会社概要

榮章博氏(以下、榮):ランドネット代表取締役社長の榮です。2024年7月期第2四半期決算についてご説明します。よろしくお願いします。

まず、当社についてご紹介します。スライドにあるとおり、1999年に不動産データを中心に活動する不動産流通・不動産DXの会社として設立しました。簡単にいうと「不動産流通事業単体で大きく成長していく会社」です。

不動産業界では、新築マンションを販売した会社が中古になった不動産を売買していくという流れが最も一般的です。一方で当社は新築の部隊を持たず、最初から「中古の不動産を扱う会社として、どこまでチャレンジできるか」という視点で会社を立ち上げました。

新築を作らないため、実は当社の商品はテキストデータです。登記簿謄本に載っている不動産の内容は、実物と重なっているものです。当社にとっての物件の仕入とはテキストデータの仕入のようなものであり、その視点で一貫した会社を作るとおもしろいだろうと考えました。

先ほどブックオフさまのセミナーを少し聞いていたのですが、当社もいわゆる中古商品をどう扱うかという視点で立ち上げた会社です。当社は1999年9月という、もっとも苦しい時に立ち上げました。そこが一番底だったため、ここからは伸びる一方だろうと考えていました。

独立系で新築の部隊を持たない弱小不動産会社だったこともあり、最初はいわゆるワンルームマンションを中心に仕事を始めました。ワンルームの価格は約500万円から1,000万円クラスで、かなり仲介手数料が安くなります。また賃貸中の物件になることから、大手があまり扱わないという流れもあり、そこに特化しようと考えました。

ワンルームマンションでシェアを取ったあとは、次に築年数の古いファミリータイプの中古物件に手を広げ、上場以降は築年数の新しい大きな物件などにも広げていきました。当社の信用度合いや資金力を全部含めた上で、できるところを少しずつ拡大してきたかたちです。

当社の事業構成は、不動産売買事業が98.6パーセント、不動産賃貸管理事業が1.4パーセントです。現在、不動産賃貸管理事業の割合は少ないものの、実はここにいろいろな将来があると思っています。

不動産には収益用と実需用があります。収益用の不動産であれば、物件を買っていただいて、家賃が入ってきてはじめて成り立ちます。ここが確実にできることが重要だと思っています。そのため、現在の売上規模は低いものの、不動産賃貸管理事業は大事に育てている最中です。さらに、今まさに業務管理システムもすべて入れ替えようと開発している最中です。

2024年7月期第2四半期業績① 連結損益計算書 概要(P/L)

:今期の業績についてご説明します。2024年7月期の売上高は、第1四半期が173億2,600万円、第2四半期が190億4,400万円となっています。注目していただきたいのは、2023年7月期第2四半期の168億7,700万円が、第3四半期で155億6,800万円に減っているところです。

これが前期の敗因となっています。当社としてはさらに伸ばしたかったものの、銀行とのお付き合いの中で生じた制限により、在庫を抱えられなくなりました。そのため前期は第2四半期の経常利益が良くなったものの、第3四半期・第4四半期にかけての売上があまり好調ではありませんでした。

今期については、現在第3四半期の数字に向けて一生懸命取り組んでいる最中です。足元では前期のような制限がなく、順調に第3四半期・第4四半期は伸びてくると考えています。

上半期と下半期で比べた場合、当社は下半期のほうが好調です。この理由は非常に単純で、8月1日から始まる新しい上半期には、夏休みとお盆によって1週間くらい不動産業界全体が休みに入り、稼働日数が少なくなるからです。また、12月の年末、1月の年始も含まれます。

こうした要因により、下半期は上半期よりも好調な状況になります。前期はなかなかそうはいかなかった場面がありましたが、今期は順調に進捗すると考えています。

商品の仕入れ自体はかなり進んでいます。この売上についても順調に第3四半期・第4四半期と積み上げていけると思っています。

増井麻里子氏(以下、増井):この下半期に上方修正や増配の予定はありますか?

