会社概要
茂木貴雄氏(以下、茂木):株式会社コラボス代表取締役社長の茂木貴雄でございます。2022年3月期第2四半期の決算説明をさせていただきます。
本日は、弊社の決算説明会に初めてご参加いただく方も多数いらっしゃるため、まずは弊社についてご紹介します。弊社は企業などで利用されるコールセンターシステムを開発し、月額料金制のクラウド型で提供している会社です。
コールセンターは、メーカーはもちろん、国や地方自治体の問い合わせ窓口などあらゆる分野に存在します。最近では新型コロナウイルス感染拡大の影響で、非対面でやり取りできるコールセンターがなくてはならない存在になっています。弊社は国内で初めて、クラウド型でコールセンターシステムを提供したパイオニアです。日本マーケティングリサーチ機構の調査のもと、No.1の称号も複数いただいています。
会社概要_ビジネスモデル
弊社のビジネスモデルを簡単に図にすると、スライドのような流れになります。左側の枠が弊社、中央がコールセンター、右側がユーザーです。ユーザーからのお問い合わせを受け、コールセンターのオペレーターは弊社のシステムにアクセスし、登録されている情報、例えば購買履歴などを参照しながらユーザーに適切な対応を行います。
オペレーターは弊社のシステムにアクセスするため、コールセンターにおける設備投資は一切不要です。オペレーターのID数に応じて月額でリーズナブルに利用できますので、コスト削減にも非常に効果的です。
会社概要_サービス紹介 電話サービス
弊社のコールセンターシステムサービスについて具体的にご紹介します。まず電話機能として、スライド左側にあるとおり、国内外のコンタクトセンター市場でトップクラスのシェアを誇るAVAYA社製の交換機を採用した本格的な電話システム「@nyplace(エニプレイス)」があります。
もう1つ、自社開発のサービスとして、パソコンから手軽に電話ができる「COLLABOS PHONE」があります。どちらのサービスも、在宅勤務でのコールセンターとして利用可能です。
「@nyplace」は高機能かつ堅牢性・安定性が特徴で、比較的大規模の企業向けとなります。一方の「COLLABOS PHONE」はコスト重視で手軽さがあり、中小規模の企業向けの製品です。
会社概要_サービス紹介 顧客管理サービス(CRM)
ユーザーのさまざまな対応履歴などを管理する顧客管理サービス、いわゆるCRMについてです。これらは先ほどご紹介した電話サービスと組み合わせて提供しています。このCRMも2種類あります。
1つ目は、お客さまからかかってきた電話に対応するための「COLLABOS CRM」で、こちらは問い合わせ対応用です。2つ目は、こちらからお客さまに電話をかけるための「COLLABOS CRM Outbound Edition」で、テレアポセールスや電話アンケートなどに使用されます。
会社概要_サービス紹介(データ活用・効率化サービス)
他にも、コールセンターの業務効率をアップできるさまざまなサービスを提供しています。スライドに記載しているこれらのサービスは、先ほどの電話機能やCRMと組み合わせて利用できるほか、単体でも利用できます。左端のサービスから順にご説明します。
「AmiVoice」は、通話の内容をAIでテキスト化したり、回答候補を自動で表示させたりするものです。「GoldenList」は、企業が保持している顧客データをAIで独自解析し、成約見込みの高いリストを作成して収益向上に貢献するものです。「Packet Folder」は、「@nyplace」と同時に利用されるお客さまが多い通話録音システムです。
昨年リリースした「CollasQ」はよくある質問を蓄積し、自己解決を促すFAQサービスです。「Challbo」は1人のオペレーターが複数の業務を請け負う場合を想定し、同時に複数のチャットで問い合わせに対応できるサービスです。
これらのサービスは、ユーザー側の「時間や場所の制約なく気軽に問い合わせたい」「通話料や待ち時間を減らしたい」などの要望や、コールセンター側の「できるだけ自動化したい」「オペレーターの対応時間を削減したい」という要望に応えるサービスで、コールセンター業界の人手不足の解消にも貢献します。
