事業環境

宗政誠氏:本日は大変お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。代表取締役の宗政でございます。

みなさまには日頃よりご高配を賜りまして、誠にありがとうございます。この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。私から、前期決算と今期業績予想ならびに中期経営計画につきまして、概要をご説明いたします。お手元にお配りしております決算説明資料の、3ページからご覧ください。

まず当社を取り巻く環境についてですが、国内景気は企業収益や雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、当社事業と関わりの深い個人消費においては、賃金の伸び悩みや物価上昇への懸念から、消費の大幅な回復には至りませんでした。

当社市場におきましては、既存住宅の流通、リフォーム市場の拡大に向けた住宅政策は、いっそう推進されました。

これにより、住宅の維持管理に対する意識および、当社業界の社会的な認知度は高まっております。しかしながら、消費者の節約志向は根強く、とくに新規開拓面の環境は厳しいものとなりました。

45期(18.3期) 主な取り組み

4ページをご覧ください。このような状況下で、当社は以下の取り組みに注力してまいりました。コンプライアンス体制の強化ならびに営業プロセスの改革については、44期(2017年3月期)の下期から取り組んでまいりました。

コンプライアンス体制

具体的なコンプライアンス体制は、5ページをご覧ください。「サービス審査室」では、営業員の訪問から契約までの流れについて、直接お客さまの声を聞き、コンプライアンス面やサービス品質の管理を行っております。

「お客様相談室」では、お客さまからのさまざまな問い合わせに対応するとともに、内容を集計・分析することで、サービス品質の向上に努めております。

これらをコンプライアンス本部が一元的に管理し、改善を進めることで、コンプライアンスの強化とお客さま満足度の向上を図っております。

営業プロセスの改革については、営業手法・管理手法や関連書類など、業務全般の見直しを図り、改革を進めてまいりました。内容が多岐に渡ったことで、当面想定していた以上に難航し、適用するまでに多大な時間と労力を要する結果となりました。

以上の取り組みにより、将来に渡って、当社の競争優位性を維持・向上するためには、不可欠なことと考えて、厳格に取り組んでまいりました。

また、営業・施工・管理スキルの向上のため、教育体制のさらなる変化を図りました。販促活動については、「シロアリバスターズ」をメインとしたCM・新聞折込・Web広告をピークシーズンに集中投下いたしました。

また、「シロアリ探知犬」「トコジラミ探知犬」のメディアへの露出など、PRも充実させ当社の認知度向上を図るとともに、シロアリ防除や地震対策の必要性を、社会に訴求してまいりました。

その結果、上半期にはシロアリ防除等の見積もり調査依頼が増加するなど、市場からの反響が得られました。

少し話が逸れますが、昨年(2017年)7月頃には「ヒアリ」が大きな騒ぎとなりました。当社へも、お客さまからお問い合わせがありました。ヒアリについては、今のところ行政が主導となって、定着を阻止する動き・段階になっております。

ですが、このような問題が発生した際に、当社へお問い合わせをいただけることは、当社を信頼していただいているということであり、光栄なことだと思っております。

45期(18.3期) 損益実績

6ページをご覧ください。以上の取り組みにより、総売上高は前期比1億3,700万円増加の139億9,000万円となりました。

営業利益は4億4,800万円増加して、21億3,100万円となりました。

当期純利益は1億4,500万円増加して、14億1,100万円となりました。

45期(18.3期) サービス別売上高構成

7ページをご覧ください。サービス別売上高の構成を、円グラフで示しております。既存先営業が順調だったことで、既存のお客さまへ販売されることが多い地震対策が伸びました。

46期(19.3期) 業務計画

8ページをご覧ください。今期46期(2019年3月期)は、引き続き労働需給のひっ迫が予想され、人材獲得競争は激化するものと思われます。また、潜在需要規模は変わらず膨大に存在するものとみております。

このような状況の中、当社は優秀な人材の確保と教育体制の強化・営業効率の向上・コーポレートガバナンスの深化・コンプライアンス強化とお客様満足の向上の4点に、注力してまいりたいと思っております。