:足元では上方修正できる可能性もありますが、第3四半期はまだ終わっていないため確たる数字がありません。終わった段階で修正できるように努力したいと思っています。

事務所については、本社も大阪支店も拡大してすでにいっぱいになりつつあります。昨年の12月7日から3ヶ月ほど私がいた福岡支店も今は倍の広さになり、今はまだ半分しか埋まっていない状況です。拡大したところに積極的に営業社員を入れて、より拡大していく状況になるため、第3四半期・第4四半期と時がたつほど売上が上がってくると思っています。

損益計算書の中で特徴的なのが販管費です。今期第1四半期に21億1,600万円だったものが、20億7,200万円に減少しています。この理由は、物件を購入した時に計上する消費税と、販売する時に預かる消費税は差し引きになり、商品が増えて計上する消費税は売れていくと預かった分だけ減るためです。商品を増やしながらも、着実に売れて売上も伸びているため、販管費が減ったという流れになります。

経常利益率について、第1四半期と第2四半期で差があるのは、販売のほうが進んできていることが理由です。居住用の物件売買には季節性があり、8月・9月・10月が終わって、11月・12月・1月のあたりに売れやすくなります。投資用の不動産も決算に合わせて、12月末や3月末に売られる方がかなり多いです。

2024年7月期第2四半期業績② 売上高割合と平均販売単価

:第2四半期の売上高のうち、ファミリータイプが105億2,600万円、ワンルームが93億4,800万円です。先ほど、当社はワンルームから始めたという話をしましたが、最近はファミリータイプのほうが増えてきています。いわゆる買取リフォーム販売です。

現在は戸建てとアパートにもチャレンジしており、この取り扱いが増えていることでファミリータイプの売上高が増加したかたちです。

売上は人を増やすことで上がりますが、商品の構成によっても伸ばしていけます。今はより広い物件種別を取り扱うことにチャレンジしています。

2024年7月期第2四半期業績③ 販管費推移

:販管費の推移です。先ほどお伝えしたことがスライドに表れています。まず租税公課については、第1四半期の2億1,600万円から第2四半期は6,000万円と、非常に減っています。

もう1つは業務委託料・システム関連費です。前期の第3四半期は9,100万円、第4四半期は1億2,100万円でしたが、今期は第1四半期が8,700万円、第2四半期が9,400万円となっています。

システム開発では売買のほうが1回終わりましたが、もう一巡させたいと思っています。今は賃貸のほうを手がけていますが、やはり売買のほうが規模が大きいことから、非常にお金がかかった売買向けの開発が一段落したというかたちです。

システムに関しては積極的に投資していくものの、あまり投資しすぎるのもいろいろな面でよくないかもしれないと思っています。今、私自身が着手しているシステム部門の組織をどう作るかというところを進めながら、投資の規模を少し一定にしています。もう少し売上が伸びてくるとまた増やすとは思いますが、今はとりあえず人数を一定にして抑えるかたちを取っています。

増井:販管費を抑えることができていることに加えて売上を伸ばしていくということで、今後は営業利益率が上がっていきますか?

:経常利益率と営業利益率は上がっていくと読んでいますが、先行投資との絡みもあります。先ほどお話ししたとおり、戸建てやアパートは単価が大きいです。私は先日旅行で鹿児島へ行ったのですが、やはり戸建てが多く、マンションは少なかったです。

仙巌園や島津斉彬のいろいろな遺跡や軌跡を見ながらいろいろと思ったうちの1つが、欧米人の方が多いということです。それによって日本経済が好調なのだろうと思いました。

今後戸建てとアパートに広げることで、売上も経常利益もさらに上がってくると思っています。そのことを踏まえながら、さらにシステム投資をするかどうかを見極めたいと思っています。

2024年7月期第2四半期業績④ 連結貸借対照表 概要(B/S)

:こちらのスライドでお伝えしたいことは、第2四半期の販売用不動産の仕入が約132億円と、2023年7月期末時点と比較して大幅に増加したことです。前期末は114億9,600万円だったものが、今期第2四半期は132億5,800万円と伸びています。

前期は先ほどお伝えしたとおり、さまざまな制限もあり、第2四半期末に販売用不動産をかなり減らしました。今期は制限がないため、物件を仕入れては売るという流れが順調に続いています。約132億円の仕入があるということは、第3四半期・第4四半期に向けての商品がある程度そろってきているということです。

このように商品が増えると、やはり売れ残りが一番気になります。当社にはいろいろな仕組みがあるのですが、まず1つは、物件を仕入れた人間が責任を持って販売するという仕組みです。仕入と販売が同じ担当者、同じ部長になります。「物件だけ仕入れて、あとは知らない」ということにはなりません。

逆にいうと、期間損益のため「ある一定の期間で売れなければ、赤字を出しても売りなさい」という指示に変わります。そのため商品が増えても、売れ残るという怖さはありません。

もう1つは、物件の仕入れが非常に得意だということです。当社は約75パーセントを直接お客さまから仕入れています。このような会社はおそらく当社しかないと考えています。そのため、良い商品を仕入れられます。これは戸建てとアパートに広げても数多く仕入れられます。

