決算概要

池上功氏:エフピコの池上でございます。2020年3月期実績についてご説明します。まず決算概要です。売上高は10期連続の増収、営業利益と経常利益は2期連続の増益となりました。また、売上高は1,863億円で、前年同期比102.9パーセントとなりました。そのうち当社製造製品の売上高は1,428億円、前年比103.8パーセントで、製品出荷枚数の前年比は103.6パーセントとなりました。

販売面の特記事項です。中食マーケットやチルドメニューの拡大に合わせ、電子レンジ対応容器や環境に配慮したエコトレー「エコAPET」容器が好調に推移しました。当社オリジナル製品の売上高は、前年比105.8パーセント、売上構成比は60パーセントです。

2020年2月以降、食生活において外食から内食への移行に伴い、スーパーマーケットにおいて生鮮向けの需要が拡大し、ビュッフェ形式から容器を使用した売り場への移行が見られます。一方、イベント用容器、駅弁容器の需要が減少しました。

営業利益は155億700万円、前年比111.2パーセント、計画比100パーセントとなりました。経常利益は162億7,400万円、前年比109.5パーセント、計画比101.7パーセントです。経常利益率は8.7パーセントで、前年に比べ0.5ポイントの改善です。当期純利益は107億7,700万円、前年比108.9パーセント、計画比101.7パーセントです。引き続き、安全、安心な食を支え、環境面に配慮し企業価値向上に努めていきます。

経常利益 利益増減実績

経常利益は前年比14億1,200万円の増益です。原料価格の影響がプラス7億7,000万円、原料高騰による販売価格への転嫁影響がプラス10億5,000万円、オリジナル製品、新製品の販売ミックス改善効果がプラス8億5,000万円、生産、物流、グループ会社の貢献利益と経費増加が合わせてマイナス12億6,000万円です。

設備投資・研究開発費

設備投資は計画180億円に対して、122億1,400万円となりました。配送拠点の整備の投資が遅延したことによるものです。減価償却費は計画137億3,000万円に対して、実績135億3,200万円となりました。

決算 計画概要

2021年3月期の計画です。売上高は1,900億円、前年比102パーセント、経常利益は174億円、前年比106.9パーセント、当期純利益は112億9,000万円、前年比104.8パーセントを見込んでいます。

販売面は、電位レンジ対応容器や環境に配慮したエコトレー「エコAPET」容器において、最近では安全、安心な食への需要の高まりから、かん合折蓋式容器、テイクアウトやデリバリー用容器の販売拡大が見込まれます。感染予防対策を徹底した上で、通常どおりの安定供給に努めていきます。製品出荷枚数の前年比は103パーセントを見込んでいます。

経常利益 利益増減 見通し

経常利益は、前年に比べて11億3,000万円の増益を計画しています。原料面は2021年3月期第2四半期以降、当社製品原料の値下がりと、ナフサ連動の販売先への売価影響を見込んでいます。このスプレッドをプラス16億円、販売活動はプラス8億円、生産・物流は給与水準改善等でマイナス4億円、経費増加マイナス8億7,000万円です。

設備投資・研究開発費 計画

設備投資計画は233億円、減価償却費は139億円を見込んでいます。兵庫県に再生PET原料生産工場建設、中部、福山、九州配送拠点の整備拡充、働きやすい環境づくりとして社宅、グループホーム建設を計画しています。

連結配当性向は30パーセントを目途とし、上半期の配当額は40円、通期81円を予定しています。以上で、2020年3月期実績、2021年3月期計画の報告を終わります。

新型コロナウィルスの影響:小売の変化

佐藤守正氏:エフピコの佐藤でございます。まず初めに、今回新型コロナウィルスに感染された方々、とくにお亡くなりになった方々には心からお悔やみを申し上げるとともに、懸命に治療されている方々にお見舞いを申し上げます。また、感染者に懸命な治療をされている医療関係者の方々に、心から感謝を申し上げます。私どもの取引先であるスーパーマーケットのみなさまも、感染リスクを負いながら食の供給に懸命に努めています。心から感謝を申し上げます。

それでは、マーケットの状況からお話をします。この3月、4月は、新型コロナウィルスの影響で、とくに非常事態宣言が出てから、マーケットの状況が大きく変わりました。ご存じのとおり、スーパーマーケット、とくに地元のスーパーマーケットは非常に来店客が増え、精肉を筆頭に非常に売上がよいです。鮮魚も、寿司、刺身は良くないのですが、塩干を中心によいという状況です。

