会社概要

若濵久氏(以下、若濵):株式会社SERIOホールディングス代表の若濵と申します。よろしくお願いします。当社の企業概要について説明させていただきます。よろしくお願いします。

当社は、2016年に設立した会社です。実際の創業は2005年で、現在の株式会社セリオが事業会社として行ってきました。現在16年目の会社で従業員数は、パートタイマーを合わせて約2,650名になります。本社は大阪市北区に、東京、名古屋、広島に事業所があります。

企業理念

当社の企業理念は、こちらの画面に出ている「家族の笑顔があふれる幸せ創造カンパニー」です。仕事と家庭の両立応援、未来を担う子どもたちの成長応援、この2つを事業のミッションとしています。

企業理念に基づいた事業展開

理念に基づいた事業展開です。女性の働く機会を創出していくということで就労支援事業、平たく言うと人材派遣事業を行っています。当社の人材派遣の特徴として、パートタイム型の就労形態を企業に提案し、主にパートタイム型で働きたい家庭をお持ちの女性の活躍の場を広げていこうということで、パートタイム型の人材派遣、就労支援事業を行っています。そして働く環境の創出をしていくということで保育園の事業と、私どもは放課後事業と呼んでいますが、小学生を対象とした一般的に言う学童クラブの運営を行っています。子どもたちが安心安全な居場所を提供することによって、働く時間の創出をしていこうと、そのような3つの事業を行っています。

売上高・経常利益の推移

こちらは創業からの売上と経常利益の推移です。就労支援事業からスタートした会社でして、その後に放課後事業、保育事業を展開しています。前期2020年5月期に関しては、売上、利益とも過去最高の数字を上げることができました。そして2021年5月期の計画においても、現在売上高は15.1パーセントアップ、経常利益は66パーセントのアップを計画しています。

セグメント別 売上高推移(詳細)

こちらはセグメント別の売上高の推移です。現在の進行期に関しては、ここ数年間、約3分の1、3分の1、3分の1というかたちで各セグメント3つともバランス良く会社の事業構造として構成されています。保育事業が一番後発でスタートしたわけなのですが売上の伸びが一番大きく、現在において全事業とも業績は、売上高に関しては向上していますが、その中でも保育事業が一番売上が伸びているという状況になっています。

2021年5月期 第1四半期 業績ハイライト

直近の四半期の業績ハイライトということで、2021年5月期の第1四半期、6月、7月、8月の実績は前年同期比で増収増益になりました。売上高に関しては15.9パーセントアップ、経常利益に関しては800パーセントアップということで非常に大きな増益になりました。当初、4月に放課後事業、保育事業ともに新しい施設を開設しています。そちらが今期の業績に寄与しているというところと、ちょうど新型コロナウイルスの影響がどれくらい出るのかというところでしたが、比較的離職率やクライアントの影響も今のところ大きなものは出ず、見込んでいたよりも堅調に伸びているという結果になっています。

2021年5月期 通期見込(2020/10/15修正)

こちらに関しては今期の通期の見込みです。売上高80億円、経常利益が2億7,900万円ということで売上、利益ともに前年比を上回り、また現在は過去最高の計画で進行しています。

2021年5月期 セグメント別 売上高(2020/10/15修正)

こちらセグメント別です。3セグメントともに前年から2桁増を見込んでいます。

事業環境 最近の政策

こちらは当社の事業環境の最近の国の政策について示したものです。大きくは女性の就業率を上げていくという大方針の中で、育児両立支援制度が打ち出されています。今いただいている情報として年内にまた新たな待機児童を含めた国の計画が発表されると伺っていますが、3事業とも政策と大変リンクをしているというところが私どもの事業環境であると言えるのではないかと思っています。

就労支援事業の事業環境

こちらは就労支援事業の事業環境です。非正規社員、パートタイムを含めて就業者数は増加傾向にあるというところで、私どもがターゲットとしている就労支援事業の雇用拡大がこちらのグラフのような推移で、求職者が非常に増えているという状況です。

