2025年2月期 第2四半期 累計業績ハイライト

石井宏和氏(以下、石井):上席執行役員経営企画・財務部門管掌の石井です。本日は決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。私から、2025年2月期第2四半期の概況についてご説明します。

当第2四半期は、増収増益となりました。営業収益は、中間期としては過去最高となる前期比105.6パーセントの691億円、当初計画を3.3パーセント上回りました。品不足で需要が高まったお米やアプリキャンペーンで価格訴求を行った洗剤、ペットフード、紙おむつなどの売上が好調に推移しました。

売上総利益は、前期比105.7パーセントの146億円となりました。荒利益率の高いプライベート・ブランド商品の売上が増加し、部門ごとの荒利益率は改善傾向にあります。しかし、荒利益率の低い食品の売上が当初の想定よりも伸びたため、全体の荒利益率は前年と同じ22.0パーセントとなりました。

販売費及び一般管理費は、DX関係の費用やキャッシュレス決済手数料の増加に伴い、前期比3.9パーセントの伸びとなりました。この結果、営業利益は前期比118.1パーセントの22億円となり、当初計画の20億円を上回りました。

営業利益の増減要因

営業利益の増減要因です。スライドのオレンジ色の部分が利益の増加、青色の部分が利益の減少を示しています。

荒利益高は、売上が好調だったこと、プライベート・ブランドの荒利益率が改善されたことで、7億9,400万円増加しました。

人件費の増加は、ベースアップなどによる単価上昇によるものです。ただし、店舗オペレーションの効率化を進めており、コストコントロールはしっかりとできています。

今期はセルフレジの導入やデータ一元化などのDX関係の費用、キャッシュレス決済手数料などの経費が増えましたが、こちらも計画内に収まっています。営業利益は、前期比18.1パーセント増の22億4,300万円となりました。

部門別売上高の状況

部門別の売上実績です。上期は、食品と家電の売上が特に好調でした。食品は、お米の売上増加に加え、防災需要の高まりからレトルト食品の売上も増加しました。

家電製品は、猛暑の影響で好調だったエアコンや品揃えを強化したテレビ、炊飯器、レンジなどの売上が増加しました。アプリキャンペーンなどで価格訴求を行った紙おむつ、ペットフードの売上も好調でした。

上期の売上の増加要因は、一見するとお米の品不足、猛暑、防災特需といった、いわゆる外的な要因で伸びたように見えますが、ここまで伸ばせた要因は、当社の調達力にあると考えています。

需要の高まりに合わせて、お米、防災用品、あるいはエアコンなどの在庫を十分に確保できたことが、計画を上回る売上の伸びにつながったと考えています。品揃えにはまだ改善の余地がありますが、第3四半期以降も新たな品種の導入に取り組んでいきます。

既存店売上高・客数の月次状況

月次の売上高・客数の推移です。2024年3月から8月の売上高は、前年を上回って推移しました。

3月に実施した最強クーポンセール、あるいは春の新生活セールが好調に推移し、良いスタートダッシュを切ることができました。猛暑の影響もあり、季節商品の動きも良かったことから、全体として堅調な売上を維持することができたと思います。

客数については、土日の日数が少なかった4月と7月を除き、前年を上回りました。今後も顧客のニーズに応じて商品展開を行い、サービス向上を図ることで、売上高・客数の増加を目指していきます。

2025年2月期業績予想 ~期初予測を変更せず~

2025年2月期の業績予想です。売上高は前期比102.0パーセントの1,270億円、営業利益は前期比109.2パーセントの33億円を計画しています。この業績予想は、変更していません。期初に計画した取り組みに注力し、業績予想を達成したいと考えています。

中期経営計画(2025年2月期~2029年2月期)

今年4月に発表した、当期を初年度とする5ヶ年の中期経営計画です。2029年2月期に売上高2,000億円、営業利益率5パーセントを目標に、3つの成長戦略を柱として進めています。

中期経営計画(2025年2月期~2029年2月期)の進捗

2025年2月期第2四半期までの取り組みの進捗状況を評価したものです。売上高・営業利益は、計画に対して順調なすべり出しとなっています。

プライベート・ブランド売上高構成比については、数値は増えたものの、期待する成果にはまだ至っておらず、これからスピードを上げて取り組んでいかなければなりません。

オムニチャネルについては、医薬品の販売開始など、品揃えと操作性の改善に取り組んでいます。日々の取り組みによって、かなり買い物しやすくなってきたとは考えていますが、会社全体の売上高に影響を及ぼすまでにはまだ至っていません。

新規出店については、やっとお話しできる計画が3つほど出てきています。M&Aに関しては、まだ案件を模索している段階です。中期経営計画を達成することで我が社を成長軌道に乗せるべく、今後も日々業務に励んでいきます。

