会社概要
榮章博氏:ランドネット代表取締役社長の榮です。2024年7月期通期の決算についてご説明します。よろしくお願いします。
まずは会社概要です。1999年に、不動産データを中心に活動する不動産流通・不動産DXの会社を設立しました。当初から不動産データを中心に仕事をしようと考えており、中古不動産の流通・再生・運用の市場のリーディングカンパニーを目指しています。中古不動産を扱う業界の中で、No.1になりたいと思っています。
中古区分マンションを中心に取り扱ってきましたが、現在は戸建とアパートにも取扱種別を拡大しています。加えて、実物の不動産の売買だけでなく、不動産クラウドファンディングも行っています。
社名は株式会社ランドネット、代表は榮章博、設立は1999年9月、東京都豊島区南池袋が本社所在地です。事業拠点は池袋の東京本社、横浜支店、大阪支店、福岡支店ですが、今年秋には渋谷支店も出店する予定です。
資本金は、2024年5月31日時点で7億600万円です。従業員数は2024年7月31日時点で677名(正社員のみ)ですが、全従業員数では、来年は新卒も含めて1,000名近くまで増えると考えています。事業セグメントは、不動産売買事業と不動産賃貸管理事業の2つで、不動産を買い取ってリフォームし販売する仕事は不動産売買事業の中に含まれています。
グループ会社としては、家賃保証を行う株式会社ランドインシュア、日昇房屋有限公司という台湾の現地法人、日商朗透房屋股份有限公司という香港の現地法人があります。台湾と香港の会社は、日本の不動産を台湾や香港にお住まいの方に買っていただき、その家賃を送金する会社として位置づけています。
私の略歴です。1987年9月に株式会社大京へ入社し、1988年12月には大京新宿支店の独立に伴い株式会社大京住宅流通へ移転、そして1999年9月にランドネットを設立しました。大京という会社で不動産業や不動産流通業を勉強し、その実績をもとにランドネットを立ち上げています。
事業構成です。連結売上高のうち、不動産売買事業が98.5パーセント、不動産賃貸管理事業が1.5パーセントとなります。不動産賃貸管理事業は1.5パーセントと非常に少なく見えるのですが、当社は「不動産」というものを、住まいだけでなく「暮らしを支える資産」、つまり「もう1つの収入源」と考えています。
収入源である不動産、すなわち投資用の不動産を買っていただき、その家賃をしっかり回収してお客さまに振り込むという仕事の重要性を考えています。そのため、不動産賃貸管理事業の連結売上高比率は低いものの、不動産売買事業を支えるために必要な事業と考え、一生懸命取り組んでいます。
2024年7⽉期業績① 連結損益計算書 概要(P/L)
2024年7月期の業績についてご説明します。まずは連結損益計算書です。
売上高は前期比122.2パーセントの777億9,000万円、経常利益は前期比184.9パーセントの25億1,800万円となりました。売上高が上がるだけでなく、築浅の区分マンション、アパート、1棟ビル・マンションなどの大型物件の取り扱いが増えたおかげで売上利益率も上がり、経常利益が売上高以上に伸びています。
また、当社は有形固定資産として、ファミリータイプの賃貸中物件も数多く持っています。この物件は将来的にクラウドファウンディングに組み入れることを考えて所有しており、部屋が空いたら売却しています。そのあたりの利益もけっこう上がっているため、当期純利益は前期比186.3パーセントの18億4,000万円となっています。
2024年7⽉期業績② 1R/ファミリー件数割合と売上高割合、販売単価
2024年7月期はファミリーの売上高割合が大きく増加し、約57パーセントとなりました。今後も、ファミリーの売上高割合および件数割合は徐々に増加していく見込みです。
区分マンションにはワンルームタイプとファミリータイプのものがありますが、上場するまで、築浅のファミリータイプのものは大手の中古不動産取扱企業と競合するため、当社が勝てるのかどうかというイメージがありました。しかし、上場以降は競争してもまずまず勝てるケースが出てきているため、数量を拡大してシェア拡大を狙っています。
当社の一番得意とする分野である築古・築浅ワンルーム物件を確保しながら、ファミリー物件も増やしている状況です。
2024年7⽉期業績③ 販管費推移
販管費です。何度か「不動産のデータベース」という話をしていますが、区分マンションのデータに関しては、北は北海道から南は石垣島までほとんど取り終わり、そちらの費用自体は少し抑えられてきています。
引き続き、不動産のデータ変更分は取得していかなければいけないことは把握していますが、全体では取り終わったということで、先行投資が終わりつつあると考えています。ただし、今は戸建とアパートにまで取扱物件種別を広げているため、そちらへの情報取得費用はまだかかると考えています。
