2019年9月期1Q業績 サマリー

尾下順治氏:アクセルマーク代表の尾下でございます。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。さっそくではございますが、説明を始めさせていただきます。まず、2019年9月期第1四半期の業績概要からご説明いたします。

こちらの(スライドの表の)内容は、(2018年)2月8日に、業績予想の修正というかたちで既に数字を発表させていただいております。おさらいとなりますが、内容について(ご説明します)。

売上高が7億1,300万円、営業利益がマイナス1億4,300万円、経常利益がマイナス1億4,400万円、純利益がマイナス1億4,500万円となりました。いずれも、業績予想として従前発表させていただいておりましたものを下回る結果となりました。

2019年9月期1Q業績 セグメント別サマリー

内容について、少し詳しくご説明いたします。まず、ゲーム事業は、昨年(2018年)8月末に、主力タイトルの1つとして『マジバト』、正式名称は『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』をリリースしました。こちらは順調に300万ダウンロードを突破し、また現在進行中の第2四半期におきましては400万ダウンロードを超え、順調にダウンロード数を伸ばしているという状況です。

一方で、複数のゲームタイトルにおいて不具合等が発生し、またその不具合を起因として、いわゆるメンテナンスモードという、プレーと課金ができない状態になりました。このあたりを受けて、売上高が予想を下回りました。

(スライドの)中段の広告事業は、堅調に推移いたしました。主力サービスであるアドネットワーク「ADroute」に関しては、一部顧客さまから広告出稿方針の変更等があり、売上に影響を与える事象も発生してはおりましたが、それを十分に取り戻して堅調に推移しています。

また、同じく主力サービスとして、今後の収益の柱として育てるべく取り組んでおります「トレーディングデスク」は、QonQで増収になりました。これを受けて、広告事業に関しては、この第1四半期としては過去最高の売上高を達成することができました。

また、サービスを絞り込んで収益化を目指している新規事業群のaE(and Experience)事業では、主力サービス「くじコレ」で第4弾を実施いたしました。第2四半期に入ってからも、既に第5弾・第6弾を実施しています。

また、ブロックチェーンゲーム関連のWebサービス「PlayDApp」においては、この「PlayDApp」を経由して、対象となるブロックチェーンゲームにログインするユーザーさまが非常に増えているということで、この市場が確実に盛り上がっていることと、この「PlayDApp」というサービスのプレゼンスが上がっていることを実感しているところです。

セグメント別売上の四半期推移

こちら(スライド)の図は、(セグメント別売上の四半期推移を)グラフにまとめたものです。前年同期比では、3事業とも増収を果たしております。YonYで見たときには堅調ですが、直前の四半期からは少し売上を下げるかたちになっております。

業績の四半期推移

全社の業績です。売上高が業績予想を下回った影響を受け、QonQでは営業損失が拡大となっております。今後、このあたりをしっかり取り戻していきたいと考えております。

損益計算書四半期推移

損失計算書概要の四半期推移の表です。損益的には、引き続き新規タイトル群やブロックチェーンゲームといった、まだ収益貢献していないものに対する開発投資等が先行しているという状態であり、四半期の成績としては営業赤字となっております。

賃借対照表概要

続きまして、貸借対照表の概要についてご説明いたします。数字はご覧のとおりです。自己資本比率は44.0パーセントと、財務的には引き続き健全な水準を保っていると考えておりますが、今後も事業投資を行ってまいります。そのためにも、今後、財務体質の強化を図っていきたいと考えております。

以上、第1四半期の業績概要について、ご説明させていただきました。

ゲーム事業:ゲームタイトル一覧

続きまして、各事業の状況についてご説明いたします。まず、ゲーム事業です。現在、当社では2本の運営タイトル、そして2本の開発中タイトルを有しております。

なお、ブロックチェーンゲームに関しては、こういった(スライドの図のような)従来型のアプリゲームの開発進捗管理とは異なる手法となりますので、ここには記載しておりません。