このような環境があるため、区分のマンションに関しても、大手との競合でも勝てるだろうという自信は持っています。

2024年7月期第2四半期業績⑤ 売上高と経常利益 5期分推移

:売上高に関しては、通期予算の738億5,700万円を達成できるだろうと思っています。経常利益についても通期予算の15億6,500万円を達成できそうですが、第3四半期を見極めた上で良いご報告ができればと思いながら、今、一生懸命がんばっています。

2024年7月期第2四半期業績⑥ 経営指標

:経営指標として、よくROE(自己資本利益率)が出てきますが、当社はROEがかなり高くなっています。物件を仕入れて販売する回転が早いため、ある一定の資金を年間で何回転も回している感じになります。今は70日ないし73日で回しているため、資金があれば年間で6回転することになります。そのため自ずと自己資本利益率が上がってきます。

売上高と経常利益の順調な成長と同時に、このあたりをもう少しきちんと市場に伝えることで、今は0.82倍まで落ちているPBR(株価純資産倍率)を、せめて1倍には持っていくために努力したいと思っています。また今、作成している中期経営計画も、発表していきたいと思っています。

当社はかなり先行投資を行っており、先ほどお話ししたシステム開発だけでなく、戸建てとアパートへ拡大していくために名簿を作っています。名簿の作成には、所有者の情報ならば1件あたり150円かかります。それを10万件、20万件と購入します。また家屋番号の情報を集める部分にも何百万円という金額がかかります。

システムの部分を少し抑えたとしても、この部分の投資は減らしていません。この先行投資が十分に活きてくれば、着実に売上も経常利益も上がると考えています。

実際のところ、最初にお話ししたとおり、例えば、ある不動産会社が新築マンションを作って売ったものが中古になった場合、その不動産会社は建物管理も行っているため、当然中古マンションのお客さまの情報をすべて持っています。その上で中古物件にアプローチするため、簡単と言えば簡単です。

当社の場合はそこから入るのではなく、まったく新築ではないところから、テキストデータだけをもとにして不動産業に入っています。なおかつ区分のマンションについては、北は札幌から、南は石垣島まで情報をすべて持っています。さらにそれを戸建てとアパートにも広げようとしています。

まさに無人の野を行くような状態です。ここで独壇場になるべく、がんばりたいと思っています。そのようなことが十分に伝わっていけば、PBRも着実に伸びてくると考えています。

KPI/各種指標① 棚卸資産推移・在庫回転日数

:現在、販売用不動産が順調に増加しています。第1四半期は135億500万円、第2四半期は132億5,800万円となっています。

前期は第1四半期の88億8,500万円から第2四半期は77億8,300万円に減少しました。これは前期に苦戦したところです。今期は若干減っているものの、これは売れたことで減少したという流れによるものです。

在庫回転日数に関しては、73.79日と非常に短くなっています。このようにどんどん回転させていくことで、先ほどお話ししたROEが向上しています。

KPI/各種指標② 販売用不動産の推移と売上高

:販売用不動産の推移です。スライド右下に「左図は、販売用不動産と翌四半期会計期間売上の対前四半期比率の比較」とありますが、これは簡単に言うと、「販売用不動産が増えると、およそ3ヶ月後に売上が増えるという流れがある」ということです。違う動きをしているところもありますが、いずれにしても順調に販売用不動産が増えていけば売上高も増えていくかたちになります。

増井:御社の棚卸資産回転期間は、同業他社の中でもかなり短いと思います。まず、なぜそのようなことが可能なのかということと、今後もその水準を維持できるのかについてお聞かせください。

:まず物件を買うにあたっては、さまざまな情報を集めて価格設定をしており、その価格設定自体にミスがないと思っています。

また当社は、いわゆる競合と競りのようなかたちで物件を仕入れるのではなく、直接お客さまと打ち合わせをした上で物件を仕入れています。これは仲介会社を間に挟むと、売主さまは仲介手数料を払わなければならず、有利な仕入ができなくなるためです。当社ならば買う時も販売する時も仲介手数料がいらないため、高い回転率を維持できていると思っています。

KPI/各種指標④ 地域別取引件数の割合

:地域別取引件数の割合についてです。今は福岡がかなり元気です。熊本県に台湾積体電路製造(TSMC)の半導体の工場ができている関係で、福岡の南のほうから熊本に通われる方もいらっしゃいます。したがって、先ほど事務所の規模を倍にしたとお話ししましたが、当社でも九州の取扱件数と売上が伸びてきています。

