2020/3期1Q 業績総括

三井俊治氏:本日はお忙しいなか、株式会社ユナイテッドアローズの2020年3月期第1四半期決算説明会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の進行を務めます、IR広報部の三井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

最初に第1四半期の概況を私よりご説明いたします。続きまして、重点取組施策の進捗などについて代表取締役の竹田よりご説明いたします。

なお、本日の説明会では、業績の説明についてはおもに総括のページを中心にご説明いたします。詳細は各ページをご覧いただけますよう、お願い申し上げます。4ページは業績の総括です。

まず、連結PLのご説明です。売上高は前年同期比で103.1パーセント、経常利益が119.0パーセントの増収増益となりました。

売上総利益率は前年同期からマイナス0.1ポイントの54.7パーセント。おもに天候要因のマイナス影響などによる値引き販売の増加が要因です。

販管費率につきましては、前年同期からマイナス1.3ポイントの46.4パーセントです。株式会社コーエンの宣伝販促費、株式会社UAの固定費の減少などがおもな要因です。

営業利益につきましては、前年同期比で121.2パーセント、経常利益が同じく119.0パーセント、四半期純利益が同じく122.1パーセントとなりました。

続きまして、単体の売上高です。既存店の売上高前年比は102.2パーセントとなっております。小売が98.3パーセントと若干前年を下回っておりますが、ネット通販が114.5パーセントと伸長し、小売プラスネット通販で前年をクリアいたしました。

チャネル別ではネット通販が引き続き2桁増で、売上構成比が20.8パーセントとなりました。

既存店の客数でも小売が前年を若干下回っておりますが、小売プラスネット通販が前年同期を上回り、100.2パーセントとなりました。

続きまして、たな卸資産のご説明です。たな卸資産の前年同期末比は102.1パーセントです。売上高の前年同期比は103.1パーセントですので、これを下回る進捗となります。

続きまして、出退店についてです。第1四半期のグループ合計の出店数が5店舗、退店数が2店舗、第1四半期末の店舗数は361店舗でございます。

通期の見込みはグループ合計で出店が20店舗、退店が13店舗、期末店舗数が365店舗となっており、前回のご説明よりも2店舗ほど増加しております。

続きまして、グループ会社の進捗のご説明です。おもな連結子会社の状況をご説明いたします。フィーゴは減収減益となりました。コーエンは増収増益、CHJPは減収増益となっております。

以上が業績の総括のご説明でございます。

続きまして、代表取締役社長執行役員の竹田より重点取組施策の進捗をご説明いたします。

物流センター 再編 進捗報告①

竹田光広氏:改めまして、竹田でございます。本日はご多忙のところ、また非常にお暑いなか、弊社の説明会にご出席をたまわりまして誠にありがとうございます。

今期は新経営理念を軸に、中期最終年度の計画必達を方針として掲げており、中期計画仕上げの年としてさまざまな施策を進めております。本日はそのなかで投資家の方々より多く質問をいただいている、2019年3月期に大型投資を行った物流センターの再編と、同じく2019年3月期から導入の拡大を進めているRFIDの導入状況について、進捗報告と今後の取り組みなどを説明させていただきたいと思います。

最初に、物流センターの再編についてです。当初はレギュラー事業の物流拠点である流山センターと、アウトレット事業の物流拠点である柏の葉センターの2ヶ所に集約する予定でございましたが、その後の運営状況に鑑み、流山と柏の葉を主力センターと位置付けた上で、ほかの小型センターも状況に応じて使い分ける方向性に変更しております。

具体的には、流山センターで行っていた自社輸入商品への品質表示タグの添付やもろもろの作業、店舗や通販サイトからの返送品の畳み直しなどの各種付帯業務、そして一部小型事業の入出荷につきましては、柏の葉を含む数センターに分散することにいたしました。

当初は、これらの業務もすべて流山センターで行う予定でしたが、センター内にさまざまな業務が混在することで作業が複雑化し、本来注力すべき入出荷業務に支障をきたす可能性が見えてきたため分散することにいたしました。

2019年秋に予定している自社EC運営の内製化を考慮した場合、流山センターは商品の入出荷と自社EC運営に特化し、その他の付帯業務をほかのセンターに移管したほうが運営上のリスクと混乱が少ないと判断した次第でございます。

物流センター 再編 進捗報告②

続いて、センター再編による定性効果ならびに定量効果について説明させていただきます。定性面では物流業務が安定しつつある状況でございます。マテハン機器の導入により少人数運営が可能となって、効率的に安定した作業が行えている状況です。

