PHILOSOPHY/VISION

樋口龍氏(以下、樋口):皆さま、こんにちは。2020年10月期の決算説明を行います。 まず最初に、弊社の理念についてご説明します。弊社は2013年3月に設立され、創業当時から「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」という理念を掲げてきました。

ビジョンも創業当時から1日も変わらず、「世界のトップ企業を創る。」を掲げています。世界的な会社を創るためにこのGAグループを設立し、今まで事業を行ってきました。

GA TECHNOLOGIES GROUPの事業構成①

そのような中で、我々の具体的な事業構成をご説明します。まず、住まいを初めて借りる方は、スライド左側のITANDI事業のカテゴリーになります。スライド中央のLiving事業は、初めて家を借りた後、5年後、10年後にランクアップした家を借りる、もしくは家を買う、または将来的に売ったりリノベーションしたりするカテゴリーになります。また、不動産は家を買うだけではなく、投資することもありますが、それがスライド右側のiBuyer事業です。

さまざまなカテゴリーが存在していますが、GAグループはそれをすべて自社でワンストップで行っており、それが1つ目の強みとなっています。

今までの不動産業界はこのカテゴリーごとの分業制でした。家を借りるなら借りる会社、家を買うなら買う会社、リノベーションするならリノベーションの会社、投資するなら投資用不動産販売会社という分業制だったものを、グループでワンストップで行うことにより、お客さまのユーザー体験の向上に努めてきました。

そして、スライドの左側にBtoBと記載していますが、まず賃貸仲介会社や賃貸管理会社にBtoBのSaaSのプロダクトを提供します。次に、Living事業やiBuyer事業で培ったプロダクトを、RENOSY Xというシステム開発・販売会社がSaaSで売買仲介会社や投資用不動産販売会社に提供します。

したがって、我々がtoCで培った事業のノウハウを12万社ある不動産会社に提供していることが2つ目の強みになります。

GA TECHNOLOGIES GROUPの事業構成②

3つ目の強みとしては、「RENOSY」において、スライド左側の「知る」というメディアの運営だけではなく、お客さまからお問い合わせいただいた後のリアル体験までを一気通貫で行うことです。

「ITANDI BB」に関しても、物件検索、内見予約、入居、電子契約、退去も一気通貫でネットとリアルを融合しているのが強みになっています。

GA TECHNOLOGIES GROUPの事業理念

スライドに記載のとおり、リアルとテックを融合し、メディア運営から実業の不動産取引まで一気通貫で行うことが我々の強みとなっています。

そして、ワンストップで顧客のユーザー体験の向上を進めています。

さらに、12万社の不動産業界全体のDX化を推進することにより、ユーザー、顧客に対しても顧客体験を改善します。そして、不動産会社の効率化につなげていくことにより、すべての不動産会社、すべての不動産に接するtoCのお客さまに対して、利便性を追求してきたのがGAグループです。

20年ぶりに起こる不動産業界のパラダイムシフト①

そして今、コロナ禍においてパラダイムシフトが起きています。再三お伝えしていますが、不動産業界は約40兆円のマーケットがあります。コンビニや歯科医院の事業者が各々約6万を超えると言われる中で、それよりも多い12万社という社数があるビッグマーケットです。

ただ、この40年、50年、不動産業界は変わってきませんでした。そこで我々はすべての領域で利便性を上げ、イノベーションを起こすことにチャレンジしました。

簡単に業界についてご説明します。まず、スライド左側の第一次不動産デジタル化です。お客さまが紙で不動産を検索、購入していたところから、すべてWebに置き換わったのが2000年前後になります。そこから20年で、不動産検索に関してはWeb上でできるようになって効率化されたものの、不動産はネットで不動産を探すだけではなく、実際に対面で契約し、買った後の管理もしなければいけません。

このオペレーションは、インターネットが普及してから20年でまったく変わっていなかった領域です。ここを我々は第二次不動産デジタル化と呼んでいます。このリアルの分野は今まさにコロナ禍において変わろうとしています。我々はそのリーディングカンパニーだという自負があります。

不動産取引のオンライン化に関する政府の動向

不動産取引のオンライン化についてです。これは賃貸の領域ですが、スライドに記載のとおり、今までは重要事項説明第35条ならびに賃貸借契約第37条の書面の交付があり、賃貸借契約は紙で行わなければなりませんでした。今後はペーパーレス化になることにが期待され、より賃貸借契約がスムーズになります。この領域に関しては、弊社グループのITANDIがリーディングカンパニーとして先行しています。

売買の領域に関しても、このコロナ禍において、今後デジタル化にシフトしていくことで、より効率的な不動産購入、不動産売却ができます。この領域は、「RENOSY」が実現しています。

この20年から40年で変わってこなかった不動産業界には、政府の後押しもあり、パラダイムシフトが起きています。コロナ禍において業界はいろいろ変わっていきます。

テクノロジー領域に対する投資の推移

しかし、我々はこのタイミングでテクノロジーに投資してきたわけではありません。我々が先行することができているのも、創業2013年から積極的にテクノロジーならびにプロダクトに投資し、PDCAを回してきたからこそです。このコロナ禍において、業績ならびにさまざまなプロダクトを不動産会社で使っていただけている状況になっています。

