2018年9月期決算説明会

西本一也氏:おはようございます。インタートレードの西本でございます。本日は、インタートレードの2018年9月期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

最初に、少し自己紹介させてください。私は、尾崎に代わりまして今期から代表を務めさせていただいています、西本でございます。

そもそも、20年ぐらい前に会社を立ち上げて、実はほとんど経営には参加しないで、現場でエンジニアとして働いていたのですが、今回は後で説明いたします事情によりまして、私が社長に復活したということでございます。

そのような意味では立ち上げて20年間と、それからすごく間が空きましたが、数年前から経営に参加して、今回社長に復活したという状況でございます。よろしくお願いいたします。

本日は、最初に決算概要を説明させていただきまして、インタートレードについて簡単にご説明。最後に、今後の取り組みという流れでお願いしたいと思います。

18/09期 通期連結業績の概要

それでは、9月期の決算の概要でございます。

こちらは業績の概要ですが、今期の売上高は18億9,200万円。こちらで、最終的な損益は損失になりました。マイナスの3億3,800万円。こちらは直前に大幅な下方修正をいたしまして、本当に申し訳ございません。今後、このようなことがないように努力いたします。本当に申し訳ございませんでした。

18/09期 売上高の増減

その次に、前期との比較になりますが、売上高の増減の説明でございます。

見てすぐにおわかりのとおり、こちらの金融ソリューション(FS)が大幅に、増減につきましてはマイナスになっていまして、1億7,400万円。それと、BS(ビジネス事業)は若干プラスなのですが、あとはほとんど変わらずというところでございます。全体におきまして、増減につきましては1億2,500万円の減収ということで、合計で18億9,200万円となっています。

18/09期 営業利益の増減

その次に、9月期の損益面です。営業利益の増減でございます。

こちらも、やはり目立つのが金融ソリューションでございまして、2億3,200万円。こちらが下にいっているところでございます。ヘルスケアがプラスになっているところですが、こちらは前年度に棚卸を行いまして、それの資産評価の評価減の計上をした結果、プラスになっているというところでございます。トータルで、マイナス3億3,500万円という数字になっています。

18/09期 財務諸表の状況

その次に、財務諸表の状況です。

こちらで非常に気になるのが、一番上の流動資産の部分です。これが12億800万円となっていまして、私としてもこの減少を食い止めないといけないというところです。今期につきましては、こちらをできるだけ減らさないように、事業収益でどのようにカバーできるかを最大の課題にしています。

18/09期 キャッシュフローの状況

それでは、次にキャッシュフローです。

こちらも見ておわかりのとおり、下のカーブになっていまして。私、実はこのキャッシュフローを非常に気にしています。今期につきまして、早々にこれを改善する必要があるところで、私の中では最大のタスクとして認識しています。

こちらにつきましては、後でまとめてご説明(差し上げるつもり)なのですが、来年早々に中期計画を発表しようと思っていまして、そちらで一番最初にご説明をさせていただきたい箇所でございます。

インタートレードの由来

それでは、インタートレードについてというところで、簡単なご説明でございます。

まず、私が会社を立ち上げたときの名前の由来(のご説明)にもなってしまうのですが、「インタートレード」という名前を、私自身は非常に気に入っています。

当時はまだインターネットがそんなに注目されていない時期に、これからそのような「広域の、世界をまたぐ新しいサービスができるかな」「これから世界的に注目されるだろう」という願いを込めまして、「インター」という名前を付けています。

「トレード」というのは、そもそも私、前職からトレーディング(に携わっておりました)。こちらをシステムで非常に広範囲に行っていまして、インターネット系といった「広域のネットワークを使って、トレードできる環境を作りたい」という夢から、この名前を付けました。

実は去年あたりから、この名前を実現するためにいろいろ動いてきたことが、そろそろ何かかたちにできるかなと思っていました。今回久々に、「20年前に、このようなかたちで立ち上げた」という内容のご説明をしています。

インタートレードの事業領域

その次は、私どもがずっと長期間……20年間ぐらい、何をしてきたかをさらっとまとめています。

ベクトルのはっきりしたものを主力に、「何かを展開してもいいかな」とは思っているのですが。そのような意味では、為替の部分のFXです。それと、株式にもある程度特化してきました。

