第55回 個人投資家向けIRセミナー
広木太氏(以下、広木):みなさま、おはようございます。株式会社BeeX代表取締役社長の広木でございます。本日は私がトップバッターということで、休日の朝からお聞きになっているみなさまに、少しでもお役に立てるお話ができればと思います。
当社はIT企業ということで、キーワードや取り組み内容がわかりにくいこともあると思いますが、なるべくわかりやすいように心がけてお話ししたいと思いますので、よろしくお願いします。
会社概要
広木:当社の事業概要についてご説明します。まずは会社概要です。当社は2016年3月に創業し、現在8期目で、従業員は140名の会社です。事業内容は、クラウド関連の導入・保守、管理事業およびソフトウェアの開発を行っています。
クラウドを専業にしているシステムインテグレーターを業界ではクラウドインテグレーターと呼んでいます。当社はこのクラウドインテグレーターに分類されます。クラウド専業というのが弊社の大きな特徴となっています。
パブリッククラウド
広木:クラウドについて、あらためて整理します。クラウド誕生以前の従来型のオンプレミスは、お客さま自身がサーバーやストレージなどの部品を調達し、データセンターに設置してシステムを構築します。
クラウドは「雲」ということで、AmazonやMicrosoftなどが大量に用意したリソースの一部を借りて使っているかたちです。クラウドは自社での調達の必要がありませんので、初期投資が少なく、圧倒的にスピードを上げられる点が特徴です。ここ5年くらいは、従来型のオンプレミスから「クラウドファースト」ということで、クラウド中心に変えていこうという流れになっています。
多くの大手システムインテグレーターは、オンプレミスとクラウドの両方を対応できる総合力を強みとしています。一方、当社はクラウドを専門としています。クラウドは日進月歩で機能が向上していくため、クラウドに特化することにより、クラウドの進化にいち早く追随していくことで、総合的なシステムインテグレーターよりクラウドに関しては圧倒的なスキルを持っています。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):クラウドに移行する企業が増えていると思いますが、御社はそのお手伝いをしているということですか?
広木:そのとおりです。
坂本:取引先の規模はどのくらいでしょうか?
広木:後ほどご説明しますが、当社はお客さまの基幹システムを扱っており、中小企業やスタートアップ企業というよりも、中堅企業以上の大企業を中心に取引しています。
坂本:中小企業やスタートアップ企業において、クラウド化の需要はあるのでしょうか?
広木:スタートアップ企業は字のごとく「スタートアップ」ですので、クラウドから始めることが多いのですが、昔からある中小企業はITを担当するリソースに限界があり、新しい技術へトライすることに課題を持っている企業が多く、クラウド化が進んでいない企業が多いと見ています。
坂本:大手企業のほうが予算もあり、クラウドに移行するほうがメリットがあるということですね。
広木:おっしゃるとおりです。
坂本:業務のすべてをクラウドに移行する会社もありますか? それともある程度の業務はオンプレミスで行っているのでしょうか?
広木:現在はほぼクラウド化する企業が多いです。しかし、製造業に多い例として、生産現場に近いシステムは工場に置いたほうがよいと考えるお客さまも多くいます。重要な基幹システムゆえにクラウド化しないというより、ロケーションや機能面で現場に置きたいという考えが残っているようです。
BeeXのビジネス領域
広木:クラウドは大きく3つに分類されます。スライド上段からSaaS(Software as a Service )、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)です。
SaaSは、ソフトウェアをサービスとして提供しており、カスタマイズして使います。有名どころで「Salesforce」「Microsoft365」、みなさまがよく使われる「Microsoft Teams」が挙げられます。よく、CM等で「何とかクラウド」と言われるものはほぼSaaSのサービスです。
PaaSとIaaSの違いはわかりにくいのですが、ソフトウェアを提供しているのではなく、それを動かすための部品を提供しています。IaaSはハードウェア、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器といった根幹となるものを、PaaSは根幹の上のデータベース、ミドルウェアをサービスとして提供しています。
当社はSaaSではなくIaaSやPaaSを扱っています。企業がオンプレミスで使っているシステムをIaaSやPaaSを組み合わせてクラウド化することが当社のメインのビジネス領域です。
クラウドベンダー市場動向
広木:IaaSとPaaSについてご説明します。スライドに市場動向を掲載していますが、世界的、あるいは日本でも圧倒的なシェアを獲得しているのは、Amazonが提供している「AWS(Amazon Web Services)」、Microsoftが提供している「Azure」、Googleが提供している「Google Cloud」の3つです。
もともとはAWSのシェアが圧倒的だったのですが、Microsoftが猛追して、その後ろでGoogleが追撃しています。残りの30パーセント強がその他となっており、調査会社によって若干異なるものの同じような傾向が見られます。
