ミクシィのこれから
木村弘毅氏:本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。代表取締役社長の木村弘毅です。これより、FY2021第1四半期の決算についてご説明します。
本日の説明会では、財務状況、事業状況および業績予想のパートに分けてご説明します。
3ページをご覧ください。当社は6月23日にマザーズから東証一部へ市場変更しました。
改めて、これまで当社をご支援くださった株主のみなさまをはじめ、すべてのステークホルダーのみなさまのおかげであると心より感謝いたします。企業価値向上に向け、精進していきます。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。
ミクシィグループは中期経営方針として、「エンタメ×テクノロジーの力で、世界のコミュニケーションを豊かに」を掲げています。その中で、今期FY2021は、『モンスターストライク』のリバイブおよび、公営競技関連事業の更なる成長に注力していきます。
新型コロナの影響について
4ページをご覧ください。業績の説明の前に、まずは弊社の新型コロナウイルスへの対策について、ご説明します。
政府の動向に合わせ、速やかに人事本部長を委員長としたコロナ対策委員会を設置しました。委員会が一元的に状況把握や対策立案をリードすることで、素早いリモートワークの導入や、さまざまな労働環境下でも継続的なサービス提供を行なえる体制の構築をしました。
緊急事態宣言解除後には、リモートワークおよびオフィスワークをミックスした働き方を「マーブルワークスタイル」と定義し、双方のメリットを生かせるフレキシブルな働き方に対応しています。今後も、新型コロナウイルス対応にとどまらず、新たな働き方への移行を目指していきます。
エグゼクティブサマリー
5ページをご覧ください。事業のトピックスについてご説明します。今期はスポーツセグメントにおいて、公営競技関連事業の更なる成長に取り組んでおり、6月に新サービス「TIPSTAR」をローンチしました。また、チャリ・ロト、ネットドリーマーズは順調に業績を伸ばすことができています。
デジタルエンターテインメントセグメントにおいては『モンスターストライク』のリバイブに注力しており、前年同期比約30パーセント増と売上を伸ばすことができました。合わせて、『コトダマン』も四半期売上が10億円を超え、セグメント全体で、計画に対し上振れしています。
通期業績予想については、『モンスターストライク』の業績好調を受け、売上1,050億円、EBITDA180億円、営業利益140億円へ上方修正しました。詳細について、これからご説明します。
連結損益計算書(四半期)
まず、財務状況についてご説明します。7ページをご覧ください。連結損益計算書です。売上高は293億6,000万円となり、前年同期比で41.3パーセントの増収となりました。EBITDAは84億9,400万円でした。当期純利益は48億9,100万円となり、前年同期比で340.6パーセントの増益となりました。
連結業績(四半期推移)
8ページをご覧ください。こちらは連結業績の四半期推移です。なお、セグメント売上については、セグメントごとに後述します。
売上原価(四半期推移)
9ページをご覧ください。売上原価の推移です。外注費が前年同期と比較して増加しています。これは6月に試写会を行なった劇場版『モンスターストライク』の費用化および、6月30日にリリースした新サービス「TIPSTAR」の開発費が計上されているためです。
販管費(四半期推移)
10ページをご覧ください。販管費の推移です。広告宣伝費が前年同期比で減少していますが、主に『モンスターストライク』において広告宣伝費の効率化を進めたことによるものです。
なお、今回よりEBITDAの算出のため、その他の項目より減価償却費を抜き出して表示するようにしました。
セグメント売上推移
続いて、各事業状況についてご説明します。12ページをご覧ください。はじめに、スポーツセグメントの振り返りとなります。
売上高は23億8,400万円、前年同期比で299.8パーセントの増収となりました。これは、チャリ・ロトが増収となったことに加え、ネットドリーマーズが昨年第4四半期より新規連結されたことによります。
チャリ・ロト、ネットドリーマーズの状況
13ページをご覧ください。チャリ・ロト、ネットドリーマーズの状況です。チャリ・ロトは、新型コロナウイルスの影響により、競輪の開催そのものが自粛される厳しい環境ではあったものの、再開後は売上が回復し、前年同期比で4.3パーセントの増収となりました。
また、ネットドリーマーズは、前年同期比で39.9パーセントの増収と、業績を大きく伸ばすことができました。競馬が無観客開催となったことで、馬券投票のみならず、競馬メディアのオンライン化が進んだことが大きな要因となっています。
公営競技新サービス:TIPSTARについて①
14ページをご覧ください。これより、6月30日にローンチしたスポーツベッティングサービス「TIPSTAR」についてご説明します。
こちらは以前よりお話ししていた、ミクシィグループ内のシナジーを生かしたサービスです。
次のページ以降で、「TIPSTAR」がチャレンジする競輪市場について、また、「TIPSTAR」の詳細についてご説明します。
競輪市場 販路別売上高の推移
15ページをご覧ください。競輪市場についてご説明します。競輪市場は、2013年度の約6,000億円を底として、毎年成長を遂げています。その原動力となっているのがインターネット販売で、2019年度には売上シェアが50パーセントを超えました。
新サービス「TIPSTAR」をこの市場に投入することで、市場でのシェア拡大を目指していきます。
公営競技新サービス:TIPSTARについて②
16ページをご覧ください。では、「TIPSTAR」の特徴についてご説明します。「TIPSTAR」とは、多彩なタレントたちの予想トークとともに、ライブ映像で仲間とわいわい競輪を観戦しながら、競輪のネット投票を365日楽しむことができるスポーツベッティングサービスです。