ここに関しては1日にして成ったわけではありません。また、コロナ禍に合わせてプロダクトを活用してきたわけでもありません。2013年の創業からこのレガシーな不動産領域に注目し、この領域は必ずテクノロジーで変わると思い、積極的に投資してきた結果、今の成長につながっていると考えています。

不動産取引デジタル化へのGAの取り組み

そして、実際にGAグループでは売買の電子化に関しても積極的に取り組んできました。「モーゲージゲートウェイ」とはどういうものかについてご説明します。不動産を購入した後はほぼ99パーセント以上の方が金融機関からの借入を行います。先ほど第35条、第37条をご説明しましたが、それは不動産に関連する契約になります。不動産の契約をした後は、金融機関から融資を受けますが、ここのプロセスも紙が必要になっています。金融機関と不動産事業者をシステムでつなぐことにより、業界から紙をなくし、不動産購入をシームレスにすることに取り組んできました。

そして、IT重説や媒介契約の電子化、手付金のクレジットカード導入に取り組むことにより、我々はワンクリックでの不動産購入を目指します。これも2013年から言い続けてきました。2013年当時は、「ワンクリックで高額な不動産を購入できるわけないだろう」と言われました。まだできていない部分もありますが、確実に2013年からの取り組みは実を結んでいます。

したがって、この1年間で取り組んできたことではなく、2013年から7年間取り組んできた結果、まさに今の業界のパラダイムシフトにおいて我々が先行できていることにつながっていると思っています。

コロナ禍においても、上方修正した目標を達成

業績についてです。このコロナ禍においても我々は上方修正を行い、目標達成することができました。これも、創業からテクノロジー化やさまざまなオペレーションの改善に取り組んだ結果、達成することができたと思っています。

通期業績の予実比較

当初、売上高550億円を掲げていたものを上方修正し、610億円としましたが、630億7,000万円で着地しました。営業利益も18億円から、18億8,800万円まで伸ばすことができました。利益は出ているものの、変わらず投資は継続しています。

FY2020.10 通期業績ハイライト(連結)

売上高は前年同期比で61パーセントアップしました。売上総利益も記載のとおり44パーセントアップで、営業利益も前年同期比で58パーセントアップという状況になっています。

FY2020.10 通期業績サマリー

我々は大きく分けて3つの事業を行っています。iBuyer事業に関しては、新型コロナの影響を受け、金融機関の業務が縮小したことで、若干の進捗の遅れがあったものの、毎期、第4四半期にはその遅れを回収しています。その結果、「RENOSY」の会員、セールスの人員、ARPAは順調に伸び、過去最高の売上を計上することができました。

Living事業は、約1年前にモダンスタンダードという高級賃貸の会社をM&Aしてメディアを強化したことにより、反響数が大幅に伸びました。後ほど詳しく説明しますが、セールスの人員も順調に増加しています。ここに関しては、iBuyer事業で培ったネットとリアルのノウハウをLiving事業に注入しているという状況です。

ITANDI事業に関しても、賃貸市場については、コロナ禍において営業活動の非対面化の要請により引き合いが増加しました。また、管理会社向け、仲介会社向けのSaaS事業は契約数を順調に増やしています。これも後ほど詳しく説明しますが、管理会社のSaaSの利用拠点増加に伴い、「OHEYAGO」の掲載数、電子申込数が大幅に上昇しています。

FY2020.10 4Q 通期業績推移①

通期業績はご覧のとおりの結果です。先ほどお伝えしましたが、売上高は前年比61パーセント増、売上総利益は前年比44パーセント増となっています。

FY2020.10 4Q 通期業績推移②

今期からEBITDAを出しています。我々は上場してから約5社の会社をM&Aしてきました。EBITDAでは、前年比で約73パーセントアップしています。また、我々は営業利益で換算したとしても約58パーセントアップしていますので、M&Aしたことによるのれんを加味したとしても営業利益はしっかり上昇していますし、償却費を足し戻した数値であれば前年比で約73パーセントアップということで、順調に成長することができています。

FY2020.10 4Q 四半期推移①

四半期ごとで比較すると、第4四半期の売上高は前年比で約74パーセントアップし、売上総利益に関しても59パーセントアップと、順調に成長しています。

FY2020.10 4Q 四半期推移②

EBITDAでは前年比74パーセント、営業利益も前年比63パーセントと、過去最高益を達成することができています。

FY2020.10 4Q 販管費推移

販管費に関してです。我々はまだまだ成長企業になりますので、小さな成功は求めてはいません。積極的に大きな成功を求めています。そのためには人員が重要ですので、第3四半期と第4四半期の人件費を比較すると約2億円アップしています。我々としては、ここは変わらず積極的に投資していきたいと考えています。

FY2020.10 4Q 従業員数推移

したがって、従業員も約1年で200名近く伸びています。我々は創業からネットとリアルに取り組んできましたので、不動産関連のプロ、ならびにエンジニア・プロダクト関係、そしてバックオフィスというかたちの構成になっています。今までの不動産関連企業というのは、エンジニア主体の企業か不動産のプロフェッショナル主体の企業かのどちらかです。創業から技術者ならびに不動産のプロを両方採用してきたことが我々の最大の特徴になります。