ただ今後は、「この範囲では、収益を上げていくのも厳しいかな」という感じを持っています。実際に先ほどの収益でも、金融ソリューションは大幅なマイナスを続けています。

これにつきましては、リーマンショックの前後ぐらいから、「この分野1本で収益を作るのは、たぶん難しい」という感覚がございました。その当時くらいから私が経営にも戻り始めて、いろいろ考えてきたのですが。こちらに関しましては、新しい分野を含めまして、今までは金融の技術をどのようにしてかたちを引き継いで、応用して収益化できるかにつきましては、来年の初めぐらいに中期計画を発表いたします。

「来年の初め」というのは、理由がございます。弊社も定款上、ちょっと修正しないといけないところがございます。株主総会の決議の後にそちらを発表させていただきたいということで、今回につきましては、最後に概要をさらっと流す程度でご勘弁いただきたいと思っています。

19/09期 通期業績予想

その次です。こちらは業績予想になります。本当に申し訳ないのですが、一番下の部分……最終損益がマイナスになっていまして、1億7,500万円。

今までプラスで出してたのですが、私に代わったからマイナスというわけではないのですが……実は、新しいシステムの開発を行っていまして、そちらにある程度会社のパワーを使わざるを得ないところがございます。そのような意味では、研究開発的なアプローチをだいぶ長期間、体制としてもそれなりに使うところで……あえて、本当に申し訳ないのですが、マイナスの最終損益とさせていただいています。

ただ、その次の2020年ではプラスに回復し、そのような意味では業績の復活と言いますか、それ以降の10年に向けて、インタートレードの事業が改善できるような内容のものでございます。こちらについては来年、中期計画でご説明申し上げます。

ビジネスソリューション事業

それでは、各事業をご説明していきたいと思います。まず、ビジネスソリューションです。

方針の1番に、収益の安定化を掲げています。ビジネスソリューションを立ち上げてから、どうしても収益的にプラスマイナス・プラスマイナスが続いているところで、こちらをプラスに安定化させるところを最大限の目標としています。

なぜプラスマイナスが起こるかと言うと、大口の案件が取れる・取れないというところに、非常に影響が出てきます。そちらのやり方も継続はするのですが、もう少し安定的なところとしては、大企業から中規模の事業体にパワーを割きまして、それにより底上げを全体的に持ってきて均す。そのような意味では、広範囲に中規模のものを扱うことを考えています。これによって、ビジネスソリューションの収益の安定感を考えています。

ヘルスケア事業

その次に、ヘルスケアでございます。

こちらも正直に言いまして、リーマンショック後に、実は海外の情勢がだいぶ変わりまして、その後「世界の金融危機」なんて言葉になるのですが、さすがに金融1本で事業をやっていく限界を私自身も非常に感じていました。そのときに、何が一番そのような時代に安定しているかを見ていたときに、「ライフサイクルに関係するもの」や「人間自身」といったところに対して、非常に安定した傾向が見られました。

裏では自分なりにいろいろと研究してたのですが、結果的に、ライフサイエンスに向かうかたちでヘルスケアを立ち上げたいと。最初からライフサイエンスはちょっと無謀だったので、まずはヘルスケアといったかたちで入り込んで、ゆくゆくはライフサイエンスにシフトできればと考えています。

これはたまたまなのですが、実は東京都の構想みたいなものもありまして。ちょうどそのときに、ライフサイエンス事業と金融事業といったものを、東京を含めて掲げていたのがございました。「東京とも同じようなかたちで、世界の情勢を見ていたのかな」と思いながら、私らのやっていることも、お客さまからヘルスケアについていろいろとご意見をうかがっているのですが、私自身はやる必要があるのかなと感じています。

実際に長い期間、多額の研究開発費を使ってしまいまして、「なんでそんなことをやりながら、これを撤退しないのだ」というご意見も、多数うかがっています。ただ、私としましては、こちらにあるグラフは前回も使っているのですが、非常に大きなポイントがございます。何を意味しているかと言いますと、「私どもが売りに出しているサイレントエストロゲンを、もう少し世間に広めていかないといけない」という私自身の考えがございます。

なぜかと言いますと、エストロゲン活性は人間のライフスタイルの中では非常に重要な物質なのですが。そもそも「老化」という概念は……あまり言うと怒られちゃうので、一般常識的な話としてなのですが、老化を行うにあたって、40歳ぐらいを超えてくると「お肌の曲がり角」なんて言われます。そのようなあたりからエストロゲン(が重要とされていまして)とくに女性です。こちらが(だんだん)減っていきます。