そのため、その他企業にとってこれ以上の参入は厳しい状況です。また、クラウド市場全体の売上は伸びており、シェアは拡大しています。
事業内容
広木:当社の事業内容をご説明します。もともとは「AWS」が中心でしたが、徐々に「Azure」や「Google Cloud」を扱うようになりました。
お客さまもクラウドを数年間使っていく中で、初めは「AWS」しか使っていなかったところ、「このシステムでは『Google Cloud』を使ってみたい」というように、使い分けするようになり、当社もお客さまの使い分けに対応できるようにしています。
坂本:「AWS」「Azure」「Google Cloud」の特徴はありますか? 業種におけるニーズの特徴があれば教えてください。
広木:もともと「AWS」はIaaS領域で他社を圧倒する機能を持っており高いシェアを占めていました。お客さまが自社独自でシステムを作っていく場合はAWSを選択されることが多かった印象です。
それに対して、Microsoftは「Microsoft365」などのユーザーが使うオフィス系や、オンプレミスで提供していたデータベース等をクラウド化して提供していました。つまりPaaS領域に強みがあったと考えています。
Googleは広告などで培ったデータを分析したエンジンを持っているため、データ分析で圧倒的な強みを持っています。
業界別にどのサービスが良いというより、自身で作る場合は「AWS」を選ぶケースが多いです。また、私は「マネジメント機能」と言っていますが、専門知識がない方でも使いやすいのが「Microsoft365」との連携が強い「Azure」です。Googleはデータ分析に強みを持っているため、圧倒的なデータ量を高速に処理するという場合に使うケースが多くなっています。
坂本:ユーザーはそのような使い分けをするということですね。御社が得意な会社はありますか?
広木:2016年ごろは「AWS」一択と言えるほど圧倒的でした。SAPと言われる基幹システムのプラットフォームでは「AWS」が強く、「AWS」を中心にエンジニア数も一番多くなっています。
次が「Azure」です。Microsoftが日本の情報システム部ともともと持っていたリレーションを活用しながら、提供する機能をレベルアップしていったことが要因となっています。
Googleはデータ分析などの特殊領域をフォーカスする際に提供しています。
坂本:御社の技術者はシェアが高い「AWS」を扱う方が多いと思いますが、複数のサービスに対応できるのでしょうか?
広木:私はエンジニアに「2つやりなさい」と伝えています。メインに対抗してもう1つ扱えると、比較しながらお客さまにお話しできます。技術トレンドは変化しますし、3つ全部を扱うとなると大変ですので、そのように伝えています。
当社では「AWS」をメインとして「Azure」も扱える技術者、「Azure」を中心に「Google Cloud」を扱える技術者が多くなっています。
それでは、事業内容について、クラウドを使って提供しているビジネスを3つに分けてご説明します。
1つ目は「クラウドインテグレーション」です。システム導入前のコンサルティングから、実際の導入、クラウド上のアプリケーション開発を行います。
2つ目はライセンス販売の「クラウドライセンスリセール」です。クラウドの場合、電気代などと同様に、契約後は利用量に応じて毎月請求するストック型のビジネスになります。
3つ目は運用・保守の「マネージドサービスプロバイダー(MSP)」です。クラウドインテグレーションで導入した大企業の重大なシステムを24時間365日監視して、トラブルに対応します。また、日進月歩で出てくる新しい機能などを用いて改善提案をします。
坂本:クラウドインテグレーションが入り口になり、その後に収益チャンスが生まれると思います。クラウドインテグレーションはどのように営業しているのですか?
広木:お客さまは大企業が多いため、セミナーなどでアプローチします。また、AWS、Microsoft、Googleからのご紹介も多いです。
先ほどSAPというキーワードを出しましたが、当社が得意な基幹システムはこの3社からご紹介いただくケースがあります。
坂本:クラウド化まで一気に行いたい企業は「AWS」が有名ということで、AWSに相談に行くのですね。
広木:そのとおりで、そのような企業は多いです。AWSの営業担当やエンジニアに直接「こんなことやりたい」と相談し、当社を紹介していただく流れです。
坂本:そのあたりの関係性もあるということですね。
広木:昔からの関係を構築しています。
坂本:お付き合いしている企業の中で、クラウドインテグレーションからMSPまで一貫して利用している会社は何割くらいありますか?
広木:正確ではありませんが、イメージとしては2割くらいです。
坂本:クラウドライセンスリセールは相当な割合になるということですか?
広木:かなりの割合を占めています。
坂本:円建てで請求できることが強みでしょうか?
広木:そのとおりです。ライセンスは「AWS」「Azure」「Google Cloud」ともに円で請求します。AWSと直接契約するとデフォルトはクレジットカード払いですが、我々は円で請求書発行するという日本の商習慣にあったかたちでご請求しています。
坂本:日本企業はドルで支払うと決済が面倒ですよね。
広木:そこを当社が請求書を出し、翌月銀行口座に振り込むかたちで行っています。
坂本:売上、シェアが膨らみやすいということですね?