システム関連費に関して、当社は上場するまでシステム担当者をなかなか雇用できませんでした。しかし、上場以降の3年で、多くのシステム担当者を雇用できています。昨日も、メールや「LINE」などのお客さまとのテキストデータでのやり取りを、AIで読み取って要約できないかという打ち合わせを私自身が行っていましたが、そのような打ち合わせができる体制になっています。
また、売買システムや賃貸システム、建築システムを作るところに関しては、ある程度の人材がすでに集まり出しており、ここも売上高や経常利益の伸びよりは抑えられるかと思っています。そのような意味合いでは、販管費を少し抑えながら、売上高をどんどん伸ばしていきたいと考えています。
加えて、今はシステム部門が100名ほどおり、そのおかげでいわゆる管理部門のシステムがかなり進んでいます。そこでも経費を抑えられつつあると思っています。
2024年7⽉期業績④ 連結貸借対照表 概要(B/S)
連結貸借対照表です。一番重要なのは販売用不動産で、2024年7月期第1四半期は約135億円でしたが、第4四半期では約166億円に増えています。
2023年7月期を起点にすると、第1四半期が約88億円、第4四半期が約114億円、そして2024年7月期の第1四半期が135億円、第4四半期が166億円と増えてきています。これは商品を仕入れながら、その商品をしっかり売ることを念頭に置いていることの表れで、このような商品を用意することが次の売上につながると考えています。
一番注意しなければいけないのは、売れ残り物件を増やさないことです。そちらについては、毎週会議を行いながら進めています。いつもお伝えしていることですが、当社は物件を仕入れる人が販売する人です。仕入れた者が販売する者であるがゆえに、高く仕入れて売れないと、その赤字を負担しなければいけないという仕組みになっています。
そのため、90日や120日のような期間を決めて「その期間内で売り切ろう」と指示を出しています。売れ残り物件を増やさないようにしながら商品を増やすという、矛盾した目標をしっかりこなしてきています。
有形固定資産は、2024年7月期第1四半期が約29億円、最終の第4四半期が約37億円です。先ほどもお伝えしたとおり、こちらはクラウドファウンディングに載せる商品として集めています。クラウドファウンディングも順調に推移していますので、これからは有形固定資産をクラウドファウンディングに載せる作業も進めていきたいと思っています。
2024年7⽉期業績⑤ 売上高と経常利益 5期分推移
2024年7⽉期の売上高は前年同期比122.2パーセント、経常利益は前年同期比184.9パーセントです。
経常利益のほうが前年同期比で大きいのは、扱っている商品が少し大きくなり利益率が上がっていることや、区分マンションにおいて不動産データの収集がある程度終わり、その費用がかかっていないことによるものです。また、システムでは3年ほどさまざまな人を雇用し、私が入り込んで組織化などを一生懸命進めていますが、そこの伸びを少し抑えられていることも理由です。
加えて、当社は月に600件か700件ほどの決済がありますが、1件の決済につき入金が4件くらいあります。合計2,400件前後の入金について「これはどこのどの物件のお金か」という消し込みを行うのはかなり大変です。これらを全部システム化することで人数を抑えられています。
このように、効率を上げながら大量の商品を扱えるような流れになってきています。
2024年7⽉期業績⑥ 経営指標
経営指標についてです。上場以来、ROEは業界平均を大きく上回る水準を保っていると思います。不動産業界の平均が8.7パーセントである中で、2024年7月期は23パーセントとなりました。
また、企業価値向上に向けて、IR活動を積極的に行っていきます。現在のPBRは0.85倍ですが、せめて1倍を超えたいと真剣に思っています。業績が上がってきたことに加え、先ほど触れたIR活動をしっかり行い、PBRを上げていきたいと考えています。
KPI/各種指標① 従業員数推移
2024年7月期の従業員数は799名です。システム部門が20パーセント、事務部門が22パーセント、営業・賃貸・建築を合わせた事業部門が59パーセントです。2021年7月期から、期を追うごとに事業部門の人数が増え、システム部門や事務部門の人数が抑えられるようになってきています。
システム部門はこれからまた人数が増えると思いますが、システムの力を思い切り使ってシステム開発の効率化を図ることにより、パーセンテージは維持もしくは若干抑えられないかと考えています。