46期(19.3期) 広告宣伝・販促 –1

広告宣伝・販促につきましては、9ページ以降でご紹介しております。今期はサッカーJリーグの川崎フロンターレとのスポンサー契約を、積極的に活用してまいります。

(2018年)4月21日には、アサンテ・エキサイトマッチを開催し、事前に新聞折込を行ったほか、当日に試合会場でイベントを実施いたしました。当社社員やシロアリ探知犬も参加し、当社のイメージアップにも貢献しております。

46期(19.3期) 広告宣伝・販促 -2

10ページをご覧ください。当社は、今がまさにピークシーズンでございます。この時期は、お客さまがシロアリを直接目にする数少ない機会となりますので、CM・新聞折込・Web広告を集中投下することで、需要の獲得を図ってまいります。

CMについては関東では(2018年)5月1日から放送を開始しましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。また、今期もさまざまな場面で探知犬を活用していくとともに、プレスセミナーやシロアリ注意報といった取り組みにより、認知度向上とシロアリ対策の必要性の訴求に努めてまいります。

46期(19.3期) 損益予想

13ページをご覧ください。以上を踏まえて、今期の総売上高は5億9,100万円増加の145億8,100万円を見込んでおります。

営業利益は、2億5,800万円増加の23億8,900万円。

当期純利益は、1億8,300万円増加の15億9,400万円となる計画です。

配当予定・予想

14ページをご覧ください。配当につきましては、前期45期の年間配当金は、1株当たり50円を予定しております。期末配当金は25円、配当性向は43.7パーセントとなる見込みです。

今期46期においては、年間配当金を1株当たり54円。配当性向は41.8パーセントと予想しております。

事業環境見通し

16ページをご覧ください。中期経営計画について、ご説明いたします。当社の中期経営計画は、毎期見直すローリング方式としております。事業環境については、国策は引き続き(既存)住宅の長寿命化、メンテナンスを重視する方向に動き、当社サービスの認知度も向上していくものと見ております。

オリンピックイヤーに向けて、景気の上向きが期待される一方、個人消費は賃金や物価の動向により、先行きが不透明な面もあります。

また、労働需給のひっ迫が続き、優秀な人材の確保が大きな課題となります。

中期経営計画 【方針】

17ページをご覧ください。このような状況下において、当社は優秀な人材の増強と教育体制の強化、営業効率の向上、営業エリアの拡大の3点を中期経営方針としました。この3ヶ年で、持続的な成長を実現するための基盤を構築してまいります。

中期経営計画 【数値目標】

18ページには、具体的な数値目標をグラフで示しております。48期(2021年3月期)には売上高165億円、営業利益28億円の到達を計画しております。

成長戦略

最後に、19ページをご覧ください。当社の成長戦略について、ご説明いたします。

当社サービスのマーケットは開拓余地が大きく、さらに住宅の長寿命化に向けた国策が、今後も事業拡大の追い風になると見ております。

そのため、当社はシロアリ防除関連サービスを主軸として事業の拡大を展開し、優秀な人材の増加と営業エリアの拡大を柱とした、持続的・安定的な成長を実現してまいります。

また、既存住宅を対象とする新たな事業の展開にも積極的に取り組み、住宅メンテナンス業界をリードする企業を目指していきたいと思っております。

私からの説明は以上でございます。みなさまには、今後ともご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

45期(18.3期) 決算内容

飯柴正美氏:飯柴です。

当社は、みなさんもご存じのように、上場以来毎月、月次売上高を公表しています。前期45期については、その月次売上高に関する社外からの質問が増加しました。

45期の業績は、その事象が示すように……つまり、どういうことかといいますと、期初から1人当たり売上高が計画通りにいかず、不調が続きました。

社内においては、人員増加を抑制する一方で、教育研修の充実、効果的な広告販促の実施、職種間における研修あるいは再配置等、1人当たり売上高の増加を優先とした施策を進めていました。

そして、それら施策の結果が第4四半期に表れ、売上高の前期比マイナス累計額を一気にプラス化することができました。この増加は、主に1人当たり売上高増加によるものであったため、効率よくそのまま、利益の増加につながりました。このように、最終的には通期で増収増益となりました。