広木:おっしゃるとおりです。
お客様の基幹システムクラウド移行支援
広木:当社の強みをご説明します。基幹システムの話を何度かしていますが、当社はERP製品を強みとしています。ERPとは、会計や受発注、生産管理、人事管理など、企業の根幹となるものをパッケージとして提供しているシステムです。
実は、私がERPのコンサルタントを長年行っていたという経緯があり、ERPの実装とクラウド化を推進しています。SAPは、日本の大企業を中心に導入しており、言い換えると大企業のほとんどがSAPを導入しているといっても過言ではないほど、高いシェアを占めている高価な製品です。
そのため、この製品のクラウド化を推進し、クラウドライセンスリセール、クラウドインテグレーション、順調にいくとMSPがついてくるかたちとなっています。
企業の非常に重要なシステムを扱っているところが当社の強みであり、おかげさまで大企業を中心に関係を構築できています。
増井麻里子氏(以下、増井):SAP社のERPは2027年に標準サポートが終了します。少し延長されたと思いますが、もともとは2025年に終了予定でしたよね?
広木:もともとは2025年に終了予定でした。
増井:サポート終了により需要が続くのでしょうか?
広木:2027年で保守が切れるため、新しいバージョンにしたいというご相談も受けています。追加料金を支払うと2030年まで使えますが、2025年で保守が切れるバージョンもあります。多くのお客さまに対して、2025年、2027年、2030年までにすべきことについてロードマップを敷いていますので、そこに対して我々が支援しているということです。
坂本:需要は概ね一巡していますか? それともまだ残っているのでしょうか?
広木:まだ残っています。おそらく2割、3割のお客さましか新しいバージョンへの移行ができていないと思います。当然のことながら、新しいバージョンへの移行にもお金が掛かります。お客さま側でもリソースを投入し、1年から2年、あるいは3年と時間がかかる場合もあります。お客さまも投資判断をして進めていかなければならず、かなり大変な思いをされており、社会課題のようになっています。
坂本:次期システムは意外とシンプルな構成になっているとよく聞きます。これまでのSAPは作り込めるところが非常によく、日本企業にもマッチしているとのことでした。他社で扱っている方にお話によると、SAPの作り込みに絡むようなお仕事をする方にも意外と収益チャンスが生まれるような業界だと感じています。
ただし、次期システムはすべてクラウド化する前提ですよね?
広木:そうですね。ほとんどのお客さまはクラウド化をセットで考えています。ただし、その中には「オンプレの方がよい」というお客さまもおり、その数はゼロではありません。私もオンプレミスを選択することに驚きますが、クラウド化を前提にしているお客さまのほうが多いです。
坂本:ビジネスチャンスということですね。また、よくある細かい仕様について、次期システムにそのまま引き継ぎたいといった要望も御社がすべて引き受けるのでしょうか?
広木:実は、我々ができる範囲とそうでない範囲がありますが、現在作り込んであるシステムはお客さまの資産ですし、ビジネスロジックですので、そのまま新しいバージョンを希望される場合があります。
一方、システムを古いしがらみで作ってしまったものの、本当はよくないと考えており、「Fit to Standard」つまり「ERPに業務を標準化してフィットさせる」という場合もあります。特にヨーロッパでは標準化の傾向が強いため、標準化に合わせてやり直す場合もあり、それはお客さまによりけりです。
我々の場合は、そのまま新しいバージョンに移行するお客さまが多いです。
坂本:そうでしょうね。
広木:「Fit to Standard」は現場などすべてを巻き込むことになるため、先ほどお話ししたように、完了までに3年ほどの時間がかかります。
坂本:日本の商流は業種業態によってかなり特殊なものがありますからね。
広木:そのとおりです。そのため「Fit to Standard」を良いとは言うものの、実際に実現するには現場も巻き込み長い時間とお金をかける必要があり、そう簡単にはできていないお客さまも多いということです。
DXを実現するプラットフォーム構築支援
広木:DX(デジタルトランスフォーメーション)については、後ほど成長戦略のパートでお話しします。
豊富な導入実績(基幹システム SAP)
広木:SAPの事例についてご説明します。こちらでは「AWS」「Azure」「Google Cloud」の3つを挙げています。AGC(旧旭硝子)の事例は、SAPを含め、ほとんどをクラウドへ移行しました。
このように、大手のお客さまの導入に携わらせていただいています。
豊富な導入実績(デジタルトランスフォーメーション)
広木:DXの導入実績です。詳細は後ほどお話ししますが、JERAは東京電力と中部電力との合弁会社です。データの可視化ということで、経営ダッシュボードを構築しています。
日本経済新聞社ではアプリケーション開発などを支援しました。ENEOSではIoTということで、蓄電池や発電の状態を一元的にモニタリングして制御する電力マネジメントシステムを構築しました。こちらは検証プロジェクトになります。
坂本:スライドに「DX レディープラットフォーム構築事例」とありますが、これはどのようなものでしょうか?