KPI/各種指標⑥ 管理戸数推移

:管理戸数も順調に伸びています。売上にはあまり絡まないものの、当社は管理戸数を増やすことも目標にしています。ここは若干苦戦していますが、なんとかこの通期予算である8,515戸を達成できればと考えています。

賃貸管理については、現在システム開発を行っている最中であり、来年くらいまでかかると見込んでいます。これが一巡することにより、かなり利便性が上がると考えています。

先ほど、不動産を住まいとして持つ場合と収益用不動産として持つ場合があるというお話をしました。私は今64歳ですが、娘たちが結婚して家を出ていったため部屋が余っています。そこで「売るか、貸すか」という状態になると、実需で買ったものも投資用不動産に変わるわけです。人生100年時代だとすると、あと30年くらいはおそらく元気でしょうから、そうすると、「この家をどうするか」という問題になってきます。

このように、買う時には実需であっても最後は投資用に変わるということをふまえ、賃貸管理が十分にできる会社であり続けたいと思っています。なおかつ築古のワンルームマンションからファミリータイプ、シェアハウスや事務所、店舗、アパートなど、どのような商品でもきちんと賃貸管理ができ、貸すことができる会社でありたいと考えています。そのためにもここは努力して、十分商品を確保していきたいと思っています。

八木ひとみ氏(以下、八木):私は地方出身なのですが、今、地方の流れとして今おっしゃったこととまったく同じことが起きています。部屋が多いため自分の戸建てを売って、車などを運転しなくてもいい駅前のマンションに住み替えるという流れが出てきており、最後は投資用になるということを実感しています。

:私の妹も同じです。子どもが3人いて、孫も10人ほどいます。大きな戸建てに住んでいましたが、みんな育ったため「駅前に移る」と言って、マンションを探していました。「不動産のことを教えて」と言われ、いろいろと教えていました。

KPI/各種指標⑧ 従業員数推移

:従業員数の推移です。第2四半期時点でシステム部門が22パーセント、事務部門が22パーセント、事業部門が56パーセントとなっています。先ほどもお話ししましたが、システム部門については少し拡大ペースを落としています。実際に前期の23パーセントから22パーセントに減少しています。

事業部門については、通常、不動産営業は離職率がかなり高い職種ですが、当社はおよそ6パーセントから7パーセント程度です。

増井:低いですね。

:かなり低いです。よく「なぜ低いのか」と言われます。最近、他の不動産会社で営業をされていた方が当社に来るパターンが増えています。中でも非常にうれしかったのが「もっと早くこの会社に来ればよかった」と言われたことです。また、いったん当社を辞めて戻ってくる社員も増えています。

よくよく話を聞くと、他の不動産会社は、情報がないにもかかわらず「数字を上げろ」と言われるそうです。一方で当社には、情報がふんだんにあります。

これは、私が不動産営業出身で、「どうしたらおもしろい仕事ができるか」と考え、いろいろな不動産を扱おうと考えたからです。50万円のワンルームから5,000万円のファミリータイプ、1億円・2億円・5億円・10億円の不動産など、これらすべてを扱えるようになれば、時代が変化して売れる商品が変わったとしてもついていけるわけです。

例えばアパートも、「土地があって、そこに何階建てのアパートを建て直すか。賃貸管理も全部含めて手掛ける場合、どう賃貸を付けるか」など、仕事自体は非常におもしろいです。

そのような「おもしろい仕事ができる職場にしたい」という思いが、当社の業務システム開発につながっています。最初は私が作ったものですが、外部から来た営業からすると情報がふんだんにあり、なおかつバックオフィスが十分に整っているため、契約書の作成などもかなりスピーディに行えます。もちろん物件によりますが、急ぎであれば、朝に話がまとまれば、夜には契約できるといったペースです。

また、賃貸中の物件や築年数の古い物件など、少し癖がある商品であっても、それをこなせるだけのものがあります。例えば当社は築年数の古い物件を扱っているため、契約不適合責任といって買った商品が雨漏りや水漏れするといったことが、時々起こります。

もちろんそれを防ぐことも考えますが、最終的には「何か起こった時に直せればいい」というスタンスです。そのために会社の中で、「1件契約したら1万円、または2万円」といったかたちで少しずつ積み立てていって、そこから費用を出すようにしています。