その大きな特徴として、専用通貨「TIPメダル」を使用することで、ソーシャルゲームのように無料で遊び続けられることが挙げられます。
また、ユーザーはタレントたちの予想に乗ってベッティングするだけですので、難しい予想などは必要なく、まったく未経験の方でも、すぐに楽しんでいただけます。
このような、今までになかった圧倒的に簡単な競輪の楽しみ方を提供することにより、女性の参加比率が約50パーセント、20代から30代の若者が登録者の半分を占めるなど、今まで競輪に触れてこなかった新たなユーザー層を取り込むことができています。
成長性の高い公営競技にソーシャルゲームで培った当社の「エンタメ×IT」のノウハウを掛け合わせることで、今後、高いシェアの獲得を目指していきます。また、スマホ1つで楽しめるので、巣ごもりのエンタメ需要にも応えていくことができます。
セグメント売上推移
18ページをご覧ください。ライフスタイルセグメントの振り返りです。
売上高は9億7,700万円、前年同期比で20.6パーセントの増収となりました。これは、「みてね」のギフトサービスが好調に推移し、売上が倍増したためです。
なお、前四半期に対しては減収となっていますが、これは美容業界が新型コロナの影響を受けたため、一時的に「minimo」が減収となったことによります。
みてね事業の状況
19ページをご覧ください。家族アルバム「みてね」の振り返りです。「みてね」はギフトアプリ「OKURU」との連携により、母の日ギフトおよび父の日ギフトのサービスを開始し、好調に推移したことで、前年同期比266.4パーセントの増収となりました。
昨年末の「みてね年賀状」と同様に、「みてね」の写真アセットを生かしたマネタイズの一環であり、孫の写真と一緒に父母への感謝の印を送ることができるサービスです。
引き続き、「みてね」とシナジーのあるサービス提供をすることで、マネタイズを強化し、収益化を目指していきます。
セグメント売上推移
21ページをご覧ください。デジタルエンターテインメントセグメントの振り返りです。
売上高は、前年同期比で66億2,100万円増収の34.2パーセント増で259億9,700万円となりました。これは、『モンスターストライク』の業績が好調に推移し、前年同期比で約30パーセントの増収となったことに加え、『コトダマン』が新たに連結されたことによる増収です。
モンスターストライクの状況
22ページをご覧ください。『モンスターストライク』の状況です。人気IPとのコラボや、ユーザーの購買意欲を掻き立てる商材を投下できたことにより、MAUは前年同水準を維持しつつ、ARPUを回復させることができました。その結果、売上高は前年同期比で約30パーセント増収となりました。
また、コロナ禍におけるエンターテインメントの一環として、公開延期となった劇場版『モンスターストライク』のオンライン試写会を実施しました。自宅で楽しめるイベントとして、多くのユーザーに喜んでいただけたと思っています。
リバイブはいまだ途上と認識していますが、引き続き、この先10年、20年と愛され続けるゲームを目指していきます。また8月3日より、新たな夏のキャンペーンを実施しています。外出して思い切り楽しむことができない2020年の夏にも、『モンスターストライク』で友達と一緒に遊べる体験を提供していきます。
共闘ことばRPG コトダマンの状況
23ページをご覧ください。『コトダマン』の状況となります。2周年のイベントや、毎月実施しているコラボなど、積極的なキャンペーンを行なってきました。その結果、高いMAUを維持しつつ、ARPUをさらに向上させることができました。
今後も積極的なキャンペーンを実施し、業績の向上につなげていきます。ゲームについては、『モンスターストライク』は7周年目に入った現在でも、大幅増収を達成することができました。
また『コトダマン』もしっかり業績を伸ばすことができています。運営に対する自信をさらに深めており、売上拡大を狙っていきたいと思っています。
FY2021 通期業績予想(1)
続いて、業績予想についてご説明します。25ページをご覧ください。本日、通期業績予想について、上方修正しました。売上高は50億円増加の1,050億円、EBITDAは180億円、営業利益は140億円、当期純利益は85億円としました。
また、通期セグメント売上については、デジタルエンターテインメントセグメントが期初より50億円増額し880億円、スポーツセグメントが100億円、ライフスタイルセグメントが70億円となっています。
FY2021 通期業績予想(2)
26ページをご覧ください。業績予想の修正のポイントをご説明します。『モンスターストライク』の第1四半期および7月上振れ分である、売上高50億円、営業利益30億円をプラスしています。また、業績予想に反映していない今後の見通しについては、次のとおりです。
スポーツセグメントでの新サービス「TIPSTAR」の売上、そしてデジタルエンターテインメントセグメントでの『モンスターストライク』のさらなるリバイブ、下期にリリースを予定している新作ゲームの売上は、現在の業績予想には反映していません。
ミクシィエンターテインメントファンドの設立について
27ページをご覧ください。最後に、本日決議をした「ミクシィエンターテインメントファンド」の設立についてご説明します。
本日の冒頭にお話ししたとおり、当社は中期経営方針として、「エンタメ×テクノロジーの力で、世界のコミュニケーションを豊かに」することを掲げています。
ライブエンタメ産業は、新型コロナウイルスの影響により、大きな変革を求められています。当社は、ファンドを通して投資先と手を組み、産業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していくことで、ニューノーマルにおける新たなエンターテインメントを多くのお客さまに届けていきたいと考えています。
当社は引き続きエンターテインメントの力を通じて、日本を、そして世界を元気づけていきたいと思っています。
以上で私からの説明は終わります。ご清聴ありがとうございました。