エストロゲンが減ると、なぜかわからないのですが、人の体を維持する機能全体のバランスが落ちていくんです。実際には免疫も落ちていったりとか、もっと極端に言いますと、神経的なアプローチも落ちていって、最終的にはアルツハイマーといろいろ言われている事象を誘導するような話になっていくと思っています。

それに対してエストロゲンを補充すると、若干改善するところがございます。なぜそんなことをやるかと言うと、研究開発の過程で臨床とかを行っていまして、そこでデータを相当取っています。そのデータを解析して、非常におもしろい結果を得ているんです。

エストロゲンが発生することで、実はその他の体内のバランスが改善する。それによって、実際にアルツハイマーの予防治療剤の特許を取っています。これは簡単に取れるものじゃないのですが、そのようなものを証明いたしまして、実際に認められたところでございます。エストロゲンが非常に効果のある物質であることは、確かです。

では、「このグラフはなんなの?」という話なのですが、実は細胞活性に関わるデータです。エストロゲンという特性の他に、どうしてもおまけで付いているのが細胞活性なんです。エストロゲンの治療は非常に難しいのですが、その中でやはり副作用みたいなものが存在すると思いますが、その一番の大きいところが、この細胞活性です。

通常、細胞を活性させるのはいいのですが、これを投与することによって過剰に細胞が活性してしまうんです。当然、アポトーシスみたいなかたちで死滅しない癌細胞にエストロゲンが入ってくると、癌細胞が増殖してしまうんです。これは、一般的常識でございますので。

そのような意味では、エストロゲンを簡単に投入できない。そこに対して……たまたまなのですが、データを取るにあたって、「ハナビラタケが、癌の何かを改善している」といういろいろな話があったんです。それを解明するために、いろいろとデータを取っていました。

そこには、「エストロゲンを投入したら、なんで癌が治るんだ」と、非常に矛盾する難しい内容が存在していたのですが。これに対して1つ、非常におもしろいことがわかったのが、このエストロゲン……実は細胞増殖がなかったという、非常に珍しいものです。

こちらに関して、一般的にオープンになって何かが売られているとかは、まだないところです。「それでは、一番大きなマーケットはなんなの?」ということになるのですが、エストロゲンマーケットだけでも相当なものがございます。みなさんがご存じのプラセンタとかイソフラボンとかいろいろあるのですが、一番大きいのは、とくにプラセンタです。

それに対して、今回見つけたものについては、このコントロール(Cont)に比べてマイナスになっているというところでは、細胞活性が見当たらないエストロゲンなんです。それなのに、エストロゲンの活性だけは非常にあるという、非常にすばらしいものを見つけています。

プラセンタのマーケットとかを対象にアピールしていくと……日本でもプラセンタのマーケットって、だいたい250億円ぐらいあって、年間で2割強ぐらい伸びている。世界的に見ると、最低でも3,000億円ぐらいのマーケットは存在していますので、そこの5パーセント・10パーセントを取るだけでも、非常に大きな売上になるわけです。なおかつ、利益率も非常に高い。

そのようなマーケットを考えますと、ここ数年間、私どもがこのような研究にだいぶ多額のお金を使って無理をしてきたのも、そのまま捨てることはできない大きなマーケットがあるというところでは、金融の不景気がきたとしても(意味があることだと思います)。「ライフサイエンスという、人間の基本になる部分につきましては、収益が安定しているのではないか」という考えのもと、こちらは体力のあるうちに対処したく、今までやってきたところでございます。

現状どうなっているかと言いますと、この研究の最終段階にあります。その後にいろいろとまだ研究しないといけないのですが、今期の目標としては、まずは成分同定(解析)を確実にする。今まで、「これをする」と言いながら長引いてきました。エストロゲンが非常に難しかったということがございます。

未発見のものでしたので、そのような意味では想定以上に時間を費やしていました。どれぐらい想定外だったかと言いますと、2.5倍から3倍ぐらい、予想外の難易度がございました。ただ、そこをがんばってやってきましたので、もう終盤にきているかなと(考えています)。

厚生労働省では薬事法がありますので、これを行わないと、機能性の説明も認可されないところでございます。まず機能性の説明をしない限り、この手の高額なサプリメント……弊社は「健康食品」でまず売り出していますが、そのようなものもきれいに売れない。当然、収益も上がらないことになります。