45期第3四半期までの売上高不調の原因は、前々期の44期にありました。この点については、みなさまに今までもご説明してまいりましたので、繰り返しになりますが、前45期の実績を説明する前に、あえてもう一度ご説明させていただきます。

当社は、前々期の44期第3四半期に、営業プロセスの根本的改革に着手し、その期の第4四半期に、新たな営業プロセスを本格導入いたしました。

この営業プロセスの改革の具体的内容は、先ほど宗政が申し上げましたが、訪問・契約・施工・アフターメンテナンスから顧客管理にいたる各プロセスにおいて、プロセス自体の変更とマニュアル・営業ツール・提案書・契約書等の変更を行ったものです。

また、新設のコンプライアンス本部からは、全社のコンプライアンス運用状況を月次の取締役会へ報告する体制もつくり上げました。

このように、改革は営業現場からコンプライアンスのPDCA的管理強化に至るまでの、広い範囲にわたるものでございました。

次に、当社がこの改革を実施して徹底して導入した理由を、ご説明いたします。

当社においては、前々期の44期において、人員確保が厳しい中、シロアリ防除・湿気対策・地震対策の3サービスの構成人員を、約8パーセント増加させるという積極的な計画を立てました。それが同期の上半期において、計画が上振れする見込みになりました。

人員増加8パーセントの計画が達成にいたりますと、上場後(から)前々期の44期で4年になりますが、その間に3サービスの構成人員が15パーセント増加することになります。

そのため、リスクの管理上からも、人員の大量増加が労働集約型の当社の営業体制に与える影響を分析して、必要であればその対策を慎重かつ大胆に実施すべきケースに当たると認識いたしました。

なぜなら、人員数の大量増加の局面においては、その量の多さと一人ひとりの多様性の高まりが、当社競争力の優位性を劣化させるリスクにならないとも限らないからです。

このリスクには、長年同じ業務を続けているベテランの中には、自分なりの業務推進方法に流れてしまうというリスクと、それを新人に引き継いでしまうリスクも入れておりました。

これらの検討の結果、当社の強みであるコンプライアンス重視の営業体制と、お客さま第一主義の鉄則を将来にわたり守り抜いていくためには、小さなリスクの芽を摘むことが重要であるとの結論に達しました。

そのため、全営業プロセスの抜本的見直しを行うことといたしました。そして、その新営業プロセスのレールに、全社員の業務を確実に乗せるという方針を決定しました。

ある程度予想はしていましたが、新営業プロセスのレールに乗せていく工程で、予想外に適用に日数を要するところも出てきました。その結果は、1人当たり売上高が減少することに表れております。

しかし、当社の将来における競争優位性の基本を確保するためには、新営業プロセスを厳しく運用し、定着させなければならないという共通認識に変わりはありませんでした。

これが、今回の決算説明の前置きになります。

売上高推移(四半期別前期比増減)

それでは、21ページから(決算の)説明に入ります。

21ページの青い棒グラフは売上高の前期比増減額で、折れ線グラフは売上高の前期比増減率です。

左側の、44期の第3四半期を見てください。ここで営業プロセス改革に着手し始めましたが、前期比増加率が低下し始めました。

そして、新営業プロセスを本格導入しました44期の第4四半期は、前期比8.5パーセントの減少になりました。

この落ち込みは、右側の45期の第1四半期に続きました。45期の第2四半期と第3四半期には、既存のお客さま宛の売上高が回復し始めて、(45期第2四半期に)前期比1.3パーセント減、(45期第3四半期に)1.4パーセント減と、減少幅が小さくなっています。

そして、前期の第4四半期には新営業プロセスの適切な浸透と、それまでに実施してきた各種施策が奏功したことで、売上高は前期比で13.7パーセント増加するに至っております。

3サービス売上高推移(四半期別前期比増減)

