2021年3月期第2四半期実績:サマリー

後藤秀隆氏:本日はお忙しい中ご参加いただき、ありがとうございます。松屋アールアンドディ代表取締役社長の後藤でございます。新型コロナウイルス禍の中、医療従事者の方には深く感謝申し上げますとともに、感染された方々が1日も早くご快復できるようお祈り申し上げます。

では、2021年3月期第2四半期の決算説明を行います。資料の4ページ目をご覧ください。まず、2021年3月期第2四半期実績をサマリーとして載せています。

第2四半期においては、コロナ禍においてもフレキシブルな対応を行った結果、非常に好調に推移することができました。売上総利益率は1.3ポイント上昇しています。販管費も旅費交通費を中心に、「Zoom」等の多用により削減しています。また、親会社株主に帰属する当期純利益が見通し比で約2倍と、大幅な増益となりました。

売上高41億500万円、見通し比102.6パーセント、営業利益3億1,300万円、見通し比174.2パーセント、経常利益2億8,000万円、見通し比156パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益2億4,400万円、見通し比203.5パーセントとなっています。昨年通期実績に対しても、第2四半期ですでに上回る数字を叩き出すことができました。

2021年3月期第2四半期実績:セグメント別売上⾼&利益

続いて、セグメント別売上高と利益です。縫製自動機事業はコロナ禍の影響があったものの、利益率の高いものに注力してコストコントロールを図った結果、利益は見通しよりも増加しました。

縫製品事業においては、特に主力品目を中心に血圧計腕帯で生産量が増加したことから、利益率が上昇しました。カーシートカバー及びエアバッグも、北米向けの車種を中心に7月から受注が大幅に回復しました。また、事業会社及び厚労省よりアイソレーションガウンを受注し、売上高及び売上総利益の増加に貢献しました。

したがって、セグメント利益の見通し比は174.2パーセントアップしています。また、縫製自動機事業は335.3パーセント、縫製品事業は132.6パーセントアップとなっています。

2021年3月期第2四半期実績:連結キャッシュ・フロー計算書

続いて、連結キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、利益は好調なものの受注の増加により売上債権、棚卸資産、仕入債務が増加し、6,300万円の増加となっています。第3四半期以降で回収が進み、さらに良化する見込みです。

投資活動によるキャッシュ・フローについては、機械装置において、主に松屋ベトナムにて1,600万円、また、タカハターにて1,100万円の設備投資を実施しています。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主にIPOによる資金調達による増加があります。以上の結果、現金及び現金同等物が3億4,300万円の大幅な増加となりました。

2020年9月末実績:連結貸借対照表

続いて、連結貸借対照表です。IPOによる資金調達及び上期における業績が良好なことから、当座比率が79パーセントから93パーセントに良化しました。当座貸越の極度額を増額し、今後の資金需要に機動的に対応できるよう、体制の整備が完了しています。また、売上債権及び仕入債務の増加は、第2四半期以降急激に受注が増加したことによるものとなります。

2020年度(2021年3月期)業績予想

続いて、2020年度(2021年3月期)の業績予想はひとまずスライドに記載のとおりとなります。新型コロナウイルス感染症の収束時期が依然として不透明なことから、通期の業績予想は据え置いていますが、第2四半期の進捗率は非常に良好であり、現状の状況が続けばこのまま好調が維持できるものと思われます。

また、開示すべき事項が生じた場合は速やかにご報告します。新型コロナウイルスによる状況が極端に悪くならなければ、今のところ他にリスクはありませんので、通期の業績はご考察いただけるものと思っています。開示が必要となった場合は速やかにご報告したいと思っています。

売上高進捗率は45.6パーセント、営業利益進捗率76.5パーセント、経常利益進捗率は73.9パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は90.4パーセントを叩き出しており、昨年通期をすでに上回っています。先ほどご報告させていただいたとおりです。

今後の成⻑戦略①

今後の成長戦略です。今までにない領域を開拓し、ナンバーワンを目指していきたいと思っています。

事業内容

事業内容です。4月上旬に上場し、約9ヶ月経ちます。何度もお伝えしていますが、我々はミシンメーカーではありませんし、自動車の部品メーカーでもありません。また、単なる縫製工場のメーカーでもありません。裁断、縫製、あるいは溶着、検査を自動化する縫製自動機事業においてはファナックやキーエンスに類似していると思っています。また、縫製品事業は独自の技術を用いたジャパンマテリアルに近い企業であると思っています。このあたりをご理解いただければと思っています。

事業内容はスライドに記載のとおり、縫製品事業と縫製自動機事業の2つを両輪として邁進していくつもりです。

当社を取り巻く業界の変化予想及び今後の取組①

当社を取り巻く業界の変化予想及び今後の取組についてです。まず自動機事業(ソーイングオートメーション)についてご説明します。あらゆる分野で産業用ロボット需要が増大し、コロナ禍で人手不足や自国内生産対応のための自動化生産対応の需要の加速がさらに見込まれると思っています。これに対して、AIソーイングロボットやAIを用いた画像検査装置などの次世代自動機の開発・製造・販売及び関連メーカーとの業務提携を目指しています。