人員に関して「どれを伸ばすのか」と言うと、当然不動産のプロも伸ばしますし、技術革新については積極的に今後も推し進めていきますので、エンジニア、プロダクト、AI、マーケティングも積極的に採用を進めていきます。

損益計算書サマリー(連結)

連結の計算書に関してはご覧のとおりです。

貸借対照表サマリー(連結)

B/Sに関してもご覧のとおりになります。

ビジネスモデル①

もう一度、我々の3つの事業について整理します。まず、プロダクトマーケットフィットできているRENOSY iBuyer事業の簡単なビジネスモデルについてご説明します。後ほど詳しく説明しますが、創業から運営してきた「RENOSY」という不動産総合プラットフォームのプロダクトを統合しました。

ビジネスモデルに関しては、自分で住む用ではなく運用型としてコンパクトマンションを購入したい方を「RENOSY」のプロダクトで獲得することができます。かつ、中央の「SUPPLIER by RENOSY」という仕入の効率化システムによって、「不動産を売りたい」というニーズを獲得してきました。

この最大の特徴は何かと言うと、テクノロジーを活用することによって短期間のマッチングが成立するということです。コンパクトマンションを運用目的で買いたい方を「RENOSY」で獲得し、「SUPPLIER by RENOSY」で物件を獲得することにより、従来、マッチングに何ヶ月もかかっていたものを2週間から3週間でマッチングすることができるというものです。これがRENOSY iBuyer事業のビジネスモデルになります。

商品特徴

商品の特徴としては、中古、コンパクトマンション、主要都市であることが挙げられます。

同業他社に比べ圧倒的な在庫回転期間

数値的な特徴としては在庫回転期間があります。スライド右側に記載のとおり、約313.3日が不動産業者の在庫回転期間の平均ですが、我々は約23日と、圧倒的な財務効率性を実現しています。

なぜこれが実現できるかと言うと、先ほどお伝えした、買い手を「RENOSY」のプロダクトで獲得し、物件を「SUPPLIER by RENOSY」という仕入システムを活用することによって獲得し、効率的なマッチングを実現しているからです。

RENOSY iBuyer事業の重要な指標

RENOSY iBuyer事業の重要なKPIも変わりません。「RENOSY」の会員数が伸びること、セールスの人員が伸びること、そして一人当たりのエージェントがどれだけコンパクトマンションを販売できるかというARPAの3つの指標が、RENOSY iBuyer事業が成長するKPIになります。事業サイドとしては、これを常にウォッチしています。

RENOSY会員数および成約数 四半期推移

その結果、「RENOSY」の会員は前年比で約4万人伸びました。累計でも10万人が目の前まで来ており、前年比で65パーセントアップしています。成約数は前年比で約60パーセントアップしており、「RENOSY」の会員が伸びることによって成約数も伸びています。

iBuyer事業 セールス人員数推移およびARPA推移

セールスの人員に関しても、前年比で14パーセントアップしています。しかし、セールスの人員の伸びよりも、ARPAが前年比で約64パーセントアップしていることの方が、より成約数が伸びたきっかけにつながっています。

なぜARPAが伸びていくかと言うと、我々はWebで集客し、その後リアルエージェントがお客さまの対応を行います。このプロセスにおいて、冒頭にご説明したリアルが介在するオペレーションで、モーゲージのプロダクトや内製化したCRM、お客さまに提案するRDA、というセールスツールなどをすべてIT化することにより、一人当たりのエージェントのARPAが上がってきているというかたちになります。

ビジネスモデル②

次に、RENOSY Living事業についてご説明します。RENOSY Living事業のビジネスモデルも「RENOSY」のブランドで行っています。「貸したい」というのは、70平米や80平米といった、自分で住む用に買っていたものを将来的に貸すということです。自分で住む用の家を買い、そして自分の住む用の家を売るというのを、この「RENOSY」のプロダクト上でマッチングしていくというのがビジネスモデルになります。

商品特徴②

特徴としては、スライドに書いてある新築マンションや戸建、中古マンションのリノベーション、そしてファミリー向けということが挙げられます。また、首都圏をベースにしたものになります。

RENOSY Living事業の強み

強みは、「RENOSY」というプロダクトの中で「買いたい」「貸したい」「売りたい」「借りたい」がすべて実現できるということです。月間のPV数も約280万で、UUも約80万と、順調に伸びています。

業務効率向上のためのテクノロジー群

Living事業が成長するためのポイントは、iBuyer事業と同じです。メディアを運営しながらも自社でエージェントを抱え、契約からアフターフォローまでリアルのオペレーションを行うことです。そのためには、スライドの左側に記載の「LIFE DESIGNER by RENOSY」、CRM、そして業務効率化という分野に関してテクノロジーを入れることにより、iBuyer事業と同じようにエージェント一人当たりのARPAを向上することができます。

RENOSY Living事業の重要な指標

したがって、Living事業のKPIもiBuyer事業と同じです。会員数が伸び、セールスの人員が伸び、ARPAが伸びます。ここが確立できれば成約数も伸びます。iBuyer事業で培ったネットとリアルのノウハウをLiving事業に注入しています。

Living事業 反響数推移およびセールス人員数推移

その結果、約1年前にモダンスタンダードをグループ会社化したことにより、反響数が前年比で約594パーセントアップしました。PMIも順調に進んでいます。そして、セールスの人員も約14名から約67名と、前年比で約378パーセントアップし、Living事業の成約数も伸びています。