就労支援事業 売上高 職種内訳

当社の就労支援事業の職種別の内訳です。コールセンターが大変多く、約半分の割合を占めています。特にこのコールセンターは、私どもは大手の家電メーカーへの修理の受付のコールなどの受電業務を大変得意としているところです。なぜかといいますと、コールセンターの業務内容とパートタイムでの就労形態は大変相性が良く、各企業でうまく活用していただけるような提案ができているのではないかと考えています。

保育事業の事業環境

保育事業の事業環境としては、もう待機児童と言われてかなり日も経っていますが、依然と待機児童が縮小傾向にはなっていますが、需要がまだまだ多いというところです。向かって右側のグラフが保育所の利用児童数の推移ということで、こちらは年々上がっており、全国的にもまだ保育の需要およびニーズがあるという環境です。

保育施設の園児数充足モデルと当社園児数推移

こちらは当社の園児数の充足モデルと当社の園児数の推移です。認可保育園の一般的な場合なのですが、新園を開設すると当初は0歳児、1歳児、2歳児の受け入れが中心になっており、それが年を追うごとに1歳ずつ上に上がっていくということで、だいたい4年目で定員数を充足するということが一般的です。新設の保育園を開設すると園児数が初年度約50パーセントくらい、4年目で100パーセントになっていくというところで、最大の業績への影響が3年、4年とちょっとずれて計画としては立てられるという状況です。毎年定期的に新設園をコンスタントに開設することによって、その効果が初年度も含めて4年目くらいまで業績拡大に寄与するという流れになっています。右は、園児数の推移としては毎年新設園を増やしている関係で増えており、今期に関しては期末で1,785名の園児数になる見込みです。

放課後事業の事業環境

こちらは放課後事業の事業環境で、一般的には学童保育、学童クラブの入所児童数の推移です。こちらに関しても、全国的に毎年入所児童数が増えているという状況です。先ほどの保育園の動きと非常にリンクしているのですが、保育園を卒園して小学校にあがる、保育園を利用しているご家庭は、基本的としては共働きの世帯です。それゆえに小学校にあがって学童クラブを利用するということにつながっているのです。保育園と違うところに関しては、新しい施設がどんどん増えていくというよりも、公立の小学校の学童クラブの運営を各自治体から受託運営しているような事業形態になっていますので、小学校自体がそもそも新しいところが増えているという状況ではありません。全国で約3万施設以上ある学童クラブの中において、いわゆる私どものような民間企業の運営シェアはまだ7.5パーセントと非常に少ない割合ではあるのですが、近年で一気に増えています。6年間で民間企業の運営シェアは約5倍になっていますが、こちらに関してはまだまだ私どものような民間企業が参入していく余地が非常に大きい市場であると考えています。

放課後・保育 施設数推移

こちらは当社が運営をしています、放課後施設、保育施設の施設数の推移です。現在におきましては放課後施設133施設、保育施設34施設、計167施設の運営を行っています。昨年と比較すると11施設増えているということです。当社の計画としては、毎年保育の施設を5施設プラス、放課後の施設が10施設プラスを基本の計画と考えていまして、その時の市場環境によって戦略的にどのような施設を増やしていくかも取り組んでいるという状況です。

エリアごと施設数(放課後・保育)

こちらは全国で私どもが展開しているエリアの施設数の状況です。当社は大阪が本社ということもあり、基盤の関西エリアが一番、放課後・保育含めて157施設の公設の施設の中で108施設が関西であるというところですが、近年に関しては首都圏エリアの拡大も強化していまして、関西合わせて首都圏エリアへの展開を推進しています。

新型コロナウイルス感染症の影響(2021年5月期1Q)