改装の取り組み【橋本店 2024年6月改装】

平野能章氏(以下、平野):代表取締役社長の平野です。私からは、今期の重点項目の状況と今後の取り組みについてご説明します。

既存店の成長モデルとして、今年6月に福岡市西区にある橋本店の改装を実施しました。覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、橋本店はここ数年間で改装を繰り返してきており、今回で4回目となります。

今までの改装にはなかなか納得感がなく、結果が出ませんでしたが、今回は消耗品の絞り込みと非消耗品の品揃えの強化というポイントを明確にし、これまで以上に厳格に取り組んできました。

これまで主通路の売場では、販売量が多い食品や洗剤など、消耗品の特価商材を中心に販売していました。特価商材を島、あるいはエンドに置き、お客さまを奥まで引き込むオーソドックスなやり方です。

しかし、特価商材が主通路やエンドに並ぶことで、結果的に主通路のみで買い物が終わってしまい、お客さまが定番売場になかなか入っていかないという課題がありました。これまでも課題の解消に一生懸命取り組んできましたが、今回の改装では棚割りまで徹底的に目を通し、売場を変えてきました。

例えば、スライド左側の写真にあるキッチン用品売場付近では、フライパンなどのキッチン用品や生活雑貨を中心に陳列するよう変更しました。食品や洗剤などの消耗品は、取扱品目を絞り込んで定番売場内に配置することで、お客さまを定番売場に誘導できるようになっています。

品揃えを厳選し、売れ筋商品の店頭陳列量を今まで以上に増やしながら定番に落とし込むことで、消耗品の売上を落とさず、商品の補充コストを下げることもできました。

一方でアパレル、ホームリビングにおいては、当社で売上を十分に取り込めていない品種を中心に、品揃えを強化しました。

一例として、シューズ売場では、主通路沿いのエンドにホット商品を陳列しています。スライド右側にある売場の場合、まずは現在大量に広告が出ている「SKECHERS」でお客さまを引き付けます。

さらに、その奥に特価商材を配置し、お客さまを定番通路内に誘導します。特価商材の両サイドには、我々が得意とするベーシックなプライベート・ブランド商品を中心に陳列しました。

このような陳列を行ったことで、お客さまが知らないうちに定番売場に入っていきやすくなる売場が徐々にできつつあります。結果的に「SKECHERS」の売上が伸びるだけでなく、荒利益率の高いプライベート・ブランド商品の売上も増加しました。

今回の改装後、橋本店の売上高は前年比11.5パーセント増加し、荒利益高は前年比15パーセント増加、荒利益率も0.7ポイント改善しました。

特価商材となる消耗品の数量をある程度抑えながら、定番商品を大きく伸ばしていく作戦を実施したことで、結果的にお客さまの行動も自然と変化しました。

年末年始まで現在のかたちをしっかり維持できれば、これからの既存店の売り場の改装、棚割り、品ぞろえの変更を進めていきやすくなります。今回の改装で、やっと勝ち筋が見えてきたということです。

もちろん、これが完成形ではありません。日々変化するお客さまのニーズに迅速に対応し、総合ディスカウントストアとしての楽しい売り場、わくわくする売り場を実現していきたいと考えています。

プライベート・ブランド商品の取り組み状況

プライベート・ブランド商品は、家電製品、紙製品、食品の品揃えを強化した結果、売上高構成比はやっと20パーセントを超え、21.6パーセントと、わずかですが伸びてきました。

商品開発は、人員を増やし、体制を強化しています。今後は人員を増やすだけでなく、彼らがしっかりと結果を出すことの他に、商品部全体でプライベート・ブランドをどう作り育て、拡大していくかが大きなテーマになってきます。

また、発売して10年以上経つ商品も数多くあるため、既存商品の定期的なリニューアル等も進めていきます。要するに、新製品の拡大と既存品目のブラッシュアップの両建てで、しっかりと取り組んでいきます。

ちなみに、今年7月には、チラシ・買い物情報アプリ「トクバイ」を運営する株式会社ロコガイド主催の「全国スーパーマーケットおいしいもの総選挙2024」にエントリーしました。

参加企業数93社、エントリー総数364商品の中から、グロサリー部門で当社の「ミックスナッツ」が金賞を受賞し、さらに「プレミアムカレーシリーズ」が入賞しました。ネット上で不特定多数のお客さまに投票いただき、高い評価を得たことを大変うれしく思っています。

今後も、より多くのお客さまに喜ばれる、安さと品質のバランスのとれた「価値ある安さ」の提供に努めていきます。

エブリデイ・ローコストの取り組み状況

エブリデイ・ローコストの取り組みです。今期は、セルフレジの導入を進めています。2025年4月までに、全店のレジの8割をセルフレジへ変更する計画です。

セルフレジを導入することで、レジ作業時間の約30パーセントと、店舗全体の作業時間の6パーセントの人件費や労働時間の削減が見込まれます。

また、今回導入する680台のうち、半数の340台はキャッシュレス専用レジです。キャッシュレス専用レジは、現金併用レジに比べて導入コストを4割程度下げることができます。