会社概要_クラウド型CRM市場推移
こちらのグラフはクラウド型CRM総市場のデータです。市場全体としては右肩上がりで伸びており、2025年度に市場規模は1兆円を超えると予想されています。スライドの棒グラフのブルーの部分が、弊社が提供するクラウド型の市場規模の推移です。右肩上がりで伸びており、2025年度にはおよそ7,485億円になると予測されています。
一方、グラフのグレー部分のオンプレミス型は、自社で1から構築し、運用保守も自社で行うタイプですが、割合は年々減少しています。
クラウド型はインターネットで接続しますが、そのセキュリティも年々レベルアップしています。クラウド型は、企業が膨大な導入費用をかけることなく、月額料金制で低コスト、かつ短納期で利用できます。
システムバージョンアップやサーバーメンテナンスも不要で、常に最新のサービスが利用可能ということに加えて、コロナ禍でも、どこでもコールセンターが設置できるというメリットもあるため、コロナ禍により生じた働き方の変容がクラウド型にとっての追い風となっています。
会社概要_導入企業の業種・契約年数
導入企業の特徴です。主にテレマーケティング、アウトソーシングなどのサービス業を中心に、メーカー、金融に至るまで幅広い業種で利用されています。継続利用年数としては、3年以上ご利用いただいている企業が約7割、10年以上ご利用いただいている企業が1割以上です。コールセンターのインフラサービスということで、長期契約のウェイトが高まっています。
会社概要_導入企業(一例)
弊社システムをご利用いただいている企業の一例です。守秘義務などの関係でご紹介できない企業も多いのですが、大手メーカーから自治体まで、さまざまな業種でご利用いただいています。5席前後の小規模から300席前後の大規模コールセンターまで、約880拠点の導入実績があり、常時1万席以上が稼働しています。
会社概要_サービスの3つの強み
弊社のクラウド型システムの強みは、主にスライドに記載している3つです。1つ目は、コールセンターの現場の声を蓄積し、ノウハウが詰まったシステムであること、2つ目は、圧倒的な利用実績や信頼性が評価されていること、3つ目は、クラウド型のため低コストでスピーディーに利用でき、面倒なシステムメンテナンスが不要であることです。
コールセンター機能を国内で初めてクラウドで提供した会社として、20年間一貫して、専業でコールセンター向けのクラウドサービスの開発および提供を行っていることが、強みの源泉となっています。
決算概要_売上高・営業利益の推移
ここからは、第2四半期の決算概要をご説明します。スライドのグラフは、第2四半期の売上高と営業利益を経年で並べたものです。
売上高は創業来、右肩上がりで増えています。これはクラウド型が認知されてきていることに加え、最近のコロナ禍でさらにコールセンターのニーズが増えているためです。営業利益は近年下降トレンドになっていますが、これは新時代に向けた先端的な技術投資などの取り組みを継続しているためです。
決算概要_損益計算書(サマリー)
第2四半期の損益計算書です。売上高は約11億円で、前年同期比15.3パーセント増となりました。「@nyplace」と「COLLABOS PHONE」がいずれも伸びています。主に、コロナワクチン関連のコールセンターの拡大や席数の増加がありました。
売上原価については、売上高に含まれる通信費の原価の増加に加え、中期経営計画における開発推進およびサービス提供における運用体制強化に伴う外注費、人件費等が増加し、結果として原価率が若干アップしています。
販売費および一般管理費については、売上原価と同様に、中期経営計画における開発推進、サービス提供を背景とした運用体制強化に伴う人件費等が増加しています。営業利益以下は、昨年第2四半期と同レベルにとどまっています。
決算概要_サービス別売上高比較
