自己紹介

大亀裕貴氏(以下、大亀):私から企業概要、企業の成長戦略を中心に、ご説明させていただければと思います。

まず、簡単に自己紹介いたします。私は、大亀裕貴と申します。愛媛県松山市出身で、現在、ダイキアクシスの東京本社に籍を置いており、東京在住です。次に、職歴、バックグラウンドになりますが、大学新卒で日立製作所に入社し、電力事業部、営業担当として2年間、日立製作所でお世話になりました。

2018年にダイキアクシスに入社し、1年間、海外営業として各国を回っていました。その翌年、2019年4月から取締役常務執行役員の役職に就き、現在は経営企画、採用教育、情報企画、海外管理の部署の統括、業務の担当をしています。

Agenda

本日は、こちらのスライドにある4つのアジェンダを通してご説明いたします。

1. 会社概要 ~コーポレートスローガン~

会社概要についてです。「Mission/Vision」「Value」とありますが、コーポレートスローガンとして、「PROTECT×CHANGE」を掲げています。

「Mission/Vision」は、企業使命になりますが、会社としてあるべき姿として「PROTECT」、つまり環境を守り、「CHANGE」、つまり人類の未来を変えていくという思いを持って取り組んでいます。

具体的には、水事業を軸として、地球環境・生活環境など、さまざまな環境を守ることによって、よりよい未来を作っていく、また持続可能な社会を実現するということに企業として取り組んでいます。

「Value」の企業姿勢については、従業員としてあるべき姿ということで、各社員、伝統的なよいものを守る、守るべきものは守りながら変えていくことを目指します。

このようなVUCA(ブーカ)の時代は、新型コロナウイルスなどにより、ドラスティックな変革がかなりのスピードで起こります。世の中の変化に柔軟に対応して、維持すべきものは明確にしながら、変えていくものをしっかりと変えて、持続可能な組織を作っていくというスローガンになります。

1. 会社概要 ~沿革~

会社の沿革、歴史になります。スライド左下に記載していますが、1958年に、私の祖父にあたる大亀孝裕により、愛媛県松山市に「タイルと衛生陶器の大亀商事」として設立したのが起源です。

会社が成長する中で、水処理の事業やホームセンター事業を取り込みながら、1989年に、大亀商事とダイキ、ディックの3社合併によるダイキ株式会社が誕生しました。

その後、2005年にホームセンター事業がDCMホールディングスと一緒になり、現在の代表である、私の父にあたる大亀裕によって、BtoBの住宅機器の事業、水処理事業を手掛けるダイキアクシスが生まれました。

ダイキアクシスとしては2013年に東証第2部に上場し、その翌年、2014年に東証1部に指定替えという歴史を経ています。

1. 会社概要 ~グループ概要~

グループ概要についてご説明します。大きく3つの事業柱で成り立っています。1つ目が環境機器関連事業で、水処理事業になります。グループ会社としては、環境機器については、国内では排水処理の保守点検等を行う子会社、水質分析をはじめとした各種分析業務を行う子会社、名古屋で水処理を行う設計、各種施工、営業を行う子会社などを有しています。海外については、水処理事業、浄化槽販売、製造事業を中心に行っている現地法人を7ヶ国に有しています。

2つ目の事業柱は、水回りを中心とした住宅設備の卸売を中心とした住宅機器関連事業です。ダイキアクシスの本体に住宅機器事業部があり、それとあわせて、冨士原冷機と日本エアーソリューションズという2つの子会社があります。

これらの子会社については空調や冷凍・冷蔵設備の販売、施工を行っています。スライドには記載していませんが、先日開示したとおり、アルミ工房萩尾を子会社化しました。エクステリア関係、アルミサッシ等の施工事業を行っています。そのようなかたちで、住宅機器に関してはM&Aを通して商材、商圏を広げていくという戦略で取り組んでいます。

3つ目の事業柱は、再生可能エネルギー関連事業で、ダイキアクシス・サステイナブル・パワーという子会社を中心に、風力発電、太陽光発電、バイオディーゼル燃料の事業を行っています。

その他の事業として、家庭用飲料水事業を愛媛と広島で展開しています。

1. 会社概要 ~グループ概況~

概況ですが、こちらのスライドは今年度第2四半期の売上全体におけるセグメント別の売上割合になります。環境機器関連事業については、全体の53パーセントの売上を持っています。

