2019年1月期上期業績 ‒ ハイライト①
須田将啓氏:それでは決算説明を始めさせていただきます。本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
はじめに業績のハイライトからお伝えします。半年前の通期決算の時は、いいところも悪いところも含め、味わい深い決算説明をさせていただきましたが、その時と比べると、良いところがより鮮明に出てる決算と認識しております。
ハイライトですが、上半期における総取扱高・経常利益とも過去最高を更新いたしました。第2四半期時点で通期の業績予想に対する進捗率としては、売上が48パーセント、営業利益が54パーセントとなっております。
これは直近2年の実績と比較しますと、売上はだいたい44~45パーセントの進捗だったのに対して、48パーセントということで堅調です。営業利益につきましては、直近2年で43~44パーセントというところが平均だったのに比べると、54パーセントと非常に良好で、いい折り返しになったかなと思っております。
2019年1月期上期業績 ‒ ハイライト②
定性部分でご説明します。新マーケティングミックスの効果によって、アクティブ会員数が100万人を突破しました。また平均購入回数や既存購入者のリピート率といった、既存の会員に対してどれだけまた使ってもらえるかといったところで改善が見られ、結果としていい数字が残せたと思っております。
機能向上施策につきましては、新規決算手段の認知・利用拡大によって新規購入を促進しております。これは昨年1年かけまして、新しい決済手段……携帯や楽天ペイを入れた結果、今年に入ってその認知が徐々に増えてきて、利用拡大につながっているということになります。
また出品機能について、よりたくさん、手軽に出せるような機能を投下したことで、海外の出品数が増加してきており、BUYMAのラインナップの魅力が増えてきていると思っております。
アプリリニューアルによって、使いやすさや見やすさが改善したことで、アクション率が向上しております。またMD部分ですが、こちらはメンズカテゴリの成長が非常に加速しております。
また7月の終わりに新サービスと新規事業を連続でリリースいたしました。新サービスとしてオールインのソク割りをリリースしております。また新規事業としてBUYMA TRAVELをリリースしております。
2019年1月期上期業績 ‒ 売上高
こちらから、各種KPIを経年で追っていきたいと思います。売上高は22億ということで、前年同期比111パーセントとなっております。昨年は連結で、今年から単体に戻ったということで、単純に単体との比較でいくと119パーセントです。連結で売上を外したことで減った部分はあるのですが、単体で見てみると119パーセントという数字になっております。
2019年1月期上期業績 ‒ 販管費
この売上の成長に対して、費用・販管費の部分につきましては、こちらも連結が単体に移行したことも含めて、販管費全体では前年同期比94パーセントで推移しています。(つまり)コストコントロールがしっかりできていると思っております。
それをコントロールしつつも、新施策である新マーケティングミックスの展開に伴って、広告費としては前年同期比117パーセントというかたちで、しっかり投資をしつつ、その投資をこなしながら、販管費は抑えています。
2019年1月期上期業績 ‒ 営業利益・利益率
その結果、残った利益につきましては、営業利益が136パーセントで伸長しております。また利益率も前年同期比で比較すると7.4ポイント上昇し、40パーセント台を回復しております。いい水準に戻ってきていると思っております。
2019年1月期上期業績 ‒ 営業利益・利益率(半期別)
続いて上期で見てみますと、よりわかりやすいのですが、過去最高をマークしております。営業利益・営業利益率とも順調に推移し、営業利益につきましては、上半期ベースで過去最高をマークしています。
2019年1月期上期業績 ‒ キャッシュフローの推移
続いてキャッシュフローです。こちらは営業キャッシュフローが増えたことが大きく影響し、上期の残高としては50億円を突破しているということで、キャッシュフローも順調に伸びてきております。
2019年1月期上期業績 ‒ 2019年1月期上期の取組み
続いてBUYMA事業の概況に入ります。2018年1月期の下期に実施したテレビCMでの認知向上と流入増というものをいかしてマーケティングミックスを回して、いい結果が出ていると思っております。