次に、ロボット・システムインテグレーター需要の増加ということで、生産現場へのロボット導入を設計する専門職、あるいはこのあたりのソフトの担当者の需要が急増すると見込まれています。これに対して、弊社はベトナムMIC(MATSUYA INNOVATION CENTER)で技術者の育成を行っており、年初は3名であったものの、現在は12名となっています。ベトナムの有力大学出身者を主体に、AIの技術者、設計者、ソフト関連等の技術者を募集しており、来年末に向けて約30名の規模に拡大していこうと思っています。

また、メディカルヘルスケア分野の拡大ということで、新型コロナウイルスだけでなく、今後の感染症対策も含め、日本製の医療用製品の自動化需要も拡大していく見込みです。メディカル部門及び防護服等の製造自動機の開発・製造・販売に付随して、素材メーカーとの業務提携を模索しています。これに類似して、メディカルヘルスケアに関しては、ウェアラブルの機器も含んでいます。

アメリカ大統領選挙の影響については、メキシコとアメリカ間の貿易の回復が見込まれ、メキシコにおける自動車部品工場の生産拡大が大きく見込まれます。これに関しては、販売促進の強化あるいは人材の多様化、外国人採用も実施し、すでにオーストラリア人やベトナム人の2名の採用が内定しています。

当社を取り巻く業界の変化予想及び今後の取組②

続いて、縫製品事業(ソーイングプロダクト)です。国によるサプライチェーンの見直しということで、ローコスト生産品については、賃金高騰が激しい中国やタイでの生産において、安価かつ安全なベトナムでの生産委託需要が増えると予想されます。受託先の拡大を目指しており、すでに複数の商談を得ています。開示事項が生じた場合はその都度速やかに開示したいと思います。

また、大きな業界の再編として、コロナ禍で当社を取り巻く業界においても大きな事業変化が起きています。積極的なM&A、あるいは業務提携の活用を行っていきたいと思っています。すでにお話しさせていただいているところもございます。このあたりも開示事項が生じた場合は開示したいと思います。

次に、大手企業のファブレス化についてです。変化の激しい環境にある中、需要の大きな変化に対応するため、ファブレス化が進んでいます。弊社製レーザー裁断機を使用し、裁断に特化した事業を展開していきます。特に、世界中のエアバッグメーカーに対して、当社が提供できる新しい試みになると思っています。

当社を取り巻く業界の変化予想及び今後の取組③

新規事業についてです。すでにIRもしくはニュース等でも何度か出していますが、ドローンの市場の拡大ということで、昨今ではAmazonを含めた配達用市場の拡大に伴って、安全装置としてのドローン用のエアバッグの需要が見込まれると思っています。これに関しては、ドローン用エアバッグの開発・製造・販売に注力し、来年度くらいを目処にがんばっていきたいと思っています。

当社を取り巻く業界の変化予想及び今後の取組④

今日が初めての発表になりますが、世界初の次世代空モビリティ用エアバッグの開発を行っています。1人乗りの空飛ぶ車・ドローンに対してのエアバッグの開発を開始しました。異常飛行を検知してエアバッグが展開し、衝突のダメージあるいは水没のリスクを軽減できるものを目指しています。これに関しても、多方面からの問い合わせがくるものと思っています。

今後の成⻑戦略②

今後の成長戦略です。安定収入を生み出す縫製品事業を基盤に、次世代縫製自動機の開発及び新規事業を中心に経営資源を投入し、持続的な成長を目指していきたいと思います。

従来の表と同じですが、非常に成長可能な市場環境になっています。我々はベトナムに拠点を置いていますが、現時点でのベトナムの新型コロナウイルス感染者数は約1,300人であり、ここ80日間は市中感染もないと報告を受けております。

この一人勝ちになっているベトナムを中心に、いろいろなかたちでのMICあるいは製造面で中心をなす豊富な人材環境があります。当社製の自動機による工程の自動化、並びにAIのソーイングロボットの開発・製造販売、ドローン用のエアバッグ等も駆使し、新規事業並びに縫製自動機事業において、特にAIソーイングロボットあるいは画像処理を用いたAI検査装置を活用した自動化ラインの開発を積極的に行っていきたいと思います。

もうすでに複数の商談がありますが、縫製品事業では、ベトナム、ミャンマーにおける生産基盤を活かし、新規顧客の獲得を目指します。また、メディカル部門において、血圧計腕帯あるいは防護服、ウェアラブルの強化を図っていきたいと思います。特に業務提携、M&Aに注力し、今後の売上・利益の増大に望んでいきたいと思っています。

我々としては、アフターコロナあるいはウィズコロナ、ウィズアウトコロナのいずれにしてもフレキシブルに持続的に成長していきたいと思っています。

次世代縫製自動機の開発

そしてこれを、日本サイドの戦略部隊とベトナムにおける松屋イノベーションセンターの連携によって推進していこうと思っています。今後もこのようなかたちで進めていきますので、よろしくお願いいたします。

会社概要に関しては、過去と同じものを再度提示していますので、ご覧いただければと思います。以上、私からのご報告とさせていただきます。