事業構成

野口真平氏:ITANDI事業に関しては、野口よりご説明します。まず、ITANDIの事業構成に関しては、大きく4つの事業領域を持っています。スライドの左から1つ目の事業が管理会社向けのSaaS、「ITANDI BB」シリーズです。2つ目の事業は賃貸仲介会社向けのSaaSのビジネスで、「nomad cloud(ノマドクラウド)」を販売しています。3つ目の事業はセルフ内見型の賃貸サイト「OHEYAGO」を展開しています。

4つ目は付帯サービス事業です。これは「ITANDI BB」シリーズのオプションである「申込受付くん」によって発生した電子申込を、インターネットや電気やガス、引越会社とデータ連携し、そこで発生する送客料によってマネタイズしている事業となります。これら4つの事業について、各進捗をご報告します。

ITANDIの戦略①

まず、全体的な戦略に関してです。管理会社向けSaaSの拡販を通じて、リアルタイムな物件データベースを獲得しています。このリアルタイムなデータベースを生かし、「ITANDI BB」の業者間サイト、ならびに「nomad cloud」でご利用いただける物件データ、そして「OHEYAGO」に掲載する物件それぞれで、リアルタイムな物件データベースを使っています。

したがって、「ITANDI BB」の拡販を通じて各サービスの事業シナジーが出る構成となっています。「ITANDI BB」を伸ばしていくと、「nomad cloud」「OHEYAGO」「付帯事業」等も共に伸長していく事業戦略です。

ITANDI事業の重要な指標

各KPIに関してですが、「ITANDI BB」と「nomad cloud」はSaaSですので、月々の計上収益MRRをKPIとしています。「OHEYAGO」は投資領域となるため、現時点では掲載物件数をKPIとしています。こちらは管理会社向けのSaaS「ITANDI BB」の導入数に比例して掲載数が伸びていくモデルとなっています。また、Web入居申込の電子申込利用数は付帯事業のKPIとしていますが、こちらの件数が増えると送客件数も伸びますので、付帯事業は収益が拡大してくる指標となっています。

管理会社向けSaaS KPI推移

まず、管理会社向けSaaS「ITANDI BB」のKPI推移に関してです。今期の10月時点では700社のご契約社数となっており、YoYで116パーセント伸長しています。

MRRに関しては契約社数ほどの成長ではありませんが、電子入居申込のサービスは付帯サービスのご利用を条件として無料で提供しています。したがって、MRRの有料利用ではありませんが、その代わりに付帯サービス事業の収益が拡大するようなマネタイズの方法をとっています。

また、この「ITANDI BB」シリーズのチャーンレートである退会率に関しては、0.98パーセントと、契約社数が拡大している中においても1パーセントを下回っている状況です。社数に関しても力強く成長していながら、チャーンレートは非常に優秀な成績を収めていると考えています。

仲介会社向けSaaS KPI推移

続いて、仲介会社向けSaaS「nomad cloud」のKPI推移に関してです。契約社数の推移はYoYで直近10月と比較し、49パーセント成長しています。

MRRも比例して増加しており、セールス人員が強化されたことにより前年の成長率を大きく上回っています。「nomad cloud」に関しても、引き続きセールスを強化し、契約社数およびMRRを伸ばしていきます。

「nomad cloud」も「ITANDI BB」と同様、退会率が重要な指標となりますが、こちらも1パーセントを下回っており、獲得社数の増加に伴いチャーンレートも改善しています。そのため、非常に優秀なチャーンレートの推移になっていると考えています。

OHEYAGO KPI推移

「OHEYAGO」のKPI推移に関してです。前回の7月のご報告と比較して219パーセントの成長となっており、3倍以上の掲載数となっています。

足元の数字では2万件以上の物件が掲載されており、「ITANDI BB」のご利用企業の中でも特に大手の管理会社の導入が進んだことに伴い、掲載数は短期間で大きく成長しています。「OHEYAGO」に関しても、引き続き掲載物件数を注視し、成長させていきたいと考えています。

付帯サービス事業KPI推移

付帯サービス事業のKPIに関してです。こちらは「申込受付くん」で発生する電子入居申込数の推移、管理会社の導入拠点数の推移となっています。

導入拠点数の推移に関しては、YoYで610パーセント成長と、大きく導入拠点を成長させています。業界導入社数は2年連続ナンバー1となっており、電子申込の領域では圧倒的なシェアを獲得できています。

また、実際にご利用されることによって生まれる電子入居申込数に関しては、第2四半期に6万3,000件を超えています。賃貸の繁忙期の1月、2月、3月になるとピークアウトし、また回復します。賃貸の繁忙期は1月から3月になりますので、今後は例年を超える電子入居申込数が期待されます。

ITANDIプロダクト成約企業(一部抜粋)

「ITANDI BB」のご利用企業と「nomad cloud」のご利用企業の一部抜粋です。当社のご利用企業の特徴としては、大手の管理会社を中心にご利用いただいていることが挙げられます。

「ITANDI BB」では、業界トップの管理戸数を誇る大東建託さまをはじめ、三井不動産レジデンシャルリースさま、タイセイ・ハウジーさま、伊藤忠アーバンコミュニティさまなど、業界をリードする管理会社からご活用いただいています。

