スターツ出版の事業領域
菊地修一氏:スターツ出版代表取締役社長の菊地でございます。どうぞよろしくお願いいたします。まずはスターツ出版の事業領域についてご説明します。書籍コンテンツ事業とメディアソリューション事業の2つがあり、書籍は小説投稿サイトを起点とした書籍、電子書籍、コミックなどたくさんのレーベルを発行しています。
メディアソリューション事業は2つに分かれています。1つがプレミアム予約で、こちらは厳選店舗だけを掲載した「OZのプレミアム予約」という送客手数料ビジネスを展開しています。もう1つはマーケットソリューションで、メディア力を活かした宣伝・販促ビジネスを展開しています。
売上高と営業利益推移
売上高と営業利益推移については、一昨年はコロナ禍の影響を比較的大きく受けましたが、昨年はかなり持ち直して、増収増益、過去最高益を更新しました。
書籍コンテンツ事業
売上高、営業利益の内訳です。書籍コンテンツ事業は売上高・利益ともに非常に大きく伸びています。昨年は本当に発行点数も増やして、ヒット作も多く出ました。紙も電子も好調を持続しています。
メディアソリューション事業
メディアソリューション事業については、コロナ禍になる前は緩やかに伸びていましたが、一昨年大きく落ち込みました。しかし、去年は若干持ち直し始めているところです。
小学生向けに新創刊した「野いちごジュニア文庫」TOP3へ
ここからトピックスについてご説明します。一昨年に小学生向けに創刊した「野いちごジュニア文庫」について、こちらはデジタルではなく紙のみですが、実は創刊してまだ1年半足らずで、大手3社が寡占していた児童文庫市場において、売上トップ100位の中の作品本数で3位まで食い込んできています。
わずか1年半で3番手に入るほどに、こちらの子ども向け文庫シリーズが売れています。スライドにも載せていますが、このようなかわいらしい子ども向けの文庫を、現在月々4冊程度発行しています。
SNSで拡散「スターツ出版文庫」が60万部重版
続きまして、「SNSで拡散」とスライドにありますが、社名を入れた「スターツ出版文庫」という文庫シリーズが、昨年60万部の重版がかかりました。特に「TikTok」でバズりまして、いくつかの作品がものすごい勢いで売れました。
「TikTok」はもちろんデジタルですが、本屋でこの紙の本が売れるという現象が起きています。
コンテンツの充実で売上伸長続く、電子書籍&コミック
紙のコミックおよび電子コミックがグラフのとおり非常に順調に売上を伸ばしています。
オズモールプレミアム予約数と掲載施設・店舗数も復調
「OZmall」でプレミアム予約を取り扱っていますが、2020年はコロナ禍によりレストラン予約やトラベル予約、ビューティー予約が大きく影響を受けました。しかし、この予約数が昨年の第4四半期あたりからだいぶ復調し始めてきています。
さらに、レストラン、ビューティーサロン、トラベルの掲載店舗も比較的順調に伸びてきています。ただし、予約数はだいぶ戻ってきていますが、大人数での予約がほとんどなく、1人2人の予約が中心となるため、1組あたりの単価が減り、その分売上が下がっています。
経営ビジョンと事業ミッション
続きまして、中期経営計画を重点的にご説明させていただきます。まず、弊社の経営ビジョンと事業ミッションですが、経営ビジョンは「感動プロデュース企業へ」です。事業ミッションについては、書籍コンテンツ事業とメディアソリューション事業それぞれスライドの通りです。
成長戦略の基本方針
中期経営計画は3ヶ年で計画を立てました。この3ヶ年の成長戦略の基本方針は3つあります。
まず1番目が「穏やかで、伸び伸びとした、社員の成長が持続できる企業風土」です。社員と企業風土が一番の成長の源泉であると考えており、こちらを1番に置いています。
2番目が「信頼され、時代の変化に応じた、商品とサービスを、次々と提供」です。世間から信頼され、なおかつ時代の流れの変化に応じた商品やサービスを社員一丸となり次々と出していくという考え方です。
3番目が「企業価値を上げ、一人でも多くのステークホルダーに喜びを」です。今回JASDAQからスタンダード市場に移行する予定ですが、株式市場の中でもきちんと企業価値を上げて、IRも含めて強化していきたいと考えています。
中期経営目標