こちらは新型コロナウイルスでどのような影響が出ているかというところで、第1四半期の6月、7月、8月の新型コロナウイルスの影響をまとめた資料です。就労支援事業においては、派遣スタッフの方の面接が新型コロナウイルスの影響でほぼ100パーセントに近い割合でWeb面接というスタイルになりました。こちらはかなり効果的でして、登録率に関しても面接で来社される層と比較しても非常にスムーズに面接できます。登録率の上昇が、結果的に採用コストの抑制にもつながっています。計画の中において、新型コロナウイルスで業務量が減ることにより、取引の影響が出るのではないのかというところで、若干マイナスの見込みも立てていますが、新規での取引も増えているため、あまり大きな影響は出ていないというところです。

放課後事業に関しては、こちらは新型コロナウイルスで4月、5月の学校休業に伴って夏休みが縮小したということで、私どもは夏休みは基本的に朝から児童のお預かりをしているのですが、通常の授業がある日は、学校が終わってから2時や3時くらいから子どもたちのお預かりをさせていただくという形態になっています。実際夏休みが約半分になった自治体が大半ですので、それに伴って児童を預かる時間数が減ったことにより、売上にマイナス影響が出ていますが、それ以上に労務費に関しても人件費が抑制できた関係で、こちらも合わせてマイナスになっています。結果としては新たな夏休みでの人員採用コストなどの抑制もできて、結果的には四半期で利益に関してはプラスに影響が出ているという状況ですが、通期になると大きな影響は出てこないのではないのかと見込んでいます。

保育に関しては、結果としては現状通期の影響は軽微であると考えていますが、また4月、5月の時のような緊急事態宣言が出た場合、実際の保育園の開園自体が家庭保育などを行うことによって自粛するということにもなりかねないのですが、補助金の事業でして、こちらに関しては業績面には影響が出ないと考えています。

新型コロナウイルス感染症の影響(放課後・保育施設)

こちらは先ほどと重複したところですので飛ばします。

中期 今後の見通し

今後においては、先ほどお伝えした3つの事業がともに成長していくというところが私どもの事業のバランスと考えていまして、合わせて新しい新規事業にもトライしながら拡大していくということを考えています。実際には保育、放課後施設も積極的に現状のペースを維持しながら拡大していくことにより、この中期の業績拡大にもつなげていきたいと考えています。

利益配分に関する基本方針

こちらは利益配分です。基本として現在は20パーセントの配当性向を当面の目標としています。合わせてさらに内部留保の拡大、積極的な投資を行うことによって業績拡大をバランス良く行っていきたいと考えてます。今年の10月に株式を2分の1に分割して流動性が高まっているのではないかと考えています。

よくあるご質問

よくある質問ということで、保育園の新設に関わる建設に関する補助金を売上、利益に計上しないのか、というご質問を多くいただきます。認可保育園の場合は保育園を新設する際に建物の建築費用に関しても、何割かの補助金が出る制度になっています。こちらを私どもは直接減額方式ということで、バランスシートに反映させているのですがP/Lに関しては、この補助金の利益として計上せずに建設費とNET圧縮して、その差額分を固定資産計上するという手法をとっています。比較をするやり方は、建設費をそのまま固定資産と計上して、施設整備にかかる補助金を当期利益として計上するような会計処理を行っているところがあるのですが、私どもはあくまでもバランスシートをスリムにしていくことで、長期的な筋肉質な事業体質をつくっていこうと考えています。

ESGへの取組み

私どものESGの取り組みです。「家族の笑顔があふれる豊かな未来へ」ということで環境、社会に関しては社内的なワーク・ライフ・バランスの推進も然り、また女性の活躍ができる場所、また障がい者の雇用促進ができるというような、いろいろな取り組みを行っています。ガバナンスに関しては、今期より女性の取締役も新たに任命しています。

SDGsへの取組み

SDGsへの取り組みも積極的に行う方針です。4つのテーマを掲げて、私どもの使命として持続的発展を目指して取り組んでいます。例えば子どもたちにSDGsをしっかりと広めていこうと、当社が外国の留学生のインターンシップ生の受け入れをしています。その学生たちがSDGsをテーマにしたオリジナルの人形劇をつくって、放課後施設で小学生たちにSDGsを理解をしてもらうために展開しています。このような活動を通じてプログラムの充実も然りですが、子どもたちに少しずつSDGsはどのようなものなのか広めていこうと、そのような活動も行っています。以上です。