「nomad cloud」に関しても、賃貸の仲介件数を伸ばしている仲介会社を中心にご活用が広まっています。こちらについては、業界の大手の会社にまだ非常に伸び代がありますので、今後の成長分野と捉えています。

不動産賃貸業務をワンストップ&オンライン化

今後の「ITANDI」の事業戦略に関してです。引き続き、賃貸業務のワンストップ化とオンライン化を行っていきます。不動産管理会社や仲介管理会社に対してワンストップで提供できるSaaSビジネスにおいて、特に評価いただいているのは、Web入居申込の「申込受付くん」です。

来年には書面が義務付けられている契約書等の完全な電子化が期待されますので、来年以降、電子申込に加えて、「電子契約くん」や入居後でも発生する更新の電子化「更新退去くん」がさらにサービスの幅を広げ、活用が広まっていくと考えています。

現状、「ITANDI」のポジショニングとしては、「申込受付くん」の導入シェアが圧倒的ナンバー1になっています。電子契約あるいは電子更新でも、同じシステムでオプションを加えるだけで電子契約、電子更新に対応できるというメリットがあります。これにより、シェアを獲得していきたいと考えています。

ITANDIの戦略②

その他の事業についてです。「ITANDI」の全体戦略としては、リアルタイムな物件データベースを軸に各サービスを拡大していきます。「OHEYAGO」に関しては、掲載数を拡大し、サービスの改善を行っていきます。「ITANDI BB」に関しては、引き続き電子申込のシェアを伸ばしていきます。さらに、賃貸の電子契約が来年急速に広まってくると見越していますので、ここにおいても圧倒的なシェアナンバー1に向けて投資を行っていきます。

「nomad cloud」に関しては、後ほど樋口よりご説明しますが、セールスを強化し、「OHEYAGO」「ITANDI BB」との連携によるさらなる収益の拡大を狙っていきたいと考えています。私からのご説明は以上です。

FY2021.10 業績予想①

樋口:来期の業績予想並びに戦略についてご説明します。来期の売上高はYoYで630億7,000万円から約35パーセントアップの850億円、EBITDAは28億6,100万円から約36パーセントアップの38億7,800万円、営業利益は18億8,800万円から約30パーセントアップの24億5,500万円を目標として掲げ、スタートします。

前年の第3四半期までの営業利益の進捗率は約38パーセント、一昨年も約44パーセントと、毎期の第3四半期までの進捗率を心配する声も多々ありますが、2期連続で予算達成しています。我々のビジネスモデルで考えると、第3四半期まではしっかりと投資を行い、第4四半期にはしっかりと営業利益を獲得するという流れとなっています。これは今期も変わりません。

ただ、ポイントとして今一度認識を合わせていただきたいことがあります。当社は、テクノロジーでイノベーションを起こし、世界的な会社を目指すということで2013年に創業しました。当然、予算達成を目指していくものの、ビッグチャンスがある状況において、小さくまとまることなく、第9期に関してもしっかりと投資していきたいと考えています。

弊社の投資は設備投資を行うものではありません。基本的には、人材並びに広告に投資するという考え方で、それは今期も変わりません。なぜかと言うと、このコロナ禍においてパラダイムシフトが起こっているタイミングで我々がアクセルを踏まなければ、40年変わってこなかった不動産業界が変わらないからです。

したがって、我々が小さくまとまるのではなく、パラダイムシフトが起こっている今のタイミングでしっかりと投資し、しっかりとチャンスを掴むというのが一番大事なことだと思っています。それを認識していただきたいと思います。

FY2021.10 業績予想の前提の考え方

それぞれの事業の考え方です。 iBuyer事業では、来期末時点でのセールスの人員を約100名規模まで増員します。ARPAの改善に関しては、システムの導入、そしてセールスの仕組化により向上を目指します。iBuyer事業でしっかりとプロダクトマーケットフィット出来ていますので、この事業に関しては売上および利益を引き続き獲得していきます。当然ながら我々の基幹事業になりますので、iBuyer事業に関しても積極的に投資を行っていきます。

Living事業の考え方に関しては、こちらも10月末時点でセールスの人員を約80名規模まで増員します。これは、iBuyer事業で培ったネットとリアルのノウハウをLiving事業に注入し、セールスの仕組化、そしてエージェントの業務効率化のためのテクノロジーをしっかり導入し、1人あたりのARPAを上げることにより成約数を伸ばしていきます。

「ITANDI」の考え方に関しては、セールスならびにCSを強化します。なぜならば、野口からも説明があったように、すでにプロダクトマーケットフィットできていますので、あとは管理会社や仲介会社に積極的に導入していくということです。そして、MRRの拡大を目指します。「OHEYAGO」に関しては、当事業の本格的な事業化及び電子契約における市場シェアの獲得が「ITANDI」内の投資分野になります。

FY2021.10 業績予想②

業績予想はご説明したとおりなのですが、営業利益率に関して補足します。第8期と比較し、0.1ポイントほど下がっていますが、ここも先ほどお伝えしました「今がどういうタイミングなのか」を会社全体で考えた時に、0.1ポイント改善するよりも、12万社ならびに40兆円のマーケットをしっかりと取りきることのほうが圧倒的に重要です。我々は中長期の5年後、10年後の大きな成長を考えていますので、このビッグマーケットをしっかり取りにいくことは、第9期も変わらない戦略になります。

