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太田剛氏:みなさま、こんにちは。株式会社ハブ代表取締役社長の太田でございます。本日はお忙しい中、2023年2月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、ご説明に入らせていただきます。
本日は、2023年2月期第2四半期の実績、今期の取り組み、今後の取り組みについてご説明します。
サマリ 第2四半期累計(3月~8月)
2023年2月期第2四半期累計実績のサマリです。店舗状況、売上状況、業績状況、財務状況の順にご説明します。
店舗状況
店舗状況です。今期は出退店はなく、店舗数は102店舗となっており、既存店の回復に注力してきました。
店舗状況
営業状況です。3月下旬より全店で平常営業を再開しましたが、夜の特に深夜帯の客足の戻りが非常に厳しく、現在は閉店時間を少し繰り上げて営業しています。そのため、コロナ禍前と比較すると、総営業時間は約80パーセントの稼働となりました。
ただし直近では、深夜帯のお客さまの戻りが少し見えてきていますので、閉店時間を少し繰り下げて日常に戻していく取り組みをしており、現在の総営業時間は85パーセントから90パーセント弱まで戻っています。
業績状況(損益計算書) 前年比較
スライドは前年と比較した損益計算書ですが、前期がほとんど営業できていない状況ですので、次のスライドの計画比でご説明します。
業績状況(損益計算書) 計画比較
売上高は計画比マイナス3億4,100万円の33億8,700万円、営業利益は計画比マイナス2億700万円のマイナス4億8,500万円、経常利益は計画比マイナス2億200万円のマイナス4億9,800万円でした。
当期純利益は、当初は6,000万円の黒字を見込んでいましたが、結果は計画比マイナス2億5,700万円のマイナス1億9,700万円の赤字と、厳しい着地となりました。
この要因の1つとして、7月の新型コロナウイルス感染拡大の第7波が大きく影響し、売上がショートしたことが挙げられます。また昨今の原材料価格の高騰から、原価率は30.5パーセントと、計画比で1.9ポイント悪化しました。
業績状況(売上高回復率)
当社の現状の予算とも言える「売上高回復率」は、コロナ禍前と比較して、どれくらい業績が回復しているかを表したものです。スライド上段は2020年2月期比で、3月、4月の立ち上がりは少しもたついたため計画よりも下回る状況でしたが、5月、6月に入ると計画どおりに推移していました。
しかし、第7波の感染拡大により、7月は63.7パーセント、8月は57.5パーセントと前月より下降し、結果として、上期は57.2パーセントの着地となりました。
ちなみに上期の予算は63パーセントで設定していましたので、売上高は約6パーセントの未達となっています。
スライド下段は2019年2月期比です。9月は69.8パーセントと、8月の壊滅的な状況からは持ち直しています。10月以降は計画値ですが、足元でも計画を上回る着地を見込んでいます。
11月、12月は世界的なスポーツイベントが控えており、本格的な業績の回復を見込んでおり、下期は、コロナ禍前との比較で80.7パーセントの回復を計画しています。
業績状況(損益計算書) 2020年2月期比較
コロナ禍前の2020年2月期と比較した損益計算書です。後ほど参照いただければと思います。
業績状況(貸借対照表)
貸借対照表です。資産合計は74億8,500万円、負債合計は51億5,300万円、純資産合計は23億3,200万円、自己資本比率は31.2パーセント、有利子負債残高は36億7,700万円となっています。これらの増減要因は、スライドのコメントをご覧ください。
業績状況(キャッシュフロー)
キャッシュフローです。営業活動によるキャッシュフローはプラス4億1,000万円、投資活動によるキャッシュフローはマイナス5,500万円、財務活動によるキャッシュフローはマイナス1億9,400万円となっています。
現金及び現金同等物の四半期末残高は、45億6,600万円となっています。これらの要因は、スライドのコメントをご覧ください。
業績状況
