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小田健太郎氏(以下、小田):株式会社アイリッジの小田でございます。本日は、弊社の2022年3月期第2四半期の決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。本日公表した当社グループの第2四半期の実績および今後の見通しについてご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

本日の内容ですが、まずは2022年3月期第2四半期の決算について、その後、主に今期の経営・事業トピックスについてご紹介します。

今後の成長戦略および中期的な財務目標、また2022年3月期の業績予想については、前回ご説明した資料の再掲のため、参考までに添付しています。

2022年3月期第2四半期実績ハイライト

第2四半期の実績のハイライトですが、2点となります。まず1点目の売上高は、前年同期比プラス15.9パーセントの増収となっています。売上総利益については前年同期比プラス26.2パーセントの増益、営業利益は8,000万円で、前年同期比プラス9,500万円の増益となっています。

第1四半期に引き続き第2四半期も、アプリを中心とするデジタルマーケティング領域の事業環境が非常に順調に進んでおり、その結果が第2四半期の実績に表れています。

また、昨年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、オフラインプロモーション領域が、第2四半期は順調な改善傾向で進んでおり、その結果が、今申し上げたかたちでの第2四半期の業績となっています。

2点目の通期業績見通しに対しての進捗については、通期業績予想に対しても、この第2四半期は順調な進捗となっています。通期業績予想は足元では順調に進捗していますが、まだ新型コロナウイルス感染の再拡大など、不透明な要素が残っているため、現時点では通期予想も据え置きとします。

2022年3月期第2四半期 決算概要

数値の概要です。第2四半期の連結の業績は、掲載しているとおりの結果となりました。オフラインプロモーション領域については、先ほどお伝えしたとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響がまだ一部残っていますが、連結売上高は前年同期比プラス15.9パーセントの24億1,700万円、売上総利益率も2.8ポイント改善し、前年同期比プラス26.2パーセントの増益でした。

現在採用拡大を進め、体制強化を図っているため、販管費は増加傾向にありますが、営業利益は前年同期比プラス9,500万円、第2四半期累計でプラス8,000万円と大きく増益となっています。

売上高の推移

今お伝えした各業績の詳細を引き続きご紹介します。こちらのページは売上高の内訳を示したものです。オレンジ色が当社単体の売上高の推移、グレーが単体以外の連結グループ会社の業績となっています。

まず、当社単体では前年同期比プラス15.3パーセントと順調に進捗しており、過去最高の売上高を計上しています。

グレーの部分について、前期は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オフラインプロモーション領域で一部抑えられたところがありましたが、ここも順調に回復しており、前年同期比プラス17.0パーセントに戻しています。

結果として、連結で見ても前年同期比プラス15.9パーセントというかたちで、しっかり成長できていると考えています。

原価率(連結)の推移

原価率の推移です。原価率の改善について、この数年は重点的な取り組みとして継続してきましたが、第2四半期も引き続き順調に進行しており、累計では前年同期比2.8ポイント改善しています。

主な取り組みとしては、特に開発案件でチームメンバーの積極採用を進めた結果、内製化率も上昇しており、原価率の低減につながっているところが、こちらの数字の背景です。

この原価率の改善、維持といったものは、引き続き重点的な取り組みとして進行していきますが、足元では着実に進んでいる様子がご覧いただけると思います。

販売管理費(連結)の推移

販売管理費の推移とその内訳ですが、販売管理費は第1四半期から約2,400万円増加しています。

アプリを中心としたデジタルマーケティング領域の需要が非常に強くなっていますが、この需要に確実に対応するためにも、チームの拡大、採用拡大を大きく進めることが、今後の成長に向けて重要になります。

第2四半期はその結果、販売管理費が増加していますが、今後の成長に向けた大事な取り組みであり、十分コントロールした中での増加となっています。

営業利益の推移

各社別の営業利益の内訳と推移です。こちらも先ほどと同じように、当社単体をオレンジ、当社単体以外の連結グループ会社の部分をグレーで表示しています。

当社単体については、先ほどお伝えしたとおり、今後の需要拡大に備えた採用拡大、人員増強を進めていますが、そちらも十分吸収するかたちで、営業利益は第1四半期に比べて伸びています。