質疑応答:中期経営計画の見通しについて

八木ひとみ氏(以下、八木):若濵さまにプレゼンしていただきました。それでは、Q&A欄にお寄せいただいた質問に答えつつ、坂本さんからの質問も若濵さまに投げていただきましょう。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):坂本です。よろしくお願いします。まずは中期経営計画の見通しをお伺いしたいと思います。2022年5月期から薄く出ている新規事業を教えていただきたいということと、この施設を増やしていく部分は放課後10施設、あと保育5施設を見込んでいますが、人員や環境等の影響でどこかで人員がある程度確保できたりとか、あとは時差案件がたくさん出てきたりということがもしかしたらあるかもしれないのですが、これがどこかで加速していくということはあるのかをお伺いしたいと思います。あと、利益の伸びのイメージも教えていただけたらと思います。

若濵:まず新規事業に関しては、現在すでにキックオフしていまして、1つは福祉関係の介護および保育士……特に今は保育士に力を入れているのですが、人材紹介事業を立ち上げています。こちらに関しては、売上に関しては人材紹介事業は売上がそのまま粗利につながるようなかたちで、今後においては売上の大きなインパクトよりも利益インパクトがしっかり出るようにこの事業を育てていこうと考えています。この就労支援事業で培ってきたノウハウと、実際に保育園の運営をしている事業者としてどのような人材が必要なのかというところの両方のノウハウを駆使して、保育士の人材紹介の事業も力を入れていこうと考えています。またそれ以外も積極的に新たなことに向けて今期、来期、新規事業に関してもトライしていきたいと思っています。

施設の推移ですが、先ほどもお伝えした基本の新設の計画は、放課後は10施設程度、保育は5施設程度を毎年展開していきます。実際は保育園で上場されている同業他社の新設数を見ると、もっと多く新設されている会社もあると思うのですが、こちらに関しては保育士の採用という視点、または放課後の指導に関しても、当然ながら高い質を求めながら採用していきたいと考えています。どちらにしても並行して行っていきたいと考えていますので、合わせて市場の環境として、放課後の施設と保育の施設と子供の預かる施設ではあるのですが、かなり環境が異なっていまして、放課後施設に関しては先ほどもお伝えしたように公設公営の事業が公設運営になっていくのがまだまだ続いていくのではないのかなと思います。保育園に関しては、近年数年間ずっと新設数が全国的に非常に高まっている状況です。かなり保育園自体も数は増えたという状況です。

いつまでもこれが続くわけでは当然なく、安定して事業を伸ばしていく上ではこれらの施設がちょうどいいスピード感かと考えていますので、特別急激に増やしていくという計画は今はありません。利益のイメージですが、施設数が増えることによって売上が増えていきます。それに伴い内部の間接コストをシステム化や効率化を図り抑制していくことで、売上に対する販売管理費の比率を下げていこうと取り組んでいますので、その下がる販管費率イコール利益率の向上になっていければと考えていますので、利益額ではなく売上に対しての利益率を毎年上げていきたいと考えています。

質疑応答:地域による運営方針の違いについて

坂本:次は関西と首都圏の放課後・保育事業に関してなのですが、首都圏と関西は運営方針の違いやノウハウなど、地域的な違いがあれば教えていただきたいと思います。また、案件ありきかもしれないのですが、今後はどの地域で増やしていきたいかというイメージを教えていただけたらと思います。

若濵:運用に関わるノウハウはどこの地域でも基本的に変わらないと考えています。子どもに対して取り組んでいくことになりますので、とりわけ「東京だ」「大阪だ」ということではなく同様な運営を行っています。もちろん細かく言えば、東京や大阪といった広いことではなく、地域性というところを汲み取りつつ行っていくことが、どの地域においても大切なことだと考えています。違いがあるとすると、実際に施設の運営に関わる各自治体からの補助金制度が自治体ごとによって異なっていることです。保育園は、東京都が一番補助金の制度が手厚く、例えば各地で同じ認可定員の施設をつくった場合も、売上高は東京23区内が一番高くなるという数字の面での違いは出ています。それと比例して人件費も上がっています。