スーパーマーケットの惣菜はよくありません。代わりに、レストラン等々がテイクアウトを始めたということで、デリバリー、テイクアウトの容器が非常に伸びています。また、新型コロナウィルスのお話が出てから、いわゆるビュッフェ形式、バイキング形式の、大皿あるいはバラ売りの売り場が姿を消し、すべてパック売りになりました。

新型コロナウィルスの影響:容器需要動向

私どもの製品でいうと、いわゆる汎用のトレーあるいは精肉用のトレーが2桁以上の伸びを示していますし、かん合のフードパックも2桁の伸びを示しています。一方で、いわゆる行楽弁当や駅弁は前年比2割くらいの状況になっています。

デリバリーについては、非常に伸びています。後ほどご説明しますが、驚くくらいいろいろなところがテイクアウトやデリバリーをはじめているということで、トータルでプラスマイナスはありますが、エフピコにとっては今プラスの状況であり、3月は増産体制に入っていた状況です。

新型コロナウィルスの対策:食生活を支える企業として

私どもは食の供給の一翼を担っているということで、安定供給に努めています。今はほぼ欠品がない状態を続けながら供給しています。

また、EDI率が98.4パーセントとなっています。一部ファックス等があるのですが、青森と東京にコールセンターを設置しており、青森でコールセンターを拡大して対応しています。

そして、私どもはすでにほとんどクラウドの「Office 365」になっており、185台のモバイル端末を追加し、東京本社に関しては79パーセントがテレワークを実施しています。私自身は「テレワークでどこまでできるだろうか」と思っていたのですが、実際にテレワークを実施すると「けっこうできるな」と思いました。この騒動が終わった後も、勤務体系についてはいろいろ考えるところが出てきています。そのくらい、今回のテレワークは成功している状況です。

原材料の価格動向

一方で、ご存じのとおり、年初に64ドルをつけたWTIが一時期マイナスになり、現在も13ドルから16ドルなど、驚くくらい原油が下がっており、今後原料の状態がどうなるかがよくわからない状況です。私どもの粗原料の大元になるナフサ価格は、昨年の10月、12月は高値でした。したがって、私どもの素材で一番使っているポリスチレンについては、この4月に値上げをしています。

ところが、現在のナフサは急落しており、それが反映されるのは7月以降になります。どのくらいの値段になるかは、原油の値段やナフサの値段の動向によりますが、今の状況を見ると下がることは間違いありません。どこまで続くのかもよくわからない状況です。これについては、状況を見ながら判断しますが、私どもの原料価格に寄与するのは7月以降になります。私どもの製品ということで、反映するとなると下期になるかなと思ってはいます。

中食市場規模推移

そのような中で、世帯の高齢化ということで、いわゆる中食市場はまだ伸びています。

拡大するマーケット

ただし、伸びている中食市場に参入しているのは、以前はスーパーやコンビニエンスストアだけでしたが、レストランなどのデリバリーや冷食メーカーの参入が増えています。今回、家庭用の冷食は非常に伸びています。

スーパーのお惣菜がよくない理由の1つに、時間があるため総菜を買わずに調理する人が増えており、生鮮が増えているという分析もあります。もう1つは、「スーパーの総菜はきちんともうひと手間かけて美味しくしなければいけないんだ」と言っている方々もいます。

エフピコフェア:手間と効率の両立(スーパーマーケット)

3月に「エフピコフェア」を開催する予定でしたが、今回の新型コロナウィルスでフェアそのものの開催は中止にしました。ですが、ビックサイトで実際に開催する場合と同じ用意を行ない、無観客開催しました。その時のテーマが、「手間と効率の両立」です。

この新型コロナウィルスの騒動が起きる前から、先ほどお伝えしたように、中食に対するいろいろな業種の参入があり、スーパーの総菜はもっと美味しくしなければ太刀打ちができないという状況がありました。逆に言うと、もっと美味しいレストランなどのデリバリーが増えてくると、どうしても負けてしまうため、「手間をかける時間をどうやって捻出するのか」が重要だということで、「手間と効率の両立」をテーマにしました。

どういうことかというと、まず工場で容器に盛り付ける効率、あるいはそれに蓋を閉める際に、テープが要るか要らないか、蓋が閉めやすいかという蓋を閉めるときの効率、工場から店に輸送するときのクレートの効率、店の中でパイレッシュが移動するときにパイレッシュに何個載せられるかという効率、陳列するときの効率を、それぞれ少しでも上げられるような容器の開発を行ない、捻出した時間を手間に向けることをテーマにしたのです。

