本日の内容

山本克彦氏:株式会社ディーエムエス代表取締役社長山本克彦です。本日は、はじめて当社を知る方のために、当社の事業についてご紹介したうえで、2024年3月期第1四半期の業績と、2024年3月期の業績予想、ならびに資本政策についてご説明します。

1.事業紹介 ①事業の全体像

当社は、1961年の会社設立以来、企業や公的機関と消費者との「よい関係づくり」をトータルサポートする事業を展開しております。中核となりますのは、ダイレクトメールの企画制作・発送の事業です。また、2015年から、第2の事業の柱として、物流事業に取り組んでいます。その他、セールスプロモーション支援、イベント企画運営など、企業と消費者が直接コミュニケーションする分野で幅広いサービスを提供しております。

1.事業紹介 ②選ばれる理由

当社の強みは大きく3つです。顧客企業が必要とする機能を複合的に提供できる「ワンストップサービス」、年間3億通を超えるダイレクトメールを扱う「スケールメリット」、品質や情報セキュリティのJIS認証を持ち、情報と安心をセットでお届けできる「マネジメントシステム」の強みです。

これらを活かして、付加価値が高く、かつ、規模の大きな案件に組織的に取り組めることが、当社が大手企業を中心に選ばれる理由となっています。

1.事業紹介 ③近年の業績推移

こちらのグラフは、過去10年間の当社の売上高と営業利益の推移です。2021年3月期は、コロナ禍の影響を受けたものの、それ以外では、おおよそ順調に業績を伸ばし、昨年度の2023年3月期は、売上高、営業利益ともに過去最高額となりました。

2.2024年3月期第1四半期業績 ①決算ハイライト

ここから、2024年3月期第1四半期の業績についてご説明します。売上高は、前年同期比2.9パーセント増加の77億5,700万円、営業利益は37.3パーセント増加の6億3,200万円、四半期純利益は23.5パーセント増加の4億4,900万円と、第1四半期としては、いずれも過去最高額を更新しました。

特に、中期経営計画で第3の事業の柱として拡大を目指しております、セールスプロモーション事業およびイベント事業が、好業績の続伸に貢献しました。

2.2024年3月期第1四半期業績 ②ダイレクトメール事業

次に、事業セグメントごとに業績とその要因をご説明します。まず、ダイレクトメール事業では、既存顧客の取引窓口拡大や新規受注を促進し、全体としては、引合いや受注活動が活発になっていますが、昨年同期の大型案件が終了したことなどが影響しました。

一方、これと同時に、低粗利案件の整理が進むこととなり、減収となったものの、利益面の影響は限定的となりました。

2.2024年3月期第1四半期業績 ③物流事業

物流事業では、電子商取引市場の成長を反映して、物流事業の売上高のおおよそ7割となっている通販出荷案件や、企業の販売促進活動に関わる物流支援案件が、安定的に推移しています。特に通販分野では、今春から低温倉庫設備を導入し、新たな案件の育成に向けた取り組みも行っています。

その一方で、消費者キャンペーンの景品発送や試供品プレゼントなどの案件で、対前期からの減少がありました。また、このことによる業務ラインの稼働率軟化と、今期から物流センターの賃借料金が値上がりしたことを受けて、採算が低下しました。

今後は、現在取り組み中の新規案件開発により、改善を目指してまいります。

2.2024年3月期第1四半期業績 ④セールスプロモーション事業

バックオフィスやコンタクトセンター業務などを担うセールスプロモーション事業では、新型コロナウイルスや価格高騰対策に関連する地方自治体のニーズに対応した、公共分野への展開が活発となり、倍増に近い2桁の増収・増益となりました。

これまで、当事業では、どちらかというと民間企業のニーズにお応えしてきましたが、今後は、さまざまな経済対策や少子高齢化対策が見込まれる公共分野においても、社会貢献と事業機会拡大に取り組んでいきたいと考えています。

2.2024年3月期第1四半期業績 ⑤イベント事業

最後のイベント事業は、前年からの新型コロナウイルスワクチン接種会場運営業務が、この第1四半期まで続いたことや、集客を伴う販売促進・スポーツイベントの再開需要を取り込めたことにより、大幅な増収・増益となりました。 新型コロナウイルス関連の案件は、今後、収束が予想されますが、コロナ禍で控えられていたイベントの再開は、むしろこれからの本格化が期待できるため、当社としても案件の開発に注力していく考えです。

3.2024年3月期業績予想 ①事業環境及び重点施策

次に、2024年3月期の業績予想です。当社では、今年5月12日に今期の業績予想をお知らせしています。今後、当社をとりまく社会経済環境は徐々に正常化し、回復傾向が継続するものと期待されています。

このような中、当社では新型コロナウイルス収束による民間企業の販売促進ニーズ増加、在宅消費で蓄積された顧客データのダイレクトメール利用、ダイレクトメールや物流事業との関連が強いEC通販市場の拡大などを前向きな機会として、事業拡大に向けた取り組みを強化してまいります。

3.2024年3月期業績予想 ②業績予想

こうした環境、重点施策を踏まえて、2024年3月期通期では、売上高290億円、営業利益16億5,000万円と予想しております。新型コロナウイルス関連案件の反動を織り込んでおりますが、公共分野の業務受託経験を活かして、新型コロナウイルス関連以外の案件ニーズに展開するとともに、本格的な経済活動の回復を足がかりに各事業とも受注を促進してまいります。

なお、昨年10月21日に公表いたしました「固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」にありますように、譲渡益約8億6,900万円を第3四半期において特別利益に計上予定であるため、当期純利益は55.0パーセント増加の17億8,000万円を見込んでおります。

4.資本政策 方針・目標・取組み

最後に資本政策について、ご説明します。当社では、現在PBRが1倍を下回っており、比較的良好な資本収益性に比べて、市場評価を示す株価が割安な水準で推移していると考えております。

このことを踏まえ、PBR1倍超の早期実現と、2027年3月期末までの時価総額200億円達成を目標として、3つの対策に取り組むことにしています。

1つ目に、2024年3月期において上限1億5,000万円の自己株式取得を実施します。2つ目に、2024年3月期における配当金額を、前期比15円増の1株当たり50円と予想し、中間配当25円、期末配当25円に取り組みます。3つ目に、従来、実行時期を設定してこなかった配当性向30パーセントを2027年3月期末までに段階的に引き上げることとして、取り組みます。

これらの取り組みにより、株主のみなさまに対する利益還元を重要な経営課題のひとつと認識し、経営基盤の強化を図りつつ、競争力強化のための設備投資の原資を確保するとともに、株主のみなさまへの利益還元を行うことを方針としてまいります。

顧客企業と生活者のよい関係づくりをトータルサポート

以上で、株式会社ディーエムエス、2024年3月期第1四半期の決算説明を終了します。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。最後までご視聴いただき、ありがとうございました。