広木:DX自体はお客さまが起こすものであり、我々はその準備を手伝うという考え方から、「DXレディー」という言葉を使っています。JERAやENEOSの事例のように、これまでは人間の勘を基準にしていたところを、データに基づいて判断するシステムへと変更するものが多くあります。
つまり、これまで見えていなかったデータを集約し、見える化を行うということです。それに基づき、さまざまなアプリケーションを作ったり、システムを運営したりして環境を整えることが非常に大事だと考えています。
我々はこれらを「DX レディープラットフォーム」と呼んでおり、JERAの事例がまさにそれにあたります。
業績推移 売上高・経常利益
広木:業績についてご説明します。スライドにはこれまでの売上高・経常利益の推移を示しています。売上は成長を続けており、経常利益は2022年が一時的にへこんで見えますが、2021年に大型案件を獲得できたこともあり、利益率が伸長しています。
経常利益の推移を線でつないで見ると概ね上向きになっていますので、順調に進んでいると捉えています。
業績サマリ 前期比較
広木:前期の業績サマリです。売上高・営業利益・経常利益ともに大きく成長することができています。
坂本:売上もそうですが、主なもので構いませんので、利益増の要因を教えていただけたらと思います。
広木:利益面については、バリューが高いSAPのような基幹システムの移行がしっかりとできたことにより、利益増に結びついています。
ただし、利益が想定以上に上がってしまっている面もあります。2022年はマーケティング施策としてリアルイベントなどを行おうと考えていたものの、上半期は残念ながらコロナ禍の影響が残り、あまり効果的に打つことができませんでした。
坂本:販売管理費に使わなかったということでしょうか?
広木:おっしゃるとおりです。本当は販売管理費をもっと使いたかったのですが、投資できず、利益が上がってしまいました。喜ばしい反面、想定外の部分でもあります。
坂本:そうすると、今期は投資を行うことで、利益は凸凹になりますか?
広木:凸凹とまではいきませんが、今年はしっかりと投資していきたいと考えています。
坂本:販売管理費を使い、リアルイベント実施してリードを獲得し案件へとつなげる場合、収益に顕在化してくるまではどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
先ほどお話しいただいたプロジェクトの納期が4ヶ月から6ヶ月、SAPは大型ですので3年くらいかかるということでしたが、平均的な期間を教えてください。
広木:大型案件と小型案件で極端に変わりますので明確にお伝えするのが難しいのですが、大型案件ではリードを獲得して案件が始まるまでの期間は半年くらいで、さらにそこから半年かけますので、1年くらいです。
短い案件では、リード獲得から2ヶ月後くらいですぐに収益化します。クラウドライセンスリセールについては、クラウドの利用がすぐに始まれば、比較的短期間で収益化する案件もあります。
サービス別売上高
広木:サービス別の売上高です。スライドの棒グラフの一番下の部分がクラウドライセンスリセールになります。クラウドのライセンス販売がしっかりと伸び、なおかつ棒グラフの中央部分にあたるMSP、クラウドインテグレーションも伸びています。特に、毎月入ってくるストックがしっかりと伸びており、安定した売上・収益が確保できるところが強みとなっています。
クラウドインテグレーションは人材の採用が重要です。一方、クラウドライセンスリセールは「人材がいなくても売れる」と言ってしまうと乱暴ですが、ストックは比較的取り扱いやすく、この部分が伸びていることが我々の強みです。
坂本:ストックの部分が伸びていることが成長に直結しているということですね?
広木:そのとおりです。
クラウドライセンス売上の推移
広木:売上高・経常利益の推移のパートにもありましたが、クラウドライセンス売上の一部においてややへこんでいるところがあるものの、基本的には右肩上がりで伸びています。
坂本:グラフを見ると、「AWS」が多いことがわかりますね。
広木:そうですね。「AWS」が圧倒的に多いかたちになっています。
クラウドライセンスビジネスアカウント数推移
広木:クラウドライセンスビジネスアカウント数の推移です。契約数もしっかりと伸びています。
2024年2月期 業績予想
広木:2024年2月期の業績予想です。売上高は前期比20パーセント増、経常利益は先ほどへこむのではないかというお話もありましたが、へこむことはなく前期比3.9パーセント増を計画しています。
2024年2月期 業績予想
広木:2024年2月期の業績予想として、売上高は69億1,000万円、前期比20パーセント増、営業利益は4億2,700万円、前期比6.0パーセント増を計画しています。
2024年2月期 業績予想のポイント
広木:売上に対して利益がそれほど伸びていない理由についてご質問をよく受けますので、スライドに記載しました。要因の1つはマーケティング戦略です。昨年はあまりマーケティングを打つことができませんでしたが、今年はしっかり打っていきたいと考えています。
2023年4月には幕張で「AWS Summit Tokyo」が開催され、数万人が来場し、非常に活況でした。そのようなイベントなどを実施していきたいと思っています。
坂本:こちらについては、1年先までほぼ決まっていますので、出展できますね。
広木:そうですね。今年は出展できると思います。
また、もう1つ大事なこととして人材採用と教育を挙げています。先ほどストックは「人材がいなくても売れる」とお話ししましたが、クラウドインテグレーションについては人材がいないと伸びませんので、優秀な人材を確保していこうと考えています。
これまで我々は求人広告のような活動にあまり積極的に取り組んできませんでした。
坂本:これまでは紹介だったのですか?