中期経営目標として、業績については、3ヶ年で売上高を66億円、営業利益を12億円、営業利益率を18.2パーセントまで持っていきたいと考えています。ちなみに、今期に関しては、売上高を60億円、営業利益も10億円を目指していこうと考えています。
事業領域別の中期経営目標
事業領域別の目標ですが、両事業領域ともに着実な増収増益を計画しています。書籍コンテンツ事業も売上高・営業利益ともに順次伸ばしていくかたちです。メディアソリューション事業も同様ですが、前期に関してはコロナ禍の影響で赤字に転落しましたが、今期からは黒字化を果たしていこうと計画しています。
配当政策に関して
弊社は業績の変動にかかわらず安定配当を実施しています。剰余金の配当は長年安定配当をしており、今回は40円の配当とさせていただく予定です。次回も40円を予定していますが、業績の拡大に合わせた増配は当然可能です。
昨年から株主優待制度も設けており、弊社で人気の書籍を3冊贈呈し、また、3年以上保有の方には5冊進呈するというかたちで喜んでいただこうと考えています。
SDGsへの取り組み (1)
SDGsへの取り組みとして、「OZmall」ではいち早く一般の女性向けに、SDGsコンテンツを定期配信しています。世の中へSDGsのわかりやすい理解・認知を促していく試みは継続的に行っています。
SDGsへの取り組み(2)
さらに、スライドにも記載のとおり、本は紙でできていますが、元をたどれば木材、古紙から作られており、さらには森林を伐採して作っているものです。
そのため、「返品率」を下げていこうという取り組みを3年前からより注力し実行しています。現在、返品率は30パーセントを切っており、これにより裁断処分や運送ロスが下がっています。
人材戦略の要は、伸び伸びと成長できる風土と環境
人材戦略の要は伸び伸びと成長できる風土と環境であると考えています。弊社は女性の活躍が非常に著しく、女性社員比率がだいたい3分の2となっています。現在、女性の管理職比率が30パーセントとなっておりますが、5年以内には40パーセントにしていきたいと考えています。
そして、年末にはオフィスをテレワーク対応型にリニューアルしました。現在社員の出社平均比率は5割から6割くらいですが、やはり出社が少なくなると、社員間のコミュニケーションがやや浅くなるという課題があります。
また、出社しても常にマスクをしているため、なかなか新卒で入った若い社員や中途で入った社員の顔や名前を覚えられないという問題もあります。そのため、できるだけ出社時は社員間のコミュニケーションが活性化できるようなオフィスに切替をしました。もちろん、Webミーティングの対応個室も7部屋設けています。
コロナ禍が落ち着いたら、クラブ活動や社員旅行イベントなども復活して、社員全体で盛り上げていきたいと考えています。
出版業界の市場環境
ここから、肝心となる各事業の成長戦略についてご説明します。まずは、書籍コンテンツ事業のビジネスモデルと成長戦略ですが、先立って出版業界の市場環境からご説明します。スライドは国内出版物の売上のグラフですが、2006年には約2.5兆円あった国内出版物の売上規模が、昨年は約1.4兆円と約6割まで減少しています。
出版社数も以前は4,400社でしたが2,900社まで減っています。出版業界はご存知のとおり右肩下がりのマーケットです。電車に乗っていても雑誌を読んでいる方、文庫本を開いている方はほとんどいらっしゃらないという状況です。
しかし、私どもは競合出版社が減少し、新規参入もほぼないマーケットとプラスに捉えています。市場は縮小しても、マーケットの全体規模は1.4兆円あります。弊社のシェアはもともと小さいわけですから、戦略次第でシェアを伸ばしていくことができるという考え方でいます。
弊社の出版ビジネスモデル
弊社のビジネスモデルは大手と違います。3つの小説投稿サイト「noichigo」「Berry’s Cafe」「ノベマ!」を持っており、趣味でブログを書くようなイメージでたくさんの作品を投稿いただいております。
それを編集者がピックアップして「作家になりませんか?」とお声がけしています。これらのサイトから今までで延べ500名以上の作家を輩出しました。
紙の文庫を発行する際、同時に電子書籍も発行し、売れ筋のよいものはコミカライズします。コミックは電子書籍で発行しますが、ヒットしたら紙の書籍化もします。電子から紙、紙から電子、電子から紙というようにワンソースマルチユースで展開しております。