テレビCMを放映して、サイトを訪れた人の認知を獲得して、効率的にまたサイトに訪問していただき、またプッシュして買っていただくといったことをぐるぐる回しています。それが非常に好調に回ってきており、これは継続的に取り組んでいこうと思っております。
2019年1月期上期業績 ‒ 会員数
会員数ですが、増加数が加速しまして、550万人を突破。前年同期比124パーセントとなっております。
2019年1月期上期業績 ‒ アクティブ会員数
アクティブ会員数が102万人を突破し、前年同期比110パーセントになっております。
2019年1月期上期業績 ‒ 総取扱高
取扱高ですが196億円で、こちらも前年同期比118パーセントとなっております。
2019年1月期上期業績 ‒ 2019年1月期上期の実績
四半期別に見た数字になります。新マーケティングミックスの影響で、新規登録(会員)・取扱高とも四半期ベースで成長を継続しています。少し見にくいかもしれないのですが、見方としては左側のグラフが新規登録会員の推移になっており、QonQ(前四半期比)で見た場合、昨年の第1四半期が97パーセントと前年割れしていたところが、今期は116パーセントとV字回復しています。第2四半期は、前期は93パーセントで、ここも前年割れしていたのですが、今期は118パーセントでV字回復しています。
右側の総取扱高です。昨年の第1四半期は118パーセントとそこそこいい数字でしたが、それに対して114パーセントということで、遜色ない数字になっております。昨年の第2四半期は105パーセントとけっこう低かったこともあり、第2四半期につきましては125パーセントと大きく伸びています。
第3四半期も同様の傾向で106パーセント、第4四半期は115パーセントということで、なかなか高い数字が出ているため、これをいかに高めていくかということになると思います。
総じて、ここでお伝えしたいことは、第4四半期はなかなか高めであるということと、復調が鮮明になっているというところです。
2019年1月期上期業績 ‒ 取扱件数
取扱件数ですが、こちらは113万件で前年同期比113パーセントとなっております。
BUYMA(日本語版) ‒ 事業内容
ここからは、BUYMAの日本語版と海外版を分けてご説明いたします。まず最初に日本語版、通常のBUYMA.comについてお伝えします。
これは毎回出しているKPIですが、パーソナルショッパー数が11万5,000人。(居住国が)145ヶ国。このあたりが、大きな変化かなと思います。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期上期振返り
ここも例年出している数字で、取扱高が(前年同期比で)119パーセントと伸びたのですが、それを因数分解したKPIのそれぞれのスコアになります。
アクティブ会員数とARPUの掛け合わせになっていますが、アクティブ会員数が113パーセント、ARPUが106パーセントと、ともにいい結果が出ています。
これは、新マーケティングミックスが効果的に展開されていて、一回(サイトに)来た人をちゃんとアクティブにしていくところと、アクティブになった人に、何度か使ってもらえるところが、うまくできていることになります。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - アクティブ会員数増加 -①
アクティブ会員数の推移ですが、第2四半期時点で51.6万人で、前年同期比で113.7パーセントと、成長が加速しております。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - アクティブ会員数増加 -②
同様に四半期別で見ても非常に順調に成長していくことになります。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - アクティブ会員数増加 -③
こちらは初めて出すグラフなのですが、取扱高に占めるレディースとメンズの比率になっております。1番下から上がっていくような見方をするのですが、上場して最初の年が2013年1月期です。その時は、男女比率で男性はまだ1割しかいないということになっております。
それが(2019年1月期)上半期が終わった段階で29.6パーセント。3割弱までメンズカテゴリの規模が拡大しているということで、メンズはまだまだ成長盛りのため、ここは非常に伸び代があるかなと思っております。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - アクティブ会員数増加 -④