まさに、私どもがテーマにしたことが今起きており、今回無観客開催をしたのですが、社内のすべての関係者が、すべての売り場のテーマを長時間かけて勉強したことにおいては、けっこう大きな意味があります。それぞれの営業が自分のお客さま向けに、自分の意志で、自分の言葉で説明できる提案書を作っています。この新型コロナウィルスの騒動が収まったら、そのようなご提案がきちんとできる環境にあるということについては、非常にコストがかかりましたが、無観客開催をして良かったなと思っています。

新たなるマーケット 「宅配」

「出前館」と一緒に作りましたデリバリーに使う専用容器の「DLV麺」ですが、随分順調に増えており、4月に16倍になっています。16倍になっても欠品をせずにギリギリ生産できていることは私どもの自慢です。営業のいろいろな情報から「これは伸びる」ということで連続生産し、昨日二型目もでき、増産体制ができています。なおかつ、お客さまに迷惑をかけずに供給できたということです。

新たなるマーケット 「病院・介護食」 「冷凍」

病院・介護については日清医療食品を中心に増えています。また、伸びている家庭用の冷食は、私どもの「MFP」という冷凍までもつ発砲素材と、「OPET」という2軸延伸PETです。これも冷凍に強いということで、その特性を活かしながらご提案をしている最中です。冷食メーカーは大量生産をするラインで、そのライン適性を含めて採用には時間がかかりますのであまり焦ってはいませんが、いろいろな各社にこの素材の特性のご提案をしているところです。

海洋プラスチック問題 世界と日本の動向

海洋プラスチックごみ問題に関しては、昨年の夏のG20大阪の2週間前に「環境及びエネルギー担当閣僚会議」が軽井沢で開催されましたが、そのブースに私どもの「トレーtoトレー」も依頼があり、出店しました。

区分して考えるべき課題

マスコミの海洋プラスチック問題に関する取り上げ方は少々問題があると思っています。というのは、海洋プラスチックごみ問題なのか、脱石化CO2削減の問題なのか、あるいは一般廃棄物の問題なのか、産業廃棄物の問題なのかが混同しています。

区分して考えるべき課題①

例えばレジ袋の有料化に関して、バイオPEを25パーセント以上使用したら有料化の対象にならないという議論がある中で、そのバイオPEを使用するのが海洋プラスチックごみ問題に対応して……と報道するマスコミがいます。ところが、バイオPEは石油化学から作ったポリエチレンとでき上がりはまったく同じものですので、海洋プラスチック問題にはまったく関係ないのです。

要するに、バイオPEはサトウキビという二酸化炭素を吸収する植物から作るということにおいて、それを最終処理で燃やすときに発生するCO2をカウントしなくてもよいため、環境にやさしいということです。したがって、脱石化CO2削減の話なのです。ところが、マスコミの報道によって海洋プラスチックごみ問題と混同されているということです。

あるいは、生分解性プラスチックというものがありますが、現時点ではほんの一部を除いて、生分解性プラスチックは海では分解しません。したがって、現時点ではこれも直接海洋プラスチックごみ問題の解決に繋がるものではないということです。マスコミでもう少し正確な報道をしていただけたらなと思っています。

区分して考えるべき課題②

また一般廃棄物は、日本において各自治体が適正に処理をしています。例えば、ストローなどは一般廃棄物ですが、ポイ捨てさえしなければ適正に処理されています。一番問題になっているのは、ごみの半分である産業廃棄物です。これは都道府県単位で処理していますが、輸出しているものが止まったときに処理能力が足りなくなる可能性があります。先ほどお伝えしたストローが産業廃棄物か一般廃棄物かを混同して報道されていることについても、正確な報道をしていただければなと思っています。

家庭ごみ(一般廃棄物)におけるプラスチックのリサイクル

例えば、私どもの発砲の白いトレー、あるいはペットボトルはどの会社が作っても単一の素材なのです。ペットボトルはポリエチレンテレフタレートという単一の素材、発砲の白いトレーはポリスチレンという単一の素材です。これはリサイクルする技術が確立されているため、リサイクルするべきだと私は思います。

一方で、私どもの耐熱性の素材や、一番量が多いワンウェイという意味でいわゆる軟包装といわれているお菓子の袋等々については、複合素材ですので非常にリサイクルしにくいです。これは、一般廃棄物という意味につおいては、今はほとんどの自治体が生ごみと一緒に燃やしています。石油からできているプラスチックは燃焼温度が高く、燃やすのが一番よいというのが日本の事情です。

アメリカやヨーロッパはまだ埋め立てが非常に多く、プラスチックを燃やすと言うと、新たなCO2を出すという論調に巻き込まれます。しかし、日本はそもそも生ごみを燃やしていますので、量にもよりますが、助燃剤として重油の代わりになるという意味において、日本の現在の一般廃棄物に関しては燃やすのが一番よいだろうと思います。