環境機器関連事業については、浄化槽と呼ばれる生活排水の処理装置および、排水処理施設でも、産業排水や大型の排水処理システムを製造、販売、保守、メンテナンスを行っています。さらに、上水事業、つまり地下水飲料化事業では、病院や大学といった施設に機器を納めて、ストックビジネスとして展開しています。

住宅機器関連事業については、売上割合が42.9パーセントなっており、建設関連業者向けの卸売やホームセンターへの卸売、また工事施工を行っています。小売については、eコマースも1つの戦略として伸ばしています。

再生可能エネルギー関連事業については、売上で見ると全体の2.4パーセントですが、特に太陽光の売電事業等は利益率がかなりよく、利益確保できる事業として伸ばしていきたいと考えています。

1. 会社概要 ~ESG経営~

経営方針になりますが、ESG経営を推進しています。まずは、環境機器として、水処理や飲料水の提供により、環境と社会に貢献します。

再生可能エネルギーについても、リサイクル事業としてバイオディーゼル燃料の製造で貢献し、太陽光・風力の発電、売電でクリーンなエネルギー創出による貢献を推進しています。

さらに住環境作りや住宅設備の事業については、環境に配慮した商材等を扱うことによって、環境に貢献できると考えています。組織としては、やはり環境改善に取り組む事業をしているため、そちらについての啓蒙・啓発活動を通し、ESG経営を推進していきます。

組織、人材の部分では、働き方改革の推進や多様性も重視しています。新型コロナウイルスにより働き方の多様化が求められ、また弊社が海外展開を進めている中で、ここ数年は毎年、外国人の採用も行っています。

これらの事業活動、企業活動を通して、環境と社会に貢献するため、その基盤となっているのがガバナンスにあると思っています。

今年の東証のコーポレートガバナンス改訂にもあったとおり、さまざまなステークホルダーのみなさまに対して情報をクリアに開示しながら、きちっとした企業経営を管理、監督するよう進めています。

2. 成長戦略 ~事業環境認識と方向性~

成長戦略についてご説明します。スライドには、事業環境と方向性をセグメント別に記載しています。

環境機器関連事業については、やはり国内は人口減少があるというところで、新築の住宅着工数が減ってくることを考慮し、特に浄化槽、生活排水処理装置の販売が減ってくるという状況はあります。それを補うために、産業排水処理システムへの研究開発と販売に注力します。また、収益がしっかりと確保できるよう、ストックビジネスの展開も進めています。

海外については、やはり新興国の急速な経済成長に伴う環境汚染が深刻化している状況があります。世界的なメガトレンドとして、環境投資やESG投資というものがかなり進んでいます。SDGsの採択や各国の水環境整備も進んでおり、弊社にとっては、海外展開は追い風になっていると認識しています。

住宅機器についても、国内の人口減少という状況から、新築の住宅着工数等、長期的な売上は頭打ちで、減少が見込まれます。しかし、方向性としては、新型コロナウイルスによるリフォーム市場の増加や、環境保全等に貢献できる商材への需要拡大を見ています。ECリフォームの市場拡大もあり、DCMと連携しながら、そのような事業へも進出して展開していきます。

再生可能エネルギーについても、脱炭素、カーボンニュートラルというところが世界的なトレンドになっています。こちらも追い風になっているとおり、FITの売電の対応や製品開発を行い、事業として成長させるという思いを持って取り組んでいきます。

2. 成長戦略 ~2021-2023中期経営計画概要~

中期経営計画についてです。当初、2019年から2021年での3ヶ年の中期経営計画を開示していましたが、新型コロナウイルス感染拡大のため、かなり数値が見えなくなった部分もあり、いったん取り下げました。

新たに今年2月に、2021年から2023年の中期経営計画として開示しました。こちらの成長戦略をもってESG企業として成長していきたいと考えています。

2. 成長戦略 ~海外展開~

海外展開についてご説明します。2020年12月期の売上高は10億円でしたが、販売エリアの拡大、代理店の拡大を進めて2026年までに50億円を目指します。

海外事業展開における体制として、まず海外営業統括部を東京に置き、各国への営業、情報提供、情報収集を行うことで、浄化槽の普及および販売、代理店網の拡充を図っていきます。

