2023年1月期第2四半期決算説明会

和田順児氏:株式会社アピリッツ代表取締役社長の和田でございます。2023年1月期第2四半期の決算説明を始めさせていただきます。株主のみなさまにおかれましては、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社は9月13日に決算短信を発表しています。説明動画をIRページに掲載していますので、ご視聴いただければと存じます。

機関投資家のみなさまにおかれましては、面談の設定はIRまでお問い合せください。個人投資家さま向けのウェビナーも複数回開催しており、質疑応答も可能ですので、ご参加いただければ幸いです。

会社概要

本日は、コーポレートサマリ、業績のハイライト、Appendixの順番でご説明します。まずはコーポレートサマリです。当社は「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」というミッションを掲げ、事業を展開しています。

会社概要

現在の従業員数は、連結で692名です。今期から新しくグループ会社としてムービングクルー、Y's(ワイズ)の2社が加わっています。

会社概要

株主の構成は、スライドに記載のとおりです。

会社概要

当社は3つの事業を軸に展開しています。1つ目はWebソリューション事業、2つ目はオンラインゲーム事業、3つ目は今期から始めたデジタル人材育成派遣事業です。本日はこの3つの事業に沿ってご説明します。

会社概要(過去10年の全社売上高推移:単体)

売上高の推移です。過去10年間のCAGR(年平均成長率)は約16パーセント増と、安定的に成長しており、今期も順調です。また、直近の21期から22期のCAGRは、約23パーセント増の成長となっています。

連結業績ハイライトサマリ

第2四半期の業績をご説明します。第2四半期累計期間は、昨対比増収・増益で着地しています。売上高は、昨対比41.3パーセント増の31億3,100万円、営業利益は、昨対比1億5,300万円増の1億6,700万円となりました。

第2四半期は先行投資も行っていますが、売上増加分で吸収して増益となっています。先行投資としては45名の新卒を採用し、4月に入社しています。こちらは1人につき月額で約40万円の人件費となりますので、40名から50名の新入社員が入社すると、四半期では約5,000万円の投資が必要ですが、それを吸収している状況です。

6月からは、新しく『ユニゾンエアー』を共同運営する体制に移行しています。共同運営権の取得により一時的に工数が増加しており、また、7月にはY'sをM&Aしたため、仲介手数料が発生していますが、ともに吸収しています。

連結業績ハイライト

業績予想に対しての進捗率です。上期業績予想に対しての進捗率は、売上高が103パーセント、営業利益が115パーセントとなりました。

通期業績予想について、売上高は70億円、営業利益は4億5,000万円としており、進捗率はそれぞれ44.7パーセント、37.1パーセントとなっています。

ただし、通期業績予想は下期偏重で、上半期は投資を行っているため、順調に推移していると認識しています。

連結業績ハイライト(売上高四半期推移)

売上高の四半期推移です。第2四半期の売上高は、17億5,700万円で着地しています。こちらはオンラインゲーム事業で『ユニゾンエアー』の共同運営権取得が寄与して堅調に伸び、グループを牽引しました。

7月からは子会社としてY'sが加わっており、そちらの売上が堅調に推移したことも影響し、前年同期比で45.1パーセント増、直近四半期会計期間比で28パーセント増と、順調に成長しています。

連結業績ハイライト(原価・販管費四半期推移)

原価は、売上の増加に伴い人件費等で増加しています。こちらの中には、先行投資ということで新卒45名分の人件費も含まれていますが、下半期に戦力化し利益に変わっていくと予想しています。

販管費は、M&Aの仲介手数料として一時的に2,600万円がかかり、増加している状況です。その結果、第2四半期は原価と販管費を合わせて16億6,800万円となりました。

連結業績ハイライト(営業利益四半期推移)

第2四半期の営業利益は、8,900万円で着地しています。前年同期比で1億3,000万円増、直近四半期会計期間比でも15.6パーセント増と、順調に推移しています。

連結業績ハイライト(貸借対照表)

貸借対照表です。『ユニゾンエアー』の共同運営権取得を「無形固定資産その他」として9,500万円計上しています。また、Y'sのM&Aにより「のれん」が発生し、2億3,300万円を計上しています。

社員数推移

成長の源泉である、社員数の推移です。オンラインゲーム事業の案件対応で、臨時雇用数が増加しています。M&AによりY’sの社員が加わり、グループではデジタル人材が大幅に増えており、結果として、社員数は7月末で692名になっています。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(四半期売上推移)

それぞれの事業の業績をご説明していきます。まずはWebソリューション事業です。四半期の売上推移は、右肩上がりで順調に成長している状況です。

第2四半期からは事業を3つに分け、新しいセグメントとしてデジタル人材育成派遣事業を立ち上げていますので、Webソリューション事業の中に含まれていた派遣の売上については、セグメント間で移動し、デジタル人材育成事業にシフトしています。

そのため、2,200万円がデジタル人材育成派遣事業に移動しましたが、売上高は前年同期比で40.4パーセント増、直近四半期会計期間比で1.6パーセント増の7億700万円と、順調に成長しています。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(四半期原価推移)