事務部門は、先ほどお話しした消し込み作業のすべてに関わるため、そちらへの対策を一生懸命進めています。したがって、稼ぐところは人数を増やし、管理するところはITを使ってより効率化していくことを考えています。
KPI/各種指標② 営業人員推移
営業人員も非常に重要ですので、しっかりと増やしています。2024年7月期の通期予算は396名でしたが、367名確保しました。このような増員に加えて1人当たりの粗利が伸びてきたこともあり、業績が上がっています。
2024年11月には渋谷支店が開設予定で、来年夏過ぎには大阪支店の増床も検討しています。大阪支店は業績もしっかり上がっており、なおかつ人も雇用しやすいことから、積極的に展開したいと考えています。渋谷支店開設と大阪支店増床のめどがついてきましたので、今は千葉支店開設、札幌支店開設に関する情報収集も始めています。
当社は不動産データを収集しており、日本全国の不動産を扱う中で「この県や市はなかなか取引数が多い」という数字が出てきます。つまり、千葉支店や札幌支店がここに上がってくるということは、当社において事実上の取引が多いということです。
なぜ名古屋が候補に上がってこないのかについては、現場の声や実際の実績から「まだ今ではない」と判断したためです。全国の不動産を扱うということは、実はそこに支店を出すシミュレーションを行っているのと同義だと捉えています。そのため、出したのにあまりうまくいかなかったという経験はありません。
KPI/各種指標③ 販売用不動産推移・在庫回転日数
販売用不動産の推移です。何度もお話ししているとおり、商品は増やさねばなりませんが、売れ残り物件は減らさねばなりません。現在は約166億円まで伸びてきていますが、在庫改定日数は78.80日です。
買取リフォーム案件はリフォームに日数がかかるため、それが少し増えると在庫回転日数が増えます。しかしその一方で、区分マンションのワンルーム買取販売などもしっかりと増えているため、平均で78.8日を維持している状況になっています。
KPI/各種指標④ 販売用不動産の推移と売上高
販売用不動産に関してもう少し詳しくご説明します。スライド下部に記載の折れ線グラフをご覧ください。オレンジ色で示した販売用不動産が順調に伸びていくと、四半期会計期間の売上も順調に伸びていきます。
逆に言えば、販売用不動産が少し落ちると売上も少し落ちるため、成果である売上や粗利はしっかり増やしながらも、「在庫」にあたる商品はしっかり増やす必要があります。
そのため、商品を増やしながら、売れ残り物件および在庫回転日数を減らす努力を行います。現在は、この矛盾する目標に一生懸命取り組んでおり、それを機械的に全部把握できるような仕組みを作っているために、数字が維持できているという流れになります。
KPI/各種指標⑤ 取扱不動産取引件数
取扱不動産取引件数です。2024年7月期第4四半期に1,883件を達成しました。通期計画の6,832件に対して6,848件と、計画どおりの水準となっています。
こちらも戸建てやアパートを増やすことによって単価が上がるため、件数は比較的減るものの、細かいものも全部含めて、営業人数も増やすことで達成したと考えています。当社は件数もしっかり追いつつも「一番大事なのは粗利」という考えで動いています。
KPI/各種指標⑥ 地域別取引件数の割合
地域別の取引件数の割合です。当然ながら首都圏が中心になるものの、スライドのグラフを見ると九州圏が、福岡支店を出して以降伸びてきていることがわかります。
このあたりの数字を見ながら、今後は千葉支店や札幌支店の開設も考えていきたいと思っています。地方の物件も全部扱うということは、地方に支店を出したり、営業所を出したりするシミュレーションになっています。成果が上がっているところに支店を出していくため、あまり失敗したことはありません。
KPI/各種指標⑦ 管理⼾数推移/入居率
賃貸管理戸数の推移です。こちらも、しっかりと増やす努力を行っています。2024年7月期は1,151件増え、前期末比15.8パーセントの増加となりました。
入居率は、2015年の8月末よりずっと98パーセント超えを維持しています。そのうち、東京圏や特定の築浅のワンルームなどは、99パーセントや99.5パーセントといった入居率を確保しています。
賃貸に関しては、システムの第1次開発がもう少しで終わると思われます。そうするともう少し効率化すると思っており、それが終わった後に第2次開発に入るため、もっと強気で努力したいと考えています。
KPI/各種指標⑧ 当座貸越枠と売上高の推移
先ほど「在庫をしっかり増やしていく」とお話ししましたが、在庫をしっかり増やすためには、当座貸越枠や金融機関といろいろな打ち合わせをしながら借り入れを増やすことが重要になります。