海外技術統括部は、各技術に関する設計、製造、開発を統括する部署になりますが、愛媛、そして新型コロナウイルスが落ち着いた後は各海外拠点において、各国での生産技術の指導や生産体制の支援を行い、日本品質の生産体制の確立を進めます。

最後に、海外管理部として、現在東京とシンガポールに人員を配置していますが、海外進出におけるサポートとして、各国の法務、税務、会計に対応するなど、海外拠点の統括管理を行っています。

2. 成長戦略 ~海外展開 代理店網~

海外展開、浄化槽販売のネットワークのご紹介です。こちらのスライドでは、アジア、アフリカ、各国における生産拠点と代理店を紹介しています。

現在、8ヶ国に代理店を有しており、全体で28社あります。海外営業統括部から人員をあてて、各代理店の販売支援や技術指導を行っている状況です。

生産拠点は、中国、インドネシア、インドの3ヶ国です。今後の計画として、スリランカに小型浄化槽の製造拠点を、またインドは現在は委託生産工場ですが、自社工場を建てる計画です。

2. 成長戦略 ~インド現地生産体制整備~

インドの現地生産体制の整備についてです。現状は委託生産工場ですが、生産能力は月産20台から月産30台まで増やすということで、設備増設・増強を進めています。

先日開示しましたが、インドに「DAIKI AXIS ENVIRONMENT」という、独自で運営を行う浄化槽工場の設立を決定しました。

円筒タイプの大型浄化槽も製造可能となり、幅広い顧客の需要を獲得できると考えています。生産能力は、当初は月産30台ですが、最大で月産60台までの生産体制拡充を考えています。

2. 成長戦略 ~海外展開 スリランカ・中国~

スリランカと中国についてのご紹介です。スリランカは、もともと代理店であるVikasitha Enterpriseという会社と浄化槽販売を行っていました。この代理店の浄化槽部門の機能を取り込み、独資でDAIKI AXIS ENVIRONMENTという会社を今年5月に設立しました。

スリランカの水処理の現状ですが、水処理されていない割合が98パーセントという状況のため、先駆者としてスリランカの水処理市場を取りに行くという戦略を持っています。この戦略を進めるにあたり、小型の浄化槽の組立工場建設に向けた稼働を開始しており、スライド右下にある黒い小型の浄化槽を、日本から部品を輸入して現地で組み立てて販売することを考えています。

中国については、合弁会社による浄化槽の生産を行っています。凌志環保股份有限公司という会社ですが、中国の水処理規制が厳格化されているというところに寄与して、浄化槽普及が増加しています。2020年以降は、約1,000基を販売できており、黒字転換して配当が受領できている状況です。

弊社の子会社である大器環保工程も、大型案件として、産業廃棄、産業排水処理の案件獲得を目指しながら、浄化槽の販売も進めているかたちです。

2. 成長戦略 ~製品開発~

成長戦略として、開発分野での取り組みについてご説明します。高付加価値な産業用排水処理システムとして、従来製品の改良や、環境を意識した高品質製品の開発を継続しています。

7月に画期的な産業排水処理システムとして、「コアリアクターSR型」を発表しています。こちらの製品は、結果的にランニングコストの削減に貢献できるシステムであり、ユーザーメリットを発揮できる開発を行っています。

国内では、工場を有している各業界のお客さまが、それぞれ特有の産業廃棄物、産業排水処理に関する課題を持っているため、営業や開発と連携しながら提案型の開発を実施していきます。

これとあわせて、海外での開発については、インド工科大学とも提携しています。また、自社の海外開発部ではプロジェクトを組んで、現在納入している現場のデータを収集して分析し、各国で対応できる機種の開発を行っており、各国でしっかり処理できるプロダクトを開発、生産している状況です。

2. 成長戦略 ~ストックビジネス拡大~

当社では、ストックビジネスとして、地下水飲料化事業の他、排水処理設備のメンテナンスに積極的に取り組んでいる状況です。特に、全国規模の大手コンビニエンスストアチェーンや外食チェーンといったお客さまの排水処理設備などのメンテナンスに注力しています。メンテナンスの売上高はグラフのとおり、年々伸長しており、当社としては大きな収益、利益の柱になってきています。

