2019年3月期第2四半期決算説明会

石黒大蔵氏:みなさん、ありがとうございます。広報IRグループの石黒でございます。本日発表いたしました、東京海上ホールディングス株式会社の2018年度中間決算の概要及び通期業績予想について、ご説明いたします。今回より、当社からのご説明は10分程度とし、その後、みなさまからご質問を頂戴したいと考えています。

なお、資料につきましては、本日弊社ホームページに掲載いたしましたプレゼンテーション資料及び株主還元に係るニュースリリースを使用いたします。

トップラインの実績・通期予想、ボトムラインの実績

それでは、プレゼンテーション資料の3ページをご覧ください。まず、トップラインであります、正味収入保険料についてご説明いたします。

中間決算におきましては、国内損保で、自賠責を除いて全種目増収していることに加え、海外保険において、北米やアジアを中心に引受拡大した結果、前年同期比プラス1.7パーセントの増収となりました。

通期予想では、増収基調は変わらないものの、国内での一時的な出再保険料の増加などにより、前年度対比プラス0.7パーセントの増収。年初予想対比では、プラス600億円の上方修正をいたします。

次に、生命保険料についてご説明いたします。中間決算は、旧フィナンシャル生命の変額年金の解約減少や、TMHCCが前年度に買収したメディカルストップロス事業の貢献により、前年同期比プラス6.5パーセントの増収となりました。通期予想では、増収基調は変わらないものの、上期に変額年金の解約が少なかったこともあり、前年度対比プラス3.9パーセントの増収。年初予想対比では、プラス400億円の上方修正をいたします。

次に、ボトムラインであります、財務会計の中間純利益についてご説明いたします。前年の北米ハリケーン等の反動はありましたが、国内での自然災害で1,220億円利益を押し下げており、これを異常危険準備金や国内生保・海外保険で一定程度打ち返したものの、前年同期比では、マイナス228億円減益の538億円となりました。

みなさまもご存じのとおり、異常危険準備金の取り崩しは、例えば火災グループでは、W/Pベースの損害率が50パーセントを超えた場合に可能となりますが、この中間期では大口自然災害の発生が(2018年)9月に偏っていましたことから、中間決算では、この取り崩し効果が限定的となっています。

ボトムラインの通期予想

続きまして、ボトムラインの通期業績予想についてご説明いたしますので、資料の4ページをご覧ください。

財務会計の当期純利益につきましては、国内における自然災害の影響を、異常危険準備金の取り崩しや海外での自然災害の減少、北米やブラジルでの利益拡大などでカバーいたしまして、年初予想を据え置きとしています。

なお、自然災害に係る発生保険金の通期予想と、異常危険準備金残高をスライドの右側にお示ししていますので、ご確認いただければと思います。

次に、修正純利益の通期予想ですが、財務会計上の当期純利益から異常危険準備金の影響などを考慮するため、国内における自然災害の影響により、年初予想をマイナス980億円下方修正し、2,980億円を見込んでいます。

ESRの推移と感応度

最後に、ESRと株主還元についてご説明いたします。少し飛びますが、資料の29ページをご覧ください。

上期の修正純利益の貢献や、政策株式の売却がありました一方で、タイのセイフティ社や南アフリカのホラード社といった事業投資および株主還元などにより、(2018年)9月末のESRは197パーセントとなっています。

本日(2018年11月19日)ニュースリリースをいたしましたが、今般合計で1,000億円の資本水準の調整を発表いたしましたので、この点についてもご説明させていただきます。当社では、資本水準の調整は、市場環境や事業投資機会等を総合的に勘案して機動的に実施し、資本政策における規律を維持する方針としています。

今回の決定にあたっては、資本政策における規律維持の観点に加えまして、収益力の向上、すなわち、今年度は過去最大級の国内自然災害がありましたものの、海外保険による利益貢献が進んだ結果、修正純利益は2,980億円と一定の水準を保っており、地域・事業分散により収益の安定性が向上しつつあると考えていること。加えまして、市場環境変化、事業投資のための余力、ROEの継続的な向上といった観点を総合的に考慮しています。

なお、2018年度の普通配当に関しましても、年初計画を据え置き、中間は1株当たり90円。通期では20円増配となります、1株当たり180円を見込んでいます。株主還元につきましては、来週の下期IR説明会で詳しくご説明させていただきます。

最後になりますが、当社といたしましては、足元は国内で大口自然災害が多発しているものの、引き続きグローバルベースでのリスク分散や、計画で掲げました成長施策を着実に実行していくことで、安定的にグループの稼ぐ力を高めてまいりたいと考えています。

私からの説明は、以上となります。