2024年3月期決算説明

大宮克己氏:みなさま、こんにちは。ネツレン・高周波熱錬株式会社の大宮でございます。平素は、当社の事業運営に際しまして、ご理解、ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

また、お忙しい中、当社決算説明会にご参会いただき、誠にありがとうございます。今回の決算説明会では、先日発表させていただきました第16次中期経営計画の説明もさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

それでは、2023年度決算説明会を開催いたします。

目次

本日の内容は、ご覧のとおりでございます。2023年度決算の概要をご説明したのち、第16次中期経営計画についてご説明申し上げます。

アペンディックスに関しては、お時間のある時にご覧になっていただければと存じます。

1.2023年度 連結決算の概要

それでは、まずは決算の概要でございます。

2023年度は、行動制限も緩和され経済活動の正常化が進む一方、地政学リスクの顕在化や原材料・エネルギー価格の高止まり、円安を背景とした物価上昇など、先行き不透明な状況が続きました。

自動車業界の受注が回復基調の中、コスト上昇分の価格転嫁を強力に推進いたしました。しかし、土木、建築、建設機械、工作機械の販売量の減少が大きく影響し、連結売上高は前期比微減の572億円となりました。

連結営業利益は、建築関連で価格転嫁済製品の売上が後ろ倒しになり、原材料費や電力費などのコスト増加分が吸収できなかったこと、土木、建築、建設機械関連製品などの販売量が大幅に減少したことによる固定費負担の増加などにより、前期比31.9パーセント減益の16億円となっております。

当期純利益は、前期に減損損失の計上があったため、前期比で大幅に増加し、15億円となりました。なお、ROEは2.6パーセント、ROAは3.1パーセントでございます。

2.連結損益計算書

連結損益計算書でございます。企業価値向上に向けた取り組みを進めるため、関連する間接人員の増強、コンサル活用を推進しており、販売費及び一般管理費が増加しております。詳細につきましては、後ほどご覧になっていただければと存じます。

3.連結営業利益の増減要因

連結営業利益の増減要因でございます。売上高要因として、約1.2億円の減益、変動費要因としましては、鋼材価格や電力費などの価格転嫁を進めているものの、建築関連製品において、販売価格改定前の売上が計上されたことなどにより、約1.6億円の減益となりました。

固定費要因として、土木・建築関連製品や建設機械、工作機械関連製品の販売量減少による固定費負担の増加などに伴い、約4.8億円の減益となりました。

4.セグメント情報(連結売上高)

セグメント別の連結売上高でございます。製品事業部関連におきましては、コスト上昇分の販価改定を進めておりますが、土木・建築業界の工事案件の後ろ倒しや進捗遅れにより販売量が低下しました。

建設機械業界では、主力の小型、中型建機の市況低迷により販売量が低下、自動車業界は、下期後半からのお客さまの生産停止などの影響はありましたが、世界的に回復基調で推移し増収となり、連結売上高は、前期比微減の368億円となりました。

IH事業部関連では、コスト上昇分の転嫁は順調に進んでおり、自動車業界の受注も回復、設備関連も堅調に推移しました。

しかし、建設機械業界のマイニング用大型部品が下期後半から減産に転じたこと、また工作機械業界の在庫調整が長引き、大幅に減産したことなどにより、連結売上高は、前期比 1.3パーセント減収の202億円となりました。

5.セグメント情報(連結営業利益)

セグメント別の連結営業利益でございます。製品事業部関連では、土木・建築、建設機械関連製品の販売量減少による固定費負担が増加したこと、また、販売価格を改定した製品の売上が後ろ倒しとなったことなどから、連結営業利益は、大幅減益の1.2億円となりました。

IH事業部関連では、工作機械関連の受注が大幅に減少、建設機械関連の受注も減少基調となったものの、販価改定が進んでいる自動車関連製品の受注、設備関連の売上高が堅調に推移しました。さらに、ここ数年間で徹底して行われた原価低減活動の成果が現れたことなどにより、連結営業利益は増益の14.5億円となりました。

6.資産残高の推移(連結)

連結資産残高の推移でございます。総資産は、自己株式取得や配当金支払いにより現預金が減少したものの、売上債権が増加したことにより、前期比8億円増加の806億円となりました。

また、投資有価証券に含まれる「政策保有株式」の時価は、株価上昇のため増加しておりますが、銘柄数では、2019年度比で63パーセント縮減しております。

7.負債・純資産残高の推移(連結)