この事業を推進するため、スライド右側に記載のとおり、ITを使ったメンテナンスシステムを構築し、協力業者や顧客が効率的に管理業務できるようなシステムを構築しました。

2. 成長戦略 ~住宅機器事業の拡大戦略~

住宅機器の拡大戦略についてです。冒頭にお話ししたとおり、eコマースサイトということでDCMと一緒に当社のリフォームサイトを活用しながら、全国の顧客開拓、施工事業者の開拓を行っていきます。

また、M&Aを通じた収益寄与の拡大や商圏、商材の拡大ということも戦略として持っており、2019年には冨士原冷機や日本エアーソリューションズ、2021年にはアルミ工房萩尾を、新たな商材を持っている会社として子会社化し、四国を中心にダイキアクシスの住宅機器の卸売りネットワークを活用して、受注、収益の拡大を図っていきます。

2. 成長戦略 ~再生可能エネルギー事業~①

再生可能エネルギーについてご説明します。2012年に子会社化した旧・シルフィードが、風力発電の開発や製造販売を行ってきました。その後、2019年に風力発電、および太陽光発電設備の開発管理をシルフィードに移管して集約することで、業務の効率化を図って安定した収益を生み出してきました。

今年度、シルフィードとダイキアクシスのバイオディーゼル燃料の事業を統合して、シルフィードの新たな会社名をダイキアクシス・サステイナブル・パワーに変更し、再生可能エネルギーの事業を推進していきます。

基本理念として「社会全体の低炭素化実現に向けた取組に貢献し、持続可能な地球環境の実現を目指す」を掲げ、再生可能エネルギーを拡大していくという思いを持って取り組んでいきます。

2. 成長戦略 ~再生可能エネルギー事業~②

各事業についての簡単なご説明です。まず、太陽光発電事業ですが、ホームセンター屋根置きFIT売電の実績をすでに持っています。発電所数は130サイト、年間売上が7.5億、売上総利益が4.3億、利益率も55パーセント以上と、かなりの利益を確保できている事業です。

今後は、オンサイト型のPPA事業、また先日リリースしましたが、サンエイエコホームを子会社化したため、サンエイエコホームが保有する既設野立太陽光発電所23ヶ所に基づき、長期的な事業運営を行います。このようなかたちで協業することにより、さらなるシナジー効果を発揮していくという思いを持って取り組みます。

2. 成長戦略 ~再生可能エネルギー事業~③

風力発電事業についてです。小形風力FIT売電事業ということで、2021年度に新たに10サイトを開発し、総数21サイトが稼働開始しています。今後もさらなる拡大で2025年までに70サイトを保有したいと考えています。

中形機の風力発電機の開発にも参画しており、RICOH、ゼファーという会社と一緒に、純国産の風力発電機開発を目指しています。

2. 成長戦略 ~再生可能エネルギー事業~④

バイオディーゼル事業についてです。B5軽油事業ということで、現在自社プラントは愛媛にしかありませんが、関東エリアでのBDF消費量の規模拡大により、関東エリアへの事業拡大を計画しています。

これまでの実績やノウハウを活用しながら、さらなる販売先、営業、供給体制を構築していきたいと考えています。

バイオディーゼル事業のビジネスモデルは、企業や各家庭から出る廃食油を回収して、当社が有するプラントで分離、精製してBDFを蒸留して作り出すというもので、そのあと、企業や官公庁へ販売するかたちです。

2. 成長戦略 ~M&Aの推進~

当社のM&Aの推進に関してですが、これまで、ご覧のスライドのようなM&Aの実績があります。今後も、各事業部においてM&Aの戦略も立てながら、当社の理念と共通しており、シナジー効果が発揮できる会社の事業を中心に、M&Aを推進していきます。

2. 成長戦略 ~財務戦略~

財務戦略ですが、サステイナブル認証付き新株予約権ということで、2020年9月に新株予約権を発行しています。10月現在で47パーセントを行使済みで、10.7億円を調達している状況です。

資金使途は、海外の水処理事業の展開として、海外浄化槽事業の工場建設費用、また浄化槽のBOO/BOT事業、そして飲料水事業にあてる予定です。

また、もともとの資金使途はミャンマーがメインだったのですが、ミャンマーの情勢に伴う海外展開の戦略変更および、再生可能エネルギー事業への投資に注力ということで、資金使途に太陽光発電事業を追加しています。