紙と電子の積層型ビジネスモデル
収益構造は、ワンソースマルチユースで展開する、紙と電子の積層型ビジネスモデルの売上構造です。例えば「Berry’s Cafe」という投稿サイトの作品「初めまして こんにちは、離婚してください」は非常に売れ行きがよいです。最初は投稿者の方に「作家になりませんか?」とお声がけして、紙の文庫を発行します。ここで紙の文庫の売上が立ちます。
紙の文庫のため、何年間も売れるわけではなくせいぜい数ヶ月売れて、その後は売れ行きが悪くなり、棚からなくなってしまう構造です。そこで、あわせて電子書籍を販売します。これで初年度の売上が立ちます。
作品が非常におもしろく売れ行きがよかったという作品は、コミカライズを考え、マンガ家をアサインして、原作をもとに電子コミックを作ります。1冊の文庫本でだいたい5巻から6巻程度のコミックにでき、1巻ずつ順次発刊していきます。
発刊するたびに電子上で売上が立ちます。2巻目を販売すると1巻目を買い逃した方が2巻目を買ってなおかつ1巻目も買うパターンがあり、積層型で売上が伸びていきます。これが2年目の売上です。
3年目は、電子コミックが相当ヒットし、紙でも売れると判断した場合、紙のコミックを発刊します。紙のコミックの1巻の売上が立ち、そして2巻の売上が立ち、というかたちで3年目には電子書籍と電子コミックの1巻、2巻と続き、紙の1巻、2巻というかたちで積層型で売上が増えます。
もちろんずっと平均的に長く続くわけではなく、いつかはシュリンクしますが、だいたいこのようなものを毎月30点から40点ほど発刊しているとお考えください。
マーケティングを徹底し、読者ターゲットを細分化
マーケティングを徹底し、読者ターゲットを細分化しています。編集者が自分の作りたいものを作るやり方ではなく、ターゲット別にきめ細かく読者特性あるいは読者の指向性を研究・分析し、そこに当たる作品を商品化するようにしております。
作家に対して、「このようなキーワードにしていきましょう」「このような表紙にしていきましょう」「ちょっと筋はこのように変えていきましょう」と適宜編集者がアドバイスしながら、ターゲットに即した商品ラインナップを提供します。
「野いちごジュニア文庫」「ケータイ小説文庫」「野いちご文庫」「スターツ出版文庫」それぞれターゲットに向けてレーベルが全て分かれています。レーベルごとに編集部があり、編集長がいます。女性向けを中心に展開しておりましたが、大人の男性向け作品も昨年の後半から発刊しました。
市場ニーズに即した商品の投入と、新レーベル創刊で成長
市場ニーズに即した商品を投入すること、なおかつ新レーベルを毎年創刊することで成長しています。2017年の第1四半期の売上が約2.7億円だったものが、2021年第4四半期は9.3億円まで売上が伸びています。
書籍コンテンツ事業の成長戦略
書籍の事業モデルについて、成長戦略はスターツ出版らしい新たなレーベル・サービスを生み出し、進化させ「総合出版社」を目指すことを掲げています。
1番目は男性マーケットです。これは昨年着手した異世界ジャンルの男性マーケットでポジションを早期に確立していくことです。2番目はコミックの発刊点数の拡大に注力していくことです。3番目が新規レーベルを毎年創刊していくことです。4番目は投稿サイトを進化させていくことです。
男性マーケット(異世界ジャンル)でのポジション確立
男性マーケットでのポジション確立についてご説明します。まずは電子コミックで発刊します。コミックレーベルは「COMICグラスト」という名前で、電子コミックで発刊したものを紙のコミックにします。
紙のコミックは、同じタイトルで文字だけの書籍になります。同じ作品が電子でコミカライズされ、紙でコミックを発刊し、文字の電子と紙で発刊する、この順番でワンソースマルチユース出版をしました。原作者および作家の獲得に注力し、発行点数を現在拡大しています。
女性向けコミック発刊点数の拡大に注力
女性向けコミックの発刊点数については、全体の出版の市場が18年間で半減近くまで下がっていますが、電子出版の市場だけは伸びています。しかしよく見ると、電子出版の中でも電子コミックが大きく伸びています。
新規レーベルを、毎年創刊