ですので、機能性を確実に説明する。まずはサプリメントの分野でエストロゲン活性を説明し、収益に結びつけていきたいというところでは、プラセンタ市場を追いかけるという戦略で、今後は大きく出ていきたいと考えています。

金融ソリューション事業①

それでは次に、一番問題なのがこの金融ソリューションです。

私もこの「専門家」と言いますか、実際エンジニアで……当然「金融とシステムの融合」というのが「フィンテック」という意味合いで言われている中、まさしくそのようなものをずっと、人生のほとんどをかけている状況ではあるのですが。

実際にそのフィンテックも、そんなに簡単なものではございません。何が簡単じゃないかと言いますと、金融の場合は、どちらかと言うと集中処理みたいなイメージが強いんです。なんで集中的にいくのかと言うと、価格の妥当性があります。何でもそうです。

価格の妥当性がないと(どうなるかと言うと)下手な言い方しますと、詐欺的な……例えば10円のものを100円と言って売ったら、これは怒られますよね。10円だったら10円の妥当な価格のプライシングの意味が、どこかに存在しているわけなんです。それにはやっぱり、多数決の民主主義的な部分もあります。それによって価格の妥当性を出すには、どうしてもオーダーとかを集中して管理するのが一番わかりやすい。そのような理論があります。多数決により、価格の妥当性を説明するイメージです。

それに対して、もう1つはシステムです。こちらは真逆で、分散の世界です。インターネットでもそうです。実際に、最近出てきていますブロックチェーン。これは何がすばらしいかと言うと、結局のところは分散処理なんです。いろいろなところで分散してデータも持って、それが安全性とかコストを下げる要因につなげていく技術でございます。

実際に、人件費をこのようなシステムによってカバーしていくという意味では、やはりこのようなブロックチェーン等を使った分散処理を使うのが一番ベストであることは、確かです。

ただ、先ほどの集中的な話と分散的な話。こんなものを合体して「フィンテック」と言っているわけですから、「どちらをどうするの?」というところのチューニングは、実はものすごく難しいです。とくに24時間365日というスタイルに、このブロックチェーンを金融ベースに使っていくと、そんなに簡単なものじゃないんです。思っているほど、簡単ではないです。

例えば、「ちょっと10分間ぐらい休憩しましょう」と言うのは楽なんです。それをぶっ通しで、値段の集中の部分を含めて24時間ぶん回すというところが、私にとっては一番頭を使っている部分ではあるのですが。そのような新しいブロックチェーンの技術を使ったいろいろなものを、実はここ数年開発してきました。あまり、アピールはしてないのですが。

去年の決算説明会でも「ブロックチェーンを使って……」という話はしているのですが、実際にはだいぶ作っていまして、ものとしてはそれなりできてきたところです。ただ、決算の内容を見ていただいてわかりますとおり、マイナスにどんどん入っていってしまっています。

これは、新しいものを作ってそちらにパワーを割いているというのもあるのですが、実際の主力の「TIGER」を含めました現状のビジネスモデルが、限界からピークを迎えて下がっている。

これが「それじゃあ、復活するか」というのは、現状のままでは難しいところです。現状の「TIGER」の部分につきましては、リピートオーダーをしっかり確保しながら、できるだけ下振れしないように(する)。そちらが下振れする要因はいろいろあるのですが、そのようなものがないように品質を安定させるところで、こちらはキープしたいというところです。

プラスアルファのところで、下に書いています新しい技術。ブロックチェーンに対応したインフラを使う。こちらを、私は「Spider」という名前にしていまして、実は「TIGER」とまったく違う内容のものでございます。

何がどう違うのかは折々説明していきますが、「TIGER」で使ってきた金融のノウハウは使っているのですが、たぶん全体でいきますと20パーセントぐらい。あとの80パーセントはまったく違う概念で、新しいものとして、金融の技術を広く広めるものにしています。

金融ソリューション事業②

それがちょっとわかりにくいのですが、概念的に説明していきます。

実は今まで作ってきた「TIGER」の部分は、こちらの図でいきますと、縦に格子があるねずみ色の部分になります。なんで3本(で示している)かと言うと、3本どころじゃなくてたくさんあるのですが、この縦の線は「国」を表していると思ってください。国の経済圏です。円経済圏。日本とヨーロッパとアメリカみたいなものを、代表で書いています。「円の経済圏」「ドルの経済圏」「ユーロ経済圏」といったものがあって、それが一番下(「旧来の経済圏」)でつながっているようなもの。それが「今までの資本主義」だという概念で、私は定義しています。

