バリューゴルフ、2Q売上高は前年比13%増と好調 「1人予約ランド」が過去最高を更新、通期営業利益は前年比約2倍予想
経営成績ハイライト
水口通夫氏:代表取締役社長の水口です。当社はゴルフ事業を中心として、トラベル事業、その他の事業のセグメントからなるグループ企業となっています。
2026年1月期第2四半期の売上高は23億5,000万円、営業利益は5,100万円となり、売上高は堅調に推移しました。当社グループの中核事業である「1人予約ランド」、また、新たな経営リソースであるSES事業・DX推進事業が順調に推移しました。
2025年5月には新規事業として、不動産事業を開始しました。ゴルフ場の遊休地を有効活用した企画提案を行い、ゴルフ場経営の安定化につながるサービスを提供することでゴルフ業界の活性化を目指します。
また、インターネット上のゴルフユーザーの関心や嗜好などの情報を、AIを活用して分析するマーケティングツールの開発を開始しました。
通期連結売上高
続いて業績の推移です。
ゴルフ事業においては、「1人予約ランド」を始めとしたASPサービスが堅調に推移しました。ゴルフ用品販売においては円安による影響は継続したものの、ECサービスが伸長するなど増収となりました。
トラベル事業においては、マスターズ観戦ツアーの催行や訪日外客数の増加に伴うインバウンドツアーの需要も増加し、団体旅行の売上が急増しました。
その他の事業も堅調に推移し、全セグメントで増収となりました。
通期連結売上原価・販売費及び一般管理費
売上原価・販管費の推移はご覧のとおりです。
2025年1月期の第2四半期より株式会社ノアが当社グループに加わったことやゴルフ用品販売店やトラベル事業の売上増に伴い、原価も増加しています。
また、AI活用研究所や不動産事業など新規事業に積極的な投資を行ったこと、ジーパーズ新橋店を移転したことにより、一時的に経費が増加する結果となりました。
連結貸借対照表
連結貸借対照表はご覧のとおりです。
ゴルフ用品販売においては新商品の販売開始、販売ルートの拡大や機会損失防止のための在庫確保を行ったこと、また、不動産事業においては土地を取得したことにより流動資産の商品は増加しました。
トラベル事業においては、当第1四半期においてマスターズ観戦ツアー等の大型ツアーの催行があったため、旅行前払金・旅行前受金が減少しました。
ゴルフ事業セグメント 売上高
続いて、セグメントごとの状況です。ご覧のグラフは、ゴルフ事業の売上高推移です。 プレーの予約・チェックイン等の機能を搭載し、運営スリム化とユーザーの利便性向上を図る「リピ増くんDX」の契約数が順調に増加しました。今後の受注も増加する見込みとなっています。
また、ゴルフポータルサイト「VG WEB」の広告商品が大きく伸長しました。ポータルサイトとして1人予約だけではなく、通常予約の導線を確保することでユーザーへの価値提供を強化しました。
ゴルフ用品販売においては、新商品の先行予約が好調だったこと、欧米・アジア圏のWEB通信販売へ進出したことにより売上は堅調に推移しました。
ゴルフ事業セグメント 利益
次のグラフはゴルフ事業のセグメント利益の推移です。
当社グループの中核事業である「1人予約ランド」の会員数は継続して成長しました。利益率の高い「1人予約ランド」に経営リソースを集中的に投下し、全国を網羅的に営業活動することで安定的に利益を獲得しました。
ゴルフ用品販売においては、円安や関税の影響度の低い商品構成に変更した結果、利益率は改善しました。また、店舗の在庫の有効活用も成長の要因となりました。
一方でAI活用や「リピ増くんDX」開発、ジーパーズ新橋店の移転などに投資をしたため一時的に利益を圧迫しました。
ゴルフ事業セグメント 1人予約ランドの状況
次のグラフはゴルフ事業の「1人予約ランド」の状況です。
「1人予約ランド」の総予約者数は前年同期比16.0パーセント増となりました。特に5月は、過去最高の予約者数を更新し、ゴルフ場全体の来場者数が微減する中でも高い水準で予約者数が推移しています。
プレー日、ゴルフ場、交通手段等が自分の都合で決められる利便性がゴルファーに受け入れられていることが伺えます。利用できるゴルフ場も増加しており、ゴルファー、ゴルフ場双方にとってより使いやすいサービスになるよう新機能の開発を随時行っています。
トラベル事業セグメント 売上高
次にトラベル事業の売上高推移です。
当社グループのトラベル事業は、株式会社産経旅行と株式会社エスプリ・ゴルフの2社から成り立っています。株式会社産経旅行では訪日外客数の増加に伴い、インバウンドツアー専用WEBサイトの開設を行いました。