連結負債・純資産残高の推移でございます。負債合計は、仕入債務の増加により、前期比6.0パーセント増加の141億円となりました。

純資産は、積極的な自己株式取得を実施したものの、円安や株高を起因とした為替換算調整勘定や有価証券評価差額金が増加したことなどにより、前期比横ばいの664億円となりました。

8.連結売上高の推移

連結売上高の推移でございます。2024年度は、建設機械、工作機械関連市況の低迷が継続すると予想しておりますが、自動車業界からの受注、設備関連の売上は堅調に推移し、苦戦しておりました土木・建築業界における販売量も徐々に回復すると見込んでおり、売上高は、過去最高の620億円を予想しております。

9.連結営業利益・営業利益率の推移

連結営業利益・営業利益率の推移でございます。2024年度は、建設機械、工作機械業界の減産影響は残るものの、自動車業界からの増産対応による増収効果、堅調な設備販売、遅れておりました建築業界における販価改定後の販売量の増加や、土木製品を含む新用途への拡販による増収効果を見込んでおり、営業利益は20億円と予想しております。

10.セグメント情報(連結売上高)

連結売上高のセグメント情報でございます。製品事業部関連におきましては、海外を中心に高強度ばね鋼線ITWや、土木・建築業界向け製品の販売量が増加し、建設機械部品の落ち込みをカバーする計画でございます。2024年度の連結売上高は前期比10パーセント増収の407億円を見込んでおります。

IH事業部関連におきましては、回復してきた自動車関連の受注が継続、設備関連の売上も増加する計画であり、さらに下期後半からの工作機械関連の回復を予想しております。2024年度の連結売上高は、前期比4.5パーセント増収の211億円を見込んでおります。

11.セグメント情報(営業利益・営業利益率)

連結営業利益・営業利益率のセグメント情報でございます。製品事業部関連におきましては、海外を中心に高強度ばね鋼線ITWの増収効果や、建築業界における販価改定後の売上が増加するものの、建設機械部品の減産影響が大きく利益率を押し下げております。

さらに、成長に向けた取組み強化としまして、研究開発費などによる費用が増加する計画でございます。2024年度の連結営業利益は、前期比大幅増益の9億円を見込んでおります。

IH事業部関連におきましては、自動車関連の受注、装置関連の売上は堅調に推移するものの、商品構成の変化や、建設機械、工作機械関連の減産影響が利益を圧迫しております。

さらに、製品事業部関連と同様に、成長に向け、研究開発費などの費用が増加する計画でございます。2024年度の連結営業利益は、前期比28パーセント減益の10億円を見込んでおります。

12.地域別売上高の推移

地域別売上高の推移でございます。2023年度は、販価改定や円安効果、さらに新規のお客さまの取り込みを積極的に進めており、自動車以外の市況が回復していない日本を除く各地域で、前期比で微増となりました。

2024年度は、国内においては建築関連市況の回復、海外においては、新規のお客さまに対する量産も開始されることなどから、全地域とも前期比増収を見込んでおります。

13.設備投資/研究開発費/減価償却費の推移

設備投資、研究開発費、減価償却費の推移でございます。設備投資に関しましては、2023年度は、部品不足による設備の導入遅れが発生し、約9億円を次年度に繰越しました。

2024年度は、事業ポートフォリオの成長戦略に基づき、設備自動化、ICT化、拠点拡充、工場再編、生産能力増強、工場耐震補強、太陽光発電導入など、積極的な設備投資を計画しています。

研究開発投資におきましても、次世代技術や複合技術の開発など、5年、10年先の持続的成長を見据えた投資を継続してきました。

2024年度からは、さらに加速させるため、従来の倍の予算を計上し、成長ドライバーの創生を推進してまいります。

14.業界別売上高の推移

業界別売上高の推移でございます。2023年度は、自動車向けは回復しましたが、工作機械・建設機械・建築向けが大きく減少しました。

2024年度は、建設機械関連の売上高は前年に引き続き減少するものの、工作機械関連は下期後半からの回復を予想しており、遅れていました建築関連製品も、設計見直しによる着工遅れや工事遅れが解消され、その他の業界含め、売上高は増加する見込みでございます。

15.新商品・新規事業への取り組み

新商品・新規事業への取り組みの状況でございます。2023年度の新商品売上高は86億円、売上高比率は15パーセントとなりました。

太径ITWの北米市場への導入と増産、建築土木関連の新商品販売の増加、海外拠点の熱処理受託事業の拡大などにより、2024年度の新商品売上高は124億円、売上高比率は20パーセントを計画しております。