それが当社の「あんしん保証」サービスです。当社では最長3年間、契約不適合責任に該当する事象が起きた場合には修理します。また通常は電気温水器や浴室設備などが故障した場合は保証に入らない場合が多いのですが、当社では3年間は半分を負担します。

それはすべて、「どうしたら営業が思いっきり後顧の憂いなくがんばることができ、後ろでそれをカバーできるか」を考えているからです。そのため、営業の方が当社に来ると、非常に働きやすいだろうと思います。

増井:御社は月次の実績を出されており、毎月およそ500件から600件の物件を売られています。これは1人あたり月に2件ほど売られているということですよね。

:そうです。ただ少し自慢しますと、私は営業の時に、毎月10件程度の履行中がありました。

増井:すごいですね。

:情報があると、いろいろなことができるのです。私はワンルームもファミリータイプも、毎月10件くらい契約していましたし、リフォーム中の案件もありました。今は、それがこなせるような仕組みをどのようにしたら作れるか、一生懸命考えているところです。

八木:「仕組み」というお話がありましたが、システム部門の人材獲得競争についてはいかがでしょうか?

:これは本当に大変です。しかし中途も含め、新卒もかなり入ってきています。特に新卒に関して言うと、元気な方がたくさん入って来ていると思います。

増えたのは特に上場した後からで、2023年7月期にシステム部門が23パーセントと一気に増えました。上場してから入ってきた新卒に関して言うと、AWS(Amazon Web Services)もGCP(Google Cloud Platform)も両方使える人も多くいます。また当社には、Go言語やPythonなど新しい言語を使いながらチャレンジできる環境があります。

私自身、「どうしたらおもしろい職場になるか」を考えながらシステムの開発を手掛けていました。その結果、おもしろい職場とは「新しい技術を使って、業務システムをどう作っていくか。そして現場とどう打ち合わせをしながら作れるか」という考えに行き着きました。そこを十分に考えているため、当社のシステム開発の仕事もおもしろいのではないかと思っています。

事業内容/特徴③ 即時の情報共有と体制による早期戦力化

:先ほどふんだんな情報があるというお話をしましたが、スライド左側に「不動産データベース」とあるとおり、当社では日本全国の不動産の情報を持っています。区分のマンションに関しては、北は札幌から、南は石垣島まですべて持っています。

またいわゆる「レインズ(REINS)」という不動産業界のネットワークにある売り出しの事例、売買の成約の事例や賃貸の売り出しの事例、賃貸の成約の事例などを蓄積し、すべて持っています。それに加えて、今は戸建てとアパートの情報も蓄積し始めています。

これにより、例えば大阪出身の社員が原宿に遊びに行って、「あのマンションを手掛けたい」と思ったとします。そのマンションの名前さえわかっていれば、会社に戻ってそのマンションに関しての情報をすべて調べることができます。各お部屋の所有者の方や、これまでどのような打ち合わせや交渉をしてきたかという過去の取引事例も、全部わかります。

その上でお客さまと相対して説明できるため、半年くらい経つと、新卒全体の平均で損益分岐点を超えてしまいます。このように、どんどん人を入れたとしても成長しやすい環境が整っています。

今までの中で一番うまくいったのは、入社3年で課長、4年で部長、5年で支店長になったパターンです。彼は大変優秀で、ワンルームマンションやファミリータイプのマンションはある意味で規格品ですが、一方でアパートはけっこう自由で大変です。そのようなものにも興味を持って仕事をする人だったため、そのような人にとっては、当社はかなり仕事をしやすい環境であると思います。

八木:能力を持ってらっしゃる方はたくさんいるかもしれませんが、ここまでデータベース等が整っていないと、なかなか実力を発揮できないということですね。

:おっしゃるとおりです。

事業内容/特徴④ ダイレクト不動産

:「ダイレクト不動産」も当社の特徴です。直接仕入であるダイレクトの比率が72パーセント、直接販売であるダイレクトの比率は55パーセントとなっています。

このスライドにはいろいろな秘密が載っており、物件を直接仕入れているため、高買いすることなく適切な価格で物件が買えることがまず1点です。

販売については、先ほどお話したとおり120日ルールというものがあり、仕入れてから120日を超えたら、50件から60件を超えないように、すべて業者に買ってもらうという指示に変わります。

したがって当社のダイレクト55パーセント以外は、45パーセントは業者に買ってもらっているということです。このように、いざという時には業者に買ってもらえるかたちで仕事を組み立てています。