こちらの(スライドの)図の中で、1タイトルに動きがございました。この第2四半期に入って、プロジェクトコードネーム『PP』と呼んでおりますゲームが、いよいよ最終フェーズに入り、プラットフォームに申請していくバージョンの開発へとフェーズ移行しております。次ページから、こちらの『PP』について、少しページを割いてご説明してまいります。

プロジェクト:PP①

『PP』は、グローバルに向けて配信していく予定のタイトルとなっており、これまで5つのステップに分けて、ローンチまでのフェーズを切っておりました。3ヶ月前の(2018年9月期通期)決算説明会の場では、STEP2の海外でのプレーテスト、課金テストまで終えたフェーズであるとご説明しておりました。

その後、STEP3としてパブリッシャーさまとの配信交渉に進んでおりました。いくつかのパブリッシャーさまからありがたい引き合いをいただいたのですが、どれだけ多くのユーザーさまの手に取っていただけるかという部分や、当社としての収益性等、さまざまなバランスを総合的に勘案した結果、今回のこのプロジェクト『PP』に関しては、自社パブリッシングとし、当社のアカウントで配信していくという方針に決定いたしました。これをもって、STEP3が終了となります。

次のSTEP4以降には変更がございます。従前ですと、STEP4のところを、いわゆるソフトローンチといわれる手法……正式サービスインでありつつ、国や地域を絞ってサービスをローンチさせ、そこからしばらく運営の内容やKPIの改善を図るという手法を用いる予定だったのですが、今回は、日本国内における一般ユーザーさま向けのβテストというフェーズを挟むことにいたしました。

それぞれのプラットフォームで、テストフライトあるいはβテストといわれる、一般ユーザーさま向けに遊んでいただけるテスト用の機能を有していらっしゃいます。今回は、このプラットフォームが提供する機能を使うことによって、一般ユーザーさまに普通に遊んでいただけるβテストを実施することになります。

そして、そこでしっかりと、大きなバグがないことや、安定した運用ができること、ユーザーさまに十分に楽しんでいただけるパフォーマンスやKPIが出ること等を確認した後に、次のSTEP5として日本国内での正式ローンチを予定しております。

そこでの安定稼働を見極めた上で、いよいよグローバルにローンチしていくというかたちで、STEP4・STEP5というフェーズを経てグローバルローンチを目指す方針に変更いたしました。

プロジェクト:PP②

このようなステップを経て、ローンチに向かっていくプロジェクト『PP』ですが、あらためてこちらの正式名称を『COLOR PIECEOUT』に決定いたしました。

COLOR PIECEOUT(カラーピーソウト)①

今回は、グローバルに展開することを強く意識したタイトルとなっております。どの国や地域の方にとっても比較的理解しやすい、入り込みやすい世界観ということで、ニューヨークを舞台としたミステリーストーリーを、パズルを解くことによって進めていくというようなゲーム内容となっております。

ゲームそのものの、いわゆるコアエンジン、コアシーケンスといわれる部分は、マッチ3パズル……3つのピースを合わせることによってパズルを解いていくというものです。これは、世の中にたくさんのヒットタイトルがあるジャンルとなりますので、ユーザーさまとの親和性があり、十分に理解が進むものと考えております。

ただ、いままさに申し上げたとおり、既にたくさんのヒットタイトルがあるジャンルとなっておりますので、しっかりと差別化を図っていく必要がございます。

COLOR PIECEOUT(カラーピーソウト)②

我々としては、ジャパンテイストといいますか、日本のゲームデベロッパーとして、しっかりとクオリティの高いコンテンツを提供していくことを考えております。

ゲームには、パズルゲームというインゲームの部分と、パズルを解くことによって進んでいくアウトゲームの部分がありますが、インゲーム・アウトゲームのどちらも比較的カジュアルなものがやはり多いのかなという中で、我々は、しっかりとアニメーション等を入れたリッチな表現を加えていこうと思っております。ストーリーの大事な部分やゲームのオープニングで、世界観にぐっと入りやすくなるようなムービーを提供することを予定しております。