広木:そうですね。我々はもともと社員の紹介により成長してきたような面があります。しかし、ここ2年、3年はそれでは無理ですので、新規採用を行います。
また、以前は新卒を採用していなかったのですが、少し先になりますが2025年4月の新卒採用に向けて投資しようと考えています。加えて、来年度以降に伸びるための材料作りとして、人材教育にもしっかりと投資していきます。
坂本:人材については、現在も業務がかなり活況で、需要も非常にあるかと思いますが、人材が採りきれないということでしょうか? それとも採算性の低い案件を削ることでこの程度でよいとお考えでしょうか? 業界環境と御社の状況について教えていただければと思います。
広木:SAPについては、業界でも人がまったく足りていない状況です。
坂本:案件を受けることができないような状態でしょうか?
広木:おっしゃるとおりです。お話をいただいても「人がいないため、できません」とお答えせざるを得ないような、非常に悩ましいジレンマを抱えてしまっています。そのため、採用が増えることにより売上も増やせるかと思っています。
坂本:個人投資家によく聞かれる質問だと思いますが、新卒を採用してから独り立ちするまで、つまりSAP関連の業務ができるようになるまでにどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
広木:SAPは3年、4年はかかってしまいます。
坂本:中途採用しなければ間に合わないですね。
広木:そうですね。先ほどお話ししたように、SAPではなく、クラウドの「AWS」「Azure」などを触っている方はもう少し早く、1年、2年でもいろいろとできるようになっています。
坂本:他のSIerなどに比べると、やはり時間がかかりますね。半年で独り立ちできればよいのですが、SAPは意外と時間がかかりますね。
広木:おっしゃるとおりです。
坂本:クラウドも技術が必要ですか?
広木:クラウドも時間がかかります。ただし、我々の扱う運用関連についてはスキルがそこまでなくても作業に入ることができますので、半年くらいでも可能です。
坂本:ステップとしてはそこを踏んで、とりあえずクラウドからですね。
広木:おっしゃるとおりです。クラウドからさらにSAPも扱っていくということで、できることを少しずつ増やしていくかたちになるかと思います。
SAPシステムのクラウド化・S/4HANA化支援
広木:多少重複するところもありますが、ここからは成長戦略についてご説明します。成長戦略の1つ目は「基幹システムのクラウド化/モダナイズ化」です。
これまでのお話にもありましたが、まもなく「SAP ERP 6.0」の保守が切れると言われています。実はSAPにおいて現行バージョンのうち、マイナーバージョンで2025年で保守が切れるもの、メジャーで2027年、さらに延長保証で2030年に切れるものと段階が踏まれています。
そちらに対しては新しいバージョンに上げるという選択肢があります。または今のバージョンを2030年のギリギリまで引っ張る代わりに、古くなっているOSやデータベースのバージョンのみ上げてクラウド化するなど、我々もさまざまなニーズをいただいています。
このように、お客さまの2030年までのロードマップに対して、さまざまなパターンで支援しています。
また、「バージョンが上がってしまうと、そのあとはどうなるの?」とよく聞かれますが、実は、「S/4HANA」というバージョンはほぼ毎年出ています。さすがにSAPも出し過ぎだということで、次のバージョンからは2年に1回へ変わるのですが、すでに2016年くらいに出たものについては、保守が切れ始めています。
「S/4HANA」にしたにもかかわらず保守が切れているということで、バージョンを上げたあとのアップグレードも必要になってきます。定期的なアップグレードが必要ですので、上げて終わりではありません。アップグレードを繰り返していくことになります。
坂本:それは御社にビジネスチャンスがあるということですね?
広木:おっしゃるとおりです。実際のところ、2027年までにすべてが終わるとは思っていません。私としては、2030年くらいまでは「S/4HANA」化が続くと予想しています。
デジタルトランスフォーメーションとは?