スライドの棒グラフは、第2四半期の売上高を各サービスごとに色分けして並べたものです。グリーンでお示ししている「COLLABOS PHONE」が、年々増えていることがポイントとして挙げられます。コロナワクチン関連や在宅勤務による案件増加のほか、コスト、機能、操作性のバランスが需要にマッチしている点、物理的な電話機が不要でパソコンとインターネットさえあれば短納期で構築できる点が、選ばれている理由と考えています。
決算概要_サービス別 KPI (電話サービス関連)の推移
スライドの当ページと次のページは、4つの基本サービスのKPIの推移となります。いずれのサービスも席数、ID数に応じて売上が上がっていくため、期間平均契約数の増加が弊社の売上増加につながっているという状況です。
「@nyplace」および「COLLABOS PHONE」は、売上高、期間平均契約数ともに過去最高の結果となりました。
「@nyplace」はオンプレミス型からクラウド型へのリプレイス案件の新規獲得がありました。既存顧客においては、コロナワクチン関連や通販関連の案件なども業務拡大傾向にあり、売上高は昨年対比5.5パーセント増、期間平均利用席数は7,791席となりました。
「COLLABOS PHONE」は、コロナワクチン関連や在宅勤務案件のほか、操作性、機能、コストのバランスが需要にマッチしていることから、特に新規案件が非常に伸びています。売上高は昨年対比82.6パーセント増、期間平均利用チャネル数は3,234チャネルとなりました。
決算概要_サービス別 KPI (顧客管理サービス関連)の推移
2つのCRMのKPIの推移です。主に電話を受けるインバウンド向けの「COLLABOS CRM」は、主に「COLLABOS PHONE」と組み合わせた利用が多く、コロナワクチン関連のコールセンターの案件獲得や業務拡大が増えており、売上高、期間平均契約数はともに増えています。
また、電話をかけるアウトバウンド向けの「COLLABOS CRM Outbound Edition」については、新規案件はあるものの、既存客においては、飲食関連でコロナ禍の影響による業務縮小があり、売上高および期間平均契約数ともに減少しました。
決算概要_営業利益の増減要因
こちらは営業利益を分析したグラフで、昨年の第2四半期から何が増えて何が減ったのかがわかるものです。営業利益は6,300万円から6,000万円となり、昨年の第2四半期から300万円の減少です。
スライドのブルーの部分はプラス要因で、売上が約1億5,000万円ほど伸びていますが、それ以上に売上原価と販管費が増加しています。その主な要因は中期経営計画における開発推進、およびサービス提供における運用体制強化等に伴う人員追加で、これにより人件費および外注費の増加が発生しています。
決算概要_貸借対照表(サマリー)
昨年度末との比較の貸借対照表です。資産がプラス800万円、負債がマイナス3,400万円、純資産がプラス4,300万円です。資産は「@nyplace」のリース資産の償却等に伴う有形固定資産の減少がある一方で、中期経営計画に基づくソフトウェア資産の無形固定資産の増加でプラス800万円となりました。負債は主に「@nyplace」用設備のリース料の返済によりマイナス3,400万円となり、純資産は利益の積み上げによってプラス4,300万円となっています。
決算概要_キャッシュ・フロー計算書(サマリー)
こちらはキャッシュ・フロー計算書で、昨年の第2四半期と並べています。営業キャッシュ・フローの前年同期比減少の主な要因は、前年度の消費税率引き上げ等によるものです。投資キャッシュ・フローマイナス圧縮要因は、前年第2四半期に「Challbo」「CollasQ」「AmiVoice」等の新サービス開発のための投資がかさんだことによるものです。また、財務キャッシュ・フローのマイナス圧縮要因は、「@nyplace」の設備投資等のリース債務を一部返済したためです。
業績予想(2022年3月期)
スライドの表の右から2列目が今期の通期業績予想で、一番右列が、第2四半期までの進捗率です。参考までに今回の第2四半期の予想と実績も並べていますが、第2四半期は11月8日に開示した「業績予想と実績の差違に関するお知らせ」のとおり、売上高・利益ともに増収増益となり、前回発表予想を上回る結果となりました。