COLOR PIECEOUT(カラーピーソウト)③

いまご覧いただいている画像は英語版となっておりますが、このようなかたちで、開発としてもかなり完成が近付いてきたところです。βテストというかたちではありますが、間もなくみなさまのお手元にお届けできるかと思いますので、ぜひその際にはお手に取って遊んでみていただければ幸いでございます。

以上、プロジェクトコードネーム『PP』、正式名称『COLOR PIECEOUT』についてご説明いたしました。

ブロックチェーンゲーム市場

次に、ブロックチェーンゲームの現状についてご説明いたします。まず、こちら(スライドのグラフ)は、他社さまのタイトルですが、昨年末(2018年末)にリリースされた、『My Crypto Heroes』というブロックチェーンゲームの現状についてのご報告です。

ブロックチェーンゲームはその性質上、トランザクション、いわゆる取引の内容が、すべてブロックチェーン上で、誰でも見られる状態になります。その機能を使って我々が独自に集計した、『My Crypto Heroes』のこれまでの取引数がこちら(スライドのグラフ)でございます。

これを見る限り、もちろんゲーム内のイベントや新しいアイテムの売り出し等で、多少の凹凸はありますが、右肩上がりに順調に取引量が増えているということが見てとれるのではないかなと思います。

かなり懐疑的に見られる向きもあったこのブロックチェーンゲームという領域ですが、ユーザーさまの熱量やプレーシーンは着実に増えてきているのかなと考えております。

コントラクトサーヴァント -CARD GAME-①

これに対して、我々が取り組んでおります『コントラクトサーヴァント -CARD GAME-』のご紹介をさせていただきます。

最新の情報に関しては、「Medium」というブログサービス上に当社のアカウントを作成し、逐次ご説明ならびに配信をさせていただいておりますので、ご興味のある方はぜひご覧いただければと思います。

現在開発中のこのタイトルは、ブロックチェーンで定義されているカード……ノンファンジブルトークンというかたちで、トークンとして定義されるカードを使ってバトルをしていくゲームになっております。

コントラクトサーヴァント -CARD GAME-②

このバトルがどのぐらい面白いかというところを、実際に自分たちで検証してみよう、さらには、それによってゲームバランスを整えていこうということで、ちょっと変わった取り組みを行っております。

ペーパークラフトのようなかたちで自分たちでボードゲームをつくって、ゲーム(『コントラクトサーヴァント -CARD GAME-』)と同じルールを使って対戦していくというものです。

リアルな紙のカードゲームをつくる際にも、同じような手法を使って、ゲームバランスを調整したり、ゲームとしての面白さの検証をしたりします。何度も何度もプレイを繰り返すことによって、本当に面白いゲームになっているかを確かめます。

コントラクトサーヴァント -CARD GAME-③

開発も進めておりまして、こちら(スライドの画像)が現在開発中のバージョンのゲーム画面です。このように、3×5マスの陣地に対して8枚のカードを配置し、それぞれが有する機能で相手のデッキと戦っていくというカードゲームになっております。

昨今、ブロックチェーンゲームでもかなりクオリティの高いゲームがリリースされたり、または準備・開発されているという状況を受けて、我々も十分にトップを取れるようなクオリティのものを出していこうということで、取り組んでいます。

まだまだ2Dの絵を使っているものが多いんですけれども、さらにここに3Dモデルを加えて、3Dモデルがそこでバトルをしているようなものをブラウザ上で実現するというように、最新の技術を使ったリッチな表現を目指しております。

こちらについても、先ほど申し上げた「Medium」および公式Twitterアカウントで逐次情報発信させていただいておりますので、ぜひそちらもご覧になっていただければと思います。以上、ゲーム事業および各新規タイトルの状況についてのご説明とさせていただきます。