【エフピコ方式のリサイクル】

一方で、先ほどお伝えたトレーあるいはペットボトルに関して言えば、6店舗から始まりました私どものリサイクルは、消費者のご協力を得て今は9,390ヶ所で回収しています。

リサイクルの啓発活動

これについては、「回収量がもっと増やせるのではないか」ということで、タレントのLiLiCoさんを起用し、「トレーについては、ごみではありません」「使い捨てではありません」「回収ボックスに持ってくれば資源です」という啓蒙活動を去年から始めています。今年はサッカー台にも「トレーは洗ってリサイクルボックスへ」というステッカーを貼り、啓蒙活動に努めていきたいと思っています。

プラスチック資源の回収

ペットボトルに関しては、500mlに換算して約29億本をリサイクルしています。トレーも20億枚くらい集めていますが、さらに増やしていけるのではないかと思います。

エコトレー・エコAPET CO2削減

また、私どものマテリアルリサイクルは、スライドの下の図にあるように、原油から多くのプロセスを経て粗原料になるところを省くことができます。原油から作るよりもCO2負荷が30パーセント低く、私どものエコ製品をお使いいただくと、30パーセントCO2負荷の低い資材を使うことになり、使用量に応じて各社がCO2の削減に貢献しているということです。したがって、各社が「CO2削減に貢献するためにエコトレーを使おう」ということで、私どものエコ製品の使用が増えているわけです。

リサイクル投資とエコ比率

リサイクルに関しては、ずっと投資をしてきていますが、おかげさまで原料として年間6万トン作るところまでPETの再生の能力を上げることができました。私どもの製品の99.9パーセントくらいでエコ化が進んでいるのではないかと思っています。

エフピコ環境基金の創設

一方で環境に関しては、私ども1社でできることは限りがあります。実際に、日本ではポイ捨てする方はほとんどいないと思います。一方で、風で飛んだり災害で流れたりなどして、いくらかのプラスチックのごみが川や海に出ていることも事実です。

そのようなごみ問題に対して、いろいろな活動をしているNPOやNGOといった団体に少しでも活動のサポートができないかということで、このたびエフピコ環境基金を設立しました。発表したのは4月1日ですので、下期からの活動になりますが、下期からはいろいろな活動をしている方々にサポートできればなと思っています。

外部評価:直近のテレビ放映

リサイクルや容器の使い方、生から総菜など、いろいろな観点からこの一年間でマスコミにかなり取り上げられました。スライドに一覧を記載していますが、本当にありがたいことだと思っています。

物流費上昇

そして、物流の状況です。何度もお伝えしていますが、私どもが運航を全て管理している自社便の比率が年々上がっており、直近では97.4パーセントとなっています。一般路線便にお願いしているのは2.6パーセントになりました。自社便については、若干コストが上がっていますが、路線便はさらに値上げが続いている状況です。典型的な業界で自社便が60パーセント、路線便が40パーセントというメーカーと比較すると、物流費売価比率で4パーセント以上の開きがあるのではないかと思っています。

効率改善(物流部門)

引き続き、音声ピッキングもいろいろな工夫をしながら効率が上がっています。センター間の横持ちに関しては、パレット輸送に変えており、前後の積み込みと荷下ろしの時間が短くできます。一方で、積載効率は下がることを勘案すると、路線によってはパレットが効率的だということで、今は5路線ですが順次拡大する予定です。

物流費上昇を抑制する取組み(販売配送)

スライドに記載していますが、自社便比率も2019年3月の段階の97.2パーセントから97.4パーセントへ0.2パーセント増えました。その結果、1台あたりの積載効率もアップしています。

物流ネットワーク増強

九州と福山と中部の配送センターの増強ということで、九州配送センターと福山配送センターが現在工事中です。中部ももう少しで始まります。中部には関東、八王子、福山の次に自動ソーターを設置するということで、今回は投資金額が若干少ないのですが、これはそれぞれの配送センターの着工及びその支出がずれていることが大きな要因です。

自然災害とBCP

BCPについては、全国の21施設すべてに自家発電装置が設置してあります。一昨年に初めて北海道で自家発電装置が動いたのですが、今までいろいろな自然災害で3回動いています。このような設備は動いてほしくないのですが、一方で「やって良かったな」とも思っています。

人への投資① 自動化

人への投資による自動化ということで、生産部門については自動化に関わる設備42台が動いており、これを58台まで増やそうと思っています。物流部門もAGVという自動搬送機が29台ありますが、これを33台に増やす予定です。そして、無人フォークリフトを今期初めて2台導入する予定です。