もちろん無駄な借り入れをしたいとは思っていないものの、安い金利であれば、しっかり金融機関から借り入れようと思います。当社は資金が回転しているため、借り入れをしっかりと増やしながら、在庫や売上も増やしていくことを目指しています。
KPI/各種指標⑨ RCPに蓄積された物件データ数
物件のデータ数です。2023年7月期末に約77万件だったものが、2024年7月期末には約205万件に増えてきています。マンション1棟を1と数えているためにこのぐらいの件数ですが、現在は戸建てとアパートを増やしてきているため、いろいろな面でデータが蓄積されてきています。
2025年7⽉期業績予想① 連結損益計算書 概要(P/L)
2025年7⽉期の業績予想についてご説明します。売上高は、前期の約777億円から約962億円としています。経常利益は28億2,100万円としていますが、これは当社のいつものパターンでかなり堅めに見ています。
当社は不動産会社ですので、当然ながら売上高1,000億円という数字には非常に魅力を感じており、何がなんでも達成したいと思っています。しかし、今期予想は962億円とし、これをしっかりと達成していきます。
できるのであれば、また今回のように少し上方修正できればと思っていますが、期初の段階では962億円を売上高目標として考えています。とはいえ、強気でしっかりがんばっていきます。
2025年7月期業績予想② 重要な指標(KPI)営業人員、取引件数
営業人員は現在の367名から461名まで、前期末比で94名増やしたいと考えています。営業の採用に当たる人事の数を増やし、営業の採用人数を増やしていく努力を行っています。会社の規模が大きくなってきて、優秀な方も多く入社していますが、やはり一番は営業魂のある人材を採用したいと思いながら採用活動を進めています。
取引件数についても、当社は粗利をメインに考えています。そのため、いろいろなことを実行しながら8,405件を目指していきます。
2025年7⽉期業績予想③ 重要な指標(KPI)賃貸管理戶数
賃貸管理戸数です。前期は約1,000戸増えたと話しましたが、今期は1,300戸増やしたいと考えています。これもやはり堅めには見ています。システムができることによって、より効率化すると思っているものの、堅めに見て少なくともこのぐらいはいきたいと考えています。
2025年7⽉期業績予想④ 株主還元
配当性向は10パーセントを目指していますが、一番重要なのは株主さまへの安定的な配当だと思っています。今期は10パーセントとなりましたが、来期以降も、安定的に株主さまに配当をお支払いできるようにしっかりした経営を行っていきたいと考えています。
事業内容/特徴① 競争優位性
当社の事業が、なぜこのように順調に伸びてきているのかをご説明します。
1つ目の理由は、独自の不動産データベースに基づいた営業システムです。某大手不動産会社などの場合、中古不動産の位置づけは「某大手不動産会社が過去に販売したマンション」です。自身が新築・販売した不動産が中古市場に出回る時、彼らは不動産情報および所有者情報を全部持っています。その上で不動産流通業を行うため、非常に効率的です。
しかし、当社にはそのような親会社はいません。したがって、当社にとってはあらゆる不動産情報をいろいろな仕組みを使って集めることが最初の基本になります。集めた不動産の情報をもとにいろいろな営業活動を行い、日本にあるすべての不動産を扱おうとしています。
先ほどもお伝えしたとおり、区分所有マンションはすべての情報が集まりだしており、集めた不動産に対していろいろな営業活動をかけ、売り主を探しています。売主を探して売主の依頼を得たり、当社で買い取った物件を売ったりすることによって、買主を集めています。したがって、他の会社と当社は見ている市場がまったく異なります。
そのため、当社が例としてよく挙げるように、会場のある東京駅近くの大きなビルの外にはいろいろなビルがあり、遠くまで見渡すと戸建てやマンションがたくさんあります。それらをすべて扱うというのが当社の目標になっています。
したがって、当社が見ている市場と他の会社が見ている市場は、実はぜんぜん違うと思っています。その当社が見ている市場で、どこまで大きくなれるかということに日々チャレンジしています。
2つ目の理由は、革新的な仕入れソリューションによる短い在庫回転日数です。物件を仕入れて販売する時に「あなたのほうで、1,000万円、2,000万円、5,000万円の物件を買って売れなくて滞留するということは、他の人がその2,000万円、5,000万円を使って投資する機会を奪うことになる。したがって、2、3ヶ月の期間を決めて、その中で売り切ってほしい」という話をよくします。