四半期別売上高です。第2四半期にあたる6月、7月、8月の売上高は18億6,300万円となりました。
業績状況
四半期別純利益はマイナス1億9,300万円の赤字で、主に新型コロナウイルス感染拡大の第7波の影響や原材料価格の高騰により、非常に厳しい着地となっています。
創業50年ビジョン・中期経営計画
今期の取り組みについてご説明します。今期をスタートとして、創業50年ビジョン・中期経営計画に取り組んでいます。こちらに基づいて各施策を実行しています。
年度方針
年度方針は「ネアカのびのびへこたれず」です。コロナ禍の厳しい環境の中で、マインドとして「決してへこたれることなく前進しよう」という思いをこのスローガンに込めました。
第2四半期の取り組みについて
第2四半期の取り組みについて、人員状況、営業関連、販促関連の順にご説明します。
人員状況
クルー在籍人数は、2022年8月末で1,562名です。昨今、外食産業ではなかなかアルバイトの採用が厳しいとよく耳にしますが、当社では比較的順調に採用が進んでいます。
9月もさらに採用を進めた結果、10月までに人員を十分確保できましたので、11月、12月は戦力化するための教育にシフトしています。11月、12月、そして、2023年1月、2月に向けて、クルーの人員体制はしっかりと整っています。
人員状況
社員の採用状況です。昨年は採用活動をストップしていましたが、今年度からスタートしました。9月末時点ですが、来年4月入社の新卒は9名が内定しています。引き続き採用活動を行っていますので、来年の4月1日には十数名の新卒が入社する予定です。
人員状況
当社では、学生時代にハブを利用したお客さまが社員に応募してきますが、コロナ禍で休業等が多く、ハブを体験した学生が非常に少ない状況です。それらを加味した上で、今期はクルー(アルバイト)からの社員登用に重点的に取り組んできました。
具体的には、これまで年2回の社員登用機会を設けてきましたが、今期は年6回と、2ヶ月ごとに説明会を行っています。現在は4回目の採用活動が終了しましたが、19名のクルーの社員登用が決定しています。当年度は残り2回ありますので、おそらく25名程度がクルーから社員へ登用できる見込みです。
最終面接では「なぜこの厳しい環境の中で社員登用を目指したのか」と全員に質問するのですが、その回答が本当に喜ばしいものでしたので、ここでクルーの言葉をご紹介します。
「厳しい環境の中で来てくれるお客さまから、本当に励ましの言葉をいただくんです。『がんばれよ』そして『絶対にこの店を潰さないでほしい』に加えて、コロナ禍前より『ありがとう』と言ってもらえる回数が格段に増えました」
「当社の経営理念である『英国PUB文化を日本において広く普及させるために、感動文化創造事業を展開する』ことは本当に意義のある取り組みだと、今回あらためて確信できました。だからクルーから社員の立場でHUBを盛り上げていきたいんです」
ほぼ全員がこのような回答をしてくれます。クルーから社員登用へ挑戦するにあたり、コロナ禍で厳しかったからこそ、お客さまのありがたさ、店舗のお客さまや地域のみなさまが店舗を本当に必要としてくれていることを再認識し、社会貢献につながる活動だと確信できたことが理由の1つにあると聞いています。
私はコロナ禍で失うものがたくさんありましたが、その中でも、「唯一にして一番の宝物である「人財」を得た」と考えていますし、これらを含めて、クルーの採用、戦力化、正社員登用と、下期は万全体制で戦っていきます。
営業関連
営業関連についてご説明します。「8月2日はハブの日」ということで、3年ぶりにお客さま感謝デーを開催しました。毎年8月2日はドリンクを全品半額にし、徹底的にお客さまに感謝する日としていますが、今年の8月2日は新型コロナウイルス感染が拡大しており、開催するべきかどうか非常に悩みました。
実は、「ダイエー」の創業者で、当社の創業者でもある中内㓛氏の誕生日は1922年の8月2日です。そのため「生誕100周年の今年はぜひ実行しよう」と決断しました。今年の8月2日は平日の火曜日でしたが、当社は月曜日、火曜日は集客に苦労する曜日として苦手としていました。しかし、結果として、たくさんのお客さまに来店いただき、全店でほぼ週末並みの活気を帯びた営業ができました。