今後において関西の基盤は、より固めていきたいというところもありますし、首都圏の東京、千葉も近年積極的に展開していって増えています。保育・放課後ともに首都圏に関しても増やしていこうと考えています。多少欲張った話なのですが、愛知、広島にも拠点を構えていますので、こちらに関しても着実に増やすことを考えています。それ以外のエリアの九州、東北では、今のところは具体的な施設展開は考えていません。

質疑応答:放課後事業について

坂本:施設の学童についてお伺いしたいのですが、私が住んでる地域では公立の学童に小学校1年生までしか入れず、2年生になると「足切りで入れません」「定員充足になっちゃうので入れません」と言われ、学校預かりや放課後事業のような施設に行くというかたちになっていて、ある程度、高所得者層が住んでいる場所には施設の学童の需要もあるのではないかと思っているのですが、そのあたりのお考えを教えていただきたいと思います。

若濵:確かに、近年保育園の待機児童だけではなく、学童待機というような状況になっている地域もあります。そちらに対しての解消策として民間の学童施設がありますし、また実際に施設利用費は高額にはなるのですが、勉強に非常に特化している、英語に特化しているというようなところも増えているという実態はあります。私どもは今、各自治体ごとにしっかりと協議して教室数を増やしていくご提案を行い、また公設の公立小学校に紐付いている学童もあるのですが、学校の外にも施設を作って児童の受け入れを現在行っています。民間のアフタースクールに関しては、現状、関西で行っていますが、こちらはまず学校できちんと受け入れ体制を作っていくことを優先し、自治体と展開していくというところで、大きく拡大をしていくような取り組みを始めています。

質疑応答:直接減額方式の採用について

坂本:続いて、直接減額方式を採用されている背景の部分ですね。23ページが非常にわかりやすい図なのですが、こちらを採用している理由を教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。

若濵:こちらも保育園事業を開始した時から、直接減額方式を採用しています。そもそも実際に建設工事費がかかっていて、それに対して補助金が出るというもので、実際はキャッシュアウトしているわけですので、そこを資産計上して補助金を利益計上するということはキャッシュアウトしていなければいいのですが、キャッシュアウトしていますので、実態と少し相違がある利益になるというところが開示のきっかけではあったのですが、新設の数が増えていくことによって実際はこの選択が良かったのではと考えています。非常にこの施設整備の補助金は高額なもので、多ければ2億円くらいの補助金になります。そうするとそれも業績へのインパクトは大変大きくなりますので、今後ずっと同じペースで新設を行うということであれば、当然ながらそれも安定して補助金を利益として計上できるわけですが、市場環境によって新設の数が前後するのを他の事業でリカバリーしていくのは大変難しい話だということも踏まえ、実際に営業で得た利益を計上していくことが必要と考えています。併せて固定資産もできる限り抑制し長期的に見て償却ロスを限りなく絞っていくことが安定した長期的な経営につながるのではないかなと考えています。

坂本:投資家としては御社のような直接減額方式のほうが非常にわかりやすいのでありがたいなと思います。他社を見ていると、おっしゃるとおり特別利益が最終利益にドカンと乗ってきて見にくく、あとどうしても四半期の収益がデコボコしてしまうため見にくいので、非常に助かります。

質疑応答:M&Aに関する方針

八木:会場に寄せられた質問もいくつか見ていきたいと思うのですが、M&Aに関する方針に関しての質問が来ています。「保育は今後大手集約化していくと思うのですが、M&Aの方針を教えてください」とのことです。こちらに関してはいかがでしょうか?