広木:成長戦略の2つ目はDXです。我々の強み、そして「DXとはそもそも何か?」ということについて記載しています。DXは、データとデジタル技術を活用した変革であり、なおかつ、組織、プロセス、企業文化のようなものを含めて変革していくことが重要だと言われています。
我々は、データを重要視しています。コロナ禍もありましたので、DXというと働き方改革というか、リモートワークができることがDXというような言い方をされてしまっています。それは間違いではありませんが、根幹はデータに基づいて、企業文化・醸成を変えていくことが大切だと思っています。
SAPサラウンドソリューション
広木:SAPサラウンドソリューションについてです。会計、受発注のような企業にとって大事なデータがSAPに蓄積されているものの、活用しきれていないところがあります。
そのため、SAPに蓄積されたデータをクラウドに上げ、SAPのデータのみならず、例えば工場などの現場にあるシステムのデータを吸い上げ、分析します。この分析の中に最近ではAIの使用などが含まれますが、そのような部分が我々の大きな強みであり、今後も非常に重要になってくる分野だと考えています。
データについては、みなさまでデータに基づいて考えることができるよう、セルフサービスで見ることができ、かつ、どのようなデータが揃っているかが非常に重要です。これまではデータサイエンティストなどの専門家しか見られなかったものを、みなさまが見られるよう変えていきます。
バイモータルの対応力
広木:突然難しい内容になりますが、スライドにはIT調査会社のガートナーが提唱している「バイモーダルIT」という考え方の表を示しています。
「モード1」とは、いわゆる従来型の考え方です。例えば道路を作る場合、ウォーターフォールのように上流から下流に流れるかたちで工程を管理し、順番を作り品質を守るという、日本人が非常に得意な手法です。こちらは「モード1」と呼ばれ、実はITもこの考え方のもとに進めていました。
しかし、それでは遅いのではないかということで、最近では「モード2」という考え方も重要視されています。こちらはさまざまアプリケーションをリリースし、フィードバックをいただきながらアップデートしていくサイクルを何度も繰り返すことが大事という考え方です。
よく「『モード1』はだめだ」ということで「『モード1』から『モード2』へ」と言われることがありますが、そうではありません。バイモーダルとして、両方のモードで行うことが大切です。
我々はSAPにおいて、「モード1」の堅いものだけでなく、クラウドやアプリケーション開発などでは「モード2」で取り組んでいます。このように、両方対応できることが我々の強みとなっています。
DXを実現するプラットフォーム構築提供
広木:以上を踏まえ、我々は「モード2」において、データに基づいて判断する新たな手法でアプリケーションを作っていきます。こちらが我々の大きな強みであり、今後の成長が望める分野です。
マルチクラウド対応マネージドサービス
広木:3つ目の成長戦略は「マルチクラウドリセール/MSP」です。こちらはクラウドライセンスリセールなどのストック型ビジネスで、企業のクラウドの伸びに伴って伸びていく部分です。
クラウドは毎月利用料をいただくかたちになりますので、利用状態を可視化しなければ、多額の費用がかかってしまうことがあります。我々は、このようなコストを可視化できるサービスを差別化として提供しています。
また運用部分では、従来の24時間365日の監視に加えて、さまざまなセキュリティサービスを随時サービスを追加しながら提供しています。
マネージドサービスの推進
広木:運用について、少し深掘りしてご説明します。こちらの分野で重要視しているキーワードが3つあります。1つ目は「オブザーバビリティ」で、日本語では「可観測性」と訳されます。
2つ目は「自動化(AIops)」で、これまで人間が運用していたところをAIを使って自動化し、いかに工数を減らすかということです。
3つ目は「Security」です。クラウドを使うにあたりセキュリティは非常に重要です。クラウドはインターネット上に存在しますので、人間が少しでも間違うと穴が空いてしまいます。
これまでのオンプレミスでは、初めにしっかりと設計すればそれほど事故は起きませんでしたが、クラウドはその後の設定でミスをすれば簡単に穴が空いてしまいます。そのため、初めにしっかりと設計し、その後ミスを発見した時は運用で早急に修正することが非常に大切です。我々はこの部分に注目し、サービスを提供しています。
オブザーバビリティとは?
