICTプロダクツセグメントはプリンストンの事業が中心となっています。昨年度に比べて売上が伸びてきており、為替も円高・円安とかなり振れていますが、安定して売上を達成することができました。

セグメント別【ICTプロダクツ】

営業利益についても、さまざまな改善策を立てて実行した結果、昨年度に比べて第1四半期、第2四半期ともに営業利益を大幅に増加させることができました。累計でも3,200万円と、順調に推移しています。

Web会議システムなどの商品が少しスローダウンしているものの、こちらも今後は案件を獲得できると見込んでいます。

セグメント別【ICTプロダクツ】

プリンストンでは、Appleなどの周辺機器で人気の米国ブランド「SATECHI(サテチ)」の取り扱いを開始しています。カリフォルニア州に本社を置く企業の販売代理店となり、USBハブやキーボード、マウスなどを販売しています。

プリンストンのオンラインダイレクトショップだけでなく、ネットショップおよびリアルショップでも幅広く展開していくことが期待されています。

セグメント別【その他】

その他セグメントでは、日本ジョイントソリューションズ、そして昨年度からグループ入りしたリバース、そしてミナト・フィナンシャル・パートナーズなどの事業があります。

昨年度6月に全株式を譲渡したシステム会社のクレイトソリューションズを連結範囲から除外したため、前期比で減収となりました。

第2四半期以降はその影響もなくなるため、昨年度を上回る推移を期待しています。

セグメント別【その他】

利益面でも、先ほどの事業会社売却の影響により前期比で減益となっていますが、下期には利益が出る予定になっています。

セグメント別【その他】

その他セグメントのトピックスをご紹介します。ミナト・フィナンシャル・パートナーズでは、事業投資あるいは純粋な投資も行っています。

第2四半期には、我々の事業とも関係のあるeスポーツ関連の株式会社TechnoBlood eSportsへの出資や、リチウムイオン電池の輸入代理店の株式会社コタック・エネルギー・パートナーズに2割ほど出資を実行しました。このような投資収益も獲得していきたいと考えています。

ミナトグループのビジョン

ミナトホールディングスグループの成長戦略です。「デジタルコンソーシアム構想」略して「DC構想」の実現を目指します。

デジタルコンソーシアム構想とは

我々は、他の企業との提携、あるいはM&Aというかたちでグループに入っていただくというスタイルを取ってきています。そのコンソーシアム(共同体)の強化によってシナジーを創出したり、新しい製品やサービスの開発にも挑戦しています。

その結果として社会に貢献し、持続可能でサステナブルな未来を創造することを目指し、「三方よし」の構想でグループを拡大しています。

デジタルコンソーシアム構想イメージ図

デジタルコンソーシアム構想のイメージ図です。スライド中央ある白い円が我々のデジタルデバイス・デジタルエンジニアリング・ICTプロダクツの3つのセグメントです。

今後はそれ以外の分野にも、投資やアライアンス、M&Aというかたちで、グループのビジネス領域を拡大していきます。

これまでのDC構想実現に向けた取り組み

私は12年前に代表取締役社長として当社を率いるようになった時から、多くのM&Aを実行してきました。

昨年は事業会社の売却が1社ありましたが、基本的にはいろいろな事業会社にグループに入っていただき、連結売上・利益を高めていくというかたちで成長してきました。おかげさまで、安定した利益を計上できるようになってきています。

「中期経営計画2027」の概要①

「中期経営計画2027」については、2023年1月26日付で2027年3月期までの計画を発表しています。重点テーマは3つです。1つ目は既存事業をさらに拡大していきます。2つ目はM&Aやベンチャー投資を通じて新規事業領域に進出し、さらなる成長力を得ていきます。

3つ目はグローバル展開ということで、現在、中国本土や香港、台湾に置いている拠点をさらに拡大していきます。また拠点を置かなくても、海外志向で今後もビジネスを拡大していきます。

「中期経営計画2027」の概要②

数字としては、売上高480億円、営業利益25億円という高い目標を置いています。またROEや自己資本比率については、すでに目標を達成しています。

サステナビリティ経営について

サステナビリティ経営についても、ダイバーシティやQOLの向上にコミットするという経営スタイルを標榜しています。

株価の推移

株価の推移については、2022年10月の378円から、昨年は500円ぐらいの数値となり、2023年12月7日には1,565円と高値を付けました。

今年度は、2024年2月までは高い水準を保っていましたが、その後に下落し、2024年11月8日現在は709円という水準です。

株主還元の考え方

株主還元の配当については、2019年3月期には二十数年ぶりに復配し、2円、4円、9円、10円、14円と大きく伸ばすことができています。

総還元性向は、利益に対して配当と自己株式を取得した金額を加えたものが占める割合を指しています。我々は総還元性向30パーセント以上を目標としていますが、今年度の予想はその目標を上回る36パーセントという還元率を実現できるのではないかと思っています。

自己株式取得の状況

自己株式の取得についてはコンスタントに行っています。今年度は現在発表している10月1日から12月27日までの期間で、取得株式15万株または金額の上限1億5,000万円のどちらかが上限に達するまで行います。

それを加えると、昨年度を上回るようなレベルで自己株式取得が完了するのではないかと考えています。

積極的なIR活動を展開

IR活動についてはさまざまな活動を行っています。本日のようなミーティングをはじめ、機関投資家のみなさまとの1on1ミーティングや、オンライン・オフラインでの個人投資家向けIR説明会の開催、IR展示会ではお台場や東京ビッグサイトにてブースを出展し、投資家のみなさまにライブでご説明するといった機会も設けています。

また、我々のWebサイトでもIRサイトとして積極的な情報開示を行っています。多様なチャートやデータを表示できるように、さまざまなツールを活用しています。さらにIR人員を拡するため、担当者の新規採用を行うことで体制の充実を図っています。

ミナトホールディングス会社概要

Appendixでは付録として、当社の会社概要、経営理念やビジョン、各社製品の写真や内容などを掲載しています。ぜひご参照ください。

私からのご説明は以上となります。ありがとうございました。

質疑応答:ROM書込みサービス事業の当初見込みと今後の見通しについて

司会者:「第1四半期ではROM書込みサービス事業で顧客の生産調整のために売上が落ちているとありましたが、当初見込みに変更はないのでしょうか? また、今後の見通しについて教えてください」というご質問です。

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