新創刊レーベルは2017年から約1年で2レーベル、2020年は3レーベルを創刊しています。毎年平均2つほどのレーベルを発刊しており、昨年は「グラストCOMICS」「グラストNOVELS」を創刊しました。一度発刊すると毎月2点から多いものは5点ほど継続して発行し続けます。
電子書店の中でもずっと積層型になり、なおかつ一般の書店の中でもじわじわと棚ができあがってくるやり方です。
投稿サイトの進化
投稿サイトは、作家や作品の確保をするエンジンの役割になります。投稿サイトの閲覧者や投稿者を増やすためにも、コミックの連載機能の搭載を始めました。作家、作品を増やすためにも投稿サイトの進化を考えています。
3ヶ年の部数(読者数)目標
3ヶ年の部数目標について、紙の部数は実売部数ですが、電子書籍や電子コミックは1巻あたりの有料ダウンロード数を1部相当としてカウントしたところ、昨年度年間で約1,100万部売れた勘定になります。2024年には1,500万部まで伸ばしたいと考えています。
OZのプレミアム予約とは?
メディアソリューション事業のプレミアム予約についてご説明します。OZのプレミアム予約は今年で26年を迎える「OZmall」という女性向けサイトで、サイト内で厳選された施設、店舗、レストラン、ホテル、温泉、ビューティーサロンに対する女性向けのオンライン予約サービスになります。大手の予約サイトはたくさんあるため「OZmall」は女性向けに特化した事業を展開しています。
予約数と掲載施設・店舗数の推移
予約数と掲載施設、店舗数の推移は、コロナ禍でダメージを受けましたが、復調中です。しかし予約の1組あたりの人数の単価が課題となります。
プレミアム予約の成長戦略
プレミアム予約の成長戦略は、「デジタルマーケティングを強化して、OZオリジナルの提供価値に磨きをかけ、ユーザーと厳選店舗を増やして”感動体験”の最大化に注力する」ことを掲げています。
弊社は出版社のため、クオリティの高い出版物を作るのは得意ですが、IT企業のようなデジタルマーケティングやデジタルエンジニアリングにはもともとそんなに強くありません。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、会社全体で勉強をはじめ、専門部署も作ってきました。そこで成長戦略の1つ目は、SEO・CRM・販促・提携・分析力といったデジタルマーケティング力を各専門チームで強化しています。さらに動画活用で表現力のアップや動画プラットフォームへの対応をしていくことをスタートしました。
2つ目はOZならではの、VPPです。VPPとはバリュープロポジションと言うデジタルマーケティング用語で、競合他社には真似できない自社だけが提供できる価値を指します。大手と同じことを行っても弊社に勝ち目はないので、手間はかかるがOZオリジナルの価値という大手には真似ができないもので差別化を考えています。
3つ目は、OZの掲載店舗を、現在の6,000店舗から3ヶ年で4,000店舗増やし1万店舗まで伸ばしていきます。4番目はコロナ禍後を見据えた大人数予約のスタンバイを始めています。
SEO・CRM・販促・提携・分析を強化
SEO・CRM・販促・提携・分析を強化することについて、専任チームを育成して、この流入、ユーザーの流入、お客さまの会員ロイヤリティを上げてリピートにつなげていく一連の流れを現在強化しています。
動画による表現力アップと、動画プラットフォームへの対応
動画による表現力アップと、動画プラットフォームの対応で、「OZmall」の店舗ページ、YouTubeやInstagramやTwitterに動画を掲載して、プロモーションに役立てていこうと、年間で1,000店舗ほどの掲載を予定しています。
女性に嬉しい、OZオリジナルのVPPで、差別化
例えば「ディズニープリンセス」とコラボしたヘアサロンプランや映画「トムとジェリー」とコラボしたアフタヌーンティープラン、「おひとり様貸切Day」をホテルに設けたアフタヌーンティーや焼肉の貸切プランなど、オリジナルの取り組みで大手との差別化を図っています。
掲載店舗と利用ユーザーの両輪を拡大へ
レストラン、トラベル、ビューティーサロンなど現在6,000店舗ある掲載店舗を3年後には1万店舗まで広げていきたいと考えています。首都圏のみならず関西圏および名古屋にもすでに進出をしており、三大都市圏で店舗数を1万店舗まで増やしていきたいと考えています。
