2023年3月期第2四半期決算説明

荒川隆治氏(以下、荒川):みなさま、こんにちは。アルフレッサホールディングス株式会社の荒川隆治でございます。平素は格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

弊社は11月7日に、2023年3月期第2四半期の決算発表を行いました。本日は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、Webライブ配信の形式で決算説明会を開催します。よろしくお願いいたします。

はじめに、副社長の岸田から2023年3月期第2四半期の業績について、次に私から、主な取り組みと業績予想についてご説明いたします。

連結損益計算書

岸田誠一氏:こんにちは。アルフレッサホールディングスの岸田です。まず、第2四半期の連結損益計算書からご説明します。

2022年9月期の売上高は、前年同期比で3.4パーセント増加して1兆3,324億円となりました。売上総利益は4.2パーセント増加の910億円、売上比は6.83パーセントで前年より0.05ポイントアップしました。

販管費は3.3パーセント増加し808億円、営業利益は12.2パーセント増加の102億円、売上比は0.77パーセントで前年より0.06ポイントアップしました。経常利益は4.9パーセント増加の114億円、四半期純利益は0.2パーセント増の70億円となり、増収、各利益段階で増益となりました。

当初予想に対する達成率は、スライドの表の右端の列に記載のとおり、売上高は102.2パーセント、営業利益は134.6パーセント、四半期純利益は129.7パーセントの達成となり、先日、上方修正のリリースを行いました。営業損益の増減要因は、セグメント別のところでご説明します。

配当については、配当方針の純資産配当率2.4パーセントに基づき、中間期は28円としました。期末配当予想は29円と当初予想を変えず、設立以来の増配を継続しています。

連結貸借対照表

次に、連結貸借対照表についてご説明します。2022年3月末と比較して、資産合計は302億円増加して1兆3,342億円となりました。主な増加要因として、資産の部では流動資産が80億円、固定資産が221億円増加しています。

流動資産では、売上増加に伴い受取手形・売掛金が189億円増加した一方、現預金が108億円減少しています。固定資産では有形・無形固定資産の取得で84億円の増加、投資有価証券の時価増加等で、投資その他の資産が136億円の増加となりました。

一方、負債・純資産の部では、支払手形・買掛金の仕入債務も売上増加に伴い272億円増加しました。また、純資産は100億円増加して4,819億円、自己資本比率は36.1パーセントとなりました。

連結キャッシュ・フロー

続いて、連結キャッシュ・フローです。営業活動によるキャッシュ・フローは106億円の増加、うち運転資本差による増加が82億円です。投資活動によるキャッシュ・フローは153億円の減少、うち物流センター・営業支店の新設等、固定資産の取得による減少が141億円です。フリーキャッシュ・フローは46億円の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは63億円の減少、うち配当金支払は54億円でした。この結果、期首からキャッシュは109億円減少し、期末残高は1,681億円となりました。

医療用医薬品等卸売事業

ここからはセグメント別の営業損益をご説明します。まず、医療用医薬品等卸売事業の業績です。売上高は、前年同期比で4.3パーセント増加して1兆1,820億円となりました。売上総利益は前年同期比4.9パーセント増加の653億円となり、売上比は前年から0.03ポイントアップの5.53パーセントです。

販管費は前年同期比3.8パーセント増の573億円です。営業利益は前年同期比13.7パーセント増の79億円で、売上比は前年から0.06ポイントアップの0.68パーセント、予想に対する達成率は131.1パーセントとなりました。医療用医薬品市場は2.7パーセント成長の中、弊社の売上高はメディカル品も含め、4.3パーセント増加しました。

市場の伸⻑、前年度の⼊札指名停⽌からの回復、インフルエンザワクチンの早期受注、およびメディカル品への注⼒等の結果、増収と増収効果による売上総利益の増加により増益となりました。

売上構成比・妥結率

カテゴリー別の売上構成⽐は、スライドに記載のとおりです。新薬創出加算品と特許品・その他を合わせると、売上構成⽐は73.7パーセントで全体の4分の3弱になり、前年⽐で⼤きく伸びています。⻑期収載品は14.0パーセント、後発医薬品は12.3パーセントとなっています。