3. 業績概要 ~経営成績の概況 連結業績推移~

業績概要ですが、スライドは2017年から今年度の予想を含めて、5ヶ年の連結業績推移および今期予想のグラフです。コロナ禍においても安定した事業基盤を背景に、業績は堅調に推移していると考えています。

3. 業績概要 ~2021年12月期第2四半期経営成績~

2021年12月期第2四半期の経営成績ですが、進捗としては、連結売上高が191億1,700万円で、前期比プラス9.6パーセントの増収になっています。営業利益が7億8,000万で、前期比プラス14.3パーセントの増益となっています。

3. 業績概要 ~2021年12月期通期業績予想~

今期の予想ですが、連結売上高は354億円で、前期比プラス2.2パーセントの増収、連結営業利益は11.5億円で、前期比プラス10パーセント増益を計画しています。

売上面ですが、環境機器関連事業において、国内では排水処理システムが増加してメンテナンスビジネスも拡大することで増加している状況です。海外ではインド等での生産が本格化することから、国内売上高、海外売上高ともに大きく増加し、前期比で増収の予定です。

住宅機器関連事業については、前期落ち込んだホームセンター、ディテール商材の回復により増収を見込んでいる状況です。

再生可能エネルギー関連事業は、太陽光発電に関わる売電が前期でほぼフル稼働になったことから、当面の伸びはゆるやかになる見込みですが、風力発電では今期新たに11サイトの設置を見込んでおり、その収益も計上されてくる予定です。

利益面は、環境機器関連事業において、主に国内や海外での売上増に伴う利益拡大を見込んでおり、住宅機器関連事業では売上増、利益率改善によって利益が増えると考えています。再生可能エネルギーは、太陽光発電が頭打ちとなることから利益は減少し、その他の事業は前期の土木事業の利益がなくなることから減益を見込んでいる状況です。

4. 株主還元 ~配当推移~

アジェンダの最後になりますが、株主還元についてご説明します。配当政策は、各期の連結業績、配当性向、および内部留保を総合的に勘案しながら配当を行うことにしています。2021年12月期は、前年同様、第2四半期末で12円、期末で12円、年間で24円の計画としています。

4. 株主還元 ~株主優待~

株主優待についてです。長期ホルダーの株主への還元を目的に、前期から見直しを行い「ダイキアクシス・プレミアム優待倶楽部」を新設しました。

ダイキアクシス・プレミアム優待倶楽部サイトにおいて、いろいろな商品を購入いただけるほか、他のプレミアム優待倶楽部導入企業の優待ポイントと合算が可能な共通株主優待ポイントとも交換可能となっています。

私からのご説明は以上になります。環境、社会に貢献する企業として取り組んでまいります。また、やりがいや生きがいを感じられる組織にしてまいりますので、ぜひとも応援をよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:再生可能エネルギー事業の将来的展望について

質問1:再生可能エネルギー事業に注目しています。将来的にどの程度まで伸ばされる予定か教えてください。

大亀:再生可能エネルギーは、世界規模のメガトレンドであり、環境の影響への懸念、対策の注目度はかなりのスピードで高まっていると感じています。

その中で、ダイキアクシスグループとしてはCO2削減をはじめとし、喫緊の環境対策に取り組んでいくため、ダイキアクシス・サステイナブル・パワーで新たに再生可能エネルギー事業へ取り組んでいきます。

数値は、2025年までに売上25億円、経常利益6.5億円を達成する目標を掲げており、利益面においてダイキアクシスグループの強固な柱となる事業として取り組んでいきます。

質疑応答:コロナ禍収束後における海外事業進出計画について

質問2:新型コロナウイルスが収束すれば、ダイキアクシスの海外事業は飛躍的に伸びると考えてよいでしょうか?