スタッフからは「久しぶりにパブの雰囲気の中でよい営業ができた」との感想を聞き、withコロナに向けた1つのきっかけとなったと考えています。
営業関連
周年特別営業は、店舗ごとに年に一度の開店日を祝うイベントです。こちらもしばらく休んでいましたが、今期に入って順次再開しています。
営業関連
「カクテルコンテスト」は、従業員のモチベーションを高めるコンテンツの1つとして、重きを置いている取り組みですが、今年は3年ぶりに21回目のコンテストを開催しました。
前回より少し期間が空きましたので、当初は少し心配しましたが、結果的には200作品以上の応募があり、「HUB」がコロナ禍からwithコロナにシフトしたことを十分に体験できるコンテストとなりました。
コンテストの優秀作品は、9月の「人と人をつなぐカクテルキャンペーン」でお客さまに販売し、販売数でも大きな成果をあげています。結果的に、従業員全体のモチベーションを高めることができた取り組みとなりました。
営業関連
当社では、月次ごとにキャンペーンを展開しています。基本的には商品の提案を行っていますが、当年度は4月より継続して実施しています。
営業関連
「HUB CRAFT(ハブクラフト)」は、EC販売用に開発した缶ビールです。商品の味・品質について、お客さまからお褒めの言葉をたくさんいただきましたので、店舗でも販売しています。
また、今年5月からグランドメニューに掲載していますので、出荷本数が一気に伸びています。ただし、あくまでもEC販売での商品ですので、「HUB ALE(ハブエール)」と同じく、ドラフトタワーからグラスに注いで提供するかたちで、今後の軸として育てていきたいと考えており、導入のタイミングを見ながら準備を進めています。
営業関連(ハブトラック)
「HUBトラック」も地道にコツコツ活動してきました。「ハブの日」とは関係ありませんが、8月2日にヤクルトスワローズのお祭り「SWALLOWS Summer Night Festival」に出店した結果、売上は33万円と、過去最高単日売上を更新しました。
このように、イベントの開催場所や商品についても、お客さまから支持を得られるノウハウが確実に蓄積されてきていますので、今後も「HUB」ブランドの認知を高めていくための機動性の高い1つの武器として、「HUBトラック」を展開していきたいと考えています。ただし、現時点で「HUBトラック」を2台、3台と増やすことは考えていません。
販促関連(メンバーズカード)
次に販促関連として、メンバーズカードについてご説明します。当社の販促の軸であるメンバーズカードは、着実に会員を増やしています。今回は、カードの要であるアプリ登録について、進捗をご説明します。
販促関連(メンバーズカード)
メンバー売上構成比は全体の約40パーセントで、新型コロナウイルス感染拡大の第7波の状況下でも、比較的安定して来店いただいています。
販促関連(メンバーズカード)
2022年8月時点のメンバー総数は、2022年3月比で約144パーセントの約18万8,000名です。
販促関連(メンバーズカード)
メンバーのうちアプリ登録者数は約7万4,000名で、全体の約40パーセントにあたります。また、再来店率はアプリ登録メンバーが64パーセント、非アプリメンバーが36パーセントとなっています。
販促関連(メンバーズカード)
メンバーについてもう少し詳しくご説明します。2022年5月の入会者のうち、アプリ会員と非アプリ会員の比率は4対6となっています。このうち、非アプリ会員の、5月の入会以降、9月までの再来店率は36パーセントでした。もう少しリピートしていただきたいのですが、月日が経てば再来店率は増えていきます。
一方で、アプリ会員に対しては、来店動機につながるようなクーポンを配信する実験も行っています。例えば、月に1回しか来られない会員に対して「30パーセントオフ」「スピードメニュー無料」のクーポンを配信することで、月1回の来店回数が2回に増えるかどうかを検証しています。
また、3ヶ月間ご来店のない会員に対して、クーポン配信が再来店につながるかといったことも検証しています。
指標としているクーポンの回収率は、現状20パーセントから30パーセントで、まだ検証中ですが、これを繰り返していくことで休眠顧客化を防ぎ、来店頻度の向上につなげられるのではないかと考えています。