22ページをご覧ください。これは、当社の3大サービス……つまり、シロアリ対策・湿気対策・地震対策の売上高の推移を、四半期ベースでとらえたものです。

前々期の44期、(スライドの)左側です。第4四半期を見てください。新営業プロセスの本格導入により、新規のお客さま向けのシロアリ新規防除と湿気対策が、減少に転じました。

そして、黄色い部分の地震対策です。既存のお客さまとのサービスではありますが、新たなサービスの提案となるものですから、説明にも高度な熟練度が必要なため、同時に減少しております。それが、44期の第4四半期です。

シロアリの更新防除は、既存のお客さまに対するサービスです。それに加えて、既存サービスの有効期間が終わった後の更新ですから、お客さまとの間の信頼関係もあり、ここでは増加を保っております。

前45期は(スライドの)右側ですが、これになりますと、新規顧客向けのシロアリ新規防除と湿気対策は、45期の第3四半期まで減少が続いて、ようやく第4四半期で増加に転じました。

地震対策は、第1四半期も減少が続きましたが、第2四半期以降はプラス幅が大きく拡大するようになりました。これは、お客さま向けの提案プロセスの充実による、プラス効果の表れです。そして、それが受注面積の拡大につながったことによります。それに、もともと単価が高いことも、売上高を押し上げました。

シロアリ更新防除については、第1四半期から勢いが出てきました。ところが、第3四半期には、更新物件の2回目・3回目は若干値引きすると言いますか、設定が安くなっているんです。2回目・3回目の割合が高くなったことで単価が低下し、受注件数の減少ともあいまって、売上高の減少となりました。しかし、第4四半期には再び増加に転じております。

売上高増減要因推移

23ページをご覧ください。これも、黒の折れ線グラフは、売上高の前期比増減額です。棒グラフは、その売上高増減額の中身を示しています。人員数の増減によるものが、緑です。1人当たり売上高の増減によるものが、下の青い部分です。2つに分けて、表示をしました。

前々期の44期の、緑の棒グラフを見てください。人員増加を要因とした売上高の増加に支えられてきました。しかし、第3四半期に新営業プロセス導入のマイナス影響が、1人当たり売上高に表れています。第4四半期には、人員数増加によるプラス部分を、1人当たり売上高減少によるマイナス分が上回り、売上高は減少に転じました。

前45期ですが、人員数増加による売上高の増加は、前々期に比べると少なくなっています。45期の第1四半期と第2四半期は、1人当たり売上高の減少が続き、売上高が減少しました。第3四半期は、1人当たり売上高の減少幅が小さくなりましたが、人員数が減少に転じましたので、売上高の減少が続きました。

第4四半期ですが、1人当たり売上高が久しぶりに大きく増加しましたので、売上高はそれを主要因として、3億5,500万円増加しました。

45期(18.3期) サービス別売上高(半期別)

24ページをご覧ください。45期の上(期)下(期)別の売上高です。

表の中の、シロアリ対策の中の更新防除をご覧ください。上期においては、前期比7.4パーセント増加し、下期で0.2パーセント増加となりました。この上半期の増加は、先ほど申し上げたのとは反対で、更新物件の中で初回更新の割合が高かったものと、対象面積が広い物件が多かったことによります。下期の増加の縮小は、先ほど22ページで説明したとおりです。

次に、地震対策です。その他の上の欄(スライドの下から二番目)にありますが、地震対策については、上期に0.2パーセント増加し、下期で22.8パーセントと、大幅に伸長しました。この地震対策好調の要因は、22ページで説明したとおり、営業プロセスの全面的改革で、お客さまの理解をより一層深めることができたことにあります。

45期(18.3期) サービス別売上高(通期)

25ページをご覧ください。45期の通期で見てみます。売上高が、前期比1.0パーセント増加しました。新営業プロセス導入によるマイナス影響は、シロアリ新規防除には5.2パーセントの減少となって表れました。

シロアリ新規防除に関しては、調査申込数が……すみません、これから申し上げるのは、(スライドの)表には出ていない数字です。

シロアリ新規防除は、成約のルートが2つありまして。1つは、お客さまから申し込みを受けるルート。もう1つは、こちらから訪問販売でお伺いして、それから成約に至るという2つのルートがあります。