原価は、売上成長に比例する適正値で推移しています。こちらも、費用の一部が別セグメントに移動しています。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(セグメント利益率推移)

第2四半期のセグメント利益は1億9,400万円となりました。新卒等の初期教育の投資コストを吸収した上で横ばいを維持しています。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(平均単価推移)

案件の平均単価の推移ですが、順調に伸びています。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(問い合わせ数推移)

問い合わせ数の推移です。第2四半期の問い合わせ数は四半期ベースで過去最高となりました。Webソリューション事業は順調に成長しています。

オンラインゲーム事業‧業績ハイライト(四半期売上推移)

オンラインゲーム事業について、まずは四半期の売上推移です。第2四半期の売上高は、セグメント間の売上の移動により、9,900万円がデジタル人材育成派遣事業に移動し、8億3,500万円で着地しています。

売上高は前年同期比で35.7パーセント増、直近四半期会計期間比で46.2パーセント増と、『ユニゾンエアー』が寄与し、大きく成長しました。

オンラインゲーム事業‧業績ハイライト(四半期原価推移)

原価については、新卒の初期教育コスト、ならびに共同運営権取得の『ユニゾンエアー』等の一時的な対応のため、大きく増加しています。

オンラインゲーム事業‧業績ハイライト(セグメント利益)

結果として、オンラインゲーム事業のセグメント利益は4,900万円と、昨年の下半期に比べると少なめの着地となっています。こちらも同じく、1,700万円がデジタル人材育成派遣事業に移動しています。

オンラインゲーム事業‧業績ハイライト(のれん等償却費推移)

のれん等償却費の推移です。最近はタイトルの運営移管で権利を取得しているため、その償却費が各四半期にどの程度かかってくるのかをグラフで示しています。

月額償却費は、『けものフレンズ3』で520万円、『ユニゾンエアー』で430万円、『アルカ・ラスト』で60万です。それぞれのタイトルについては、2年償却と早めの償却期間で償却していきますので、費用負担は早期に解消していく予定です。昨年開始した『けものフレンズ3』については、すでに半分償却済みとなっています。

23期トピックス

運営パイプラインです。5月から、新規大型運営受託プロジェクトがスタートしています。また、6月より『ユニゾンエアー』が共同運営に移行し、『アルカ・ラスト』も運営移管により当社の運営となっています。

現在は、自社ゲーム開発パイプラインが1ライン、運営パイプラインが9ラインある状況です。

デジタル人材育成派遣事業‧背景

続いて、新しいセグメントのデジタル人材育成派遣事業について、外部環境からご説明します。

スライドのグラフは経済産業省の調査結果ですが、現在、社会ではデジタル人材・IT人材が不足しており、この状況はまだまだ続くと見ています。

デジタル人材育成派遣事業‧事業概要

これに対応するため、当社はデジタル人材を育成、成長を促進し、派遣事業につなげていくビジネスを新しくセグメントとして切り分けました。

デジタル人材育成派遣事業‧事業概要

デジタル人材育成派遣事業の特徴の1つとして、採用・育成、その後の成長活躍のため、他社との差別化のポイントを設けています。

一般的な派遣事業のモデルは中途採用を即戦力として派遣していますが、当社の事業モデルは未経験者を採用し、その後、社内のプロジェクトによるOJTで育成をきちんと行い、派遣につなげます。徹底したフォロー、コーチングにより人材を育成するところが、他社との違いとなっています。

デジタル人材育成派遣事業‧事業概要

デジタル人材育成派遣事業のキーファクターは、「デジタル人材数×単価=売上」です。

デジタル人材育成派遣事業‧事業概要

当社はデジタル人材育成派遣事業のほかに、Webソリューション事業、オンラインゲーム事業等を行っているため、リソースを循環させることができます。こちらは当社ならではの特徴です。

また、さまざまなプロジェクトを持つことができる教育体制を構築していますので、これを循環させることで人材も増やしていきます。

デジタル人材育成派遣事業‧業績ハイライト(四半期売上推移)

デジタル人材育成派遣事業の第2四半期の売上高は2億1,400万円となりました。こちらは当社が行っていた派遣事業、ならびに今回M&Aを実施したY’sの7月分の売上を連結した数値です。

点線で過去のY’sの売上推移を記載していますが、順調に拡大していることがわかります。

デジタル人材育成派遣事業‧業績ハイライト(セグメント利益)

セグメント利益も、売上高に比例して増加傾向にあります。第2四半期は3,000万円の利益が計上されるものの、M&A関連費用、仲介手数料等が3,000万円計上され、セグメント利益は一時的にゼロになりました。しかし、第3四半期、第4四半期は業績に寄与していくと考えています。

Webソリューション事業‧事業概要

続いて、Appendixです。それぞれの事業について、簡単にご説明します。まずはWebソリューション事業です。当社は、クライアント企業が消費者、生活者に対してサービスを行うtoC向けのWebサービスを開発する会社です。「戦略・分析」「企画・設計」「開発・制作」「運用・保守」を一気通貫し、サイクルで提供するビジネスモデルで好循環を創出しています。