利用ユーザーは、昨年度で約85万組が「OZmall」のプレミアム予約を利用していただきました。これを130万組に広げていきたいと考えています。
コロナ禍後を見据えた、大人数予約のスタンバイ
先ほど課題にあった1組あたりの単価についてお話しします。今は1人予約やカップルが多いため、ファミリーや女子会、会社の大人数での打ち上げに移行させたいと考えています。恐らくどこかのタイミングでそれがスタートできると考えています。
大人数予約に対応した「OZの貸切・宴会コンシェルジュ」というサービスを現在実装しています。来たるべき時に備えて、法人向けも含めた大人数のサービスにもチャレンジしていきたいと考えています。
信頼と安心のブランド価値を、時代に合わせて再構築
メディアソリューション事業のマーケットソリューションについてご説明します。看板ブランドの雑誌「OZmagazine」を使い、信頼と安心のブランド価値を時代に合わせて再構築していきます。
雑誌「OZmagazine」は35年も続いています。「OZmagazine TRIP」は15年、「メトロミニッツ」は20年も続いており、雑誌が売れない時代に20年も30年も継続している出版社は限られています。しかも、東京を中心に展開しています。この東京地域密着で行うメディアは、実は珍しいと考えています。東京地域密着のメディアとサービスを再構築して、人とモノが動くしくみに転換していきたいと考えています。
ちなみに「OZmall」は26年目、「東京女子部」は4年目になりました。
街・旅・地域・ライフスタイル領域で、企業の宣伝・販促支援
当社は広告宣伝販促費をいただくビジネスを行っています。クライアントは、商業施設や百貨店、東京の商業施設や百貨店、全国の地方自治体、旅客交通系、美容・ヘルスケア・飲料メーカーなどの大手企業と地方自治体になります。
サービスは「OZmall」「東京女子部」があり、メディアは「OZmagazine」「メトロミニッツ」「OZmagazine TRIP」「AELDE」があります。これらのメディアとサービスを駆使しながら、広告販促費用をいただくビジネスです。
SNSで東京女性が情報発信、体験レポーター組織「東京女子部」
先ほどからお話ししている「東京女子部」についてご説明します。「東京女子部」はSNSで東京の女性が情報発信をする体験レポーター組織です。これは4年前に立ち上げました。
「”東京”で、暮らす、働く、遊ぶ、女性たちが集う、Instagram上のお出かけ発信コミュニティ 東京女子部」というかたちで運営しており、「OZmall」や「OZmagazine」のOZの世界観に共鳴する女性で、なおかつ街や旅などお出かけを楽しみ、SNSでの発信力や発見力がある女性を、弊社の編集部で1人1人をスカウティングしています。現在750名まで増えていますが、まもなく1,000名に到達します。
東京女子部のビジネスフレーム
「東京女子部」のビジネスフレームは、体験レポーターと弊社の編集部、編集者で企画、体験し、SNSとメディアで、その情報を発信・拡散・コンテンツ化するという一連のマーケティング手法をクライアントに提案していくというものです。
この一連の中で、たとえば100万円、200万円、300万円という予算を得ながら、さらにメディアへの掲載や、あるいは「OZmall」のプレミアム予約とうまくミックスさせた、送客の仕組みの提案などを行っています。
マーケットソリューションの成長戦略
マーケットソリューションの成長戦略についてです。我々は当社を「東京地域密着企業」と位置付けています。この「東京地域密着企業」として、今まで培ったメディアのブランド価値を、時代に合わせた企画力と編集力で再構築しようとしています。
紙のメディアに対してタイアップ広告を営業するような従来型の広告営業では、もう通用しないことはすでにわかっています。しかし、ブランド価値はありますので、うまく組みあわせて、時代に合わせた方法を取ろうということで、4つの成長戦略を掲げています。
1番目が、先ほどもお伝えした「東京女子部」をブランド化して、人とモノが動く起点に育成します。2番目は、東京地域密着メディアを再構築して、おでかけ・来店促進を支援します。こちらもコロナ禍が明けたら、相当活性化すると予想しています。