現在、販売を強化しようとしています。チャネルとして個人をもう少し増やしたいと思い、チャレンジしている最中です。築古の区分マンションの投資家さまやアパートの投資家さまを十分に蓄積して能力を高めることにより、今後、⼀棟のビルやマンションも強化していく際には、お客さまが連綿と続いていくだろうと考えています。

成⻑戦略② 渋⾕⽀店の新規開設

:今年のメルクマールとして、渋谷支店を秋頃に開設する予定です。先ほどもお伝えしたとおり、規模の拡大の一環です。大阪の事務所についても、手狭になっていたため一度移転しましたが、再度移転しようという話も出てきています。もう少しで結論が出るかもしれませんが、本日時点ではまだ決定していません。

成⻑戦略⑥ 中⻑期成⻑イメージ

:中長期成長イメージです。現在は戸建てとアパートを拡大しているところです。アパートを売る時に販売を強化することによって、その次の⼀棟のビルやマンションの会員さまの蓄積になると思っています。

営業をどのように育てるかについて、一番簡単で確実な方法はOJTです。さらに確実な方法は、「あの先輩がうまくいったから、真似したい」と、どんどん広げていくのが一番教えやすいと思っています。

一度に⼀棟のビルやマンションを進めるのは大変なため、今戸建てとアパートに取り組んでいる中で、売り方や物件の仕入れ方、調査方法をじっくり身につけていきます。その上で、⼀棟のビルやマンションを手掛けていきます。

またいろいろな面で情報を集めていくと、⼀棟のビルやマンションの取り扱いも必ず増えてくるはずです。冒頭にもお伝えしましたが、当社はテキストデータが商品であり、市場です。このような感覚を持っている人は、おそらく私ぐらいしかいないと思っています。当社にとってこの事業に取り組むことは、情報のテキストデータを集めるということです。非常にお金はかかりますが、独壇場だと思っています。

質疑応答:金利上昇の影響について

増井:「金利上昇が今後見込まれますが、影響をどのように考えていらっしゃいますか?」というご質問です。

:スライドに記載しているブルーの折れ線グラフは、成約した中古マンションの坪単価を表しています。こちらが上がってきているということは、業者の売り買いが多いということです。つまり景気が良くなっているため、日本銀行は金融緩和を少し抑えて、金利が若干上昇するというところにいるのかなと考えております。

そのため金利の上昇は追い風であり、背中から思いきりフォローの風が吹いている感覚です。

八木:景気が良いという捉え方ですね。

:不動産価格が上がり、かつ取引が増えるのは、景気が良いということです。一般的な景気はわかりませんが、上場企業は最高益を出している企業が多く、5パーセントや6パーセントの賃上げも行っています。これが今年だけではなく、来年も再来年も上がっていくと、大変なことになります。そのような環境の中に不動産業界もいると思います。

スライドのグラフは2000年からスタートしているため、1989年頃は掲載されていませんが、私はバブル経済も経験しています。その頃は6ヶ月間、解約の嵐でした。私は事務部門にいてずっと推移を見ていましたが、それでもその6ヶ月間で価格は折り合いました。

要するに、バブル経済が来てもそのくらいだということです。また今の流れは、物価が上がり金利が若干上がる程度で、円安傾向は続きます。したがって物価が上がり、企業業績が良くなって賃金が上がるという流れしかないのかなと考えています。

世界的に見ても、アメリカや香港、中国の不動産と比べた場合、日本の不動産は割安です。「まだ上がる」と焚きつけるようなことを言うよりは、徐々に上がったほうが当社としても会社経営としても良いのですが、今はバブル経済ではないと考えています。

増井:マイナス金利解除という話も出てきているようですが、長期金利が上がるのか、短期金利が上がるのかはまだ読めない状況です。例えば長期金利が上がった場合、御社では長期借入を少し減らして、短期借入を増やすことを考えていますか?

:上がる金利の大きさが小さいと思っているので、あまり考えていません。当社は本当に多くの先行投資をしているため、何かあれば先行投資を少し抑えればいいと考えています。

私としては、今は不動産よりも、システム開発や情報をどのように扱うかということばかり考えています。

増井:不動産業界の中では、少し特殊ですね。

:単体の独立系であり、新築がなく中古だけ扱っている会社として、前期の売上高約635億円、そして今期の通期予算である約750億円を超えて、1,000億円、2,000億円、3,000億円、5,000億円となっていくと、三井不動産販売や住友不動産販売の売上を超えられると思います。