さらに、導入後は現金管理の作業オペレーションがなくなるというメリットもあります。長い目で見ると、この作業時間がなくなることによるメリットは非常に大きな額になっていくだろうと考えています。

そのほかの取り組みとしては、本部を中心に、生成AIの活用や従業員に対するDX教育の強化を行い、業務の省力化、時短を図ることで、従業員の働く環境の改善にも努めています。

その結果、人時生産性は2022年2月期と比べて10パーセント増加しています。今後もDX等を活用しながら、一層ローコストな店舗運営に努め、生産性の向上を図っていきます。

オンラインストアの取り組み状況

オンラインストアの取り組み状況です。オンラインストア会員数は、2024年8月に累計20万人を突破し、順調に右肩上がりで推移しています。先ほどご報告したとおり、まだ全体の売上に対して大きな影響を与えるような金額にはなっていませんが、確実に伸び始めています。

さらに、オンライン利用者の特徴として、購入者の約半数が店舗での商品受け取りを選択されています。つまり、それが新しい来店動機となり、ミスターマックスでの購買スタイルの多様化にもつながっています。

また、その日のうちに配達する「即配サービス」については、今までの対象は福岡市ほぼ全域のみでしたが、今年9月より福岡県福津市でも開始しました。

現在は、福岡市近郊を中心とした65万世帯を対象に、日用品に加え、生鮮食品などを注文することが可能になっています。注文から最短5時間で自宅に届くため、子育て中の方や、重たいお米や飲料の購入の際など、多くのお客さまからリピートでのご利用をいただいています。

オンラインストア開始から1年半が経過し、オムニチャネルの効果としてわかってきたこともあります。リアル店舗のみ、もしくはオンラインストアのみを利用されるお客さまに比べて、リアル店舗とオンラインストアを相互に利用するお客さまの年間平均購入額は、約1.7倍になることがわかってきました。

この1.7倍という数字には、意外にも強い相関関係があります。オムニチャネルとしてミスターマックスのお客さまを増やしていくことが、当社のオンラインストアの成長だけでなく、お客さまの利便性の向上にもつながると考えています。

このような取り組みを強化した上で、5年後の2029年2月期には、中期経営計画で掲げている「オムニチャネルの売上高構成比10パーセント」を達成していきます。

新店【2025年2月期】

11月21日に、当社としては約3年ぶりの新店となるミスターマックスサンリブ古賀店をオープンします。「サンリブ」は、福岡県北九州市に本社を置くGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア、総合スーパー)の会社名です。

昔からある地方GMSのサンリブが運営する商業施設の1階に、当社がテナントとして出店します。サンリブ古賀は、福岡市内から北へ約20キロメートルの距離にある古賀市に位置しています。古賀市は、福岡市のベッドタウンとしてこれからも人口増加が見込まれる地域です。

食品はサンリブがメインとなって販売し、当社は非食品を中心に販売することで、商業施設全体の集客を上げていきます。古い商業施設でもあるため、その再活性化の大きな役割をミスターマックスが負うことになります。

売り場面積は約906坪と、当社の中では小型な店舗となります。当社は家電製品やキッチン用品、日用雑貨、洗剤、ペット用品などの非食品を中心に揃え、相互にプラスになるような売り場作りを心がけています。

当社にとって、今回がGMS内への初出店です。今後の出店政策の新たなモデルとして、非常に重要な位置づけだと思っています。ここ数年は既存店の改装や内部改革に注力し、新店の出店ができていませんでした。今後はミスターマックスサンリブ古賀店を皮切りに、出店を加速していきたいと考えています。

新店【2026年2月期】

2026年2月期には、福岡県小郡市と大分県別府市への出店を計画しています。開店時期はまだ決まっていませんが、可能であれば、上期中に2店舗オープンできるよう、現在も準備を進めています。

この2店舗の出店形態は、生鮮三品(青果・精肉・鮮魚)を含めた食品売場を核売場とするスーパーセンターを予定しています。DS、スーパーセンター、そして小型のセレクト、さらに小型のなにか新しいものを、地域あるいは立地に合わせて柔軟に出店していこうと考えています。

このスーパーセンターは、生鮮三品もあることで、我が社のディスカウントストアよりも来店頻度が高くなります。売上高・客数においても、より大きく貢献してくれる店舗になることを期待しています。

このような出店政策の中で、中期経営計画では25店舗の新規出店を目標に掲げており、北部九州および首都圏を中心に、ドミナント化を進めていきます。

なかなか新規出店しなかったミスターマックスがやっと動き出した、と受け止めていただければありがたいですし、ご期待いただければ幸いです。

質疑応答:セルフレジ導入による人件費削減効果と万引き対策について

石井:10月10日の決算発表後、何件か投資家面談をしました。その中で多くいただいた質問について、2つほど回答します。

1つ目は「セルフレジ導入によって、人件費の削減効果はどうでしょうか? また、万引きは増えていないのでしょうか?」というご質問です。

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