期末時点での価格妥結率は⾦額ベースで95.4パーセントで、過去と同程度の⽔準となりました。

セルフメディケーション卸売事業

次に、セルフメディケーション卸売事業の業績です。売上⾼は前年同期⽐4.5パーセント減の1,240億円、売上総利益は前年同期⽐で1.7パーセント減の124億円、売上⽐は10.01パーセントで、前年より0.28ポイントアップしました。

販管費は、前年同期⽐2.4パーセント削減の112億円、営業利益は前年同期⽐6.0パーセント増加の11億円、売上⽐は0.93パーセントで前年より0.09ポイントアップしました。予想に対する達成率は105.3パーセントとなりました。

新型コロナウイルス感染予防関連商品の需要の落ち込み等の⼀⽅で、利益・コスト⾯の管理を徹底したこと等により、減収増益となりました。

医薬品等製造事業

次に、医薬品等製造事業の業績です。売上⾼は前年同期⽐3.3パーセント増加の236億円、売上総利益は前年同期⽐3.6パーセント増加の67億円となりました。

販管費は前年同期⽐9.2パーセント増加の57億円、営業利益は8億円、売上⽐は3.57パーセントと前年比では減益でしたが、予想に対する達成率は168.6パーセントとなりました。

⻑期収載品の承継品の売上伸⻑、および新型コロナウイルス抗原迅速検査キットの需要拡⼤の⼀⽅で、受託製造における減収や減価償却費等の経費増により、増収減益となりました。

医療関連事業

最後は、医療関連事業および調剤薬局事業の業績です。売上⾼は前年同期⽐6.4パーセント増加の178億円、売上総利益は前年同期⽐9.0パーセント増の67億円となりました。販管費は前年同期⽐4.4パーセント増の67億円となり、その結果、1,400万円の営業損失となりました。

薬価改定に伴う減収の⼀⽅で、連結⼦会社のアポクリートによる同社の⾮連結⼦会社からの事業譲受の影響等による増収と、コスト低減による利益改善を図りました。以上が、2022年9⽉期の決算概要です。私からの説明は以上でございます。

22-24中計期間の主な取り組み

荒川:引き続きまして、荒川より「22-24中期経営計画」の取り組み状況をご説明いたします。今中計は「未来への躍進~進化するヘルスケアコンソーシアム~」と題して、スライドに記載のとおり、5つのグループ経営⽅針を定め、現在取り組みを進めています。

22-24中計期間の主な取り組み

こちらは、「22-24中期経営計画」の主な取り組みの⼀覧です。上期の成果について、次のスライドからご説明いたします。

『流通品質統括部』の新設

まずはじめに、医療⽤医薬品等卸売事業についてです。本年10⽉に、アルフレッサホールディングスにおいて「流通品質統括部」を新設しました。

スペシャリティ事業への注⼒を進める中、グループ全体のGDPの対応およびPMS施策の統括機能を弊社に設置することで、流通管理機能のガバナンスのさらなる強化を図ってまいります。

仙台本社を新設 郡山本社と二本社制へ移行を決定

同じく、医療⽤医薬品等卸売事業において、東北アルフレッサが東北地⽅最⼤の都市である仙台市に本社を新設しました。

お得意さまへの⼀層のサービス向上や、製薬企業をはじめとするお取引先さまとのさらなる連携強化を図り、これまで以上に東北の地域医療に貢献してまいります。仙台本社は、本年11⽉21⽇より業務開始予定です。

青島耐絲克医材有限公司の分公司を上海市に開設

医薬品等製造事業においては、アルフレッサファーマが本年9⽉1⽇に⻘島耐絲克医材有限公司の分公司を上海市に開設しました。

この上海分公司を新たな活動拠点として、中国における医療機器製品および診断薬関連製品の調査や上市の推進、取り扱い製品の拡充を実現し、同国での事業拡⼤を図ってまいります。