シロアリ新規防除の調査の申込数、これは、お客さまから申し込みがあったということなんですけれども、それが4.3パーセント増加し、調査申し込みルートからの成約件数は8.4パーセント増加しました。しかし、訪問ルートでの成約件数の減少がそれ以上となったので、こういう結果になっております。

また、新規先への提案が多い湿気対策にも、6.0パーセントの減少となって表れております。新営業プロセス導入によるプラス効果は、24ページで説明しましたとおり、地震対策に色濃く表れております。

45期(18.3期) 人員数・1人当たり売上高(半期別)

26ページをご覧ください。上期は、平均人員数を3.5パーセント増やしましたが、1人当たり売上高は5.4パーセント低下しました。その結果、上期の売上高は2.1パーセント減少しました。

下期は、平均人員数を1.6パーセント減らし、人員の教育とスキルアップに努めました。その結果、1人当たり売上高が7.0パーセント増加し、売上高は5.3パーセントの増加になっております。

45期(18.3期) 人員数・1人当たり売上高

27ページをご覧ください。前々期の44期には、人員数を9.9パーセント増やしましたが、1人当たり売上高については、計画通りに増やすことができませんでした。そこで、前45期は、人員の増加を抑制し、1人当たり売上高の増加に努めました。

通期では、平均期中人員数を0.9パーセント増やし、1人当たり売上高を0.1パーセント増加させることができました。その結果、売上高は1.0パーセント増加しました。

売上高・営業費用・営業利益の増減(四半期別)

28ページからは、損益について説明をいたします。

第1四半期は、営業費用が減少しましたが、それ以上に売上高の減少がありまして、営業利益は減少となりました。第2四半期と第3四半期は、売上高の減少以上に営業費用の減少を図ったため、営業利益は増加しました。第4四半期では、売上高が大幅に増加しました。営業費用の増減は前期比トントンとなったため、売上高増加が、そのまま営業利益の増加となっています。

営業費用増減内容(四半期別)

29ページは、今申し上げました営業費用の増減内容です。赤い折れ線グラフのとおり、営業費用の前期比減少が続きました。その内容は棒グラフにあるのですが、棒グラフのオレンジ色の部分の、退職給付費用の減少によるものです。

(スライドの)一番右の第4四半期では、売上高増加による材料費の増加が、退職給付費用の減少と相殺されるなどで、営業費用が前期比でトントンとなりました。

45期(18.3期) 半期別損益

30ページでは、損益の状況を上(期)下(期)別にご説明します。

(スライドの)左側の前々期の44期です。青い棒グラフは、売上高です。上期においては、これが通期の58パーセントを占めています。赤い棒グラフが営業利益ですが、この営業利益は、通期の89パーセントを占めています。

右側の45期の上期においては、売上高が通期の56パーセントながら、営業利益は通期の73パーセントを占めています。だいたい75パーセントくらいが、平均なのかなという感じです。売上高よりも営業利益の上期に多い率は、75パーセント程度だと思います。

このように、当社は業績の中の、とくに利益について、上半期に偏りがあります。先ほど宗政が説明いたしましたとおり、上半期にシロアリが羽をつけて、群がって飛ぶ時期があります。英語では「swarm(スウォーム)」と言います。お客さまがこの現象を目の当たりにされると、調査・申し込みに至る確率が、極めて高くなります。また、当社をはじめ、同業者もこの時期に合わせたTVCMですとか、新聞折込などの販促活動がピークになります。

ですから、(この時期には)お客さまのシロアリ対策への意識も上昇していきます。このようなことから、この時期にはお客さまからの申し込みが増加しまして、営業効率が上昇します。

なぜかと言えば、訪問販売でかなり低い確率の成約に至るものの営業をするよりも、お客さまからの申し込みがきてしまうと。ありがたいことなのですが。それが上期にありまして、当社業績の季節変動の要因になっています。

45期(18.3期) 損益実績

次は、31ページの通期損益と、それから、その次の32ページの営業利益の増減要因を、同時に説明していきたいと思います。

45期(18.3期) 営業利益の増減要因(前期比)