新商品・新規事業の拡大は、「NETUREN VISION 2030」を達成させる上で必要不可欠なものであります。逆T字モデルの概念である部門間連携を強化し、成長ドライバーとなる付加価値の高い新商品・新規事業の創生と市場投入を進めてまいります。

16.高強度ばね鋼線(ITW) 売上高の推移

ここからは、製品別の売上高の推移になります。本日は時間が限られておりますので、詳細な説明は割愛させていただきます。

ご覧のように、高強度ばね鋼線ITWは、各拠点とも順調に売上高を伸ばしております。

17.PC鋼棒・異形PC鋼棒 売上高の推移

PC鋼棒、異形PC鋼棒は、先ほどご説明しましたとおり、2023年度は落ち込みましたが、鉄道関連物件を積極的に取り込むことなどで、2024年度は回復する見込みでございます。

18.高強度せん断補強筋 売上高の推移

高強度せん断補強筋は、工事案件の後ろ倒しなどで2023年度は微減となりましたが、徐々に回復してきており、さらに、土木用や杭用など用途拡大を進め、売上高の上積みを図ってまいります。

19.旋回輪(建設機械部品) 売上高の推移

小型中型向け旋回輪は、先ほどからご説明しておりますとおり、日本、中国ともに大幅な減産となりました。2024年度も回復の見通しは立っておらず、さらに減産となる見込みでございます。浮き沈みの激しい業界でございますので、需要回復時、垂直立ち上げができるよう準備を進めてまいります。

20.誘導加熱装置・サービス 売上高の推移

誘導加熱装置・サービスの推移ですが、2023年度は部品不足影響で設備販売低迷の中、サービスに注力いたしました。2024年度は後ろ倒しとなった設備販売を含め、受注残が積み上がっており、大幅増収を見込んでおります。

21.熱処理受託加工 売上高の推移

熱処理受託加工に関しましては、売上金額の大きい大型建設機械関連の減産が継続するため、2024年度の売上高は前期比ほぼ横ばいとなる見込みでございます。

また、海外におきましては、中国の日系自動車顧客からの受注量が減少しております。現在、日系顧客、自動車関連にこだわらず、広く、その他の業界や現地顧客へのアプローチを進めているところでございます。

22.成長戦略 新商品開発

成長戦略の一部をご紹介いたします。純銅が造形可能な3Dプリンターによる誘導加熱コイルの製作を開始いたしました。

一般的な3Dプリンターは銅合金での造形になりますが、電気的性能では純銅の方が優れており、弊社ではこちら(純銅)を強化しております。

現在、社内向けを中心に製造を開始しており、さらに、研究開発本部を中心に、CAE技術と融合させ、誘導の加熱コイル形状の最適化、長寿命化に向け、従来加工ではできなかったコイル造形の実現化に挑んでおります。

23.成長戦略 グローバル事業の拡大

グローバル事業の状況でございます。高強度ばね鋼線ITWを中心に事業展開を進めております。先般、ドイツのデュッセルドルフで開催されました「wire & Tube 2024」では、日本・中国・北米・欧州の営業スタッフが参加、グループ一体でITWを中心に線材製品や技術のPRを行いました。

欧州顧客だけでなく、インド、ブラジル、トルコなど多岐にわたる海外企業さまにご興味を持っていただき、次のステップに進むための道筋が見えたと考えております。

さらに、以前よりご紹介しておりますが、IH熱処理受託加工や設備関連に関しても、徐々に需要が伸びてきております。北米、インドネシアでの生産能力増強も順調に進んでおります。

メキシコにおいては、日系顧客から高い評価を頂いており、この評価を武器に、現地顧客への拡販を進めているところでございます。まだまだ、工場に余力がございますので、熱処理受託加工以外の展開の検討も進めております。