広告事業の状況

続きまして、広告事業の状況でございます。過去最高の第1四半期売上を達成した広告事業では、2つの主力サービス、「ADroute」および「トレーディングデスク」が、それぞれ堅調に推移しております。

「ADroute」に関しては、この好調を維持し、さらなる成長を模索するため、PC向けの配信機能の開発を終えました。第1四半期中にテスト配信を終え、第2四半期から本格的な配信を開始しております。かなり順調に伸びてきておりまして、今後しっかりと収益貢献してくれることが期待されます。

また、「トレーディングデスク」もQonQで増収いたしました。さらなるサービス拡大に向けて、営業・運用ともに力を入れて取り組んでいるところです。広告の特需期ということもあり、順調に推移しております。

ADroute(アドルート)

「ADroute」に関しては、新しい技術の採用について、1つお知らせがございます。既にプレスリリース等でもご説明させていただいている内容ですが、「ADroute」にクロスデバイスマッチングといわれる技術を採用いたしました。

みなさまの日常的なインターネットの利用シーンを思い浮かべていただけると非常にわかりやすいのですが、スマートフォンで見るサイトもあれば、会社で仕事中にPCで見るサイトや、家に帰ってPCで見るサイトもありますし、あるいは家のソファーでタブレットでWebを閲覧するなど、いろんなインターネット利用シーンがあると思います。

(クロスデバイスマッチングは)そういったものを、ビッグデータを使って推測し、特定の方に対して最も効果の高い広告を配信していくという技術でして、データを重ねれば重ねるほど精度が増していくという性質のものです。テスト配信フェーズを経て、いまは本格運用に入っていますが、非常に高い効果が出ておりまして、クライアントさまにもたいへんご好評いただいております。

さらに、先ほど申し上げたとおり、「ADroute」はPC展開も開始いたしましたので、今後はPCとスマートフォンの両面から、特定したユーザーさまに向けてマッチングした広告を配信することが期待されます。今後も、こういった技術をどんどん活用することによって、クライアントさまにとって、またユーザーさまにとっても最適な広告配信を目指してまいります。

and Experience事業の状況

最後に、and Experience事業の状況についてご説明いたします。and Experience事業では、昨年度、さまざまなサービスの立ち上げに注力してまいりました。そして今年度は、立ち上げたサービスの中で有望なものに絞り込んで収益化していくということに尽力しております。

その注力分野がこの(スライドに挙げた)3サービスでございます。まずは、オンラインくじサービス「くじコレ」。こちらは、第4弾としてグラビアアイドルの岸明日香さんにご登場いただき、オリジナルグッズ等の販売を行いました。

そして第5弾として、有名グラビアアイドル7名の方々のオリジナルグッズが当たる「くじコレ」。さらに第6弾として、これは非常に特徴的かなと思っておりますが、たいへん人気のあるオンライン連載の四コママンガ『ふしぎねこのきゅーちゃん』のオリジナルグッズが当たる「くじコレ」を実施させていただきました。どちらも好評のうちにくじの開催期間を終えることができました。

続きまして、有名人応援アプリ「.yell plus」です。こちらは、今後もさまざまなカテゴリの有名人の方を追加していきます。また、さまざまな賞レースといわれるイベントを実施することによって、引き続き有名人とファンの方のエンゲージメント、結びつきを高めていくような取り組みを行ってまいります。

そして最後に、「PlayDApp」および「 Blockchain Game info」という、ブロックチェーンゲーム関連のWebサービスでございます。どちらも順調にユーザーさまが増えております。