またアプリの方ですが、アプリはコンバージョンレートが高いという話をお伝えしてきております。アプリに訪問してくださった人が注文する割合……コンバージョンレートが高いということで、アプリのユーザーになっていただければ、我々としてはアクティブ化に貢献すると思っています。そのアプリのユーザー(を計測する手段)としてアプリ累計ダウンロード数を追っているのですが、こちらは(スライド)左下のグラフのとおり、前年同期比147パーセントととても順調に伸びております。
その結果、アプリ経由の総取扱高も136パーセントと、全体の成長に比べて大きく伸びているということが言えると思います。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - アクティブ会員数増加 -⑤
新規決済の部分ですが、(スライド)左側のグラフが既存決済と新規決済の中で、新規会員と既存会員が占める割合を示したものになります。新規決済……携帯のキャリアや後払い決済なのですが、新規決済は、多少新規会員の割合が多いです。やはり新規会員の人が使い慣れた決済で買えるというところで、新規の割合が多くなっており、新規会員の獲得に寄与していると社内的には分析しております。
その新規獲得に効いている新しい決済方法の割合が、右側(のグラフ)になっております。全体に占める割合が18パーセントということで、徐々に伸びてきており、新規会員獲得に徐々に寄与していることになります。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - ARPU向上 -①
ここまで、アクティブ会員の増加に対する理由付け・要因説明でしたが、ここからはARPUの向上についてご説明したいと思います。
ARPUは106パーセントになったというところですが、こちらも因数分解をして、(1人あたりの平均購入)件数と(1人あたりの平均)単価に分けております。件数×単価で106パーセントになるということで、因数分解したところ、1人あたりの平均購入件数は101パーセント、単価は105パーセントとなっております。
単価の部分は、何が流行するかというトレンドや為替の影響で、我々がコントロールできる部分は少ないため、基本的にあまりここ(の数値)は追っていません。ただ、通常よりもかなり良い数字が出たものとして、トレンド以外の要因でいけばアプリ利用の幅が広くなったところが大きいと分析しております。
従来のF1層以外の……それより上の層でのアプリの利用が浸透してきました。従来のF1層より上の層の方が、年間で使う金額や単価は大きいですので、その人たちの活性化につながっていることで、単価の向上といったところに寄与していると思っております。
我々の方では、単価の部分はそういうかたちで、トレンドにある程度寄与するというところと、今回はアプリの浸透がプラスオンで乗っかってきたということで(考えています)。そこはコントロールしづらいと思っており、社内的に伸ばしていきたいと思っているのは、件数の部分になります。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - ARPU向上 -②
こちらは101パーということで、微増ですが伸びております。ここは、110パーセント、120パーセントというふうに綺麗には伸びないのですが、じわじわと効いてくる部分です。いろんな施策が効いて101パーセントということで、ここが伸びているということは非常に良いことだと思っております。
その1人あたりの平均購入回数の成長率ですが、前回少し下がってしまったのですが、今回また復調して増加トレンドに展開しているということで、よかったと思っております。
BUYMA(日本語版) ‒ 2019年1月期振返り - ARPU向上 -③
アプリの浸透の部分をもう少し説明しますと、新規登録キャンペーンや他サービスとのログイン連携等の導入によって、30代後半から50代の会員の方のアプリ利用が拡大しています。アプリのシェアは前年同期の38パーセントから43パーセントまで、また拡大しているということになります。
この紫(のグラフ)がアプリのシェアで、その下の濃い緑(のグラフ)がスマートフォンの普通のブラウザグループになります。そして、その下(のグラフ)がパソコンになります。アプリとスマートフォンのブラウザを合わせると8割以上が携帯・スマホ型になっており、モバイルシフトを順調に進めることができました。
BUYMA(日本語版) ‒ ALL-IN - ARPU向上 -
これもARPUの向上に効いていると社内で分析しているのですが、ALL-INになります。BUYMAに中古(品)を売ってもらい、買い取った商品に対して普通の買取金額に加えて、BUYMAのポイントを付与しているサービスになります。そのポイントを使って、またBUYMAで買っていただくという流れを作りたいと思っているのですが、このグラフを見ていただくと緑の棒線がALL-INの利用件数で、こちらは順調に伸びてきております。