もともと事業計画として5年、10年で引いていたスパンが、このコロナ禍によって縮んだというのが我々の考え方になります。よく言われているように、2年、3年、5年かけて進んでいるものが、たった1ヶ月や半年で来たというのがこのコロナ禍だと思っています。それは不動産領域でも変わりません。

20年ぶりに起こる不動産業界のパラダイムシフト②

その結果、先ほどもご説明したとおり、1995年に「Windows95」が出てインターネットビジネスが普及し、不動産業界は2000年にデジタル化しました。ただ、そこからリアルのオペレーションはまったくもって効率化されてきていません。ここがまさにビッグマーケットになります。ここを我々がしっかりと捉えていくことにより、この40年で変わらなかったマーケットを取りにいくという考え方です。

したがって、我々はメディアだけを運営しているわけではありません。Amazonで言えば物流施設ですが、我々で言えばリアルオペレーションです。ネット完結型ではないため、グロースするには当然時間がかかりますが、一度リアルオペレーションを構築すると、他社はそこに参入することがなかなかできません。したがって、我々はしっかりと地に足を着け、リアルオペレーションを構築していくことにより、参入障壁を高めています。

これだけビッグマーケットのビッグチャンスにも関わらず、不動産テック、プロップテックと言われる企業は日本にまだ50社から60社しかないと言われています。それに対して、フィンテック、金融テクノロジーの領域はもう500社から600社あります。

なぜかと言うと、フィンテック領域に関してはネットで完結できる割合が多いためです。しかし、不動産テックについてはメディアが2000年にネット化されましたが、リアルオペレーションはネット化されていません。したがって、ピュアなインターネット企業がリアルオペレーションを持つ不動産領域にはなかなか参入しづらいのです。そこが我々の参入障壁の強さであり、今後伸ばしていく領域になります。

GAテクノロジーズの戦略(リアルとテックの融合)

そして、GAテクノロジーズの戦略です。これはiBuyer事業、Living事業ともに再三お伝えしている「一気通貫」です。「知る・探す」は物件の検索のことです。本来のビジネスモデルであれば、この検索の部分は効率化されましたが、そのあとの「比較する・検討する」「申し込む・契約する」「契約後」のリアルのオペレーションが効率化されていませんでした。

ここを我々は創業から効率化してきました。したがって、今期に関しても、この「一気通貫」を追求することにより、顧客のユーザー体験、購買の手軽さにつながっていきます。そこを我々は目指しています。すべては、お客さまが弊社のプロダクト「RENOSY」を使って不動産購入を効率化していくことを目指しています。

そのためには、Amazonと同じようにメディアと物流の両方がなければ、ユーザーの体験を向上できません。先ほどお伝えした、技術者と不動産のプロフェッショナルの両者が社内にいることをイメージしてください。それは簡単なことではありません。我々の組織運営においては当然カルチャーも違いますし、業務も違いますので、一緒になってよいプロダクトを作るのには時間がかかりました。しかし、これも創業から諦めずに取り組んできたことにより、ネットとリアルの融合ができています。

GAテクノロジーズの戦略(RENOSYリニューアル)

そして、具体的な戦略として、「RENOSY」をリニューアルしました。今までの「モダンスタンダード」の高級賃貸サイトは、都心11区であれば「Google」のSEOが非常に強い、お客さまにとって非常に使いやすいプロダクトでした。

しかし、グループ内で「モダンスタンダード」というブランドのサイトと「RENOSY」のサイトの2つをこの10ヶ月間運営した結果、ユーザーの間口が2つあるため、広告に対する費用のかけ方は当然非効率な状況でした。

よって、ここに関しては、当然ながら、M&Aを行う前の段階からブランド統合したほうが広告効果、ユーザビリティが高いということで、今回12月に「RENOSY」というかたちでブランド統合を実現できました。

GAテクノロジーズの戦略(ワンストップの追求)

それにより、「RENOSY」の認知度、ならびに「RENOSY」ですべてワンストップで「借りる」「投資する」「売る」がすべて実現できるという世界観が、この第9期にやっと実現できます。私も創業からこの世界観を描いてきましたので、非常にわくわくしています。

今まではiBuyer事業とLiving事業の2つでご説明していましたが、本来は1つになっています。なぜなら、顧客は同じだからです。若い時にコンパクトマンションの投資用不動産を買い、将来的に自分の住む家を買う、もしくは賃貸用マンションを借りていた方が、そのあとに実需用の不動産を買う、もしくは自分で住む家を買ったあと、将来的な年金対策で運用型の不動産を買う、さらには将来的に自分で住むため、ならびに投資用目的でリノベーションするなどが考えられます。

すなわち、お客さまは1人なのです。今までiBuyer事業とLiving事業に分けてご説明していましたが、我々の世界観で言うとお客さまは同じです。今まで別々のプロダクトでした、買いたいときの「RENOSY 住まいの窓口」、貸したいときの「モダンスタンダード」、投資したいときの「RENOSY ASSET」、売却したいときの「RENOSY スマート売却」、借りたいときの「モダンスタンダード」のすべてを「RENOSY」のニューブランドにすることによって、「買いたい」「貸したい」「投資したい」「売りたい」「買いたい」がすべて「RENOSY」の中で回ります。我々は創業からここを目指していました。