まだまだブロックチェーンゲーム自体のマーケットが小さいということはあるんですけれども、我々がつくっている『コントラクトサーヴァント -CARD GAME-』もそうですが、この「PlayDApp」や「 Blockchain Game info」といったサービスにおいても、ブロックチェーンゲーム市場や業界における当社アクセルマークのプレゼンスは、着実に高まってきてるなというのを、ひしひしと感じております。こういった総合的な取り組みにより、ブロックチェーンゲームのトップランナーとなれるよう、今後も取り組んでまいります。

オンラインくじサービス くじコレ

「くじコレ」の補足です。こちらが、第4弾・第5弾・第6弾として実施させていただいた「くじコレ」の内容です。今後もたくさんのくじを予定しておりまして、いまのところ第7弾・第8弾までの実施が決定しております。

第7弾・第8弾は、これまでの内容と少し毛色を変えたくじになるんですけれども、どちらもアニメコンテンツのオリジナルくじを実施する予定となっております。タイミングが来ましたらプレスリリース等でみなさまにお知らせしてまいりますので、ぜひその際にはご覧いただければと思います。

以上、各事業の状況についてご説明させていただきました。

2019年9月期 2Q業績予想

次に、2019年9月期第2四半期業績予想についてご説明いたします。第2四半期の業績予想としては、売上高が7億2,200万円、営業利益がマイナス1億6,800万円、経常利益がマイナス1億7,100万円、純利益がマイナス1億7,100万円と予想しております。

まず概要といたしまして、現状ではこちらには先ほどご紹介した新規ゲームタイトルやブロックチェーンゲームの売上を見込んでおりません。一方で、ご説明したとおり、どちらも完成度が高まってまいりまして、これから徐々にリリースに向けた準備が始まってくるという状況です。

リリース直前ということで、チーム体制の拡充や人員の増強、またプレプロモーションといわれる、サービスリリース前のプロモーションが始まってまいりまして、そのあたりの費用は従前よりも増えております。

業績の見通しについて

売上に関しては、「トレーディングデスク」で大型の受注をいただいており、売上を伸ばす要因となっています。一方、ゲーム事業に関しては、第1四半期に、とくにグロス計上で売上に大きく寄与していた『ワクサガ』(『ワールドクロスサーガ』)の運用移管を行い、我々の売上が減ることになりました。その他の既存サービスに関しては、比較的保守的に見ております。

費用に関しては、先ほど申し上げたとおり、リリース前にかかる費用が発生し、増加していく見込みとなっております。

これを受けて、事業ごとの対策として、まず『マジバト』(『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』)では、中長期的にしっかりと収益に貢献していくべく、機能の改善を通じたKPIの改善等を図っています。この第2四半期に入っても、機能の改善等を実施しており、それにつれてKPIもどんどんよくなってきているところですので、今後もしっかりと取り組みを続けていきます。

プロジェクト『PP』こと『COLOR PIECEOUT』は、先ほど申し上げたとおり、次のフェーズのユーザー向けβテストをしっかりと成功させることによって、なるべく早く正式リリースにこぎつけられるように準備を進めてまいります。また、国内でのサービスを成功させて、しっかりとグローバルに打って出るというところも、あまり時間をかけず、速やかに実施していきたいと思っております。

そして、『コントラクトサーヴァント -CARD GAME-』については、(ブロックチェーンゲームの)市場動向として、これまでの新しいゲームプラットフォームと同じく、ゲーム内容がどんどんリッチ化していく傾向にあります。

そこで、「こんなにクオリティの高いものがブロックチェーンゲームとして遊べるのか」というような、ポジティブなサプライズをユーザーさまに感じていただけるようなクオリティで市場に出していくことを命題として、いま開発に取り組んでおります。市場動向を見ながら、なるべく速やかに市場に向けてリリースしていきたいと考えております。

一方、堅調な広告事業に関しましては、「ADroute」のPC展開やクロスデバイスマッチング技術により、日に日に数字がよくなっているところですので、引き続き、しっかりと伸ばしていきます。「トレーディングデスク」は、この第2四半期は特需をいただいておりますが、さらにそれを第3四半期移行も続けていけるように、営業・運用ともに強化してまいります。