注目していただきたいのは紫の折れ線グラフになります。これは、ポイントを使ってまたBUYMAで(商品を)買ってくれた件数の推移になっております。ここがいわゆるシナジーの部分で、ALL-INで売って終わりではなく……そこで我々は利益を得られているのですが、それにプラスして、またBUYMAで買っていただくという部分でも順調に伸びております。
また冒頭でご説明差し上げたとおり、7月後半からソク割りというサービスも追加しましたので、ここは今後、順調に伸びていくことが期待されます。
BUYMA(日本語版) ‒ STYLEHAUS
STYLEHAUSです。BUYMAにはたくさん商品があります。その中でメインストリームのユーザーの獲得を目指して、今、何がトレンドであるといったものをわかりやすく伝えるメディアになっております。iOSアプリもリリースして、順調に伸びております。
2019年1月期 下期施策方針【日本語版】 ‒ 新マーケティングミックス
下期の施策の方針になります。新マーケティングミックスをさらに進めていきます。今すでに手動で始めている部分で、一部自動化も始まっているのですが、その部分をAIとビッグデータを使って(さらに)自動化を進めていこうと思っております。
BUYMAに来てくれた方にパーソナライズのクーポンを送ったり、タイミングを見計らってクーポン送ったり、ユーザーさんの趣味や嗜好に合わせたポイントやクーポンを送ったりといったことを、現在は手動または一部自動で行っているのですが、ここにさらにビッグデータとAIを組み合わせて、パーソナライズクーポン・パーソナライズポイントといったところを展開していこうと思っております。
また、リクエスト機能もリニューアルしようと計画しております。リクエスト機能は、みなさんはご存じないかもしれないのですが、BUYMAの初期からあった機能です。世界中にいるパーソナルショッパーさんに「こんな商品ないですか」とリクエストできる機能です。
例えば「結婚式の二次会で(使用するもので)、何かいいものないですか」「母の日に何かプレゼントするのに面白いものないですか」といったところで、オランダのパーソナルショッパーやニューヨークのパーソナルショッパーなどが、「今、40代だとこういうのが人気ですよ」といったことを提案してくれ、その中から買える機能になっております。
これが(操作などが)少し難しかったため、通常だと1桁パーセントぐらいしか使われていません。ここをより使いやすくして、今っぽく変え、コミュニケーションしながら欲しいモノが買えるといったところを、より強化していこうと思っております。
そういうことも含め、新マーケティングミックスというところを推進していくのですが、上期に良好だった営業利益を活用し、元々の予算の部分でも捻出し、1.5億円程度のマスキャンペーンを計画しております。
このマーケティングミックス……テレビを起点に(サービスに)来ていただいて認知を広め、会員になっていただいて、買っていただき、そしてパーソナライズクーポンなどで顧客になっていただくという一連(の流れ)を、ぐるぐる回していきます。
これが去年の下期からうまく効果が出ているということは、数字を見ていただければわかると思います。効果が出ておりますので、前回の規模よりもう少し大きな規模でやっていきます。そうは言っても莫大な投資ではなく、1.5億円ぐらいの規模でぐるぐると回していくということで、下期は進めていこうと思っております。
2019年1月期 下期施策方針【日本語版】 ‒ 購入UU向上・1人あたりの購入件数向上
この新マーケティングミックスに加えて、下期施策の精度を高めるために、購入UUの向上や1人あたりの購入件数の向上といったところで、このような施策を展開しようと思っております。
ここは読むだけになるのですが、SEOの再強化というところと、オウンドメディアの強化。アプリは好調ですが、アプリ機能の向上。レコメンド機能の強化。メンズ出品の強化。返品対象カテゴリーの追加、配送機能の強化といったところです。また1人あたりの購入件数の向上でいくと、パーソナルショッパー向けの機能の向上、購入者向けの機能の向上、まとめ買い施策といったところを進めていこうと思っております。
加えて、サービス拡大でユーザーさんが増えておりますので、ユーザーさんにストレスがないようにインフラの強化を引き続き進めていきます。
2019年1月期 下期施策展開 ‒ 新サービス