設備関連では、日・中・韓連携による誘導加熱設備の開発を進めており、ICT技術を導入した次世代熱処理設備の市場投入を目指しております。

また、北米では、設備サービスを中心とした拠点がございますが、旺盛な需要にお応えすべく、小規模ではありますが、新工場を入手し、サービス活動を拡大させてまいります。

24.成長戦略 プレグラウトPC鋼棒の拡販・用途拡大

以前、新商品としてご紹介させていただきました「ポリエチレンシース型プレグラウトPC鋼棒」がインフラ整備需要を追い風に、受注が拡大しております。

売上高としてはまだまだ小規模ですが、新東名高速道路の河内川橋橋梁のアーチリブ補強材への採用を皮切りに、橋梁を中心にその他の用途拡大が見込まれております。

現在、風力発電タワーや貯水タンクなどの重要構造物への採用に向け、NEXCOさまをはじめ、JR、国交省、地方自治体、再エネ分野などへの販売活動を強化しております。

経営理念

先日発表いたしました、第16次中期経営計画について、ポイントを絞ってご説明申し上げます。

まずは、当社の経営理念でございます。

目次

次に、目次です。

1.NETUREN VISION 2030

こちらは「NETUREN VISION 2030」のコンセプトでございます。このビジョンを達成させるための施策が中期経営計画となります。

1.NETUREN VISION 2030|4本柱のあるべき姿

こちらは「NETUREN VISION 2030」の4本柱でございます。この4本柱「技術開発」「事業」「グローバル」「人財」のあるべき姿に向け中期経営計画の戦略を立案しております。

1.NETUREN VISION 2030|第16次中期経営計画の位置づけ

こちらは、経営理念、「NETUREN VISION 2030」、中期経営計画、年度方針などの位置づけを模式化したものでございます。

2.第15次中期経営計画|総括

まず、第15次中期経営計画の総括でございます。いろいろな外部要因の影響が収益を大きく圧迫しました。特に鉄鋼材料、電力費の急激な高騰に対して、瞬時に価格転嫁できる瞬発力が弱く、なんとか販売量を確保し、赤字にならない事業運営を余儀なくされました。建築関連を中心に、従来の商習慣の見直しが必要だと痛感した3年間でした。

2023年度の売上高は当初の中期経営計画目標をクリアできましたが、利益に関しては先ほどから述べさせていただいているとおり、計画未達でございます。従いまして、ROE・ROAも目標未達となりました。

2.第15次中期経営計画|4つの戦略振り返り

第15次中期経営計画の4つの戦略の振り返りです。第1の戦略である、収益基盤の確立では、コア事業の競争力強化として、北米、インドネシアの増強からスタートし、設備の自動化、ICT化を含め、順調に基盤は強化されてきました。

しかし、急激なコスト高騰のスピードに追い付くまでの実力には至らず、さらに、新商品・新規事業の拡大は道半ばの状態でございます。これらは次期中期経営計画に引き継ぎます。

第2の戦略である、情報展開力の強化に関しましては、経営層、管理層へDXの本質を理解させることに予想以上に時間を費やし、進捗に遅れが出ています。特に、経理、営業といった文系人財の多い部隊の理解度が低く、3年目にしてやっと、DXの必要性が腹に落ち、これから挽回に動こうとしております。

第3、第4の戦略に関しては、着実に成果が出始めており、さらに活動に磨きをかける段階に入ってきております。

3.第16次中期経営計画|基本方針

これらの反省を踏まえ、第16次中期経営計画を策定いたしました。基本的な考え方として、ビジョン達成に向けた第2フェーズとし、経営資本を積極的・効率的・有効的に活用し、人財育成を進め、新たな成長ドライバーを創生します。現在の成長エンジンをより強く育て、事業を拡大させます。

ネツレンブランドを拡大させ、サステナビリティ経営のもと、環境に配慮した技術・製品を広め、企業価値を高め、社会のニーズに応えていきます。

スローガンは「Aggressive Challenge One NETUREN 2026」です。趣旨は「成長・進化・躍進へ グループの総智を繋げ 積極果敢に挑戦しよう」としております。

3.第16次中期経営計画|4つの戦略

そして、4つの戦略はご覧のとおりでございます。企業価値向上に向け、技術開発として「成長ドライバーの創生」、事業として「成長エンジンの育成」、グローバルとして「マーケットの拡大」、人財として「自発的貢献意欲の育成」、これらを4つの戦略とし、どの戦略にも「繋げる」というキーワードを盛り込みました。

さらに資本コスト経営を掲げ、事業ポートフォリオの展開やROIC導入など、経営資本を意思を持った戦略で、いかに有効に活用していくかの評価指標の整備も行っております。

