2022年3月期第2四半期決算説明会
石原明彦氏(以下、石原):6月に社長に就任しました石原です。社長としてみなさまにお目にかかるのは今回が初めてとなりますので、この場をお借りしてご挨拶を申し上げます。
私は、入社以来、主に販売マーケティング部門に携わるとともに、総務・経営企画などの管理部門、さらには製造関連の子会社、三共エクセルの社長も務めさせていただき、さまざまな角度からSANKYOグループの事業に関わってまいりました。
現在、パチンコ・パチスロ業界は、来年1月に期限を迎える旧規則機の撤去がいよいよ最終局面を迎える中、コロナ禍のあおりで私どもの業界も厳しい経営環境を強いられています。加えて、世界的な半導体不足で部材調達も綱渡り状態が続いている状況でもあります。とはいえ、幸い、足元ではパチンコの『フィーバー 機動戦⼠ガンダムユニコーン』をはじめとして、当社製品の市場評価は非常によい感触を得られています。
一方で、みなさまからは、当業界及び当社の今後について、厳しいご意見も頂戴しますが、過度な悲観論も散見されるように感じています。当社に限らず、パチンコは上向き傾向にあります。パチスロにも、もうすぐ春がやってきます。私としては、コストダウンなどの合理化も重視しながら、ファンに愛される商品を提供するという原点をしっかり追求することで、まだまだ収益の伸びしろは十分にあると確信しています。
期のはじめには、先行きの不透明感も強く、減配を発表せざるを得ませんでした。しかしながら、後ほどご説明しますが、今後の見通しの改善、先行きへの手ごたえ等も踏まえ、昨日は自己株式の取得についても公表させていただきました。
本日のような機会も含め、みなさまにご説明、意見交換をさせていただくとともに、当社に対してより理解を深めていただけるよう、今後もIR部門を通じて丁寧に発信させていただく所存です。
本日は限られた時間ですが、どうぞお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
業績ハイライト
髙橋博史氏:髙橋でございます。私から、2022年3月期第2四半期決算概要を説明させていただきます。
まず、業績ハイライトです。連結売上高は280億円、前年同期比10.8パーセント増、連結営業利益は29億円、168.7パーセント増、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却による特別利益もあり、45億円、225.0パーセント増、EPSは74.70円となりました。
次に、主なセグメント別の業績ですが、パチンコ機関連事業については2桁の増収増益、販売台数は60,740台、パチスロ機関連事業については、前年に引き続き営業損失となり、販売台数は2,384台となりました。
第2四半期決算サマリー①
上半期の振り返りですが、当業界においては新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、経済活動が制限される状況が続き、パーラーの稼働に目立った改善は見られませんでした。また半導体不足により、一部の新機種の販売延期や販売数量の制限などの影響が発生しており、今後も続くものと考えられます。
このような状況の中、パチンコについては、新規則機のファンへの定着、継続的なヒット機種の登場により、順調な販売状況が続いています。一方、パチスロについては、有力な新機種供給の不足などを背景に、依然厳しい市場環境が続いています。
当社においては、新たにパチンコ機4タイトル、パチスロ機1タイトルを販売しました。8月に投入した『フィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン』が好評を博し、追加受注をいただくヒットとなるなど、当社グループのブランド力向上に大きく貢献しています。
第2四半期決算サマリー②
損益計算書のサマリーです。売上総利益は、パチンコ機の増収を主な要因として、149億円、前年同期比19.0パーセント増、売上総利益率は53.2パーセント、前年同期比3.7ポイント上昇となっています。販管費については120億円、4.8パーセント増です。その内訳は、後ほどご説明します。
売上⾼の増減要因
連結売上高の増減要因内訳については、ご覧のとおりです。
営業利益の増減要因
連結営業利益については、パチンコ機販売における粗利益が9億円増加、パチスロ機販売における粗利益が5,000万円減少しました。主な販管費の増減では、広告宣伝費は9億円の増加、販売手数料は5億円の増加、研究開発費は3億円の減少となりました。
その他、リサイクルによる原価低減効果などの20億円の増加要因を加え、合計で18億円増加し、29億円となりました。
費⽤構成
費用構成について、主な内訳は、広告宣伝費は12億円、前年同期比391.4パーセント増、販売手数料は9億円、117.2パーセント増、研究開発費は56億円、5.4パーセント減、給与手当は11億円、8.7パーセント減となりました。
なお、広告宣伝費が前年比で大幅に増加していますが、こちらは今期から解禁となった機種CMに係る費用が増加したことが主な理由となっています。
B/Sサマリー
スライド9ページは、連結貸借対照表についてです。生産増に伴う棚卸資産の増加を主な要因とし、流動資産は72億円増加しました。固定資産は投資有価証券の売却を含め26億円の減少となり、資産合計は46億円の増加となりました。
一方、負債合計は、生産増に伴う仕入債務の増加を主な要因とし、48億円の増加となっています。純資産合計は2億円減少し2,686億円となりました。この結果、自己資本比率は1.4ポイント減少し90.0パーセントとなりました。
パチンコ機関連事業①
事業の概況についてです。パチンコ機関連事業の売上高は、SANKYO及びJBのパチンコ機の価格下落による減収幅が大きくなっています。これは、前期に販売した『フィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』が高単価であり、今期は販売単価が平常化したことが要因です。