下期に向けて、上期の終わりの4月にリリースしたサービスのご紹介です。下取りの即時割引サービス、ソク割りを4月に開始しました。これはBUYMAで買ったものであれば、自分が新しいものを購入する時に、下取りとして割引に使えるというサービスになっております。
これはなかなかすごい。数字は今は言えないですが、値引きを持ってるユーザーさんでは、上位だと数百万円の値引きを持っているということです。バッグなどを買いたい時に、それを使っていただければ、極めて安く買える。そういうサービスになっております。
ALL-IN自体が順調に伸びておりますので、このソク割りもALL-IN扱いになりますので、このソク割りも使ってALL-INも伸ばして、かつ値引きして物が買えるというところで、ユーザーさんの購買意欲を刺激させてもらい、より取扱高の向上につなげていきたいと思っております。
また下期は、運用を強化していこうと思っております。ソク割りが増えれば増えるほどBUYMAでの購入も増える。その循環は変わらないため、入り口から購入を刺激して、BUYMAで買っていただくというところも提供できますし、その後、ソク割りで買っていただいた後、ポイントも付与されますので、ここからまたBUYMAで買ってもらうという、いいサイクルが作れると思っております。
2019年1月期 下期施策展開 ‒ 新規事業
7月末に出したBUYMA TRAVELです。こちらについて、「そもそも、なぜ(旅行市場)なんだ」という部分があるかと思いますので、簡単に背景をご説明したいと思います。
原体験としまして、イタリアのパーソナルショッパーさんを2007年ぐらいに訪ねたことがありまして、その時にいろいろ紹介してくれました。当時案内してくれたのが、パルマのお肉屋さんの裏にあるイートインみたいなところでした。
それはガイドブックにもぜんぜん載っておらず、(店舗の)裏で、地元の人でなければ(言葉も)喋れないですし、オーダーもできないようなところです。そこで食べたサラミやチーズがものすごいおいしくて、こういうものは世界中にいっぱいあるなと思いました。服だけではなく、体験も世の中に売っているのだな、というところが原体験としてあります。
実際にパーソナルショッパーさんと話しても、いろいろ案内したいという思いがあったり、いろいろとアテンドを頼まれたり、そういうところにかなりニーズがあることがわかっておりました。
いつかはリリースしたいという思いはあったのですが、しばらくタイミングを見計らって(リリースを)延ばしてきました。
一方で、売る側の気持ちではなく、買う側の気持ちで考えると、BUYMAのユーザーさんがファッション以外で何にお金を使っているかというところを見てみると……インスタなどをよく見ていると、ファッション以外では、みなさんだいたい海外旅行に行って写真をあげられているということで、非常に相性はいいだろうと感じております。
時代の流れとしても、物のCtoCだけではなく、体験のCtoCと言いますか……物については、だんだんコモディティ化していき、特別なものは特別なところで買うという中で、だんだんお金の使いどころが、非日常の体験に移ってきているという感覚があります。
そこで、BUYMAが扱っているものは常に非日常だと思っており、特別なものを買ったりというところもありますので、BUYMAのブランドとも相性がいいだろうと(考えました)。そして、市場の大きなトレンドも体験にお金を使うところにだんだんシフトしてきていると感じ、そこに大きなチャンスがあるのではないかと思いました。
実際に成長率や市場規模等を見ましても、日本の海外旅行の市場規模は7兆円ありまして、成長率に関しましても世界で見ると、ここ10年で1番伸びるのが旅行産業と言われております。規模も大きいですし、成長率も非常に高い。大きなトレンドに乗って、BUYMAの強みをいかせるということで、タイミングは今だろうと考え、参入することを決めました。
今期はいろいろと出品を集め、すでにおもしろい出品なども出ており、魅力的な商品も出ているのですが、まだ全員が使ってもらえるほど品揃えが豊富ではないため、今はまだおもしろい商品を集めて、いろんな人に使ってもらえるというところをまず試していきます。それに合わせて、組織の強化といったところを、今期は進めていこうと思っております。
このトラベル事業は旅行領域に参入するということで、きちんと結果を出したいと考えています。BUYMAに次ぐ事業に育てたいという意気込みを持っておりますので、本格展開は来年と思っております。
今期は、そういったビジネス環境の整備や人材採用の強化といったところに注力して、本格展開は来期以降……そして、BUYMAに次ぐ次の事業の柱にしようと思っております。