大亀:飛躍的に伸ばしていく思いを持って取り組んでいきます。コロナ禍の中、我々のターゲットとする新興国では、インド、インドネシアを中心に感染状況がかなり悪い状況も続いたため、思うように浄化槽販売活動が進められませんでした。

現状における一番の課題は現地生産の体制作りの確立ですが、特にインドの需要に対し供給が追いついていない状況が挙げられます。先ほどもご説明したとおり、2年前から稼働している委託生産工場に加え、インド北部に自社の浄化槽工場の設立を決定しています。

新型コロナウイルスの状況も少し落ち着きを見せているため、11月から日本人社員も現地に赴き、需要拡大に向け本格的に始動していきます。

コロナ禍による極端な海外輸送費の高騰から、海外輸送すると利益をひっ迫してしまう状況もあるため、早急に生産体制を整えていくところです。

質疑応答:海外事業において有望視する国についてと将来的な売上見込みについて

質問3:海外事業についてお尋ねします。インドや中国などさまざまな国で展開されていますが、最も有望視されている国はどこでしょうか? また、その理由を教えてください。将来的に海外事業はどの程度の売上を見込んでいるのでしょうか? 時期的なものも含め、具体的に知りたいです。

大亀:現在、一番注力する国はインドです。理由は、市場規模のポテンシャルが莫大であるところです。約13億人の人口規模に加え、モディ首相を中心にインド政府として「Clean India」「Make in India」といったさまざまな政策を打ち出しており、外部環境としてインド国内に弊社の営業活動を後押しする政策があることも理由の一つです。

また、コロナ禍前から弊社ではインドの営業活動において、営業組織の体制が確立できており、コロナ禍の中でも日本から含め、オンライン、リモートを活用しつつ現地中央政府や地方政府とコミュニケーションをとることができています。さらに、現地代理店ネットワークを通じて各地方の需要発掘を行い、実績を挙げています。

数値については、2026年に海外売上50億円を達成する目標を掲げて取り組んでいきます。多少保守的かもしれませんが、それを超えるような事業推進を行っていきたいと考えています。

質疑応答:小形風力発電におけるライバル会社についてと自社の強み・特徴について

質問4:小形風力発電においてライバル会社はあるのでしょうか? 小形風力についての御社の強みと特長を教えてください。

大亀:風力発電を取り巻く状況として、風力発電の技術は欧州や中国のメーカーが先行している市場環境となっています。

その中、昨年度より環境省の補助金事業である「二酸化炭素排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に係る「低圧風力発電機に関する技術開発・実証事業」という事業において、子会社のダイキアクシス・サステイナブル・パワーが参画しています。先ほどご説明したとおり、リコー、ゼファー、ダイキアクシス・サステイナブル・パワーの3社が共同で行う、50キロワットの純国産小形風力発電装置を開発する研究開発事業です。

当子会社が持つ、旧・シルフィードにおける小形風力発電装置の研究開発データや、長年ダイキアクシスが浄化槽製造で培ってきたFRP成形技術を元に開発していきます。

欧州などのメーカー製品と異なり、設置場所の地形や気象条件にベストマッチできるシステム開発により、日本の各地域における独立系の電力網を作る動きと連携し、再生エネルギー事業の中で太陽光発電と並ぶ電源として普及させることを目的としています。

質疑応答:インド・インドネシアの製造拠点の稼働状況についてとアフリカでの製造拠点計画について

質問5:インド、インドネシアの製造拠点はどの程度稼働しているのか教えてください。アフリカなどにも製造拠点を持つ計画があるのでしょうか?

大亀:海外の生産拠点は、現在インド委託生産工場、インドネシア生産工場が動いています。現在の稼働率ですが、インドでは国内需要における国内販売、インドネシアはインドネシア国内の需要および海外輸出の部分で生産を進めており、今年はほぼフル稼働に近いところで動いている状況です。今後も品質管理および量産体制の構築を進めていきたいと考えています。

アフリカについては、現在は、もともとケニアにて代理店だったUsafi Comfort社と合弁会社を設立し、浄化槽の市場開拓、マーケティング活動を行っています。

遠隔地のため、アジアと比べ、販売面に大きい課題を抱えており、インドネシア工場や日本から製品を輸入するとやはり輸送費が大きくなってしまいます。そのため、弊社も販売価格の課題を解決するため現地生産が必要と認識しており、協議、検討中です。

なかなか時期について申し上げられませんが、アフリカ市場もかなりポテンシャルがあることを認識しているため、現地の需要状況や社内体制を踏まえつつ現地生産の計画を進めていきたいと考えています。

質疑応答:当社の海外における浄化槽の評判および強みについて

質問6:海外での御社の浄化槽の評判や強みについて教えてください。外国製品などと競合しないのでしょうか?