私どもが急激な市場の変化に対応できたことにもっとも貢献しているSCM部門ですが、今は1万2,000アイテムあります。このうち5,100アイテムについて、AIを使って人間よりもいろいろなことを学びながら精度を上げる仕組みに変えています。まだ、これがものすごく効果を出したということではありませんが、いろいろなデータが積み重なっていくとさらに精度が上がってくるのではないかと期待しています。

また、非常に細かい合理化の積み重ねですが、RPAの活用ということで、年間6,000時間削減できているのを、1万時間まで削減しようということで、各部門でどういう仕事がRPAになるのかということや、この仕事はいらないのではないかという見直しも含めて、いろいろな合理化を行なっています。

人への投資② 働く環境整備

「独身寮PicoHouse」の1号館が関東に、2号館が中部にできていますが、昔の独身寮をスケルトンでもう一度作り直し、このたび3号館ができ上がりました。小さいのですが、福山にも4号館がもうすぐできる予定です。

また、あとでお話ししますが、13パーセントを超える障がい者を雇用しています。障がい者の方々は、ご両親が高齢になる、あるいは亡くなると非常に大変だということで、初めてのトライアルになりますが、福山に障がい者用のグループホームを作りました。この5月から運営が始まりますが、このグループホームが軌道に乗りましたら 関東にもご用意しようと思っています。

いろいろな臨時制度を含めて、働く環境の整備に努めています。先ほど冒頭にお伝えしましたが、今回テレワークをしてみて「これはなかなかよいのではないか」と思っているところもあり、「朝から晩まで会社にいなくてもよいのではないか」と思うようになってきています。これについては、新型コロナウィルスの騒動が落ち着いたあと、実際にテレワークをした人たちの話を聞きながら新しい制度を作っていこうかなと思っています。

能力を最大限に活かすダイバーシティー経営

障がい者の3月末の時点での雇用人数は358名で、そのうち8割弱が重度です。重度は雇用数では2と数えますので、雇用数は615名で、グループ全体の従業員で割ると障がい者雇用率は13.3パーセントです。去年の3月は13.6パーセントでしたので、0.3パーセントほど下がりましたが、これは分母が多くなったということであり、まだ高い比率の効用が維持できています。

お客様の障がい者雇用をサポート

それ以外に、お取引先を中心にいろいろなところからどういったかたちで障がい者を雇用できるのだろうか、というご相談を受けており、結果的にそこで特例子会社等を作られて、障がい者を雇用している人数は50事業所667名になりました。障がい者の雇用の拡大にエフピコとして少しでも寄与できていることについてはうれしく思っています。

フロアホッケー活動 障がいの有無を超えた交流

3月に福山に新しい総合体育館ができ、「エフピコアリーナふくやま」というネーミングライツを取得しました。非常に素晴らしい総合体育館であり、そこでフロアホッケーの西日本大会を行なう予定だったのですが、新型コロナウィルスの関係で延期になりました。残念ですが、新型コロナウィルスが落ち着き、この体育館で西日本大会を開催できるのを楽しみにしています。

外部評価①

ご存じだと思いますが、昨年「FTSE4Good」というロンドン証券取引所の格付け機関で世界の1,034社の1社に選ばれました。また、日本の「FTSE Blossom Japan」で179社の1社として選ばれました。

外部評価②

「The Japan Times」という日本の英字新聞社の「Satoyama & ESG Awards」に丸井グループ、エフピコ、そして年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の3つが選ばれたのは非常に名誉なことだと思っています。

エフピコグループのインフラ

成長戦略についてです。エフピコの情報システムや物流システムなど、すべてのインフラを使って、私どものグループ内あるいはグループ資本がない企業も含めて、トータルのサプライチェーンをいかに効率的にするかが、最終的にエフピコの成長に繋がると考えています。

包装資材のECサイト“パックマーケット”

例えば、デリバリーやテイクアウト等で、私どものECサイト「パックマーケット」が非常に評価されています。まだまだですが、この4月は取り扱いが3,000万円を超えました。来年の3月には月あたり1億円にできるのではないかと思っています。全国の有力問屋に代理店になってもらい、ネットワーク化していくことと、そのリーダーさまに対して、私どものいろいろな情報システムをお使いいただくという両面で、私どものサプライチェーンを強化しようと思っています。

エフピコの成長戦略

まずは売上2,000億円、経常利益200億円を目指していますが、これはほとんど見えたかなと思っています。この延長上にいろいろな面を含めて対応し、長期的には売上3,000億円、経常利益300億円を目指したいと思っています。簡単ですが、エフピコの状況をご説明しました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。