3番目は、東京と全国地域をつなぎ、地方創生に貢献したいという考えです。4番目は、デジタルマーケティングで、新たなマーケットを開拓したいという考えです。
東京女子部をブランド化し、人とモノが動く起点に育成
「『東京女子部』をブランド化し、人とモノが動く起点に育成する」とお示ししていますが、まだ現在の段階では、「東京女子部」は、みなさまが知っている状態ではありません。
ところが「Instagram」上では、「『東京女子部』ってどうもよいらしいね」と噂され始めているらしいのです。その「東京女子部」の知名度・影響力をこれから上げていき、東京で「誰もが憧れるSNS組織」に仕立て上げるというビジョンを持っています。
これらを支援するチームもすでに設立し、この3年以内には「東京女子部」をブランド化していきます。ブランド化すると「東京女子部」に「ぜひ私たちの街を紹介してほしい」「新しい商品を紹介してほしい」「これを体験してほしい」など、そのようなビジネスとしての依頼が出てきます。今現在でも、数千万円単位の仕事を受注していますが、それを数億円単位に引き上げていきたいと考えています。
主力ブランド「オズマガジン」は、東京地域密着の要に
主力ブランドの「オズマガジン」についてです。こちらを東京地域密着の要にしていく方針です。「オズマガジン」はスライドの右側にあるように、銀座、日本橋、新宿、池袋、渋谷、六本木と東京地域特集を毎月発行し、あわせて「OZmall」でこのエリア特集を積層化していきます。そして「東京女子部」で、その街の施設の体験をSNSで発信していきます。
メトロミニッツは、東京と地域を繋ぎ、地域創生を
「メトロミニッツ」についてです。こちらは「東京と地域をつなぎ、地域創生を」ということで、昨年リニューアルし、「メトロミニッツローカリズム(metromin.LOCALRYTHM)」と称し全国の地域特集記事を毎月掲載しています。
全国の地域特集とは、たとえば日本のワイン、遺産、コーヒー、あるいは「空き家再生の町」特集などです。全国地域の観光・移住・農産品を1冊まるごとのテーマにして、東京都心部のフリーペーパーとして10万部発行しています。地方自治体からは「首都圏に対するプロモーションとして活用しやすい」と、大変好評です。
「東京女子部」の方たちを地方に連れて行き、地方を東京の女性たちの目線で取材、体験をしてもらい、SNSや私どもの「OZmall」で配信してもらいます。
デジタルマーケティングで、新領域へのチャレンジ
最後に今強化しているデジタルマーケティングについてです。新領域へもチャレンジしていこうと、スライド左側にあるように、化粧水、クレンジング、ファンデーションなどのビューティ・コスメ系のキーワードで、SEO対策により高い検索順位を獲得しています。だいたい、どのキーワードでもベスト3位くらいまでに現在入ってきています。
そこからどんどんと流入があり、いわゆるランディングページの中では、いろいろな商品を紹介していますが、そこで各メーカーの通販サイトや「Amazon」「楽天市場」などへの誘導をおこない、それに対する手数料が入ってくる仕組みになっております。またコスメメーカーから、「『OZmall』は、うちのメーカーのホームページよりも、上位に出ていますね。ぜひ一緒にタイアップしてビジネス展開しましょう」というようなお話をいただいています。
大手メーカーとタイアップしながら、「そのコンテンツを『東京女子部』の方たちに体験してもらいましょう」「そのコンテンツも載せていきましょう」というような複合的な提案を進めています。
さらに「OZmall」の中で「その商品は、どのようなところが素晴らしいのか」というようなアンケートをとり、結果をもとに、「オズモールアワード」を作り、店頭販促支援策として、店頭POPでも使ってもらえるような仕掛けを作っています。
このような手法で、このビューティ・コスメ系のデジタルマーケティングからリアル販促に繋がるような仕組みを、現在作って営業している最中ですので、これも大きなビジネスになればと考えています。
今ご説明した戦略で、これからの3ヶ年、全事業を一歩一歩着々と成長させていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からの説明はこちらで終了いたします。ご清聴ありがとうございました。