その結果、インバウンドツアーの売上高は前年同期比199.1パーセントと急増しました。株式会社エスプリ・ゴルフにおいては、毎年好評のマスターズ観戦ツアーやセントアンドリュースでのプレーができるツアーを催行しました。海外名門コースとのつながりを持つ同社ならではのツアーで、今回も完売となりました。
トラベル事業セグメント 利益
次のグラフはトラベル事業のセグメント利益の推移です。
円安や大阪・関西万博などの影響により、2025年の訪日外客数は過去最高の4,000万人超と推測されています。当社グループにおいてもインバウンドツアー商品の取り扱いが増加し、利益は大きく伸長しました。
また、マスターズ観戦など大型のツアーやゴルフと交通と宿泊をセットにしたゴルフツアーの催行により、順調に利益を獲得しました。一方で、日本からの出国数は前年より微増にとどまり、日本人・在日外国人向けの航空券の需要は伸び悩みの傾向があります。
その他の事業セグメント 売上高
次にその他の事業の売上高推移です。
その他の事業は広告メディア制作事業を行う株式会社スクラムとAI技術によるDX推進を得意とする株式会社ノアにより構成されています。
セグメントの売上高は、2024年5月にグループに加わった株式会社ノアの売上が加算されたため大きく伸長しました。AI技術やDX推進についてはすでに需要が急増しており、将来性の高い事業内容であるため、今後の売上拡大も見込まれます。
既存の事業である広告メディア制作事業については、大手のクライアントと強固なリレーションを築いており、安定的な売上を確保しています。
その他の事業セグメント 利益
次のグラフはその他の事業のセグメント利益の推移です。
その他の事業セグメント トピックス
2024年5月に株式会社ノアが当社グループに加わり、その他の事業のセグメント利益に同社の利益が上乗せされました。同社の取り扱うAIやIT関連の技術は、当社の各事業との親和性が高く、すでにグループ内のIT化・効率化に着手しています。
既存の広告メディア制作事業においては、制作を請け負う主要媒体がWEB媒体へのリニューアルに伴い利益は減少したものの、新規クライアントの開拓により回復を見込んでいます。また、当社グループ内の販促物作成など、各種プロモーションを担っています。
株式会社ノアにおいて、ゴルフ場の課題解決のために、データ分析や機械学習技術を活用した研究所を設立しました。
当研究所では、まず、ゴルフユーザーの動向・嗜好の把握を行い、次に、パーソナライズされたアプローチの提案を行います。最後に、AIアシスタント機能・エージェント開発ツールの活用をします。以上の3段階を経て、ゴルフ市場における革新的なマーケティングアプローチの研究を行っています。
すでに当社サービス「リピ増くんDX」にてAI活用のテストを行っており、今後はゴルフ用品販売にも展開する予定です。
その他の事業セグメント トピックス
次に、新規事業の不動産事業についてです。
今後のゴルフ場経営の課題として、人口減少に伴う余剰ゴルフ場の発生が想定されます。近年では、ゴルフ場の経営を継続しながら遊休地を有効活用することのニーズが高まっており、当社はゴルフ場やその周辺地域に対して持続的な価値を提供するため不動産事業へ参入しました。
6月には不動産事業の初案件として三重県において系統用蓄電池施設用地を取得しました。すでに複数の蓄電池施設運用業者から手が挙がっており、契約等の整備が整い次第、譲渡する予定でいます。
こうしたノウハウを活用することにより、国のエネルギー施策への貢献、環境保全への積極的関与、ゴルフ場の事業安定化の一助となることを目指します。
2026年1月期の取り組み①【ゴルフ事業】
続いて、2026年1月期の取り組みです。
当社の中核事業である「1人予約ランド」はサービス開始15周年を迎えました。当初は組予約の隙間を埋めるサービスでしたが、今日では集客の柱の一つとして定着しています。15周年を記念し、キャッシュバックや賞品プレゼント、イベントなどのユーザーメリットのある企画を開催し、さらなる予約拡大と成長を目指します。
当社は「送客企業」ではなく、ゴルフ場とともに成長する「集客パートナー」として、ゴルフ場が自らの集客力を高めるサービス「リピ増くん」を提供しています。予約業務の簡便化や運営の省力化といった機能強化でゴルフ業界の活性化を促進します。導入コースを飛躍的に拡大させ、今後の事業展開につなげていきます。
2026年1月期の取り組み②【ゴルフ事業】