実際に、アプリ会員の再来店率は64パーセントと非常に高い割合となっているため、メンバーズカード会員を増やしていくだけではなく、アプリ登録のための取り組みを行っているところです。
販促関連(メンバーズカード)
ハブマネーチャージ金額は累計で約5億2,500万円です。ハブマネーチャージを利用すると圧倒的に決済スピードが上がります。この決済スピードは売上に直結します。現在、店舗に行列ができることは非常に稀ですが、afterコロナでたくさんのお客さまに来店いただける環境になった時に向けて、着々と準備を進めていきます。
販促関連(MIXI GROUPとの取り組み)
MIXI GROUPとの取り組みについて、1つ目はアニメ映画『プロメア』とのタイアップです。上映店舗の近くの5店舗で取り組みをスタートし、映画に出てくる料理を「HUB」で食べたり飲んだりできるコラボメニューを販売しました。加えて、ファンの方にとって非常に貴重なコースターをノベルティとし、店内の装飾も施したところ、我々の想定以上の反響がありました。
こちらは2022年5月28日から6月30日まで開催しましたが、5店舗とも連日のようにたくさんのお客さまに来店いただきました。上映時間前後に一気に来店されるため、その反響の大きさから5店舗から1店舗増やし、計6店舗で展開しました。また、これによりかなり大きな売上につながり、客数も増えた取り組みとなりました。
ただし、このようなイベントで集めたお客さまが将来の「HUB」のお客さまになるのかという懸念があり、その検証のため『プロメア』コラボデザインのハブメンバーズカードを限定的に発行しています。こちらは入会者向けに、アプリ上で『プロメア』コラボデザインカードが付与されるかたちです。
このコラボデザインカードを活用して、『プロメア』がきっかけで「HUB」に初めて来店され、入会した400名のメンバーについて、6月30日のイベント終了以降に再来店されるかどうかを検証しています。こちらについては私も少し驚きましたが、現在288名のお客さまが再来店されていますし、1回だけでなく週に2回あるいは3回来られるお客さまもいらっしゃいます。
これまでの傾向として、Jリーグや日本代表戦のようなスポーツイベントで来店されたお客さまは、そのまま「HUB」の常連になることが多かったのですが、今回のタイアップにより、アニメのイベント目当てで来られたお客さまも、将来の大切なお客さまになる可能性が大いにあると確信しました。スポーツだけでなく、さまざまなコンテンツを軸に新規顧客を獲得し、常連になっていただけるということです。
MIXI GROUPとの取り組みは非常によい取り組みで、今後も継続していきたいと思います。また、検証についても今後の動向を追っていきます。
販促関連(MIXI GROUPとの取り組み)
映画『犬王』とのタイアップは『プロメア』ほど大きな盛り上がりはありませんが、このような取り組みを継続的に取り組んでいきたいと考えています。
販促関連(MIXI GROUPとの取り組み)
MIXI GROUPの中でも非常に大きなコンテンツである「モンスターストライク」についてです。幕張メッセで行われた、モンスターストライクのイベント「XFLAG PARK 2022」にて出店しました。
2022年7月9日、7月10日の2日間で、オリジナルメニュー販売及びオリジナル缶バッジのプレゼントを実施しました。初日は営業を開始して早々に完売するほどの反響があったため、翌日は倍以上の食材を用意するものの、それもほぼ完売し、「モンスターストライク」が秘める集客力を大いに確認できました。
また、サテライトの3店舗において、当イベントの映像を放映し集客を試みましたが、事前告知がほとんどできておらず、こちらは想定を少し下回る結果となりました。しかし、しっかりと事前準備をして計画的に実行すれば十分に集客できる可能性があるとして、引き続き「モンスターストライク」との取り組みにより、新規顧客の開拓に注力していきたいと考えています。
販促関連(MIXI GROUPとの取り組み)