通期予想の売上高については、現在で半分ほどの進捗のため、残りの下半期も上半期と同じくらいを予想しています。ただ、新型コロナウイルスのワクチン関連の案件等について一定程度の継続が見込まれるものの、収束時期を予想することが困難であることから、売上高は多少保守的に見ています。
利益は第2四半期ですでに予想をクリアしていますが、下半期は中期経営計画による将来に向けた次世代型サービス開発の先行投資やリリース、既存サービスの設備増強、機能追加等を予定しています。これらのサービス関連費用の発生を見込んでいることにより、全体発表予想を据え置いています。
中期経営計画の進捗状況
中期経営計画の進捗状況をご説明します。中期経営計画は昨年5月に開示しましたが、その概略は、スライドのとおり3つの戦略を実行することによって2023年3月期の売上目標28億円を達成したいと考えています。
戦略①はすでに完了していますが、現在のサービスに加えてチャットボットやSNSなどの追加機能を開発するという戦略です。戦略②はAI技術を活用して現在の「COLLABOS PHONE」を進化させるという戦略です。戦略③はコールセンターに蓄積したデータを分析して販売戦略を生み出すという、マーケティング分野に進出する戦略です。
中期経営計画の進捗状況_3つの成長戦略リリース状況
スライドは進捗状況の表で、戦略①は当初目標期限の前に完了しましたが、今後も機能追加などを順次実装していく予定です。
戦略②は当初の目標期限に対して、1年以上遅延しそうな状況です。その理由は、当初の開発計画に対して、サービスをより具体化していく中で、市場のニーズをより捉えたサービス機能や内容の拡充等に伴って開発内容を変更したためです。また、製造後のテスト工程で品質強化を目的としてテスト実施レベルを引き上げたため、一部人的リソースの補強が必要になり、投資タイミングや償却時期の発生タイミングを変更しました。
当製品は、現状の弊社の売上高の大半を占める「@nyplace」に並ぶ、今後の成長性に欠かせないサービスとなるため、よりサービス力を強化するためにリリース時期を約1年程度後ろ倒しの2023年夏頃に変更しました。
成長戦略③はコールセンターに集まるデータを活用した、マーケティング事業領域への参入で、2022年3月末までにリリースする目標で取り組んできましたが、こちらは近日リリース予定となっています。
中期経営計画の進捗状況_目標数値
スライドでは3ヶ年の売上高の通期目標と通期実績を表しており、棒グラフは売上高、黄色の折れ線グラフは営業利益率を示しています。1年目はほぼ目標どおりでしたが、2年目は中期経営計画策定時の目標売上は24億円でしたが、業績予想は22.5億円で据え置いています。
表の下に技術開発等の先行投資の数字を記載していますが、先行コストは抑え気味で推移できており、今期は2.6億円の見通しです。中期経営計画の最終年度は4億円を見込んでいましたが、戦略②のリリースが1年後ろ倒しになることで、開発費用の投資額も一部後ろ倒しになる見込みです。
また、中期経営計画3年目の売上目標は28億円ですが、戦略②のリリースが1年後ろ倒しになるため戦略②の売上は3年目見込に含みません。前倒しでリリースした戦略①と近日リリース予定の戦略③の売上、および現有サービスによって最終年度の売上目標である28億円の達成に向けて引き続き尽力していきます。
全体的には大きな環境の変化や方針の変更がないと認識しており、業績予想に合わせた中期経営計画の変更は行わず、最終年度の売上目標達成に向け、実行スピードの挽回に尽力していきます。
【補足】 東京証券取引所の新市場区分について
弊社は現在、東証マザーズに上場していますが、東証の市場再編により来年4月から「グロース市場」に変更となります。現時点で「グロース市場」の上場基準はすべてクリアできている状況で、事業計画および成長可能性に関する事項は、東京証券取引所が定めるスケジュールに従い、12月末までに開示する予定です。
【補足】 コーポレートロゴリニューアルのお知らせ