また、aE(and Experience)事業に関しては、先ほど申し上げた「くじコレ」等でよい実績が出てきておりますので、しっかりと数を重ねていくことによって、事業全体としての収益化に取り組んでまいります。

以上、第2四半期の業績予想についてご説明をいたしました。

2019年9月期 事業戦略

最後のセクションにおきましては、事業戦略についてご説明いたします。まず、こちらのスライドはおさらいになるんですけれども、2019年9月期は「結合によるビジネスの創出」という事業戦略を打ち出しております。

自社内にある3つの事業の結合、あるいは他社さんと何かを結合していく……基本的には、我々が持っている強みをほかのプレイヤーさまの強みと結合させることによって、新しい市場や新しいビジネスを切り拓いていくということを、今期の事業方針として掲げております。

業務提携①

それに対して、本日(2019年2月14日)発表させていただいたとおり、株式会社Momoと業務提携契約を締結いたしました。提携の内容に先立ちまして、まず株式会社Momoについて簡単にご紹介いたします。

株式会社Momoは、「デジタルトランスフォーメーションのラスト1マイル」というコーポレートビジョンを掲げて事業を展開しているIoTスタートアップです。

IoTが世の中に与えるインパクトは、ここでご説明するまでもなくみなさまご存知のことかと思いますが、IoTの導入には、専門的な知識や高いシステムコスト等、ハードルがいくつもあるという状況です。これを圧倒的に簡易化した、独自のIoTプラットフォームの提供を運営しているのが、この株式会社Momoという会社です。

業務提携 -Momo社のIoTシステムの概要-

これまでの彼らの簡単な実績について、ご紹介いたします。たくさんの事例の中から、特徴的なものを2点ピックアップさせていただいております。

1つ目の事例が、積雪のセンシングです。とくにこの時期、東京ではなかなか実感がありませんが、雪深い豪雪地帯等では、行政サービスとしての除雪作業がたいへん大きなコストになっています。

また、そのオペレーションは、まだまだ人手に頼っているところが多くございます。市役所の職員の方や地域の有志の方が、どこにどれぐらい雪があるかを目視で確認し、そこへ除雪車が除雪しにいくというようなオペレーションが、日常的に行われています。そういったところに対して、センサーが24時間自動的に積雪情報を監視し、デジタル化されたデータによって除雪の最適化を図ります。

一説には、ここにかなり大きな市場が存在するといわれておりまして、デジタルトランスフォーメーションの恩恵を受けやすい分野の1つではないかと考えております。

もう1つの事例として、工事現場等で使われる建設機械・建設重機の稼働管理といったところにも、彼らの技術が使われております。既存の重機に対して後付けできる簡易的なものとなっておりますので、これを使うことによって、重機がいまどこでどのように稼働していて、稼働率はどれぐらいかということを、リアルタイムに管理・監視することができます。当然ながら、その監視されたデータがすべてクラウド上に保存されることで、誰でも簡単にそれを見ることができるようになります。

業務提携②

ほかにも、現在Momo社が展開しているセンシングの領域はたくさんあるのですが、どういうことをやっているのか一言で申し上げると、いま人の手でやっていること、目視で確認してしまっているようなことを、すべて機械で監視していくことができる。そういったオンラインの計測ツールをIoTデバイスとして提供しているのが、このMomoの『Palette IoT』という製品の特徴です。

今後活用が期待されている分野としては、オフィス内のセンシングや、施設管理のセンシング、農地・農業の管理、介護施設等が挙げられます。いずれも、まだアナログなオペレーションがメインになっていて、新しいイノベーションが求められている分野です。こういったところに対して、24時間監視・管理するツールを提供していこうとしています。