広木:あらためて、オブザーバビリティについてご説明します。これまではシステムをモニタリング(監視)しているだけの状態でしたが、オブザーバビリティがあるとそのアプリケーションがどのような状態にあるのか、より深く理解することができます。
普段、みなさまがインターネットでさまざまなサービスを利用している時に、パフォーマンスが悪いと感じると、その時点で離脱してしまうと思います。そのような利益損失につながる部分について、システムが動いているかということだけでなく、今どのような状態にあるかをいち早く観測することがオブザーバビリティです。そして、そのレベルを上げていくことは非常に重要だと言われています。
セキュリティソリューションの提供
広木:セキュリティについて詳しくご説明します。セキュリティでは、外部からの侵入口を守って不正アクセスできる部分を排除する「エンドポイントセキュリティ」と、人間のミスを見つけることが重要になります。
さらに、ID管理として、人間がそのシステムに正しくアクセスしているか管理することも非常に議論されています。このあたりを刷新していきながら、安心安全に使えるクラウドを提供していきたいと考えています。
DXが進むにつれて、さまざまなシステムが連携したり、複雑化したりしています。それにより、セキュリティの穴が生じても、システムトラブルや問題が起きている箇所がわかりにくくなっています。
我々はこれまでのような単純な運用・保守ではなく、いかにこのような部分を広範囲で監視できるか、かつ、AIを使って自動化できるかということに注力しています。
さらに、新たな運用方法によりストック売上を伸ばしていきたいと考えています。
Our Vision
広木:このように、我々はITを使ってアグレッシブに企業活動を行っていきたいと考えています。先ほどもお伝えしたとおり、DXは、何かを作り、導入したら終わりではなく、いかにお客さまと一緒に改革していけるかが大切です。
我々は「DXジャーニー」という呼び方をしていますが、この旅路を一緒に歩んでいけるパートナーになるべく、努力しています。ぜひ、投資家のみなさまにもこの旅路にご参加いただき、さまざまな世界やエコシステムを作っていければと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上で、私からのご説明を終わります。本日はありがとうございました。
質疑応答:SAP関連のクラウド移行以外に伸びそうな事業について
坂本:「SAP関連のクラウド移行がメイン事業の1つということですが、それ以外で今後伸びていきそうなお仕事はありますか?」というご質問です。
広木:先ほどお話ししたDXにおいて、SAPに蓄積されたデータの活用が非常に大きなポイントです。また、先ほど「モード1」「モード2」のパートではご説明を省きましたが、クラウドのデータ活用後のアプリケーション開発が重要になると考えています。
現在、我々が取り組んでいるものとして、現実世界で起きていることをデジタルでミラーリングし、データ化する「デジタルツイン」と呼ばれる技術があります。車の操作をデータ化して自動運転に活かすように、データを現実世界の操作に戻す技術です。
今後は、このような技術が非常に重要になると考えており、集めたデータによりさまざまなアプリケーションを開発することが、我々の成長分野の1つになると考えています。
質疑応答:クラウド化する企業の割合について
坂本:「最近はSAPシステムのクラウド化が進んでいますが、いまだにオンプレミスにとどまる企業もあるというお話を聞いたことがあります。クラウド化されている企業は、肌感覚でどのくらいいますか? オンプレミスの提案に負けることもあるのでしょうか?」というご質問です。
広木:クラウドは3割くらいだと感じています。昨日もお客さまのところを訪問しましたが、オンプレにとどまる企業がまだ残っているという感覚を受けました。「オンプレミスに負けることがあるか?」というご質問に対しては、実は負けることもあります。
坂本:原因は価格などでしょうか?
広木:おっしゃるとおりで、近視眼的に価格の比較をされると負けてしまいます。先ほどお伝えしたように、クラウドは従量課金制のため、例えば7年間使用する場合、トータルではどんどん利用料が積み上がっていくかたちになります。
オンプレミスは5年償却くらいで計算すると、クラウドよりも安くなります。そのため、クラウドのほうが高く見えるということが起こります。
坂本:しかし、サーバーなどは激しく使うと5年も持ちませんよね。
広木:そのとおりです。サーバーは、保守のために7年後にはリプレイスしなければなりません。しかし、クラウドはクラウド上で運用しているため、新しいものはどんどんリフレッシュしています。いつかはクラウドも変える時が来ますが、その手間はあまりなく、そこまで大変ではありません。
一方で、オンプレミスは最初に1億円を投入したら、また5年後に1億円投入しなくてはいけません。したがって、10年間のトータルで見るとクラウドのほうが安いですが、6年、7年くらいの微妙な期間で比較すると、オンプレミスのほうが安く見えてしまいます。
最近は「オンプレ回帰」などがトレンドで取り上げられていますので、そのような理由でオンプレミスに負けることはあります。私としてはもう少し長い目で、しっかりとコスト比較をしてほしいと思っています。
坂本:同じ社長が7年間いるかどうかなんてわかりませんからね。
広木:経営や投資の考え方、計算方法によって変わりますので、その部分で負けることがあるということです。
質疑応答:マーケティング費用について
坂本:「お話を聞いていると、事業は需要超過で無理にマーケティングを行う必要がないように思うのですが、あえてマーケティングに費用をかける理由を教えてください」というご質問です。こちらは、今リーチできていない良い客がいるかもしれないというイメージだと思いますが、いかがでしょうか?
広木:おっしゃるとおり、極端に成長を求めなければそこまでかける必要はありませんが、今後は、我々がこれまでリーチできなかったお客さまや、SAP以外のお客さまにもリーチしていきたいと考えています。
我々の従来のスタンダードは、クラウドインテグレーションを行い、クラウドライセンスリセール、MSPがついてくるというものでした。
しかし最近は、自分たちでクラウドを触って構築を始めたものの途中で困り、クラウドライセンスリセールやMSPからスタートしてクラウドインテグレーションを行うという、別のループのお客さまもやや増えてきています。
このような流れの違う部分からもお客さまを取り込みたいと考え、マーケティング費用をかけているところです。
坂本:「途中までやったけど無理だったから手伝って」というケースがあるということですか?