これによって、世界中から物が買えるというだけではなく、世界中から体験が買える。それを提供するBUYMAというところを目指せるのではないかなと考えております。
2019年1月期 下期施策方針【日本語版】 ‒ BUYMA経済圏
日本語版のBUYMAの成長戦略の最後です。このBUYMAを核として、BUYMA周辺の領域を増やしていきます。STYLEHAUSではアイテムとの出会い、そして使わなくなったアイテムの販売、さらにBUYMAユーザーに対してBUYMA TRAVELと、BUYMAが伸びれば伸びるほどその周辺も収益を上げて、その周りが伸びれば伸びるほど、またBUYMAに戻ってくると(いうかたちです)。
実際にBUYMA TRAVELで、BUYMAのユーザーではないけれどBUYMA TRAVELで会員になってからBUYMAで買っていただいているといった方もいらっしゃいますので、双方でユーザーが近いということもあり、いい効果が出ていると思っております。
このBUYMAを核にして周辺を伸ばし、その周辺からまたBUYMAが恩恵を受けて成長を加速していくといったところ。(加えて)国内で手堅く成長を維持しながら、海外でホームランを狙っていくという、2本立ての戦略を引き続き進めていこうと思っております。
GLOBAL BUYMA ‒ 2019年1月期上期振返り
GLOBAL BUYMAになります。こちらは引き続き、流入数・CVRを上げ、取扱高拡大を目指すところと、BUYMAブランドをワールドワイドで確立するところに取り組んでおります。
GLOBAL BUYMA ‒ 2019年1月期上期実績
会員登録が引き続き順調に拡大し、香港とアメリカを中心にエリアマーケティングを行っているのですが、登録会員数は右肩上がりで増えています。国別の配送率で見てみると香港が1位で59.5パーセント、アメリカが16.7パーセント、オーストラリアが3.2パーセントです。トップ2で8割弱ぐらいということで、香港・アメリカで結果を出しつつあります。
2019年1月期 下期施策方針【GLOBAL BUYMA】①
状況としてもう少しわかりやすく、新しい数字として出したのが流入数になります。以前の説明で、香港はCVR(コンバージョンレート)が日本と遜色ないぐらいに上がってきているというお話をさせていただきました。
つまり、サイトに来ていただければ日本と同じぐらいの比率で買っていただけるというところまではマーケットフィットしています。その後、集客を増やそうというところでいろいろ進めているのですが、思ったほど集客自体は伸びていません。
集客自体が少し横ばいが続いているということで……このグラフは月別で2018年2月を起点として、そこからの成長を出しています。伸びてはいるのですが、ほぼ横ばいになっているのが香港です。よって、アジア圏での集客施策は香港の中心にブレークスルーを目指しております。このままゆっくり進めていてもあまりインパクトが出ないため、これをぐっと伸ばすようなブレークスルーを模索して、いろいろ進めているところになります。
2つめがアメリカ圏です。アメリカ圏は紫色の折れ線グラフですが、こちらは自然流入なども含めて……流入が増えてきており、なんとか結果が出始めてきているなと思っております。マーケティングの軸足をアメリカに移して、今度はアメリカでのCVRをより上げていくというところに挑戦していこうと思っております。
2019年1月期 下期施策方針【GLOBAL BUYMA】②
それらをやることで2019年1月期、単月黒字化を目指すという方針は変えずにいこうと思っております。
2019年1月期通期業績予想
以上を踏まえまして、2019年1月期の業績予想になります。当社はアパレルで、予算自体は……冬は重衣料が売れますので、どうしても取扱高は下期の方が割合が増えるということで、下期偏重の業績のため、現段階で変えるということは考えておりません。ただ、上期における売上の進捗率は堅調で、営業利益率も進捗率も好調に推移しているということはお伝えできると思います。
期初の業績予想はこのまま据え置きにして、下期以降の継続的な成長に向けて、先ほどお伝えした新マーケティングミックスなどの投資を積極的に展開し、トップラインのさらなる上振れを目指す方針で進めていこうと思っております。
非常に順調な折り返しになったと思っておりますし、下期はいろいろと施策を仕込んでおります。ソク割りやBUYMA TRAVELも仕込みの時期だと思っておりますが、いろいろと楽しみな下期だと思っております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。