これらは、今までのネツレンにない動きであり、15次中期経営計画で培ったチェンジが根付き始めていると評価しております。

3.第16次中期経営計画|外部環境リスク認識

また、本中期経営計画立案時、これらの外部リスクに関しても議論し、経営幹部全員でリスク管理の重要性を腹落ちさせております。ちなみに、これらの項目は代表的なリスクであります。

3.第16次中期経営計画|数値目標

こちらが第16次中期経営計画の数値目標でございます。過去最高の売上高を目指すとともに、営業利益率もかなり挑戦的な数値設定としました。厳しい数値目標ではありますが、ビジョン達成に向け、積極果敢に攻める企業グループを作り上げてまいります。

さらに、ROICを拠点ごとに本格導入し、資本効率を向上させ、ROE8パーセント、PBR1.0倍以上を目指し、スピード感をもって事業運営を進めてまいります。

3.第16次中期経営計画|資本コスト経営|事業ポートフォリオ

こちらは初めて開示させていただきます事業ポートフォリオでございます。業界ごとの成長性、収益性を加味し、伸びる事業・業界を明確にし、効率よく、有効的に経営資源を割り振り、成長投資を進めてまいります。

これらを伸ばすことで成長エンジンを拡大させ、持続的な事業成長を図ります。さらに、本中期経営計画中に成長ドライバーとして新商品、新規事業、新技術を創生し、17次中期経営計画で刈り取り、従来の事業にプラスさせ、ビジョンを達成させるというシナリオでございます。

ちなみに、この絵の中の建設機械、工作機械のスタート位置がかなり下にありますが、2023年度実績をスタートとしているためであり、一過性であると認識していただければと存じます。

3.第16次中期経営計画|資本コスト経営|ROICの本格導入・展開

当社グループは、資本コスト経営の推進の一環として、ROICを本格導入いたします。今さらかと思われるかもしれませんが、導入準備は15次中期経営計画中から進めており、当社グループに合ったROICの考え方を整理し、本中期経営計画期間中に全面展開します。

逆ツリーの考え方を含め、ネツレングループ全体に、この考え方を浸透、収益改善にも有効であることを認識させ、資本コスト経営の定着を図ってまいります。

3.第16次中期経営計画|資本コスト経営|キャピタルアロケーション

こちらは第16次中期経営計画中のキャピタルアロケーションでございます。キャッシュインとして、386億円を想定しており、このキャッシュの活用方法を整理しております。

定常投資として120億円、戦略投資として160億円、合計で280億円と過去最高の投資計画を策定しております。これらの投資には、M&A投資も含んでおり、今年4月より、これらに注力する専門部隊も立ち上げました。

自前主義に拘らず、スピード感をもって、必要な技術、シナジー効果の高い事業などをしっかりと精査し、当社グループに取り込んでまいります。

また、株主還元として自己株式取得で60億円程度、配当として46億円以上を計画しております。

3.第16次中期経営計画|資本コスト経営|バランスシート目標

目指すべきバランスシートでございます。自己資本比率でございますが、ビジョン達成時の目標である自己資本比率60パーセントから65パーセントに関しては前倒しし、第16次中期経営計画中での達成を目指します。

財務の健全性及び資本効率のバランスに配慮し、純資産、自己資本をコントロールしながら、このバランスシートを実現させてまいります。

3.第16次中期経営計画|ROE目標

ROE目標ですが、なかなか最低ラインである5.0パーセント以上の目標に到達できておりません。第16次中期経営計画では、このハードルを高くし、経営層、各工場、各拠点にプレッシャーをかける意味も含めて、ROE6.5パーセント以上を目標としました。

この数値を達成させるためには、従来の考え方、やり方では到達できないと考えております。高い目標数値を掲げることで、スクラップ&ビルドに怖気づかない積極果敢な人財の登用、育成、さらに、組織の進化を促し、グループの躍進に繋げてまいります。

3.第16次中期経営計画|技術開発|成長ドライバーの創生

4つの戦略についてご説明いたします。これら4つの戦略は3ヶ年のロードマップとして整理されており、年度ごとにチェックする体制を整えております。

まずは、「技術開発」でございます。目指す姿は「成長ドライバーの創生」としております。従来からある基本概念の「逆T字モデル」を活用し、開発中の新商品、新技術の早期市場投入をはじめ、ご覧の重点施策を掲げております。

開発案件のため、具体的な項目を記載することはできませんが、この16次中期経営計画中に展開しなければ、17次中期経営計画での刈り取りができなくなり、ビジョン達成が難しくなります。