広木:そのとおりです。さらに「自分たちで試してみたけど、本格展開をするなら専門家に来てほしい」「セキュリティなどはわからないので任せたい」というお客さまもかなり多くいます。
質疑応答:クラウドライセンスリセールに対する円安の影響について
坂本:「クラウドライセンスリセールのセグメントは、円安になったら売上が膨らみますか?」というご質問です。
広木:おっしゃるとおり、ドルで仕入れて円で売っていますので、円安の時は売上が伸びます。そのため、昨年は円安影響からライセンス売上が伸びました。
坂本:御社は少なくとも無償ではなく、ある程度の手数料をいただいていると思います。手数料は定額だと思いますが、円ベース、ドルベースのどちらでしょうか?
広木:手数料というより仕入れのマージンになりますので、ドルベースです。
坂本:ドルベースのため円安になるとマージンが厚くなり、大きくはないものの利益貢献するということですね。
広木:そのとおりです。そこまで大きくはありませんが円安のほうが利益に貢献します。
質疑応答:パブリッククラウドの先の技術について
増井:「パブリッククラウドもさらに進化しているということですが、この先どのような進化をしていくのでしょうか? もしくは、まったく別のものが出てくる可能性があるのでしょうか? パブリッククラウドの先の技術について教えてください」というご質問です。
広木:パブリッククラウドはどちらかと言いますと技術というより提供形態ですので、その中での成長というお話になります。例えば、最近では「ChatGPT」などのAIが挙げられますが、どんどん新しいクラウドサービスが生まれてくるという考え方になると思います。
やはり一番大きいのはAIです。特に、「ChatGPT」はエンジニアもさすがに衝撃を受けました。もちろん、使い方などにもまだいろいろな問題がありますが、一瞬、我々プログラマーの間では「プログラムを勝手に作られたら僕らの仕事がなくなるのではないか」という話になりました。
とはいえ、「ChatGPT」を活用するノウハウへと意識が変わりますので、そのような意味でもAIはかなり大きく伸びていきます。その部分が、パブリッククラウドという提供形態の中から、さまざまなサービスが生まれてくるかたちになると考えています。
また、こちらは複雑で理解が難しいのですが、我々の親会社のグループの中に、量子コンピューターという新しいコンピューターの専門会社があります。
このように、これまでとまったく違うコンピューターが出てくると、提供形態も大きく変わる可能性が出てくると思っています。こちらについては、5年、10年の先だと思いますが、非常に興味深い展開になると考えています。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:需要と供給で考えると、SAP移行に対してエンジニアの供給が圧倒的に足りないと想像していますが、貴社としても受注とリソースでいえば、エンジニアのリソースのほうが圧倒的に足りていないという理解でよろしいですか?
SAPとクラウドができるエンジニアとなると、引く手あまたの状況であると推察されますが、採用の状況はいかがでしょうか?
回答:現状、リソースが足りていない状況なのはご理解のとおりです。採用については弊社成長の最大の課題ではありますが、確実に採用はできており人員は増えてきています。またクラウドとSAP両方をわかる人間でなくても、採用後に教育などを行っています。
<質問2>
質問:電気が止まった際の対策はどの程度されていますか?
回答:クラウドのデータセンターにはバッテリーや自家発電装置が備えられています。具体的に何時間という指標はクラウドベンダーが明確に出していないため回答は差し控えますが、通常の停電で停止することはありません。また、複数のデータセンターで稼働していますので、最悪、別のデータセンターに切り替えることも可能となっています。
<質問3>
質問:メガクラウドベンダー(Amazon・Microsoft・Google)の今期決算を見ると、成長率が鈍化傾向にありますが、貴社としてはあまり影響はないのでしょうか?
回答:今までの大きな成長に比べると鈍化していますが、今後もクラウドが中心であることに変わりはなく、各メガクラウドベンダーは成長し続けるものと見ています。弊社事業には影響はありません。
<質問4>
質問:「ChatGPT」の出現は、常に高性能なサーバーの更新等が必要であることを理由に、オンプレミスよりクラウドに有利に働きますか?
回答:「ChatGPT」はクラウドサービスとして提供されています。今後クラウド上のアプリケーションと連携することが予想されるため、クラウドの需要が高まると考えています。
<質問5>
質問:アプリケーション分野も今後成長するというお話がありましたが、アプリケーションでいえばSIerのほうに一日の長があるように思います。この点はいかがでしょうか?
回答:我々は「クラウドネイティブ」という言い方をしますが、従来型のアプリケーション開発ではなく、クラウドのサービスを最大限利用したアプリケーション開発が弊社の特徴となります。リソースに関しては大手SIerに到底かないませんが、スキルレベルでいえば負けないものを持っていると自負しています。
<質問6>
質問:貴社はどのようなところでSIerと競争していくのでしょうか?
回答:SAP導入を行う大手SIerや、オンプレミスを得意とするハードウェアベンダーのSI部隊と競合になることが多いです。