業務提携 -Momo社との取り組み-

では、ようやくですが、我々がアクセルマークとして、このMomo社とどのように提携をしていくかというお話をさせていただきます。

まず、先ほどから申し上げている、堅調に推移している広告事業について、我々は既に、法人営業の機能や、オンラインで得られるデータのデータマネジメント……データを取得して、そのデータを見ながら最適な広告配信をしていくという機能を有しております。

また、ゲームというかたちではありますが、ブロックチェーンにいち早く取り組み、ブロックチェーンを実装したアプリケーション、いわゆるLAppsや分散型アプリケーションの構築にも取り組んでおります。

このあたりと、Momo社の持っているセンサー群、そしてなによりそのセンサー群から得られるデータの相性が非常によい。また、これによって新しいビジネスがたくさん生まれ得るのではないかと考え、今回の提携に至りました。

まず、提携のフェーズ1としては、営業活動です。『Palette IoT』をよりたくさんの利用シーンで活用いただくために、『Palette IoT』の拡販における営業的な提携をいたします。また、単純に汎用的なデバイスとして売るだけではなくて、これを使った商品企画などを共同で進めてまいります。

そして、フェーズ2ですが、『Palette IoT』が十分に普及しますと、そのセンサーからたくさんのデータを取得することができるようになります。データは、単純にデータベースに溜めていくだけでも、もちろん活用の方法はありますが、実際に利用される一般の方々にとって、データの活用のハードルをより下げていくためのデータマネジメントシステムを、共同で開発してまいります。ゆくゆくは、こういったデータをよりたくさんの利用シーンで活用していただくためのデータマネジメントプラットフォームを構築していくことを予定をしております。

また、フェーズ3としては、とくに農業等の第一次産業において利用シーンが多いものと考えておりますが、センサーによって管理され、そして出荷されていく……例えば、農作物のような製品を、今度はサプライチェーンに乗せていくときに、同じくセンサーによって、その運輸の現場においても、センシングによって計測し、管理していく。

さらにそれをブロックチェーンに乗せることによって、トラッキングすることができるようになったり、はたまた仮想通貨や法定通貨を使った決済システムといったようなものも、同じくこのブロックチェーン上で実装していけるものと考えております。

ブロックチェーンは、まだまだ実証実験のプロジェクトが非常に多く、社会実装されているものが少ないです。その中で、ゲームは比較的社会実装の早い分野であると考えておりまして、実際に商用サービスとして乗せていく実績が、こういった「IoT×ブロックチェーン」の領域においても、十分に活用できるものと考えております。

このようなフェーズで、IoTと我々の持つ強みを結合し、Momo社とともに新しいビジネスを構築してまいります。

中期事業戦略 -インターネットビジネスの将来を見据えて-

こちら(のスライド)が、中長期的に我々にもたらす影響です。我々は、中期の事業戦略として、「データを核としたビジネスの創出」を掲げております。これまで、ゲームを通じてゲームプレイヤーの方々やゲームの中で起きたことをデータ化したり、広告事業を通じて広告に関するデータを蓄積したりといったことはできていました。

ただ、どうしても手が届かなかったところ……それがオフラインのデータ、つまりインターネットに乗っていないデータです。これをデジタル化していくことによって、我々は新たにさまざまな可能性を手にすることができると考えております。

いままで誰も取得できなかったデータが加わることによって、今後の事業展開の大きな可能性が出てきたというのが、当社の中期的な事業戦略における今回の提携の位置づけということで、ご理解いただければと思います。以上、事業戦略についてご説明いたしました。

中長期的にはデータを核としたビジネスの構築を目指しながら、足元では開発中のゲームタイトルの完成度をしっかりと高めてリリースし、業績ならびに財務体質の改善に努めてまいります。また、新しい取り組みや新しい事業投資も並行して進めてまいります。

以上、「楽しい」で世界をつなぐ、アクセルマーク株式会社の(2019年9月期第1四半期)決算説明とさせていただきます。ご清聴いただきまして、ありがとうございました。