加えて、物件を買うという作業をする際に相場を調べる場合、「レインズ」などいろいろなものがありますし、不動産会社のいろいろな査定金額も聞きます。このようなことを全部しっかり実行することによって、ある一定のいい金額で物件を買えていると思っています。これにより、短い回転日数を維持できています。
3つ目の理由は、業界トップクラスの直接仕入れ比率です。当社は直接不動産の所有者に連絡を取って物件を仕入れることが多く、2024年7月期実績で73パーセントの割合です。当社が「マンション直接仕入件数3年連続No.1」というのは、そのような意味合いになります。
事業内容/特徴② 基幹システム「RCP」による業務の効率化
基幹システム「RCP」による業務の効率化についてです。実は、私がランドネットを立ち上げて最初に行ったのはシステムの開発でした。もちろん営業活動も行っていましたが、システム開発を行いながら営業活動を行っていました。
自分が営業として欲しいシステムを1個1個作っていきました。会社を立ち上げた時に私が作ったので、もう25年前になります。私自身は法学部しか出ておらず、専門知識があるわけではなかったものの、「Microsoft Access」のウィザードという機能と「SQL Server」を使って作りました。
今は「Python」などを使い、「RCP(Real estate Cloud Platform)」というかたちで言語を変えて作っています。
それによって営業支援システム、顧客管理システム、契約管理システム、賃貸管理システム、在庫管理システムをすべて社内で作り出しました。現在は、販売管理システムやコミュニケーションツールのようなものも作っています。
先ほど「システムの担当者が20パーセントいる」とお話ししましたが、数多くいるために、彼らと一緒に打ち合わせながら社内で全部作っています。これが、当社が大きくなる源泉です。
また、当社は私がずっと要件定義に入り続け、1年半ぐらいかけて不動産クラウドファンディングのシステムを作りました。その中で先日、いろいろ調査する中で「紹介機能があったほうがいい」という話になり、1ヶ月ぐらいかけて紹介機能を作りました。今はSNSの中で「ランドネットの不動産クラウドファンディングの紹介機能がけっこう良い」ということも書かれているとの話が耳に入ってきています。
このように、何かを修正したいと思えばすぐに自社で対応でき、なおかつその結果も全部わかる仕組みを作れるところが、当社が大きくなる一番の理由だと考えています。
事業内容/特徴③ 即時の情報共有と体制による早期戦力化
「営業人員をどんどん入れているが、そんなに入れて営業は育つのか?」という疑問にお答えします。スライド右側には、営業部社員1人当たりの売上高推移を記載しています。今期が2億900万円で、その前が2億600万円、2億1,100万円、2億100万円と、2021年7月期から4年連続で2億円を超えてきています。
先ほども言いましたが、物件の取り扱い単価が上がりましたので、1人当たりの売上総利益も上がってきています。増えてきている理由は、不動産データベースによって、新入社員であっても、商談や利益などの情報共有が即時できることにあります。
例えば、私は大阪府出身ですが、大阪しか知らない大学生が東京の当社に勤めていたとします。原宿に行って「あのマンションがかっこいい」「あの高層マンションはかっこいい」「あれを扱いたい」と思って当社に戻ると、その各お部屋の所有者とのいろいろな商談の交渉履歴や、その物件がいくらで売れたかというデータが全部見られます。それにより、簡単に査定ができます。
不動産業界では有名な「レインズ」という国が作っているやり取りのネットワークの情報にもすぐにアクセスできますし、「レインズ」を単に見られるだけではなくて「どの物件のどの部屋」というかたちで、データが全部連動して見られるようになっています。
さらに、当社で過去に扱った金額もわかります。その営業は、当社の「RCP」を見れば、そのマンションの新築時のパンフレットの内容を全部把握でき、その所有者と商談した履歴、いくらで売れたか、ほかの会社がいくらの金額で買うのか、買主がいくらで購入したのか、どのような経緯で購入したのかも全部わかります。
これがあるがゆえに、実は非常に仕入れしやすく、売上高がずっと維持できます。つまり、座学で勉強する前に、実際に自分で仕事を始めて「RCP」を使うことによって、自動的に営業力が高まっていくという仕組みになっています。これも当社が伸びている理由です。
事業内容/特徴④ ダイレクト不動産
当社が一番目指しているのはダイレクト不動産です。中古不動産業界のトップを狙いたいと言っていますが、その根本はこのダイレクト不動産です。