(株)フロンティア・フィールドとの資本業務提携

続いて、DX推進の取り組みのうち、「攻めのDX」についてご説明します。アルフレッサが、フロンティア・フィールドさまと資本業務提携契約を締結しました。フロンティア・フィールドさまが開発した「日病モバイル」は、医療機関専用のスマートフォンです。PHSサービスの終了に伴う買替需要に対応することができます。

「日病モバイル」には、医療従事者が業務で必要とするさまざまな機能があります。例えば、写真の共有やチャット、ナースコールの受信、緊急時一⻫通報、一部のカルテとの連携などです。

そこにアルフレッサのデジタルツールである「Mydodes」を搭載でき、病院へ紹介します。製薬企業のMRは、医師とのチャットに加え、アポイントやWeb面談、薬剤情報の提供などが可能となり、速やかに医師との連携を取ることができます。

医師や医療従事者のみなさまの働き方改革を支援し、患者さまの満足度を高めるなど、課題解決を行うことで新たな事業領域での収益創出を目指しています。

業務の効率化による働き方改革とCO2排出量削減

一方、「守りのDX」は、働き方改革とCO2排出量削減への取り組みです。グループの生産性向上と業務プロセスの統一を目的に、クラウド型の経費精算システムを10月に本格稼働させました。リモートでの作業や、業務効率化などによる働き方改革、加えてペーパーレスによるCO2排出量削減も推進していきます。

医薬品配送用EVの実証実験を実施

続いて、ESG課題への取り組みです。1つ目に、本年5月、アルフレッサが、環境に配慮しながらPIC/S GDPに準拠した医薬品配送を実現することを目的として、アイ・ティ・イーさま、キリックスリースさまと共同で医薬品配送用EVを開発し、実証実験を開始しました。

本実証実験では、高温多湿な夏の環境下において、実運用に則したオペレーションを実施し、荷室内の温度を概ね15度から25度に保てることを確認しています。

『アルフレッサグループ人権方針』を制定

2つ目は、人権尊重についてです。本年4月、10の大項目からなる「アルフレッサグループ人権方針」を制定しました。人権の重要性がますます高まる中、グループ全体で人権を普遍的な権利と認識し、人権尊重に基づいた行動を実践するなど、前向きに取り組んでいきます。

『ダイバーシティ』を中心とした人財戦略の推進

また、本年9月には、ティーエスアルフレッサが「くるみん認定」を取得しました。同社は、所定外労働削減のための措置、子育てがしやすい勤務体制の拡充・導入、有給休暇の取得促進などの取り組みを推進しました。出産・育児と仕事を両立させ、職場が育児により理解を示し、協力しながら働く職場環境を整備していきます。

連結業績予想

続いて、2023年3月期業績予想です。まずは、2023年3月期の連結業績予想についてご説明します。こちらは当初の予想から変更していません。増収、かつ営業増益を見込んでいます。詳しくはスライドの表をご確認ください。

医療用医薬品等卸売事業

続いて、セグメント別にご説明いたします。医療用医薬品等卸売事業についてです。こちらも当初の予想を変更していません。前年度までの入札指名停止からの回復等により増収の計画です。物流センターへの投資による減価償却費等の販管費の増加はありますが、価格管理の徹底を継続し増益計画となります。

セルフメディケーション卸売事業

次に、セルフメディケーション卸売事業についてです。こちらも当初の予想から変更していません。専売商品と専売メーカーの販売に注力し、引き続き利益とコストの管理を徹底することにより、増収増益を見込んでいます。

医薬品等製造事業

次に、医薬品等製造事業についてです。当初の予想から変更していません。承継品の拡充などの製品ラインナップの増加により増収の計画です。一方、減価償却費や開発研究費等の販管費の増加により営業減益の計画です。

医療関連事業

最後は、医療関連事業についてです。調剤薬局事業になります。こちらも、当初の予想から変更していません。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療機関の受診抑制からの回復や、本年4月にアポクリートがその非連結子会社から事業譲受を行ったこと等により増収の計画です。

また、その事業譲受の影響で販管費額は増加しますが、昨年4月のセグメント内合併以来、技術料の獲得の推進に努めており増益を計画しています。

以上をもちまして、弊社からのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。