今回の再編により、自社EC運営の内製化も可能となっております。2019年秋の運用開始に向け、自社EC専用ラインの追加や物流センター内のお直し工房の増設などさまざまな環境整備を進めている状況でございます。

定量面ではマテハン機器による自動化にともない1商品当たりの出荷コストが半減しております。再編前に比べて年間で約2.7億円程度の削減効果を期待しております。

加えて、RFID読み取り機器を導入したことで入荷検品の作業工程も減り、再編前に比べて年間で1,000万円程度の削減効果が期待できる状況でございます。

それでは、ここで物流センターの現状の映像をご紹介します。まず最初に、商品入荷であります。ほとんど人の手を介さず、コンベアに乗った商品が自動入荷されている状況です。

続いて商品出荷についてです。自動倉庫から出庫された商品は、ピースソーターを通じて各店別の段ボールにほぼ自動で装入され送られるという状況です。

最後に入荷検品ですが、設置したRFID読み取り機器を通すだけで入荷検品が終わり、作業工程の削減に加えて商品入荷から計上までの時間も大幅に短縮しております。

次に、今後の方向性をご説明いたします。自社EC運営の内製化に向けて、流山センターは各種オムニチャネルサービスの鍵となる施設になっていきます。店舗で決済して物流センターから直送したり店舗で取り扱いのない商品をご希望の店舗に配送するのに加え、お直し済み商品の配送やギフトラッピング対応など、実店舗とネット通販の垣根をなくす取り組みの多くはこのセンターで実現されることになります。

現段階では一部小型事業の在庫管理をほかのセンターに分散するため当初の見込みより運営コストは上がる見込みですが、将来的にはすべて流山に集約し、実店舗とネット通販をシームレスに繋いだうえで、在庫を効率的に運用していくための最重要拠点にしたいと考えております。

RFID導入 進捗報告①

続きまして、RFID導入の進捗状況についてです。以前から導入していたグリーンレーベル リラクシングとコーエンに続き、2019年3月期よりドゥロワー、オデット エ オディール、ステーション ストアに加え、ユナイテッドアローズとエメル リファインズへと、事業単位で段階的に導入を進めてまいりました。

今後は、2019年9月のユナイテッドアローズ総合展ならびにビューティ&ユースをもってレギュラー事業の導入を完了します。そのあかつきに、2021年3月期にはアウトレット事業を含む全社の展開を予定しております。

RFIDのおもな効果としては、店舗運営における棚卸し業務の大幅な効率化と会計待ち時間の短縮が挙げられます。加えて、先ほどのご説明のとおり物流コストの低減にも繋がってまいります。

RFID導入 進捗報告②

次に、棚卸し業務における具体的な効果につきましてご説明します。直近で導入したユナイテッドアローズ、ドゥロワー、オデット エ オディール、ステーション ストアを対象とした棚卸しの実態調査において、棚卸し業務にかかる作業工程の大幅な見直しと精度向上により、人員数と総作業時間に大きな削減効果が出ております。

導入前後の比較においては棚卸し1回当たりの人員数が52.6パーセント減、総作業時間は88.2パーセント減となっております。削減した時間を接客や販売に直結する各種業務にあてることで、販売力の強化および向上に繋がると考えております。今後の全社導入により、さらなる効果の拡大を期待しております。

RFIDの活用拡大にともない、将来的にはどの商品がどの場所にあるかリアルタイムでわかるようになり、棚卸し作業を極力減らすことができるなど在庫管理の精度が向上すると考えております。

その他、RFIDデータをスマートフォンアプリやデジタルサイネージと連動させたかたちでご来店時にお探しの商品が置いてある場所をご案内したり、お客さまの手に取られた商品に合わせてオススメの商品やスタイリング提案をするなど、新たな買い物体験の実現に向けて継続検討してまいります。

最後に、UAグループ中期ビジョンの最終年度となる2020年3月期は売上・利益ともに順調な滑り出しではあるものの、不安定な天候要因やネット通販の拡大などにより実店舗の売上・客数に影響が出るなど、1年前とは大きく環境が変わり始めております。

この変化に早急な手当を行い、中期最終年度目標必達に向け全社を挙げて取り組む所存でございます。引き続きご指導ご鞭撻、そしてご支援をいただけると幸いでございます。

ご清聴ありがとうございました。