Jリーグチーム及び「Fansta」との取り組みをご紹介します。そもそもハブとJリーグは、約20年の長いお付き合いがあります。今までもサポーターが「HUB」に集まってビールやカクテルを飲みながら試合を観戦し、サポーターからは十分に価値を認めていただいていました。今回はこちらに「Fansta」が加わったことで、OB選手が「HUB」に来て一緒に飲みながら試合を解説するというイベントが実現しました。
OB選手の解説付きのイベントを開催することで、スタジアムと一体化する非常に価値のある空間が提供できていると思います。
販促関連(スポーツとのシナジー)
HUB GRAMPUS PUB MIRAI TOWER店は、名古屋グランパス及び名古屋を象徴するテレビ塔・MIRAI TOWERとともに地域に根ざしたパブを作ろうと取り組んでおり、今後、我々が47都道府県に出店していく上で理想的な店舗だと考えています。この店舗の取り組みを再度検証しながら、今後の新規出店に向けて地域に根ざしたパブの考え方のベースにしていきたいと思います。
販促関連(スポーツとのシナジー)
2023年にはラグビーの世界的な大会が開催されます。今回はアサヒビールが公式スポンサーとなるため、来年に向けて着々と準備を進めています。キーとなる商品の販売を通じて、今から少しずつ気運高めていきたいと考えています。
販促関連(スポーツとのシナジー)
サッカーと同様に、ラグビーチームとのコラボも多数実施しています。OBや現役の選手に試合を解説していただくという、ファンの方からすれば非常に価値のある取り組みを行いました。ラグビー初心者のお客さまにとって、このような解説付きの放映は非常に貴重です。
販促関連(公式SNS)
SNSの取り組みについてです。2022年8月31日時点の「Twitter」のフォロワー数は6万4,898人で、現在はもう7万人に達しているのではないかと思います。「Twitter」では自社のイベントや企画、キャンペーンなどの情報発信ができるほか、情報が拡散されやすいことから他企業とのコラボ企画も盛んに行われています。
「Twitter」には無限の可能性を感じており、「ハブとは一体なにか?」というところから入る方にとっても非常に貴重なツールですので、今後もしっかりと取り組んでいきます。
販促関連
これまでの取り組みであるキャンペーンやイベントは、すでに「HUB」に来店いただいているお客さまを飽きさせないための施策でした。お客さまが「HUB」に通い続けるうちに、1人、2人と友人を連れてきていただき、結果として新規顧客開拓につながるという方向で、さまざまな施策を打ってきました。
しかし、今回のMIXI GROUPとの取り組みは、これまで「HUB」とまったく接点がなかったお客さまにイベントを通じて来店いただき、その後「HUB」の常連として囲い込んでいくというものです。先ほどお伝えしたように『プロメア』とのタイアップでは実際にそのような現象が起こり、新規顧客獲得において大きな成果をあげています。
昨今の状況から、まだ集客を積極的にできる状況ではないことは十分に理解していますが、今後のwithコロナ、afterコロナに向けて、常連のお客さまを大切にしながら新規のお客さまを温かく迎え入れ、常連となっていただくことで「HUB」の売上・客数増を図っていきたいと考えています。
9月1日 組織体制変更
今後の取り組みについてご説明します。今年度は、店舗運営の強化を最優先課題として取り組みます。営業本部のミッションである、お客さまにさらなる価値あるサービスを提供していくための組織体制をスライド図に示しています。
価格改定(11月1日~)
2022年11月1日より価格改定を行います。ご承知のとおり、人件費、商材、物流、消耗品費、水光熱費などあらゆるコストが高騰しています。企業努力ではこれらを埋め合わせることができない状況ですので、今回、単品価格において5パーセント程度の値上げを行います。
また販売施策の値引き率の改定も行います。当社は7時までを「ハッピーアワー」として、「カクテル50パーセントオフ」という値引き施策を行っていますが、11月1日からは値引き率を30パーセントに変更します。
単品価格の5パーセント値上げ、値引き率変更による3パーセント程度の顧客単価への上昇影響があり、実質的には8パーセントの単価上昇の見込みというのが今回の価格改定の内容です。当社としては値上げではなく、適正価格の追求だと捉えています。