ただ、リーマンショックの後、世界が金融危機に入ったときに、やはり縦の……とくに中央銀行です。そのようなものに依存する世界に限界が見えてきたのは、たぶん専門家の方だったらすぐにわかると思うんです。それに対して何らかの対策を打たないとリカバリできないという状況の中で出てきたのが、リーマンショックの直後に出てきた、ブロックチェーンの技術です。

その直後にビットコインなど、そのようなかたちに発展していくのですが。これは何かと言うと、実は横軸にある青色の部分。こちらの技術が出てきた。要は、国に依存しない新しい経済圏を、サブでカバーしていくということです。

つまり、今までの資本主義の縦に対して、横軸のもの。このような概念のものを追加することによって、この資本主義を強固にしましょうと(いうことです)。そのような意味では、横軸の部分を、新しく「デジタル資本主義」という表現にさせていただきます。これがリーマンショック後に、いろいろと概念として立ち上がってきて、それが去年ぐらいから本格的に動き始めたかなと(考えています)。さらに一歩進んで実務的に動くのが、来年(2019年)ぐらいからかなと思っています。

実際には法整備とか、いろいろと新しい分野ですので、対応しないといけない部分が多いのですが。こちらについてのシステムの対応もたぶん広範囲に行われていて、来年ぐらいには本格的な事業に対応できるものが動き出すのではないかと思っていまして、弊社もそれに対するアプローチを当然行っています。そのような意味では、フィンテックをあまりアピールはしてこなかったのですが、中身的には一生懸命、このような新しいものに対応して作ってきたことは事実でございます。

金融ソリューション事業③

実際に、次のページ(をご覧ください)。「Spider」の構想です。

パッと見てわかりにくいのですが、実は「Spider」の前には「統合プラットフォーム」という概念を出していました。プラットフォームを、なんで統合しないといけないのか? この大きな円の中心に「Spider」があるのですが、4つの区画に分かれています。

一番左上がPrimary Market、発行市場です。その右側がSecondary Market。取引場とか、このような流通系のものです。下側にいって、Buy SideとSell Side。このようなものを、よく聞かれると思うんです。カテゴリーをここで一緒にしてきたと言うと、ちょっと疑問はあるのですが、わかりやすくするためにわざと分けています。

なんで分けたかと言うと、このPrimary Market、Secondary Market、Sell Side、Buy Sideごとに、実はシステムがバラバラに存在していました。もっと極端に言いますと、この中でもさらに細分化されて、バラバラにしていました。同じような機能があってもぜんぜん違うインフラのもと、ぜんぜん別に作っていて、非常に非効率だったんです。

それを、最初は統合したいな(と思っていました)。それはコストダウンとか管理面・メンテナンス面といったものを重視して、コスト削減のために考えてたのですが、実は機能性も上がるんです。なぜかと言うと、対応工数が下がるだけ効率的になるところでは、非常にメリットのある構造でした。

それに対して(Spider構想では)「Spider」が真ん中にいまして、これをインフラのコアと考えていただいていいと思います。その上に業務アプリケーションということで、PrimaryとかSecondaryのMarket。あと、下のSell Side、Buy Sideという流通系の拡大をされたところです。このようなチャネルへのアクセスを、「Spider」が対応するかたちです。

問題は、その横にある「Spider」のSub Marketとなっています。実はこれ、非常におもしろい概念なんです。真ん中に書いているのが「Spider」のMain Marketです。こちらが主力の大きな市場を形成するのですが、不思議なことに横にポンポンポンと出てきているのが……新しいブロックチェーンの概念でも出てくるのですが、ブロックチェーンの横のさっきの軸です。

3つぐらいいろいろとあったと思うのですが、これが世界をまたがるコンソーシアムという、事業体の集合した経済圏なんです。それが、各々立ち上がります。それで、ちょっと仕様が違っていたりとかするので、バラバラに立ち上がるのですが。そのようなものを結合していって、新しい仮想的につながった巨大なマーケットができるという絵なんです。

それに対して、「Spider」というベーシックな概念のもとでこれらをつなげることによって、非常に効率的な通信ができるところです。そこの上にビジネスが乗っかるとしても、下のインフラで効率化させれば、コスト的にはだいぶ有利になる。当然、処理速度もそれなりに考えて、トータル的にどのようなかたちにすればいいのかの私の結論としては、このデザイニングになっています。

