国内コンシューマープロダクツ市場の状況

山内憲一氏:山内でございます。いつものように、私から第3四半期の決算のご報告をさせていただきます。

まず3ページです。国内のコンシューマープロダクツ市場の状況ですが、スライドを見ていただくとわかるとおり、トイレタリーで前年比99パーセントでした。外出自粛、緊急事態宣言の状況でしたので、第1四半期平均でも97パーセントと、あまりパッとしない市場環境でした。

化粧品事業は7月が少しよかったため、第3四半期で前年比100パーセントとなっていますが、第1四半期平均では97パーセントと、国内の化粧品はあまりよくありませんでした。

アジア・欧米主要参入市場の状況(主要カテゴリー)

アジア・欧米ですが、ご覧いただけるとおり、中国、インドネシアの第3四半期は減速気味です。インドネシアやタイの新型コロナウイルスの状況は厳しく、市場の状況は低調な数字になっています。

アメリカ、イギリス、ドイツなどの欧米の市場は、第2四半期からだんだんよくなってきており、第3四半期もかなり好調な状況です。

連結決算のハイライト

連結決算のハイライトです。まず売上高は1兆210億円、対前年プラス157億円、1.6パーセントプラスとなっていますが、為替の影響が2パーセントほどありますので、これを差し引きますと実質増減がマイナス0.4パーセントとなります。

営業利益はあまり芳しくなく、1,090億円、対前年マイナス9.2パーセントとなりました。親会社帰属の当期利益も821億円ということで、多少為替差益などがあったためマイナス幅は減っていますが、対前年マイナスで終わりました。

連結決算の概況

概況です。トイレタリーは昨年は多少特需がありましたので、今年はその反動がきています。また、みなさまご存知のとおり、7月、8月、9月と外出自粛と緊急事態宣言で厳しい状況でした。花王が主力としている日本、アジアの両方とも非常に厳しい市場環境でした。原材料価格の影響も受けています。

一方、化粧品は2桁の伸びを狙っていたのですが、このような状況ですので、7月から9月は対前年プラス5.9パーセントと、健闘したのではないかと思います。

また、中国で好調が継続しており、欧州も復活してきています。日本のマイナスは計画に対してカバーできませんでしたが、それでも前年の7月から9月よりは約6パーセントアップという結果になりました。

ケミカルは、原料の値上げ分を販売価格に転嫁して値上げしていますので、その分、売上も上がってきます。また、それだけでは利益にインパクトがないのですが、数量も少し増えてきているトナー、トナーバインダーなどが少し戻ってきているということで、順調に進捗しています。

そして、原材料価格変動の影響がマイナス60億円と書いていますが、第2四半期まではほぼトントンで進捗していたのですが、いよいよ影響が出てきており、マイナス60億円となっています。

家庭品のほうのケミカルはほぼ100パーセント価格に転嫁していますので、家庭品のほうに影響があるということです。

このような状況ですので、かなり厳しいのは重々承知しているのですが、11月、12月と緊急事態宣言も解除され、これからクリスマスシーズンなどもありますので、最後の稼ぎ時ということで、業績予想は特に変えずにこのままこの目標に向かって最後まで進みたいと考えています。

販売実績(四半期)

スライド左側が上期の売上高、右側がこの第3四半期の売上高です。エリア別・事業別の数字になっています。上期のところはこれまでお話ししたとおりですので、この第3四半期のお話をします。

ハイジーン&リビングケアの国内が非常に厳しく、去年よく売れた柔軟仕上剤や生理用品、「メリーズ」、ホームケアの洗剤関係の反動があり、マイナスになっています。

アジアも似たような状況です。ヘルス&ビューティケアも、日本はハンドソープ、消毒液など、昨年大きく出たものが今年は反動で厳しい状況です。

なおかつ、この夏は外に出るかと思えば、天候不順やオリンピックのお家でのテレビ観戦という状況でしたので、夏物で「ビオレ」のタオルなどのよい商品をいろいろ揃えていたのですが、来年に回すことになりました。

アジアも同じような状況で、UVやメイク落としなど、シーズンものが少し厳しかったということです。

唯一、アメリカのヘアケアで、サロン系の「ORIBE」が非常に好調で、アメリカはプラスとなりました。

ヨーロッパのほうは、第1四半期、第2四半期に売上が伸びていたのですが、第3四半期は少しお休みしたかたちでした。しかし、これは特に落ちているということではなく、今、回復途上というところです。

