logmi Finance
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投資に慣れてくると、「基本は分かっているのに、なぜか結果が伸びない」という壁にぶつかります。売るべきか、待つべきか、逆に動くべきか……といった、判断の質が問われ始める段階です。

そんなときに役立つのが、実践と失敗の積み重ねから生まれた相場格言です。初心者向けの心得とは違い、中級者向けの格言は「どう考え、どう切り替えるか」を教えてくれます。本記事では、一段上の投資判断を目指す人に向けて、相場の流れ・心理・時間軸を意識する実践的な格言を5つ厳選して紹介します。

1. 売り買い休みの三筋道 - 3つの選択肢を意識

株式投資において「休む」とは、「売る」「買う」だけでなく、相場状況に応じてあえて取引を控えることも重要な判断である、という考え方を指します。これは相場格言として「休むも相場」とも呼ばれています。

投資では、利益が出るとさらに利益を狙いたくなり、損失が出ると取り返そうとして売買を繰り返してしまいがちです。しかし、こうした感情的な判断は過信や焦りにつながり、結果として冷静さを欠いた取引を招くおそれがあります。

そのため、株式投資では1つの売買が終わった後に1歩引き、市場環境や相場の流れ、経済や社会情勢を落ち着いて見直す時間を持つことが大切だとされています。取引を控えて状況を整理することで、判断の偏りを修正し、次の投資機会に備えることができます。

相場から適度に距離を置くことは、心身の負担を和らげ、相場観をリフレッシュする効果もあります。売買に集中し過ぎて冷静な判断が難しいと感じた場合には、新規の取引を控え、様子を見ることも有効な投資戦略の1つといえるでしょう。

2. 押目待ちの押目なし - チャンスを逃さない

「押目待ちの押目なし」は、株価が上昇トレンドにある局面で、「もう少し下がったら買おう」と調整(押し目)を待っているうちに、予想に反して株価がさらに上昇し、結果的に買いの機会を逃してしまう状況を表しています。

この格言は、勢いの強い上昇相場では、投資家が期待するような調整が起きにくい、あるいは調整があっても小幅にとどまることがある、という相場の特徴を示しています。多くの投資家が「そろそろ下がるはずだ」と考えて押し目を待つものの、株価は下がらずに上昇を続け、結果としてより高い水準で買うか、投資そのものを見送ることになる場合もあります。

背景には、最初に想定した買い価格に強くこだわってしまう投資家心理があります。たとえ一時的な下落があっても、「まだ下がるだろう」と判断して行動できず、チャンスを逃してしまうケースも少なくないとされています。

なお、下落相場にはこれと対になる「戻り待ちの戻りなし」という格言があります。こちらは、「もう少し戻したら売ろう」と反発を待つうちに、相場がさらに下落し、結果的に不利な水準で売却することになるという教訓を示しています。これらの格言はいずれも、価格への過度な期待や思い込みに注意を促すものといえるでしょう。

3. 天井三日 底百日 - 相場のリズムを知る

「天井三日 底百日」は、相場の時間的な特徴を表した代表的な格言の1つです。株価が高値圏にとどまる期間は短い一方で、底値圏では長く停滞しやすいという相場の傾向を示しています。

この格言における「三日」や「百日」は実際の日数を指すものではなく、あくまで比喩的な表現です。相場では、株価が天井をつける局面は一瞬で終わることが多いのに対し、下落後の底値圏では、方向感のない状態が長期間続くことが少なくありません。

しばしば見られる相場の一例として、株価が時間をかけて上昇した後、短期間で急落し、その後は次の上昇局面に入るまで長く横ばいが続くケースがあります。このような動きは、相場のピークを捉える難しさと、下落後の停滞が長引きやすいことを示しています。

この格言は特に短期売買を行う投資家にとって重要な示唆を与えます。天井圏での売却機会は限られているため、判断が遅れると不利な展開になりやすいからです。そのため、あらかじめ投資期間や戦略を定め、想定と異なる動きになった場合には早めに対応することが大切だとされています。

4. 人の行く裏に道あり花の山 - 逆張りの発想

「人の行く裏に道あり花の山」とは、多くの投資家と同じ行動を取るのではなく、あえて異なる視点で判断することの重要性を示す相場格言です。

株式投資では、相場の雰囲気や周囲の動きに影響され、多数派の判断に流されやすい傾向があります。多くの人が買っているから安心だと感じたり、皆が売っているから不安になったりする、いわゆる群集心理です。この格言は、そうした付和雷同の行動に注意を促しています。

相場は常に一定方向に動き続けるわけではなく、過熱や悲観が行き過ぎた局面では、転換点を迎えることがあります。そのため、市場が極端に強気に傾いている場面や、過度に悲観的になっている場面では、多数派と異なる判断が有効となる場合があると考えられています。

この考え方は、いわゆる逆張りの発想に通じるものです。ただし、無条件に人と逆の行動を取ればよいという意味ではなく、冷静な分析と判断に基づいて行動することの大切さを教える格言といえるでしょう。

5. 相場は相場に聞け - 市場の声を聴く

「相場に相場を聞け」とは、先行きが不透明な局面では、自分の考えや予想に固執するのではなく、実際の相場の動きから判断材料を得るべきだとする格言です。相場そのものが示す方向性を尊重することの重要性を表しています。

相場は多くの投資家の判断や、経済・企業業績・金利・地政学的要因など、さまざまな情報を織り込んだ結果として動いています。そのため、論理や分析だけでは割り切れない動きを見せることもあり、「理外の理」で動くと表現されることがあります。

こうした局面で自分の見方に固執し過ぎると、相場の変化を受け入れられず、不利な判断につながる可能性があります。この格言は、相場の動きを通じて自分の仮説が正しいかどうかを検証し、柔軟に対応する姿勢の大切さを教えています。

実践例の1つとして、まずは少量で取引を行う「打診買い」が挙げられます。予想通りに価格が動けば取引を進め、そうでなければ判断を修正するという考え方です。相場の見通しが立ちにくいときこそ、虚心に相場の動きを観察し、その示す方向に耳を傾けることが重要だといえるでしょう。

まとめ

中級者にとっての相場格言は、「正解を教えてくれる言葉」ではなく、「判断を修正するためのヒント」です。売る・買う・休む、待つ・逃す・拾う、逆を考える・流れに従う——その選択肢を常に持てるかどうかで、結果は大きく変わります。

相場は毎回違う顔を見せますが、人の迷い方は驚くほど同じです。今日の5つの格言を、自分の行動を点検するチェックリストとして使ってみてください。相場との向き合い方が、きっと一段クリアになるはずです。

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