この危機感を開発関連部隊に腹落ちさせ、研究開発、技術開発、事業開発を進めてまいります。そのため、今年4月より、研究・技術開発、事業開発の統括責任を専務執行役員に集約いたしました。一元化を進め、スピード感を持って成長ドライバーを創生させてまいります。

3.第16次中期経営計画|事業|成長エンジンの育成

「事業」でございます。目指す姿は「成長エンジンの育成」としております。まず、共通項目として当社技術による環境負荷低減、柔軟で進化したモノづくり体制の構築を掲げました。

さらに、業界別のエッセンスをまとめており、自動車関連では電動車への対応、建設機械・工作機械関連は需要変動への対応として、具体的な実施項目へ落とし込んでおります。

3.第16次中期経営計画|事業|成長エンジンの育成

また、土木・建築関連では、製品の差別化と市場優位性の確保、装置関連では他社との差別化、マーケットシェア拡大への対応とし、実施項目として落とし込んでおります。

3.第16次中期経営計画|グローバル|グローバルマーケットの拡大

「グローバル」でございます。目指す姿は「グローバルマーケットの拡大」としております。共通項目としてマーケティングによる新拠点開設検討、グローバルサプライチェーンの拡充と最適化、生産体制拡充による適地適産の推進を掲げました。

地域別に需要やニーズは異なりますので、現在進出している地域ごとにまとめております。まず、中国に関しては、高強度ばね鋼線ITW事業の拡大と、受託・装置関連では熱処理技術開発の現地化を進めてまいります。

3.第16次中期経営計画|グローバル|グローバルマーケットの拡大

アジアにおいては、熱処理受託事業、設備事業の拡大、欧州においては、高強度ばね鋼線ITWの市場拡大と太径化、さらに熱処理受託事業の可能性の検証を進めてまいります。

北中米においては、高強度ばね鋼線ITWの太径化による市場拡大と新用途展開、メキシコにおける事業拡大、さらに、日本・韓国・中国・アメリカの4拠点連携による加熱コイル事業再編を掲げています。いずれも実施項目に落とし込み、ロードマップに沿って実行してまいります。

3.第16次中期経営計画|人財|自発的貢献意欲のある人財育成

「人財」でございます。目指す姿は「自発的貢献意欲のある人財育成」としております。育成面としてグローバル人財育成強化、リスキリング制度の拡充、VR・AI学習の導入などでございます。

制度面では、多様化する個人ニーズを吸い上げた柔軟な人事制度の導入、職場環境整備などを進めてまいります。

3.第16次中期経営計画|サステナビリティ経営

最後に、サステナビリティ経営の推進として、「地球環境との共生」「持続可能な社会づくりに貢献」「社会的な使命の認識」を掲げ、推進してまいります。

3.第16次中期経営計画|サステナビリティ経営

続いて「信頼されるパートナーを目指す」「ステークホルダーとの連携」「活力ある企業グループを目指す」とし、それぞれの実施項目を着実に実行してまいります。

4.ポスター

以上、2023年度の決算概要と第16次中期経営計画についてご説明いたしました。

2023年度決算は、前期比、予算比ともに減収減益、ROE5パーセントには程遠い結果となりました。外部要因の影響もございますが、その要因に対してタイムリーに対応できず、後手後手に回ったことが、今年度の、この結果であると反省しております。

市場動向に左右されない事業基盤の整備を進めているものの、まだまだ追いついていないと痛感しております。

2024年度は、各業界とも遅い早いはありますが、市況は回復傾向にあると予想しております。そのスピードに遅れることなく、事業運営を進めてまいります。

また、今回は第16次中期経営計画についてご説明いたしました。第15次中期経営計画で掲げた「チェンジ」から「チャレンジ」にアップグレードさせ、目標もより挑戦的な数値を設定しております。

この第16次中期経営計画中に、グループ全体が繋がり、ビジョン達成に向け数多くの種をまき、次期中期経営計画中に刈り取るというシナリオの元、過去最大規模の投資計画も立案しました。

状況によっては、減損損失のリスクが発生しますが、今までの反省を活かし、これらの計画に対し、年度ごとにチェック、アクションができる体制の強化を進めてまいります。

また、今年度よりROICを導入します。意志ある資本政策・財務戦略を立案、実行しスピードを意識した資本コスト経営を展開してまいります。

今後とも、ネツレングループに対しまして、ご支援、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

本日は、誠にありがとうございました。