これは簡単ではありません。我々はWEBだけを運営しているのではなく、要は投資のリアルオペレーションの構築、ならびにレントのリアルオペレーションの構築、購入・売却のリアルオペレーションの構築、リノベーションのリアルオペレーションの構築と、それぞれのリアルオペレーションの構築までしなければいけません。

これは一日にして成りません。リアルオペレーションの構築は時間がかかりますが、一度構築出来れば我々の競争優位性が非常に強く出ていくのではないかと考えています。

GAテクノロジーズの戦略(認知拡大&ブランド強化)

さらに今後、統合したことにより「RENOSY」のブランドムービーや「RENOSY」のエージェントのユニフォームも導入します。Appleはプロダクトを統一していますが、「Apple Store」はそのプロダクトの世界観をそのままの統一したストアになっています。それと同じように、我々はメディアだけではなく、リアルエージェントを抱えていますので、メディアのしっかりとした世界観をリアルオペレーションでも構築していくために、この「RENOSY」エージェントのユニフォームを導入しました。それにより、ネットとリアルの融合を実現します。

さらには、顧客の購入体験の効率化をテクノロジーで実現していきます。そして、ワンストップで「買う」だけではなく、「借りる」「投資する」もすべてこのネットとリアルを融合した世界観で行っていきます。

私も今、「RENOSY」のエージェントのユニフォームを着ています。特徴的なのはこのオレンジです。中も「RENOSY」のエージェントカラーを活用しています。そうすることによって、認知拡大、ブランド強化、ネットリアルのさらなる融合を推し進めていきます。これが「RENOSY」の戦略になります。

以上のように、iBuyer事業、Living事業ともに認知が上がり、成約数が伸びていくと期待しています。その結果、当然ながら業績にも寄与すると考えています。したがって、ここに関しても人員ならびに広告にしっかり投資することによって、この1年、2年の小さなマーケットではなく、40兆円のビッグマーケットをしっかりと取っていく戦略になります。

GAテクノロジーズの戦略(業界全体のDX推進)

次に、GA technologiesによる業界全体のDX化の取り組みになります。まず、スライドの左側に記載しているように、自社でプロダクトを開発します。そして、スライド中央にあるグループ内利用を促進します。

先ほどからお伝えしているように、我々はリアルでエージェント(セールス)を抱えているため、自社開発したプロダクトを、まずは自社のエージェントが使います。そして、自社のエンジニアにフィードバックします。よって、この中央のPDCAが回り、かゆいところに手が届くプロダクトを業界全体で活用します。

この流れは、ITANDIも同じです。ITANDIでプロダクトを作って、リアル側でしっかりPDCAを回し、ユーザーが使いやすいプロダクトになった状態で業界全体のDX化に貢献します。

このように、業界全体のDX化に貢献することで、結果として誰が得をするかというと、当然ですがユーザーです。不動産を借りる、買う、購入する、リノベする、管理するユーザーに対して利便性を与えていくのが、我々が目指すべき姿になります。

これは、不動産の歴史の中では我々が初めて取り組みます。自社でリアルのオペレーションを回して使い勝手のよいプロダクトを作り、それを業界全体、つまりBtoBでSaaSのかたちで提供するのは、業界で初めてです。

なぜ、各不動産会社にしっかり導入いただけるのかについてですが、PDCAが回っているからです。自社でプロダクトを開発し、自社で使い、それをまたフィードバックして、外販する。これが、GA technologiesの具体的な戦略になります。

業界全体のDX推進①(RENOSY X)

業界全体のDX化を進めていく上で、GA technologiesで培ったiBuyer事業、Living事業のプロダクトを、「RENOSY X」というシステム開発・販売会社でBtoB事業として販売しています。

その中でも、一番引き合いが多いのが「モーゲージゲートウェイ」です。これは冒頭にご説明した、不動産会社と金融機関をつなぐツールです。

不動産と金融は、ワンストップで一気通貫にならなければいけません。なぜなら、不動産の契約にはたくさんの紙とペンが必要で、また金融の契約もたくさんの紙とペンが必要です。しかし、同じことを記載していることが非常に多いです。そこで、ツールを活用することにより、一度名前と住所を記載してしまえば、その後がシームレスに進み、審査時間も短縮できます。

皆さまの中にも、一度は不動産を購入したことがある方もいらっしゃるかもしれません。同じ名前と住所を、不動産会社でも金融機関でも何回も何回も書いた経験があると思います。

今回、「モーゲージゲートウェイ」を金融機関に導入しました。SBJ銀行、そしてアパートローンの最大手であるジャックスさまに導入して頂けたのです。これをきっかけに、プロップテック、フィンテックの融合で業界全体にSaaSとして提供していくことに取り組みます。

業界全体のDX推進②(ITANDI)

ITANDIにおける業界全体のDX化についてです。「ITANDI BB」は業者間サイトで、管理会社が物件を掲載し、仲介会社がその物件の空き状況を確認できるものです。先ほど野口からも説明があったように、「ITANDI BB」は電子契約の導入社数が増えれば増えるほど物件数が増えます。