これはかなりおもしろいことです。三井不動産があって三井不動産販売があり、住友不動産があって住友不動産販売があるわけですが、当社は親会社がなく、単体の流通会社のみです。商品を持っていない流通会社がどのように商品を作ろうかと考えた時に、テキストデータだったわけです。これは誰もそのようなことを行っていない世界です。

これは、おそらく台湾でも同じことができると思います。登記簿謄本に関しては日本と同じだからです。しかし日本でもう少し売上を伸ばしていくのが、現在の目標です。今は台湾と香港に事務所があり、そちらを通して日本の不動産を売っていますが、将来的にはアメリカの不動産を扱いたいとも考えており、そこを目指して国内で情報を集めています。

当社のネタ元は情報です。情報を元にして一生懸命仕事をしていますが、海外でも同じ環境があると思っています。現在はまだ動いていませんが、将来的に取り組んでいきたいと思っています。

質疑応答:事業拠点の拡大について

八木:「事業拠点は今後も増やしていく予定でしょうか?」というご質問です。

:今年の秋頃には渋谷に事務所を出します。事務所は池袋にもありますが、いろいろな人がいてワイワイガヤガヤした会社を作りたいという思いがあるため、そのような採用面を考えた場合、渋谷と池袋ではまた違った人たちを集めることができると思いました。

大阪は規模を倍にするか検討している最中です。その後は名古屋や札幌、仙台、広島も考えています。福岡には拠点がありますが、九州に1店舗だけなのもどうかと思っています。

増井:盛り上がっていますしね。

:九州は本当にすごいです。

八木:今後住む方が増えることを考えると、1つの拠点ではカバーできないということでしょうか?

:福岡は元気です。今は天神に事務所がありますが、「天神ビッグバン」といって、当社の事務所の前や横、後ろは全部建築中のビルです。容積率を緩和したらしく、建て替えたほうが得になっているようです。

中洲などのような場所には明け方の4時、5時くらいまで若い人が街に繰り出していますし、今回も鹿児島も旅行しながらいろいろ見てきましたが、九州全体が元気だと思います。

質疑応答:人口減少による影響ついて

八木:人が増えそうな地域もある一方で、人が減る地域もあると思います。人口減少によって住宅のニーズも減っていく点に関しては、どのように考えていますか?

:例えば、高知県の不動産や土地の価格が少し上がったと耳に入ってきていますし、白馬のスキー場のリゾートホテルの区分の所有権についても少し価格が上がったということもあります。昔は、スキー場のマンションは30万円や50万円でしか売れませんでしたが、現在はそのような状況ではないと考えています。

このように、インバウンドや半導体といったビジネスによって生き返る場所もあります。そのような場所を見極めながら、事務所を出していきたいと思っています。どのような場合でも、一番効率的なところから出していきたいと思っています。

日本全体を見渡した場合に、日経平均株価が現在4万円ですが、本によっては5年、10年の間に6万円になると言う方もいます。4万円が6万円になるということは、地方も不動産価格が上がるはずです。実際に、地方も海外の方が見直しに入ってきていますし、私は楽観的に考えています。

ただし足元を見る時には、一番経済効率の高いところから出していこうと思っています。そちらの規模を少しずつ拡大していけば、十分足りると思っています。

質疑応答:クラウドファンディングについて

増井:クラウドファンディング「LSEED(エルシード)」についてうかがいます。出資者はいつでも御社に権利を譲渡できるのでしょうか? また、手数料はかかるのか教えてください。

:スライド中段の「出資金の回収ができる」のことをおっしゃっていると思います。これは商品によって、こちらを入れる場合もありますし、入れない場合もあります。初回のファンドである「LSEED#1」は3年の運用期間での募集だったため、出資金の回収をしたい方もいらっしゃると思い、こちらを入れました。

全員に「出資金を回収したい」と言われるとクラウドファンディングが成り立たないため、成り立つ範囲であれば、手数料が何千円かかかりますが当社で受けられると思います。

増井:今後も続けていくのでしょうか?

:現在、新しい商品も開発しています。システムのほうも開発しながら、1年、2年の中で実現したいと思っています。当社としては、ある意味で夢です。今後は「JAPAN-REIT.COM」や「私募REIT」も念頭に置きながら、育てていきたいと考えています。

不動産投資の出発点として実験的に行い、得かどうか判断してもらうという位置づけとして考えています。

質疑応答:家賃の利回りについて

八木:1年前にご登壇された際に、ファミリータイプのほうが家賃利回りは低いものの、リノベーションして再販すると高く売れるため、ワンルームより粗利率が高いとご説明いただいたと思います。この傾向は変わらないでしょうか?