若濵:ご質問のとおりだと思います。集約されるのは少し先のことになるかと思います。それくらい、実際に保育園業界は1施設、単独施設を運営されている事業者の方が圧倒的に多いというところでして、ただ新設数が年々減っているのは間違いありません。その中で、長期的に事業成長を保育事業として行っていこうとすると、保育園の新設にブレーキがかかり、当然M&Aという選択が生まれてくるのではないかと考えています。私どももしっかりと運営ノウハウというものを固めていき、将来M&Aを行った際に保育のクオリティが上げられるように、効果が見込めるような体質にしていくことがとても大切かと思いますが、直近で2年から3年くらいはまだM&Aでの展開よりも1から立ち上げていくことが十分できると思っており、その次のステップで考えていこうかなという状況です。

質疑応答:保育士の採用について

坂本:Twitterから事前にいただいていた質問なのですが、やはり多かったのが保育士の採用面の質問です。こちらで気をつけていることや、御社で働きたいという動機付けをするための施策があれば教えてください。人材の採用はある程度順調かということも含めて教えていただきたいと思います。

若濵:保育士の採用に関しては、順調といえば順調なのですが、国家資格有資格者に限定される人材ですので、これだけ保育園の数が増えると当然採用も増えていることになりますので、決して楽に採用できる環境でないのは間違いないと思っています。共有しているページのワーク・ライフ・バランスの中央の部分に90パーセント以上と載せていますが、ほぼほぼが女性の職場ですので女性が働きやすく、またワーク・ライフ・バランス、家庭を持ち結婚・出産してもまた勤めていくことができるという環境をしっかりと作っていくことが重要かと考えており、積極的に女性が長く働ける会社の制度があります。

質疑応答:新型コロナウイルスによる働き方の変化について

坂本:新型コロナウイルスの影響について、先ほどの採用の部分と派遣先の商談をオンラインに切り替えている部分があると思うのですが、不都合など業績に与えた影響があれば教えていただきたいと思います。その他、ロックダウン中に営業、販売先へ派遣した方が自宅待機になっていた場合は、派遣先からの支払いはあったのかも含めて教えてください、という質問です。

若濵:リモートでの面接、登録、商談というところで先ほども少し触れたのですが、実際に働かれる方の派遣先の方の採用面に関しては、これはけっこうリモートで行い非常に効率がよく登録率も徐々に上がっています。新型コロナウイルス前から遠隔地の方などのリモート面接は行っていたのですが、あまり信頼できなかったことが新型コロナウイルス禍で解決したというところで、応募される方もあまり抵抗なく対応していますので、これは良かったのかと思っており、今後アフターコロナになってもこちらに関してはうまく継続できればいいのではないかと思っています。

商談に関しては、だいぶ営業サイドのお客さまも慣れてきたという実感です。実際に私どもに営業に来られる方も実際にリアル訪問される方もいらっしゃいますが、オンラインで商談を行っております。それに関しても違和感なく行えています。緊急事態宣言中で自宅待機等については確かにありましたが、それに対してのお客さまの支払いはさまざまでして、派遣業界的に休業補償は6割という立て付けで、お客さまとの取引チャージに関してもこのような場合は6割を請求するのが比較的多いのですが、全額お支払いいただいた企業もありますし、このような状況なのでまったくノーワークノーペイもありました。当社としては原則、派遣スタッフ全員に全額給料保障を行うことを早い段階で一人ひとりに伝えて、生活も保障したことで、世の中で離職者が増えても離職者が出なかったというような感触です。

質疑応答:社名の由来について

八木:最後に1つだけ、ポルトガル語で「SERIO」は「まじめ」という意味だとお聞きしましたが、ポルトガル語にされた理由はなにかあるのでしょうか?

若濵:「SERIO」は、ポルトガル語で「まじめ」という意味でして「まじめ」という言葉は企業が長く続いていく上では真面目に取り組み、真面目に社会と向き合っていくことが大切だという思いを込めて、このような言葉にさせていただいたのですが、ポルトガル語は、ラテン系の言葉で英語の語源となる言語なので、広く世界にも通用するような言葉のベースだという思いもあり、こちらを選ばせていただいたというところです。