これを実現しない限りは、いくら商売をしても利益を生みませんし、結果としてステークホルダーへの還元ができなくなります。つまり、今回の価格改定の内容は、環境に合わせて適正な価格で販売をするということです。もちろんこの中には、従業員の処遇改善などの原資も見込んでいます。
価格改定(11月1日~)
あらためて価格戦略の基本方針です。「心を豊かにする『リアルコミュニケーションの場』を提供する為に、週に一度は気軽に立ち寄れる『週刊誌価格』を基本として価格設定を行っています。今回は価格改定を実施しますが、この基本方針は崩していません。
価格改定(11月1日~)
スライドのグラフはプライスゾーンを比較したものです。ハードルが若干高くなるかもしれませんが、これまで600円台に踏みとどまっていたプライスポイントを700円台に変更しています。これは「HUB」「82」両ブランド同様です。
価格改定(11月1日~)
フードについて、プライスゾーンはほとんど変わっていません。ただし、食事メニューなどでお客さまの支持を得られる商品を開発し、900円以上の高価格帯の商品を用意することも考えています。
価格改定(11月1日~)
スライドの数式は外食産業の方程式です。「V=Q×S×C×A/P」という方程式において、今回は分母のプライス(P)を上げるため、分子の「Q×S×C×A」にあたる品質、サービス、クリンリネス、そして雰囲気を高めて価値を上げていきます。つまり、よい雰囲気になるように取り組み、価値ある空間を提供することで、お客さまが感じる価値を今までよりも大きくしたいと考えており、そのためのサービス体制や商品体制は整っていると確信しています。
世界的なスポーツイベント(11月~12月)
今年の11月、12月はサッカーの世界的イベントが開催されます。公式スポンサーである、バドワイザーとの協業を通して、しっかりと対応していきます。
新たな地域への出店について
新たな地域への出店についてご説明します。まだ詳しくお話しできませんが、2023年に北海道札幌市に再出店します。当社は1980年創業で、1号店が神戸、2号店が六本木で、実は3号店が北海道の札幌で、現在はありませんが、札幌の「ダイエー」の1階に出店していました。
このたび、札幌市に三十数年ぶりに復活することになり、北海道の地域に根差したパブをどのようなかたちで展開するか、また、どのような企業や地域密着の団体と取り組んでいくのか、現在計画中です。
現時点ではこちらの札幌の出店情報しかご紹介できませんが、各地方からいくつかオファーをいただいていますので、発表できる段階になれば、随時お伝えしていきます。
今後の業績予想
今後の業績予想です。今後も新型コロナウイルス感染拡大の第8波、第9波は必ず来ると思います。第6波の時には感染拡大と同時に営業制限が発令され、一気に売上が減少しました。第7波も影響は非常に大きかったのですが、国や政府も本気になってwithコロナの施策に取り組んでくれました。
お客さまの心理も、「新型コロナウイルス感染症とどのように向き合っていくか」といった方向に変化しています。
つまり、仮に第8波や第9波が来たとしても、第6波の時のように大幅な売上減少にはつながらないと見ています。まさにwithコロナからafterコロナへ、着々と進んでいくのではないかと予想しています。
今後の業績予想
スライドのグラフは「コロナ前」「コロナ禍」「withコロナ(現在)」の推移を表しています。点線部分は中期経営計画で設定している2023年度の計画です。現在のwithコロナの状態でこのまま順調に業績回復が進めば、この点線の部分はおそらくもう少し右肩上がりで描けると考えています。
今後の業績予想
最後に業績予想の修正についてご説明します。先日発表しましたが、残念ながら2023年2月期は、売上高が79億円、営業利益がマイナス3億9,000万円、経常利益もマイナス4億2,000万円の赤字を見込んでいます。当期純利益も、当初は1億5,000万円の黒字着地を目指していましたが、現時点ではマイナス1億2,000万円の赤字での着地を見込んでいます。
ただし9月からの下期については、営業利益、経常利益、当期純利益において、わずかながら黒字での着地を計画しており、これはなんとしても達成したいと考えています。
ご説明は以上となります。ありがとうございました。