今までご説明したように、前45期は、売上高が1億3,700万円増加しました。それによって、材料費も4,600万円増加しましたが、外注費の減少・労務費の減少により、売上原価は4,300万円の減少になりました。

その結果、売上総利益が1億8,100万円増加し、売上総利益率は71.2パーセントになっています。ここでちょっと注目していただきたいのは、この売上総利益率の高さです。過去5年の売上総利益率の平均は、71.6パーセントです。当社の営業利益率が高い大きな要因は、この売上総利益率の高さにあります。

上場会社ですとか、あるいは当社の同業者の売上総利益率を見ると、50パーセントを超えるのは、たぶん難しい……もっと下だと思います。その(売上総利益率の)高さが、当社の優位性であります。

販管費は、2億6,700万円減少しました。人件費の2億2,500万円減少、求人費の4,100万円減少、修繕費の4,900万円減少によるものです。その結果、営業利益は4億4,800万円増加して、(前期比増減)率にすると26.7パーセント増加しました。

総人件費率は、2.5ポイント改善しました。総人件費の減少2億8,000万円のうち、退職給付費用の減少によるものが、2億4,400万円ありました。

46期(19.3期) 人員数・1人当たり売上高予想

35ページをご覧ください。今期の46期ですが、まず、どういうふうにして売上を作っていくかというところから(ご説明に)入ってまいります。

期中平均人員数を、0.9パーセント増やす予定です。どちらかと言うと、この増加率は低めに設定してあります。それと、1人当たり売上高を3.3パーセント増加させます。この2つによって、売上高の4.2パーセントの増加を実現させる計画です。

46期(19.3期) 業績予想

業績予想が、36ページにあります。それと、営業利益率の増加の要因が37ページにあります。36ページと37ページを、同時に説明してまいります。売上高の増加の5億9,100万円に対して、売上原価が9,700万円増加すると予想しています。

46期(19.3期) 営業利益の増減要因(前期比)

売上原価の増加は、主に材料費の5,400万円の増加によります。その結果、売上総利益は4億9,300万円増加し、売上総利益率は71.7パーセントで、引き続き、高水準を維持する計画です。

販管費は、主に人件費の増加の1億1,900万円、修繕費の増加の3,400万円により、2億3,500万円増加します。その結果、営業利益は2億5,800万円増加し、営業利益率は16.4パーセントを見込んでいます。

人員数・1人当たり売上高計画

最後に、中期経営計画の説明を行います。39ページをご覧ください。

今46期は、平均人員数の増加を0.9パーセントとして、前期と同様に抑え気味にします。47期(2020年3月期)の平均人員数は3.6パーセント増加、48期(2021年3月期)は4.6パーセント増加として、3年間で9.3パーセント増加させる計画です。

44期においては、人員を1年で9.9パーセント増加させた実績もありますから、この程度は無理のない計画であろうと判断しています。

1人当たり売上高については、今46期に3.3パーセント増加、47期に2.1パーセント増加、48期に2.2パーセント増加して、3年間で7.8パーセント増加の計画としています。この増加分は、営業効率を向上する面からも、必要な増加率であると判断しています。

中期損益計画

40ページが、中期損益計画です。各期の売上高は、39ページの先ほどのページの人員数と、1人当たり売上高の増加計画……これはかけ算なんですけれども。これらによって、成り立っています。

営業利益率については、46期(2019年3月期)に16パーセント台に、47期(2020年3月期)に17パーセント台に、そして48期(2021年3月期)には17.5パーセント台というかたちに上げていって、3ヶ年では2.3ポイント上昇させる計画になっています。

この営業利益率の上昇は、各期における1人当たり売上高の上昇にかかっていますから、この点に経営の重点を置いていくつもりでいます。

これで、決算説明を終了いたします。今後とも、できるだけ多くのステークホルダーのみなさまのご納得をいただける経営にまい進してまいりますので、引き続きご支援をいただきますよう、お願い申し上げます。

本日は、ご清聴ありがとうございました。