大亀:弊社の海外における浄化槽の強みについてお話します。「浄化槽」と呼ばれる製品は、日本政府が定めた日本独自の技術です。日本政府でも環境省の「環境インフラ海外展開基本戦略」において浄化槽を海外に展開していくことを打ち出しており、浄化槽は「Johkasou」という名前で海外各国に知れ渡っています。

私たちが進出している各国は、浄化槽のような高度に生活排水を処理できるシステムが普及しておらず、実際に水環境の汚染につながっている状況です。

発展途上国では、中央型の下水、大型の下水処理施設や設備は多額のインフラ予算が必要になるため、各国の政府でもなかなか水処理の整備が進んでいない状況にあると考えています。

その点、浄化槽は分散型、オンサイトで処理できるサイズもあり、大規模施設と比較しても安価ですし、設置も容易です。そのため、販売が進められている状況だと考えています。当社の強みは、やはり60年近く水処理の開発に取り組んでいるところです。それをもとに「ジャパンクオリティ」で各国にて販売を進めています。

質疑応答:海外転換に伴う国内大手商社との連の可能性について

質問7:海外展開において日本の大手商社などと提携しないのでしょうか? そうすればさらに早く広く販売できるように思うのですが、いかがでしょうか?

大亀:商社との提携について検討した時期もありました。しかし、弊社では製品を販売する代理店だけでなく、将来的に現地生産を踏まえ現地販売ネットワークを構築しながら広げていく戦略を持っているため、自社の社員を通じ、高い環境意識を持ち、そのような水処理や建設工事を行っている現地企業の開拓を進めてきました。

現在の成果として、7ヶ国から8ヶ国に代理店を有しており、さらに4ヶ国に製造拠点を持っている状況から、展開は広げられていると考えています。

一方、総合商社は販売ネットワークを持ち、ノウハウもあると思いますので、今後の検討課題としていきたいと思います。

質疑応答:株価水準への評価と東証における市場替えの見通しについて

質問8:株価水準についてどのように思われますか? また、東証の市場替えはどのように考えていますか?

大亀:現在の株価よりさらに上を目指すことができると考えています。一時期は株価が1,500円を超えるときもありましたし、IR活動を含め、当社として目指さなければならない価格はまだまだ上にあると考えています。本日お話しした成長戦略をもとに企業価値を高めつつ、しっかりとステークホルダーのみなさまに当社の取り組みを開示し、株価も上げていきたいと考えています。

東証の市場替えは、プライム市場とスタンダード市場、各市場の特性をしっかり把握し、現在社内にて検討を進めています。検討が完了次第、みなさまにお伝えできるよう準備していますので、決定した際は速やかにお知らせします。

質疑応答:DCMホールディングスとの関係性について

質問9:DCMホールディングスとはどのような関係にあるのでしょうか? 今後の連携などについて教えてください。

大亀:先ほど沿革の部分でご説明しましたが、過去、当社の前身会社においてホームセンター事業を有していたところで、2005年にダイキアクシスが設立され、現在の当社事業の3本柱である住宅機器関連事業を継承しました。それ以降、水回り住宅設備の販売、DCMの各店舗における建物管理、設備管理にて、取引上良好な関係を築けています。

今後も、引き続き良好な関係、連携を築きながら新たな事業メニューも開拓、提案できればと考えています。

質疑応答:再生可能エネルギーに関する規制緩和の期待について

質問10:太陽光発電など「場所がない」と聞いています。再生可能エネルギーに関して、今後、どのような規制緩和を期待されているのか教えてください。

大亀:太陽光発電において、大規模な開発を伴うメガソーラーなどの用地は、設置に適する用地が減少していることは事実と思います。ただ、有効利用されていない建築物の屋上のようなところの設置に関しては、必ずしも電力を必要としている場所に近接した設置場所がない状況ではないと認識しています。

そのような中において、弊社では、電力会社が有している送電網の増強により広く再生可能エネルギーが需要地へ提供できるかたちの規制緩和を期待しており、事業を進めていきたいと考えています。