弊社は今年の10月26日に20周年を迎え、この度、ロゴマークを変更しました。スライドに書かれている「声をきき、未来をつくる。」というメッセージは、コールセンターがお客さまの声に耳を傾けるように、私たちもお客さまの声や社会の声に耳を傾けて、新時代を切り開いていくという思いを込めています。ロゴマークも、声を表す吹き出しと、無限大を表す記号を組み合わせたデザインとなっています。
以上で、弊社の決算のご説明を終了させていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。
質疑応答:中期経営計画の目標数値における投資期間について
司会者:「中期経営計画の進捗状況の目標数値において、投資期はいつまで続くのでしょうか? 2023年3月期の投資予定は当初4億円とのことでしたが、すでに投資は完了しており2023年3月期に大型投資はなしということでしょうか?」というご質問です。
青本真人氏(以下、青本):こちらについては私からご説明します。スライド26ページの右側に記載している2023年3月期の中期経営計画値の投資額が4億円で、その下の数字がブランクになっていたため、なしと勘違いされたと思います。
これは未定という意味であり、先ほど茂木からご説明したように若干投資のタイミングが後ろにずれています。もちろん2023年3月期も、引き続き投資が発生する予定ですが、今のところ具体的な見通しとしての数字は未定で、来期の業績予想を適時開示する時に、あらためて見通しの数字として記載させていただくと思います。なしということではなく、具体的な数字が未定ということです。
質疑応答:株価対策について
司会者:「株価対策についてお伺いしたいです。現在の市場評価の株価471円は、IPO価格や前回の自己株買い価格であるおよそ700円と比べても非常に低い評価となっています。個人的には配当や優待はなくてもよいのですが、これまで以上のIR活動や自己株買いなど、将来の会社のためになる対策は可能でしょうか? 前回の自己株買いが700円前後で行われたこと、そして売上や収益性が向上しつつあることを考えると、現在の株価はかなり割安水準にあると思うのですが、いかがでしょうか?」というご質問をいただいています。
茂木:もちろん私どもも株価は日々確認し、当社のバリューとして見ていますが、内部要因以外に外的要因で決まるものでもあるため、一概に株価がどれくらいが適切かというのは非常に難しいところです。しかし、我々もおっしゃる内容は認識しております。タイムリーな所で、これまで以上のIR活動や会社の価値を上げるための施策等を適宣実行していきたいと思っています。
現状では「@nyplace」が売上の7割から8割くらいの比率を占めていますが、本日ご説明した新しいサービスからも、次の柱を作っていこうと思っています。少し時間はかかるかもしれませんが、それが当社の次の成長につながり、ひいては当社の価値を上げていくと考えて取り組んでいますので、その点もご留意いただければと思います。
質疑応答:ワクチン関連の計画と影響について
司会者:続いて「ワクチン関連は期初計画に織り込んでいたのでしょうか? また、いくら程度の影響があったのでしょうか?」とのご質問です。
茂木:中期経営計画を作った当初はそこまで織り込んでいませんでしたが、今年度の計画値としては、ある程度織り込んでいました。ただ、それ以上に席数が増えたということもあり、「いくらくらい」というのをここでお答えするのは差し控えたいですが、ある程度織り込んでいて、それを上回った部分があったということです。
質疑応答:「3つの成長戦略」における戦略③のビジネスモデルについて
司会者:「『3つの成長戦略』における戦略③のデータは、顧客からの活用承諾が必要と思われますが、どのようなビジネスモデルになりますか?」というご質問です。
茂木:おっしゃるとおりで、パーミッションが必要になる部分が出てきますし、我々も最近の個人情報保護の動向は注視しています。基本的にはパーミッションが取れる、または個人情報に該当しないかたちでデータを使わせていただきます。例えば受注いただいたお客さまと比較的似たようなお客さまに広告を打つといった作業を、コールセンターで得た情報をもとに、法に抵触しないかたちで進めるようなビジネスモデルを再定義しています。