では、今後このサイトを使って我々が何を行いたいかについてです。「nomad cloud」という賃貸仲介会社向けのCRMがあるのですが、今までは管理会社向けのプロダクトで、賃貸仲介会社向けのプロダクトは、別々に営業して、別々にCSを行っていました。しかし、この管理会社向けの「ITANDI BB」は、当然仲介会社も使うプロダクトで、仲介会社向けのCRMにつながっていきます。

今まで「nomad cloud」を使っていた仲介会社は、「ITANDI BB」やそれぞれの業者間サイトとシステムがつながっていないため、1回1回空き状況を確認しなければいけませんでした。

また、申し込みの状況や申し込みのプロセスも、1回1回、紙で進捗管理しなければいけませんでした。しかし、「ITANDI BB」と「nomad cloud」のシステムを連携することにより、仲介会社がわざわざ空き状況を電話で確認しなくて済むのです。これで、ITANDIの理念である「なめらかな不動産取引」が実現します。

これは非常におもしろいプロダクトだと思ったのですが、もともとは管理会社向け、仲介会社向けで、それぞれ別々に走っていたプロダクト、つまり「点と点」が線でつながり、管理会社側も仲介会社側も、そしてユーザーサイト側も、賃貸を借りるプロセスが効率化するのです。

また、我々リアルサイドのエージェント、ならびにセールスやCSに関しても、営業先は基本的に同じで、管理会社や仲介店舗を持っている会社がたくさんあるため、セールスもCSも顧客が同じなのです。

よって、効率的なセールス、効率的なCS業務ができ、管理会社や仲介店舗を持っている会社からするとシームレスな取引ができます。そこが、今後我々が目指す姿になります。

M&A戦略(神居秒算の進捗状況)

M&A戦略です。9月にM&Aを実施した「神居秒算」についてですが、現在は現実的には渡航ができない状況のため、さまざまな改善に注力している段階です。「神居秒算」のビジネスは、スライド上段のストックビジネスと下段のフロービジネスです。

日本の不動産会社、日本における中華系の不動産会社に「神居秒算」のサイトに物件を掲載していただき、SaaSとしてシステム利用料をもらうのがストックビジネスです。

フロービジネスでは、そもそも日本のマーケットがわからないという中華圏の方々に、中立的なアドバイスをするサポートも行っています。そして、それを各不動産会社に送客するのですが、これは成約課金のためフロービジネスです。つまり「神居秒算」は、ストックビジネスとフロービジネスの両方を展開しています。

事業成長の再現性

これらが今期、どういう戦略につながってくるかについて、我々は「意味がないM&A、関連のない事業、再現性がないものはやらない」と再三お伝えしています。なぜならば、M&Aも簡単ではなく、新規事業も簡単ではないからです。しかし、なぜ我々は今後も成長し続けられる確信、自信があるかというと、事業成長の再現性があるからです。

まず、スライドの左側のBtoC事業をご覧ください。これは主力のiBuyer事業で培ったリアルとテックの融合、リアルとテックのオペレーション、そしてすべての工程のテクノロジー、またインハウスのデジタルマーケティングといったノウハウを、Living事業に再現性をもって導入しています。それを、今度はBtoCのフロー事業「神居秒算」にも導入していきます。

我々が今まで取り組んでいた事業を他事業やグローバルに展開する場合の勝ちパターンになります。つまり、勝った事業を再現性をもって他事業に導入していきます。

これはBtoBでも同じです。このグループの中では、ITANDIが売上、利益をしっかりと上げており、プロダクトマーケットフィットできています。

全工程のシステム化が可能であり、それをワンストップで提供できる、また不動産事業者の実務を知って構築した仕様設計、不動産以外も含めた多方面とのデータ連携、そしてクラウド提供による常時バージョンアップといった、この培ったノウハウを「RENOSY X」で活用します。

「RENOSY X」は、SaaS、iBuyer事業やLiving事業で培ったものを売買仲介・投資用不動産販売システムとして提供します。ITANDIのノウハウを「RENOSY X」に導入しており、「神居秒算」も不動産会社に物件を掲載いただいていますが、そこにITANDIのノウハウを注入しています。

このように、再現性をもって事業を行っています。闇雲にM&Aをしているわけでもなく、闇雲に新事業を立ち上げているわけでもなく、闇雲に人に投資、広告に投資をしているわけでもありません。このような再現性を目指して進めているということをご認識いただきたいと思っています。

最後になりますが、再三お伝えしているとおり、40年にわたって変わってこなかった不動産業界のパラダイムシフトが起こっています。グループで団結してこの業界を変える、そしてこの業界だけでなく、培ったノウハウをしっかりグローバルでも展開するという大きなビジョンを掲げています。皆さまにおきましても、末長く、また我々に小さな成長ではなく、大きな成長を期待していただきたいと思います。

なぜならば、我々の会社のビジョンが「世界のトップ企業を創る」であり、グローバル企業を創ることで、2013年の設立から、そして2018年に上場してから1日たりとも変わっていません。大きな成長を目指して、今期もしっかりと投資を行い、成長していきたいと考えています。長くなりましたが、決算発表は以上となります。ありがとうございました。