Webソリューション事業‧事業概要

ベンチャー企業にはデザイン専門やデータ活用専門、クラウドのサービス提供専門の会社等がありますが、当社に相談してもらえればすべて一気通貫してサポートできることが他社との違いとなっています。

Webソリューション事業・事業概要

Webソリューション事業の特徴として、既存顧客による継続率が非常に高い点が挙げられます。前年度の顧客継続率は約8割を維持しています。

Webソリューション事業・事業概要

当社は、ゼロからサイトを作るだけでなく、「AWS」などのクラウドサービスや、当社が持っているSaaSプロダクトの併用によりプロジェクトの生産性と俊敏性を向上させ、コストパフォーマンスに優れた提案が行えることを強みとしています。

Webソリューション事業・事業概要

外部環境について、国内民間IT市場規模は今後も増加傾向にあります。それに伴い、当社もWebソリューション事業が力強く成長していくと考えています。

Webソリューション事業・事業概要

事業のキーファクターとして、基本的には継続率や案件数の増加、1件あたりの単価の向上により規模の拡大を狙っていきます。

オンラインゲーム事業・事業概要

オンラインゲーム事業についてご説明します。当社が行っているオンラインゲーム事業は3つのサービスから成り立っています。

1つ目は自社ゲーム開発で、自らゲームを作って運営していく事業です。2つ目はパートナーゲーム開発で、他社からのゲームの受託開発や運営移管案件を回していく事業です。3つ目は、新しく別セグメントに切り出したクリエイター人材派遣事業です。

このように、ボラティリティが高いといわれるゲーム事業の特性をなるべく抑えることができるよう、事業を展開しています。

オンラインゲーム事業・事業概要

自社ゲーム開発、パートナーゲーム開発、デジタル人材育成派遣は、リソースの循環やスキルの平準化を図りながらボラティリティを抑え、安定的な収益確保と事業の横展開を継続しています。

子会社(ムービングクルー)‧会社概要

新しく子会社になった2社をご紹介します。1社目のムービングクルーは、ミッションに「夢と感動の総合エンターテイメント」を掲げています。

子会社(ムービングクルー)‧会社概要

ムービングクルーは、ファンクラブの開発運用を行うなど、エンタメ領域が強いことが特徴です。

子会社(ムービングクルー)‧会社概要

当社とのシナジーについて、当社とムービングクルーは同じような事業を行っていますが、顧客層が大きく異なります。当社の顧客層に、エンタメに強いムービングクルーの顧客層が加わることで、顧客層を拡大するような事業展開を行っていきます。

子会社(Y’s)‧会社概要

新しく子会社になったY’sをご紹介します。Y’sはミッションに「デザインの力でビジネスを加速させる」と掲げています。

子会社(Y’s)‧会社概要

Y’sは、当社と親和性の高い事業を展開しており、Webデザイン・コンサルティング、IPデザイン、人材派遣事業を行っています。事業の割合としては、人材派遣事業が多く占めています。

子会社(Y’s)‧会社概要

Y’sの最大の強みは、未経験者を採用して育成し、派遣につなげていることです。これにより、当社グループ全体での強力な採用・育成が可能になると考えています。

子会社(Y’s)‧会社概要

当社とY’sのシナジーは、人材の流動性を向上させることにあります。

事業成長イメージ

今後の成長戦略についてご説明します。当社は、Webソリューション事業、オンラインゲーム事業、デジタル人材育成派遣事業を安定的な事業基盤として、継続的に成長し、さらなる成長ドライバーとしてM&Aや新規事業の追加を考えています。

2023年1月期の売上高の予想は70億円ですが、今後は安定事業として売上を積み上げ、その上に新規の事業を追加していく方向性で事業を成長させようと考えています。

M&Aの方向性(Webソリューション事業)

事業成長の中で一番重要なのはM&Aです。デジタル人材の確保を目的としたM&AをSTEP1として、長期的には新規事業、新規サービスを考慮したM&Aを行います。まずは人数規模、事業範囲、安定的な収益基盤の確保を行っていくことで事業を展開していきます。

M&A(事業譲受や運営移管‧共同運営)の方向性(オンラインゲーム事業)

オンラインゲーム事業についてご説明します。オンラインゲームについては、M&Aの方針として、主に既存タイトルの運営移管によって成長させていきます。『演義シリーズ』『けものフレンズ3』『アルカ・ラスト』や共同運営の『ユニゾンエアー』など、いくつか検討して実行していきます。

コーポレート

自社株買いについてご説明します。当社は本日付の取締役会において、自己株式を利用したM&Aの活用、当社グループの役員や従業員に対する株式報酬の活用などを検討し、自己株式の取得を決議しました。内容についてはスライドに記載のとおりです。

コーポレート

ESGやコーポレートガバナンスなどへの対応についてです。当社は透明性のある健全な企業経営を行っており、独立社外役員数ならびに女性比率などを上げていく方針で動いています。

コーポレート

個人投資家向けIRの強化のため、積極的にIR説明会を開催しています。また「Twitter」上でIR情報を発信していますので、ぜひご覧ください。以上で第2四半期の決算説明を終了いたします。今後ともアピリッツをよろしくお願いいたします。