質疑応答:ワクチンに関するコールセンター案件について
司会者:「決算短信を見ると、この上半期は新型コロナウイルスのワクチンのコールセンター案件が寄与したとありました。しかし、ワクチンも一巡し、感染者が減ってきているため、今後はその分の売上が減るのでしょうか? それとも、代わりになる案件は見えていますか?」というご質問をいただきました。
茂木:先ほども少しご説明したように、当社のビジネスモデル上は、減らすことも可能になっているため、ワクチンが一巡してコールセンターが必要なくなったということであれば、席数が減ったり解約が出たりすることもあるモデルです。
そのようなことを踏まえ見通しも据え置いていますので、今年度の案件に関しては、ある程度見えているという状況です。また、来年度以降については今後社内で話を進めますが、予算を作る過程で新しいサービスのリリースもあるため、それも踏まえて売上を積み上げていきたいと考えています。
質疑応答:競合他社について
司会者:「御社の競合他社にはどのような会社がありますか? プレステージ・インターナショナルでしょうか?」というご質問です。
茂木:専業で上場している会社は日本国内にないと思うのですが、大きな会社ですとSCSKやシステムインテグレーターの一部のサービス、また、NTTや楽天のグループ会社でも一部で競合するようなサービスを提供しています。よく競合する会社は非上場の会社で何社かあります。社名を挙げますと株式会社リンクや株式会社コムデザインなどですが、こちらが勝手に競合と認識しているだけで、先方がどう思っているのかわかりません。
プレステージ・インターナショナルはどちらかというとお客さまになる会社です。上場している会社ですとベルシステム24も競合しているように見られるのですが、お客さまの会社になります。
質疑応答:5年後の事業イメージについて
司会者:「中期計画のその先の長期計画として、5年後の事業イメージを教えてください」というご質問をいただいています。
茂木:中期計画は3年で作っておりますので、5年後についてはもちろん外部に出しているものはなく、今の私の頭の中と一部経営陣と話しているような中身のお話になると思います。特に我々の中で考えているのは、コールセンターというマーケットですと2つあり、1つはAIです。日本の人口は減っていますので、コールセンター以外でもそうですが、このAIを使ってどういったサービスができるか、我々の法人のお客さまにどういう貢献ができるのかといった開発をしていかなければいけないと考えています。
もう1つは、我々のお客さまである法人の売上や利益に直接貢献できるようなサービスです。主にコールセンターを介して蓄積されたデータや、先ほどご質問にもあったような売上・受注などに直接貢献できるようなサービスです。
この2点が非常に重要になってくると考えており、国内において、そのようなサービスを開発していく必要があると思っていますし、また、そのようなサービスであれば一部は海外にも適用できると考えています。
質疑応答:他社との提携や買収の可能性について
司会者:「シナジーが得られる業界において、他社との提携や買収などを行う可能性はありますか? 例えばマーケティングの会社などです」というご質問です。
茂木:必要に応じて行っていきたいと考えています。もちろん、シナジーが得られるかどうかは検討します。例えば「自社で一から立ち上げたいが、そうすると非常に時間がかかってしまう」ものが出てくることも考えられるため、提携や買収は常に検討している状況ではあります。
しかし、当社は投資会社ではないため、質問者の方がおっしゃるとおり、基本的にはシナジーが得られるもの、足りない部分を補えるものを対象として考えています。
ちなみに、当社の開発部門として戦略開発部という組織があるのですが、我々独自の製品を出すために、現在はその強化に注力しています。戦略開発部の強化が、次の我々の収益力の源泉につながると考えています。
質疑応答:自社クラウド型システムの強みについて
司会者:「御社のクラウドシステムの特徴、強みは何でしょうか?」というご質問をいただいています。