また、ゴルフ場経営をDX化し、オペレーションの負荷軽減と運営をスリム化するサービス「リピ増くんDX」を拡大します。チェックイン機能に続き、チェックアウト機能をリリース予定となっています。すでに、テスト運用も終了し、「リピ増くん」とともに販売を拡大し、今後の事業展開につなげます。
他にも「1人予約ランド」を始めとしたWEB媒体と「月刊バリューゴルフ」「ゴルフマガジン九州」等の印刷媒体を持つ強みを生かし、“印刷媒体で興味を持ち、「1人予約ランド」で予約する”という集客導線を引く仕組みづくりを行います。また、旅行商品や「リピ増くん」、「リピ増くんDX」、WEB商品との連携を強め広告事業を拡大します。
2026年1月期の取り組み③【ゴルフ事業(ゴルフ用品販売)】
ゴルフ用品販売においては、WEBから流入した顧客・店舗に訪れる顧客・海外からの顧客などさまざまな顧客の購買データを活用し、AI活用研究所にて最適な販促や商品構成を構築するシステムを開発中です。2026年1月期から在庫を最適化する実運用を開始し、コスト削減と機会損失の防止を通じて、事業全体の売上と利益の最大化を図ります。
また、高利益サービスとして、シャフトをカスタマイズするサービスを導入します。同時に、自社企画によるオリジナル商品の比率も高め、他社との差別化と利益率向上を図ります。これらの取り組みで客単価向上とリピートを促進し、ブランド価値を強化します。商品開発から販売体制までを強化し、総合的なブランド力を高めます。
2026年1月期の取り組み④【トラベル事業】
トラベル事業の取り組みです。
商品バリエーション拡充のため、オーダーメイドツアーを強化します。募集型企画旅行では対応できない個人個人の要望に応えるため、オーダーメイド専用WEBページを新設します。また、収集した顧客情報をAIにて分析を行い、顧客ごとにきめ細かな商品の提案を行える仕組みを構築します。
インバウンドツアーについては、マレーシア・タイ・インドネシアを中心に海外の旅行会社との連携を強化します。外国人スタッフが常駐するインバウンド専任部署にてスムーズな対応を行える体制構築をさらに推進します。また、国際的に高い医療水準を誇る病院と提携し、訪日客を対象としたメディカルツアーを提供します。
2026年1月期の取り組み⑤【トラベル事業】
トラベル事業においても新規事業を開始します。トラベル事業で獲得した顧客情報をもとに、「100歳まで元気でハッピーに」という理念を掲げたメンバーズサロン、「100 Club(ハンドレッドクラブ)」を発足します。
人生を豊かにするエグゼクティブクラブというコンセプトのもと、名門コースでの会員限定ラウンド、コンペ、ツアー、食事会、プロのゴルフレッスンなど人生を味わいつくし楽しむサロン運営を行います。
また、旅行やゴルフを通じて自然な交流を支援するマッチングゴルフサロン「ル・リアン(Le Lien)」事業を開始しました。独身の40代から90代を対象に、仲間づくり・出会いを提供する新サービスを提供します。当社のゴルフ用品販売事業とも協働し、イメージコンサルティングやウェア提案なども行います。
2026年1月期の取り組み⑥【グループ全体】
また、当社グループ全体的な取り組みとして、各種サービスの認知度・注目度向上を目的とした広告活動の強化を行います。
当社グループはゴルフ場向けサービス、ゴルファー向けサービス、旅行者向けサービス、AI技術やシステム・エンジニアリングサービスなど事業内容が多岐に渡っていることから、認知度が不十分なサービスが存在します。
そのため、ブランディング強化をするべく、従来のWEB広告に加え、タクシーをはじめとした交通広告やSNS広告を近日中に開始します。また、ブランド戦略の副次的な効果として、株価への影響や採用力の強化を見込んでいます。
通期連結業績予想 〜2026年1月期〜
2026年1月期の業績予想です。
売上高45億円、営業利益1億8,000万円、経常利益1億6,000万円、当期純利益1億2,000万円を見込んでいます。
既存事業であるゴルフ事業・トラベル事業ともに堅調に推移し、下半期はDX支援サービス、不動産事業等の新規事業が一定の収益を生み出すことを想定しています。さらに広告活動の強化や、AIの活用により既存サービスの省力化・加速化・品質の向上を行うことで、各事業の収益拡大に拍車がかかることを見込んでいます。加えて、M&Aによる成長加速化を推進します。
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