またBistyブランドの数量が増加したのは、前年同期は商品の販売がなかったのに対し、今期はリユース機も含め2タイトルを販売したことが要因です。
パチンコ機関連事業②
パチンコの販売タイトルですが、上半期の新規タイトル数は4タイトルとなり、主な販売タイトルは、『フィーバー⾰命機ヴァルヴレイヴ2』『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』『フィーバー 機動戦⼠ガンダム ユニコーン』です。
第3四半期以降については、スライド12ページに記載のとおり、すでに3タイトルの新機種を発表しています。
パチスロ機関連事業①
パチスロ機関連事業の売上高については、前年同期はBistyブランドのパチスロ機のみの販売となったのに対し、今期は、SANKYOブランドのパチスロ機1タイトルのみの販売で引き続き低水準の売上に留まり、営業損失となっています。
パチスロ機関連事業②
パチスロの販売タイトルですが、上半期の新規タイトル数は『パチスロ マクロスデルタ』の1タイトルのみとなっています。第3四半期以降については、スライド14ページに記載のとおり、すでに3タイトルの新機種を発表しており、2022年1月末の旧規則機撤去期限到来に向けて、巻き返しを図ります。
パチンコ市場
石原:私から「業界環境・当社の取り組み」についてご説明します。まず、パチンコ市場の現況ですが、上半期の総販売台数は60万台程度であり、新規則機のファンの定着、複数のヒット機種の登場を背景に、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年実績を大きく上回りました。
また、下半期についても、新型コロナウイルス感染症の動向、半導体不足による影響等、不透明な部分はありますが、旧規則機撤去期限の到来による入替需要もあることから、強含みで推移することを見込み、総販売台数予測を期初予測100万台から110万台に上方修正します。
パチスロ市場
パチスロ市場の現況についてです。上半期の総販売台数は22万台程度であり、有力機種不足などを背景に、パーラーのパチスロへの投資マインドは慎重姿勢が続き、前年度実績を上回っているものの、依然厳しい市場環境となっています。
一方で、下半期以降については、人気のある旧規則機の撤去期限の到来による、それらの後継機の登場により、販売台数増加を見込み、総販売台数を期初予測40万台から60万台に上方修正します。
また今後、ゲーム性が拡充されたいわゆる6.2号機の普及により、市場環境が好転することを期待しています。
旧規則機の設置状況
旧規則機の設置状況についてご説明します。こちらは、2021年10月時点における当社推計の新規則機設置占有率です。
パチンコについては、約81パーセントが新規則機へと入れ替わり、概ね順調に入れ替えが進んでいます。一方パチスロは、約62パーセントの新規則機設置占有率となっており、未だ多くの旧規則機が残っている状況です。
当社のパチンコ・パチスロ市場における取り組み
このような環境下、当社のパチンコ・パチスロ市場における取り組みですが、上半期については、約10年振りとなる商品のテレビCMの実施の効果もあり『フィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン』が好評を博し、当社グループのブランド力向上に大きく貢献しています。
下半期は、撤去期限到来による入替需要の獲得のため、主力タイトルである『エヴァンゲリオン』シリーズをはじめ、多種多様な新機種を投入していきます。
『エヴァンゲリオン』シリーズ 第15弾登場(12⽉登場予定)
2021年12月に投入予定の『新世紀エヴァンゲリオン 未来への咆哮』をご紹介します。シリーズ第15弾となる当機種は、エヴァンゲリオンシリーズならではの演出と、新たな出玉性能を融合させるとともに、業界最大級の可動ギミックやレバー型ギミックにより演出を盛り上げます。
また当機種より、業界初となる左右どちらの手でも操作が可能な「スマートハンドル」を採用し、遊技の快適性・操作性を向上させています。渾身の力作となっていますので、ぜひご期待ください。
⾃⼰株式の取得について(2021年11⽉8⽇ 開⽰)
昨日開示した自己株式の取得についてご説明します。買付の期間は、2021年11月9日から2022年4月28日まで、取得の上限は株数350万株、または金額ベースで100億円となっています。
そのすべてを東京証券取引所における市場買付で行う予定となっており、取得した自己株式については消却する予定です。その詳細は、取得終了後にあらためて公表します。
期初には、新型コロナウイルス感染症の長期化により、先行きの経営環境を大変厳しく見ていたことなどから減配を発表しましたが、ここまでご説明したとおり、市場見通しや当社の業績に大幅な改善の動きまでは見られないものの、一定の手応えを感じられる状況に転じています。
こうした状況下、当社の最近の株価水準は非常に低く放置されていると考えています。そうしたメッセージ的な意味合いも込めて、機動的な株主還元として実施させていただくものです。
これまでの⾃⼰株式取得及び消却の実績
こちらのスライドは、これまでの自己株式取得および消却の実績です。かつて約9,700万株あった当社の発行済株式総数ベースで、37パーセントにあたる約3,600万株の自己株式を取得し、そのうち2,800万株の自己株式を消却しています。
今般の発表も含め、これまでも自己株式取得を実施してきましたが、引き続き、機動的な株主還元策として自己株式の取得を有効活用していきます。
以上をもちまして、私からの説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。