ライフケアはマイナス13.4パーセントです。昨年の反動やレストランなどが開いていなかったことなどから、業務用の消毒液などの業務用製品が売れず、非常に厳しかったです。

アメリカがポンッと跳ねているのは上期も同じなのですが、買収したアメリカのクリーニング洗剤のWSIの顧客を1つ取ると、ポンッと数字が跳ねるというかたちで出ています。

化粧品は日本がマイナスです。他のアジアの国も少し厳しいのですが、特に中国ではこの第3四半期も40パーセント以上の伸びを見せており、26.7パーセントプラスとなっています。

また、アメリカ、ヨーロッパは「モルトンブラウン」や「SENSAI」も非常によくなってきておりプラスです。

ケミカルは先ほどお伝えしたとおり、価格に原料を添加していることと、数量が少し戻ってきていることで、すべてプラスです。

セグメントの実績(2021年1-9月)

1月から9月累計の売上ですが、ご覧いただいているとおりのパーセンテージで、ライフケアから化粧品、ケミカルは少しプラスとなっています。

利益については、ハイジーン&リビングケアで売上を落としているのも厳しいのですが、60億円ほど原料高の影響があるとお伝えしました。そのうちの7割くらいはハイジーン&リビングケアに影響を及ぼしています。

ヘルス&ビューティケアも原料高が3割くらい影響があり、対前年マイナス61億円となっています。ライフケアは業務品が少し落としたこともあって、対前年マイナス7億円となりました。化粧品のほうは対前年プラス74億円で、ようやく第3四半期で利益が出てきました。この第4四半期は一番の稼ぎ時ですので、そこで売上を伸ばした分だけここに乗ってきます。年初から、100から150億円と何回もお伝えしていたと思いますが、そのくらいの間で着地できそうではないかと見ています。

ケミカルも数量が増えた分だけプラスにできています。ライフケアから右側は、化粧品もライフケアも1億円、2億円の原料高の影響はありますが、小さくなっています。ケミカルはほぼ100パーセント添加しており、原料高の影響は左の2つが被っていることになります。

連結営業利益増減分析

利益の分析です。1番上の売上増減は、家庭品やトイレタリーの売上のマイナスの影響が大きく、マイナス130億円となっています。また、原材料価格変動がマイナス60億円ですが、ここは第4四半期も同じくらいの影響が出ると見ており、年間120億円くらいのインパクトがあると見ています。

販管費及び一般管理費の増減のプラス20億円については、年初から「DXで150億円くらい使います」「マーケティング費にも使っていきます」というお話をしているのですが、そのようなところをカバーしていろいろなコスト削減を行っており、プラスになっています。DXのお金はもうすでに150億円近く使っていますので、それ以外のところで削減して出してきています。

製品構成差/為替差については、今回は為替影響30億円くらいがここに入ってきます。製品構成差というのは、例えば今回出した「エアジェット」など、少し高価格で利益率の高い商品はプラスに出てきます。

ケミカルか化粧品かという構成は一番上のところで、化粧品、家庭品の売上が減った分、ケミカルの売上が増えたということで、一番上に入ってきます。

メリハリを効かせたブランドマネジメントの進捗と成果

家庭品、トイレタリーは、これまでメリハリをつけた投資を行ってきており、今課題として挙がっているものには、ご覧のようなものがあります。もうすでに手を打ってきているもの、これから打たなければいけないものがここに書かれています。

「アタック」などの柔軟仕上剤は、競合の広告量が大変多いため、我々もなんとか知恵を使って対抗し、上手くナンバーワンをキープしています。また、「マジックリン」も競合が出てきているところを今回の製品で回復しています。今、回復途中というところです。

「メリーズ」は中国で新しい製品を出し、なかなかよい評判を得ているため、このようなところも今後に期待です。

化粧品では「KATE」が非常に当たっています。

四半期別の概況

化粧品の2桁の伸びやトイレタリーのプラスなどをもともと計画していたのですが、第3四半期が外出自粛の状況になってしまったものですから、結果的にはご覧のような状況になりました。

第4四半期はなんとかプラスに持っていき、最後まで1,770億円の営業利益を目指して取り組んでいきたいと思っています。ケミカルはこのような状況でよいのではないかと思います。

トイレタリー事業 4Qの取り組み

トイレタリーの第4四半期です。今後もメリハリをつけてこのような商品で年末商戦に挑みます。

化粧品事業の4Qの取り組み

化粧品も市場が回復してきていますので、ご覧のような商品で売っていきます。

DXの取り組み

DXは年初から手掛けていますが、ご覧のような内容です。

私からは以上です。