また、当社単体以外のグループ会社では、昨年度は特に新型コロナウイルス感染拡大の影響をオフラインプロモーション領域で受けた結果、営業利益がマイナスとなりましたが、第1四半期から第2四半期において、改善傾向がしっかりと続いています。その結果、今期の第2四半期累計の営業利益は、連結で見ると前期マイナス1,500万円だったものが、前年同期比プラス9,500万円で8,000万円となっています。

例年、第1四半期、第2四半期は業績全体が抑えられ、第3四半期、第4四半期で大きく積み上げていくというトレンドがあります。今期も同様のトレンドが続いているため、下期はさらに積み上げていくという取り組みを進めているところです。

ストック型収益の推移

こちらのグラフは、ストック型収益の推移です。当社は主力プロダクト「FANSHIP」という、いわゆるクラウド型のアプリに組み込むアプリマーケティングソリューションを提供しています。

SaaS型ビジネスで、「FANSHIP」のライセンス収入を中心にストック型の収益を着実に伸ばしていくことを重点的に取り組んでいます。このグラフは、その進捗を示しており、ストック型収益は第1四半期からさらに積み上げて、前年同期比プラス23.6パーセントの4億1,200万円となっています。

上の折れ線グラフが売上高全体に占めるストック型収益の割合です。連結売上高に占める比率は32.2パーセントと、ストック型収益をしっかりと積み上げ進めている最中です。

今後も継続的にストック型収益の拡大を目指しています。

FANSHIP導入アプリのMAUの推移

スマートフォンアプリに組み込むマーケティングソリューションであるSaaS型プロダクト「FANSHIP」の導入アプリのMAU(Monthly Active Users)、つまり月間で使っていただいているユーザー数の推移をグラフで示したものです。

第2四半期の「FANSHIP」導入アプリのMAUは前年同期比プラス26.6パーセント増で、5,977万ユーザーとなっています。先ほどご説明したストック収入の積み上げの参考情報となるため継続的に示しているものですが、前年同期比でしっかりと伸びており、順調に進捗している様子が見てとれると思います。

通期業績予想に対する進捗率

第2四半期の業績ですが、こちらのグラフは通期予想に対する進捗率を示しています。まず左側が、2022年3月期の通期業績予想です。

新型コロナウイルス感染症の拡大がどのようなかたちで収束していくのか見通しづらい部分もあるため、その影響を受けやすいオフラインプロモーション領域で予想が不透明な部分が一部残っていますので、レンジでの開示としています。売上高48億円から55億円、営業利益が1.5億円から2億円というかたちとなります。

右側のグラフは業績予想上限に対する進捗率を示しています。この第2四半期累計で、売上高が上限の55億円に対して44.0パーセント、営業利益が上限の2億円に対して40.1パーセントの進捗となっています。

要因は、業績に季節変動があり下期偏重となるからです。売上高もそうですが、特に営業利益に下期偏重のトレンドがあります。前期、前々期と、上期はマイナスの営業利益で折り返し、下期で積み上げて通期の着地をしています。

前期、前々期はマイナスでの折り返しでしたが、今期の上期の営業利益はプラス8,000万円で折り返しているところです。下期はまだ新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明な部分も残っていますが、これまでどおり下期の業績を積み上げて、通期の数字を進めていくところです。

このように上期は順調ですが、下期はまだ不透明な部分も残っているため、現時点においては通期の業績予想は据え置くかたちとしています。

(ご参考)四半期推移

四半期毎の各業績数値を紹介するスライドです。こちらはご参考となりますので割愛いたします。

(ご参考)貸借対照表

貸借対照表の数値を示す表です。こちらもご参考としてご覧ください。

(ご参考)従業員数の推移

従業員数の推移です。こちらもご参考ですので、詳細はご覧いただければと思います。アプリ開発及びアプリマーケティングのDX部分の需要が非常に伸びているため、我々のグループも採用は積極的に取り組んでいます。この9月末時点においては、前期末時点から28名増加しています。引き続き、体制を強化しながら事業を進めていきたいと考えています。

(ご参考)2021年7月以降のニュース

2021年7月以降の当社のプレスリリース、ニュース情報をお知らせしています。こちらもご参考としてご覧ください。

今後の成長戦略に対する上期の取組み状況

当期の主な経営、事業面でのトピックスについてご紹介します。まず、掲げている成長戦略の領域において、3つの取り組みを進めています。アプリマーケティングを中心とした「デジタル・フィジカルマーケティング領域」と、今後の成長を目指した「新規事業領域」があります。