どのようなことかというと、不動産の所有者から当社がダイレクトに物件を仕入れるのが73パーセントです。当社が、ダイレクトで個人のお客さまに物件を売るのが57パーセントになります。
この個人の方にダイレクトに売る57パーセントを65パーセントまで増やしたいと思っていますが、この73パーセントのダイレクトの仕入れを維持しながら、直接お客さまから物件を買い取って、直接お客さまに物件を販売したいと考えています。
それによりさまざまな経費を安くし、なおかつ築年数の古い物件だったとしても安心して物件を買えるような体制をとりながらこれを実現していきたいというのが、当社の目標であり強みになります。
成⻑戦略① 拠点の拡大
成長戦略として、2023年1月に横浜支店、2023年12月に福岡支店を増床しました。福岡支店にはさまざまな仕事がありよく訪れていたのですが、また数年のうちに増床を検討しています。
大阪支店は2022年に増床しましたが、また増床が必要だと考えて見ています。
成⻑戦略② 渋谷支店の新規開設
「なぜ渋谷に事務所を出すのですか?」というご質問をよくいただきます。池袋は埼玉との利便性が高く、渋谷は埼玉よりも南の横浜方面への利便性が高く、渋谷で働きたいと思う人の性格などが池袋と少し違うかと思います。
もし渋谷で採用できるのであれば、池袋のほうで働いてもらったり、横浜で働いてもらったりできると考え、渋谷に店を出しました。また、当社は全国の物件を扱っていて、渋谷周辺の物件もありますので、渋谷に店があるといいという判断で支店を出しています。
成⻑戦略③ 取扱種別の拡大
取扱種別の拡大についてです。今までの築古・築浅のワンルームと築古のファミリー区分マンションから、築浅のファミリー区分マンション、アパート、戸建てに広げており、実際に広がりつつあります。
当社のような方針の会社は実はなく、無人の分野を行くようなイメージで仕事をしています。もちろん、しっかりと足元の数字を見ながら取り扱っています。
成⻑戦略④ 個人投資家向け販売を強化
個人投資家向けの販売強化にも一生懸命取り組んでいて、クラウドファンディング事業は今「#6」ぐらいまで来ています。
こちらは、今はファミリータイプの賃貸事業で、2,000万円から3,000万円程度の物件を1個ずつクラウドファンディングに送っていますが、軌道に乗ってきたら3戸、5戸、10戸とまとめてクラウドファンディングを募集していきたいと思っています。
商品はありますのでそれをお客さまに提案し、しっかりお客さまにも稼いでいただきながら、そして当社もしっかり稼ぎながら、このクラウドファンディング事業を拡大していきたいと思っています。
まだまだ検討中ですが、ゆくゆくはデジタル証券やセキュリティ・トークンを使ったクラウドファンディングも考えていきたいと思っています。当社としては、現場で実物の不動産を売り買いするだけではなく、クラウドファンディングもしっかり行っていきたいと思っています。
成⻑戦略⑤ 中⻑期成⻑イメージ
中長期成長イメージです。今は戸建てやアパートにも拡大していますが、そろそろ1棟マンション・オフィスビルの取り扱いを増やしたいと思っています。福岡市や広島市、当然東京都も入りますが、このあたりも増やしながら実際に扱っていきたいと思っています。
不動産流通市場とDX② 首都圏の中古マンション成約坪単価と成約件数の推移
首都圏の中古マンション成約坪単価と成約件数の推移です。実は猛烈な勢いで価格が上がってきており、この中に当社は乗っかっています。
私はバブルも経験していますので、もちろんバブルのことを考えながらですが、今は強気でいかなければいけない時かと思っています。しっかりこのことを見据えながら、なおかつ売れ残り物件を作らないように動いていきます。
当社ぐらい情報があると、場合によっては先行き予想もある程度できますので、情報をしっかりと集めて先行きを考えながら取り扱っていきます。
サービス/保証③ お客様満足度向上への取り組み
契約不適合の責任期間は通常2年間ですが、当社は3年間責任を負うこととしています。また、設備保証としては、物件を買った後に故障したとしても3年間は保証します。保証額は半額程度で、例えば80万円かかるユニットバスは当社が40万円を保証します。
さらに、賃貸中の物件を買ってもらうことが多いため、こちらには3年間で最大6ヶ月間の滞納保証を付けています。
質疑応答:経常利益が大幅増となった理由について
「経常利益が前期末比で大幅に増加していますが、どのような理由でしょうか?」というご質問です。
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