茂木:先ほど、こちらのスライドで3つの強みについてご説明しました。3つ目に関してはクラウドシステムが基本的に備えている特徴で、我々がお客さまから高く評価いただいているのは、特に2つ目の実績です。
コールセンターのシステムでは特に音声を扱うため、システムがダウンして繋がらなくなったり、音が途切れたりということが、あってはならないという部分があり、この実績が強みで、お客さまから評価いただいていると思っています。
さらに、1つ目の現場の声に基づいた機能開発という強みについては、我々の開発部隊がどれだけ早く、正確に、安定したものを製品に実装できるかというところを追求する状態になっています。
今までもこの部分の取り組みに努めてきてはいますが、年単位よりも短い単位でリリースしてほしいといった声もあるため、今後、さらに強化していく強みであると考えています。
質疑応答:株主優待制度の再開について
司会者:「今後、株主優待の再開は検討されていますでしょうか?」というご質問です。
青本:株主優待制度は一昨年で中止しています。当初の目的としては、多くの株主の方に株を持っていただく、流動性を高めるというものでした。中止した理由としては、もともとコントロールするものではないのですが、当社の意に沿わないような株価の動きなどがあったためです。
これは設計の問題でもあると思いますが、その設計を何回も変えてコントロールするというのも当初の目的に沿わないということで、制度の運用が非常に難しいと考えました。そのため、今のところ再開する予定はありません。
質疑応答:今後の大型投資について
司会者:「中期経営計画後、またすぐに大型投資があることはないと考えてよろしいでしょうか?」とのご質問です。
茂木:当社のキャッシュは17億円から18億円くらいあります。投資に関しては、もちろん売上と利益につなげるということが大前提で、現在3つの成長戦略に取り組んでいます。
来年が中計の最終年度になりますが、次の中計に関しては、今取り組んでいて出来上がったものを、お客さまに向けて適正なかたちで届ける、かつ、なるべく早く売上収益につながるようにするということが、非常に大きなミッションになると思っています。
これまでに投資したものを、我々の価値を上げるためにつなげていくということが次のアクションであり、すぐにまた大型投資を行うことは今のところ考えてはいません。「まったくない」とは言い切れず、伝え方が非常に難しいのですが、基本的にはないと思っています。
質疑応答:営業利益率の数値について
司会者:「中計の最終年度の営業利益率が8.5パーセントとのことですが、投資を行った上で8.5パーセントということでしょうか?」というご質問です。
茂木:投資を行った上での数値です。しかし、中計の成長戦略として挙げた、言わば投資を行った3つの事業については、最終年度ではまだ、実際の売上につなげていくための最初のステージにある段階です。
そのため、次の中計の2024年3月期、2025年3月期に、この投資を行ったものの売上や利益が出てくると考えています。いただいたご質問にそのまま答えるのであれば、投資した上で8.5パーセントとしています。こちらのご質問は非常に重要だと思っています。
また、我々のビジネスモデル上、やはり営業利益率は2桁、具体的には20パーセントくらいを求めていく必要があると考えています。そこを意識して、次の中計で活動していく必要があると思っています。
質疑応答:中計の戦略の上乗せ効果について
司会者:「中期経営計画のグラフを見ると、戦略②と戦略③の上乗せ効果がそれほどでもないように見えるのですが、4年後からぐんぐん伸びていくと考えてもよいでしょうか?」というご質問をいただいています。
茂木:たしかに、スライドのグラフではそのように見えると思います。4年後からぐんぐん伸びていくように営業活動を行っていきたいと思っていますし、伸ばさなければいけないとも、もちろん考えています。
場合によってはトータルで10億円近いような投資を行うことになるため、それを踏まえた売上、利益を出していく必要があります。ここが我々にとって非常に大事なところだと思っており、しっかりと伸ばすために注力していきたいと考えています。