:賃貸中のファミリータイプの一番のポイントは、いつ空くかわからないということです。3年なのか5年なのか、7年か10年なのかわかりません。では10年間、資金が眠ったままでいいのかという話になります。

利回りに関して言いますと、やはりワンルームのほうが利回りは高くなります。広くなると利回りは落ちますが、部屋が空いてリフォームなどを行うと、買った金額の10パーセントや20パーセント増しで売れる可能性があります。そちらは変わっていません。しかし、ポイントはいつ空くかがわからないことです。

日本は居住権が非常に固く守られています。中国やオーストラリアの方と話したことがありますが、向こうは追い出しが簡単のようです。日本は居住権があるため、嫌と言ったら追い出せません。それは良いことだとは思いますが、お部屋が空くと売ることができるという視点があるため、資金に余裕があり利回りを求めないのであれば、買って放っておいて、空いたらラッキーという商品だと思っています。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:数ある投資用不動産事業銘柄の中で、御社の特色と強みを簡潔に教えて下さい。

:当社の特色・強みとしては、大きく2つ挙げられます。まず、ワンルームマンションだけではなく、賃貸中のファミリ―マンションやアパートなど、取扱種別が豊富な点です。また、販売の目的として投資用だけではなく、実需用の割合も高いため、企業の成長可能性と業績の安定感がある点も特徴的だと考えています。

<質問2>

質問:PBR1.0倍を超えるべく取り組んでおられるそうですが、具体的にはこれまで何らかの施策を打たれたのでしょうか。また今後はなんらかの施策を新たに打つ予定はあるのかお教えください。

:まずはしっかりと業績を上げることが重要だと考えています。可能であれば、毎年成長スピードを加速させられるように業績を上げていきたい所存です。加えて、中期経営計画を策定し、当社のビジョンと成長戦略をお伝えできればと考えています。

<質問3>

質問:グループ会社の台湾や香港の事業内容における内容を教えてください。また、今後海外におけるリスクに関して何か感じるところもあればコメントいただきたいと思います。

:海外子会社については、香港・台湾にお住まいの投資家様への日本の不動産情報の提供や、賃貸管理のサポートという役割を担っています。直近の中国の状況を考えると、台湾と香港についてはリスクを鑑み現状維持がよいかと考えています。

将来的な目標としては「アメリカ不動産の日本人向け販売」と「東南アジアでの買取リフォーム販売事業」について市場調査などを試み、実現可能性を検討したいです。

<質問4>

質問:現在抱える最大の課題は何でしょうか?

:直近ですと、2024年2月に第1回ファンド募集をおこなった不動産クラウドファンディング「LSEED」を、どう拡大していくかが課題と考えております。

<質問5>

質問:現在考えておられる業務効率化は何でしょうか?

:基幹システムであるRCPの営業支援システムについては第1次開発が完了いたしました。今後も賃貸管理事業リフォーム事業についても今後のシステム開発を行うことで順次効率化できると考えています。

<質問6>

質問:管理戸数上昇は良いですが、今後維持するにあたる人員の確保はできるのでしょうか?

:現在第1次開発中である賃貸管理システムの発展により生産性の向上を図るとともに、仕事がしやすい環境構築を目指しております。それにより、人員の確保や離職率の低下にもつながると考えています。

<質問7>

質問:不動産データベースが現在の業績の伸びに大きく貢献していることがわかりました。以前、社長自らがデータベース構築に取り組んでいたと聞いたことがありましたが、その後、今のレベルまで確立していった苦労話をお聞きしたいです。

:最初は、単純にデータを入力していくところから、何度もやり直しながら試行錯誤しました。次に、テキストデータを読み取り自動入力に切り替え、その次に法務局の情報公開の制度を知り、差分だけを取り出し、自動入力する仕組みも作りました。

その度に直面する課題を一丸となりながら克服したことや、優秀な開発者をいかに採用するかなど、今でも苦労の連続ですが可能性に満ちあふれていると思っています。

<質問8>

質問:住宅減少に伴って住宅についてのニーズも減ると思うのですが、その点についてどのように考えていらっしゃいますか?

:人口減少により、確かに新築不動産の需要は減少してきているかと思います。その反面、新築より安い価格で手に入れることができる中古不動産の需要は増加すると考えています。特に、交通の便が良い中古不動産の需要が増えると考えています。

<質問9>

質問:配当の方針をお聞かせいただけますでしょうか?

:配当性向の10%前後を目安に業績を勘案しながら決定しています。