業績概要 ①損益計算書

阿部良二氏:みなさま、こんにちは。伯東株式会社代表取締役社長執行役員の阿部でございます。本日は、当社の2023年3月期本決算の概要、2024年3月期通期業績予想・配当予想及び中期経営計画についてご説明します。なお、2023年3月期本決算は短信を公表していますので、詳細はそちらをご覧ください。

2023年3月期は、車載用途を中心に電子部品セグメントの販売が大きく増加し、売上高は前年度比22パーセント増加の2,336億円、営業利益は前年度比74パーセント増加の127億円を計上し、大幅な増収増益となりました。売上高、利益ともに前年度に続き過去最高を更新しました。

業績概要 ②営業利益増減

営業利益は車載用途ICを中心とする半導体の堅調な需要継続に加え、仕入先からの供給も前年度に比べて改善したため、電子部品セグメントで大幅な増益となりました。また、売上高の増加による利益の増加や急激な円安進行等、為替変動による約52億円の利益押し上げ、主要取引先の商流変更による一時的な利益増も加わり、前回公表値を超える127億円となりました。

セグメント情報

セグメント別に売上高と利益を前年同期と比較すると、電子部品事業は車載用ICや産業機器向け半導体デバイスの販売増加、LCDパネル等の一般電子部品の販売が堅調に推移し、売上高が大きく伸長しました。利益面では、売上高の増加と急激な円安の影響等により、半導体デバイス事業を中心に大幅な増加となりました。

電子・電気機器事業は、半導体関連の設備投資の需要継続により、PCB関連や真空機器の販売が伸長し、売上高が増加しましたが、次世代装置の開発費等、投資の増加により減益となりました。

工業薬品事業は、石油・石化プラントの稼働率低下による販売減少はあったものの、化粧品基材の販売が堅調に推移しました。また、自動車関連の薬品販売強化により売上高は増加しましたが、為替変動による商品仕入価格の上昇、原材料価格の高騰により減益となりました。

貸借対照表

貸借対照表です。前年度期末に比べて、総資産は約144億円増加となりました。主な要因は、主要取引先の商流変更による一時的な売上増加も含め、売上の増加に伴う売上債権の増加と半導体デバイスを中心とする販売在庫、BCP在庫の保有による棚卸資産の増加です。運転資本の増加に伴い、有利子負債も約89億円増加しています。

キャッシュ・フロー計算書

営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資本の増加により前年同期と比較して約42億円減少し、33億8,200万円の支出となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは3億円の支出です。また、財務活動によるキャッシュ・フローは13億1,400万円の収入となったため、現金及び現金同等物は前年同期末と比較して18億6,800万円減少し、167億5,100万円となりました。

2024年3月期 業績予想 ①

今年度の通期業績予想及び配当予想についてご説明します。2024年3月期は、特定用途の半導体や電子部品について、需給不均衡の状況が続くことが予想されています。そのため、足元の受注状況や設備投資の動向等も踏まえ、2024年3月期の業績については、売上高1,900億円、営業利益80億円、経常利益76億円、当期純利益54億円、ROEは8.5パーセントを見込んでいます。

2024年3月期 業績予想 ②

2024年3月期の業績予想について詳しくご説明します。売上高については、大手半導体メーカーの商流変更により約300億円の減少がありますが、当該ビジネスは当初より低収益ビジネスであったことから、利益面で与える影響は軽微であると見込んでいます。

営業利益については、先ほどご説明したとおり、為替変動等による利益の一時的な押し上げを除いた2023年3月期の営業利益は、実質約75億円でしたので、2024年3月期には、実質的な増益となる80億円を予想しています。

株主還元 ①

配当金の状況についてです。お知らせしたとおり、2023年3月期の配当金については、好調な業績を受け、期末の配当金を前回公表より30円増額の160円とし、1株当たりの年間配当金を280円としました。

2024年3月期の配当金についても、先ほどご説明した通期業績予想を踏まえ、第2四半期末配当、期末配当ともに140円とし、合計で1株当たり年間280円と、前年度実績と同額を予定しています。連結配当性向は96.9パーセントの見込みです。

株主還元 ②

当社は現中期経営計画の計画期間中は、配当と自己株式の取得により、総還元性向100パーセントを目標にしています。株主還元の現状については、こちらのグラフをご覧いただければと思います。

中期経営計画進捗

中期経営計画「Change & Co-Create 2024」の進捗です。2022年度は本計画の折り返し地点にあたりますが、事業構造改革の効果や事業環境等により、2021年度と2022年度ともに、本計画の最終年度に当たる2024年度の当初定量目標を達成したため、定量目標を見直しました。

詳細については次のページにてご説明します。全社戦略・事業戦略、事業ポートフォリオ計画、DX化、株主還元方針については、ご覧のとおりの内容です。

定量目標

繰り返しとなりますが、本計画で掲げた事業構造改革の効果や、車載・産業機器向け半導体、ならびに電子・電気機器の堅調な推移により、本計画の当初目標である連結営業利益50億円以上を2期連続で達成しました。

ご覧の資料にて示しているとおり、本計画最終年度に当たる2024年度の定量目標を連結営業利益90億円以上、連結営業利益率4.5パーセント以上、ROE9.0パーセント以上に見直します。

また、2022年度は連結営業利益127億円を計上しましたが、うち40パーセント強の約52億円は為替変動等による利益の一時的な押し上げが要因であり、為替変動等を除いた実力値は75億円となります。

本計画最終年度となる2024年度の連結営業利益の見直し目標値は90億円以上となり、本計画期間中の実力値ベースの年平均成長率は14.5パーセントと、高い成長率を見込んでいます。

全社戦略・事業戦略

全社戦略・事業戦略については、2021年4月に公表した5つの戦略を踏襲・継続していきます。

事業ポートフォリオ計画

各事業とも、進めている事業構造改革によって事業ポートフォリオ計画が順調に推移しています。投下資本削減が目下の課題であった半導体デバイス事業は、投下資本を約20パーセント削減させ、かつROICをプラスにシフトさせています。

電子コンポーネント、電子・電気機器、化学の3事業についても低投下資本の下、順調に収益性・効率性を向上させており、今後、協業やM&A等により成長を加速させる新規事業創出も目指し、本計画最終年度の2024年度までにさらなる改革を進めていきます。

株主還元基本方針

先ほど株主還元のご説明の際にもお話ししましたが、株主のみなさまへの利益還元の充実は経営上の重要な施策であると位置づけ、本計画期間中は配当と自己株式取得による総還元性向100パーセントを継続します。

また、配当は引き続き安定配当を基本とするとともに、事業成長ならびに高い投資効率が期待できる投資案件等があれば優先する方針です。

最後になりますが、今回見直しを行った中期経営計画の着実な実行・達成により、連結営業利益100億円以上を安定して計上できる会社を目指していきます。

最後までご視聴いただき誠にありがとうございました。今後ともご支援のほど、よろしくお願いします。