これが「Spider」です。だいぶ広範囲にこの事業体のカバーする範囲が広がるということと、実はさっき横軸に広がっていたコンソーシアムという……この事業母体です。実はこれ、金融外でいろいろなものがあります。要は、事業会社全般です。

なぜ「事業会社全般」と言うかというと、最近ステーブルコインとかいろいろ言われていますが。このような電子マネーといったものが、新しい経済圏には出てきます。実はそれだけではなくて、このマネーの概念でいくと、だいたい銀行とか金融機関のイメージが強いのですが……実はこのデジタルなブロックチェーンで表現できるのは、資産的なもの。「価値」をデジタルで表現できます。

例えば、固定資産。BSみたいなものがありますが。そのような固定資産のものを、実は流動させることができるとか。デジタルの技術って、非常におもしろいものがあります。

そのような意味では、新しい金融のスタイルがございます。事業会社さんで、BtoBとかBtoCの範囲。そのような垣根はたぶん(今後は)あまりなくして、簡単に大企業さんがやられているような、もしくは銀行さんがやられているような一部の業務を、自分たちがほとんど低コストで提供できる。

「新しい経済の起爆剤」になるんじゃないかという意味で、このブロックチェーンは非常にたくさんの課題はあります。しかし、そのようなものは克服して、それ以上のメリットが非常にたくさんありますので、そのようなところに対応していくのがブロックチェーンだと思っています。

弊社の「Spider」という新しい商品も、それに合わせて金融以外の非常に広範囲な業態、それも日本以外です。当然、世界をまたがった経済圏に入りますので、そのようなワールドマーケットに対する1つのインフラとして、こちらを大きく打ち出していきたいと考えています。

こちらにつきましては、中期計画で現状がどうなっているかという説明をさせていただきますが、マーケットのカバーできる範囲としては、今までとは比較にならない範囲をお客さまの対象として考えられるサービスと見ています。

金融ソリューション事業④

それでは、最後になります。これはあくまで参考で見ていただければと思うのですが、ちょっとわかりにくいのですが……こちらの図です。「現状、ここらへんぐらいまで対応しています」というのを、さらっと書いています。これが何を意味しているのかは、今回は説明しないようにしようかなと思っています。次回の中期計画で説明をさせていただきます。

金融ソリューション事業⑤

最後のページに入るのですが、さらにわかりにくくなっていまして……これ(金融ソリューション事業)が、なんなのかということです。

「取引所」と書いていますが、個人とか企業とかいろいろな簡単な概念で書いていますが、実際にはもっと複雑です。そこに「Digital通貨」と書いているのですが、「ダイレクトエクスチェンジ」をキーワードに、次期中期計画は最終的な10年後の絵……ここらへんぐらいまでを、ご説明できればと考えています。

私は創業時に非常に苦しんだのですが、その2年間ぐらい、このような新しいものを作っていました。実際にその後で認められて、それが爆発的にヒットして短期で上場できたのですが、そのような「爆発的に拡大できる要素は何か」というのは、常に考えています。

今回の「Spider」に関しましても、創業時と同じようなかたちで「今後、世界から求められているもの」と言いますか。現状の問題点をクリアしないと、経済が次のステップに入らないかなと(考えています)。

実際に日本の金融と言いますか、世界の金融でも、お金を刷りまくっても……経済は、もう動かない。GDPに連動するとかどうとか言っていますが、実際にそれ以上お金を刷ったところで何も動かないことは証明されています。「新しい通貨の概念を導入しない限り、もう経済の発展はない」というのは、たぶん世界的にトップの方たちはおわかりだと思っています。

それの1つの方法が、このブロックチェーンだと(いうことです)。ブロックチェーンと言いますか、デジタル化です。お金みたいに紙切れを回すのではなくて、デジタルデータというのはプログラムを回せるんです。プログラムというのは、契約みたいなものもできたりとか、非常におもしろかったりします。

何かの条件で、そのかたちが変わるもの。そのようなかたちを変えるサービスが、流通の中に入ってくる。そのような意味で、私は「デジタル物流」というへんてこりんな表現をしているのですが、物流とかそのような経済の根幹のところに、この技術は入っていくと考えています。

こちらの絵を含めまして、中長期にわたってのもう少し詳細な考え方につきましては、来年(2019年)の1月にご説明させていただきたいと思います。

本日は、このあたりで説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。よろしくお願いいたします。