デジタル・フィジカルマーケティング領域は2つの重点内容を設けており、1つ目は主力プロダクトであるクラウド(SaaS)型のアプリ組み込み型マーケティングソリューション「FANSHIP」を継続的に強化、拡充していくことを掲げています。第2四半期累計のストック型収益は先ほどご説明したとおり、前年同期比でプラス23.2パーセント、売上高に占める割合は33.7パーセントと着実に成長しています。

また、この成長をさらに積極的に進めていくための取り組みとして、LINEのサービスに組み込んで使えるLINEミニアプリに対応するアプリ開発プラットフォーム「FANSHIP forミニアプリ」の展開を進めています。こちらも活用しながらストック領域のさらなる成長を図っているところです。

デジタル・フィジカルマーケティング領域の重点取り組みの2つ目として、プロフェッショナルサービスによるDX支援の強化を掲げています。昨今のDX強化のトレンドがあり、我々の取り組んでいるスマートフォンアプリを活用したマーケティング領域でも需要が大きく伸びてきています。

そこで我々が得意分野としている小売、流通、あるいは鉄道商業施設といった業界を中心に、DX支援の案件を積み重ねノウハウをしっかりと蓄積し、各業界の企業にそれを提供して貢献していく予定です。このリテール領域のDXを推進する取り組みも、いろいろな企業と連携しながら強化していこうとしているところです。

また新規事業領域として、いくつかの取り組みを進めているのですが、特に「MoneyEasy」というデジタル地域通貨プラットフォームを足元で進めており、岐阜県の「ぎふ旅コイン」という地域通貨サービスに弊社のプラットフォームが採用されるなど、新規導入を着々と進めています。

導入見通しは件数ベースで前期比2倍を超え、この領域のいろいろなパートナーとのアライアンスも含めて積極的な展開を進めています。

DX支援事例:阪急電鉄株式会社

今、お伝えした内容をいくつかのトピックスに分けて紹介します。まずは各業界に対するアプリマーケティングを中心としたDX支援の事例で、その1つ目は阪急電鉄向けの「阪急沿線アプリ」の開発と、その活用のための「FANSHIP」の導入を支援しました。

こちらは阪急電鉄の阪急電車、阪急バスあるいは阪急タクシーの利用も可能で、さらに我々が開発した「WESTER」というJR西日本のアプリとの相互連携機能も搭載して、各サービス、各アプリの利用者に便利なサービスとして展開できるような支援を行っています。

DX支援事例:三菱商事UBSリアルティ株式会社

事例の2つ目として紹介するのが、三菱商事UBSリアルティの商業施設向けのアプリへの取り組みです。大規模商業施設である「川崎ルフロン」および「あびこショッピングプラザ」の来場者向けのアプリとして弊社が開発支援しました。またそのアプリに「FANSHIP」を導入し、より効果的に使ってもらえるよう支援しています。

こちらは商業施設の利用者向けのアプリですが、それぞれ独自のQRコード決済にも対応するなど、商業施設を便利に使ってもらい、きめ細やかな会員サービスを実現するためのアプリとなっています。このような業界向けのアプリを通じたDXの支援も積極的に展開しているところです。

「ぎふ旅コイン」にフィノバレーのMoneyEasyが採用

続いて、先ほど新規事業領域として紹介したグループ会社のフィノバレーが提供するデジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」が採用された事例の紹介です。岐阜県における観光消費の拡大、いわゆる観光DXの支援のための電子観光クーポン事業である「ぎふ旅コイン」に、フィノバレーが提供している「MoneyEasy」が採用されました。

ウィズコロナ、アフターコロナにおける地域振興のための取り組みとしてデジタル地域通貨が非常に注目されていますが、こちらを短期間かつ低コストで開始できるプラットフォームとして、デジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」を展開しています。こちらの採用が着々と進んでおり、その事例のひとつとして「ぎふ旅コイン」をご紹介しました。

先ほどもお伝えしたように、導入件数が前期比で2倍を超えるような案件を進めており、この部分もしっかり伸ばしていきたいと考えて事業を展開しています。

ここまでが、第2四半期の主な事業トピックスの紹介です。この後は今後の成長戦略および長期的な財務目標と、2022年3月期の業績予想というかたちで資料を掲載していますが、こちらは2021年3月期の決算説明資料からの再掲ということで、この場での説明は割愛します。

以上で、2022年3月期第2四半期の決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。