2017年度3月期決算説明会

金岡真一氏:あらためまして、モリタホールディングスグループコーポレート本部長の、金岡でございます。本日はご多用の中、当社2017年度決算説明会に多数お集まりいただき、誠にありがとうございます。

それでは、さっそくご説明に移りたいと思います。本日の内容といたしましては、まず会社概要を簡単にご紹介したのち、2017年度の決算概要および2018年度の業績見通し、並びにセグメント別の概況、見通しをご説明したあと、最後に投資の状況・株主還元施策についてご説明させていただきます。どうぞよろしく申し上げます。

本日のポイント

本日のご説明内容のポイントといたしまして、まずは2017年度の実績でございます。売上高は、主力の消防車輌事業の国内需要が、2016年度からの反動減により落ち込みましたものの、防災事業を大きく伸ばしたことによりまして、前期比0.5パーセント増となり、過去最高を更新いたしました。

一方、営業利益につきましては、消防車輌事業の減収影響に加えまして、消防車輌事業において排ガス規制の影響で主要部材シャシの入庫が遅れたことによりまして、生産工程が輻輳したことや、環境車輌事業の工場移転に伴います経費の増加が重なったこともあり、12.1パーセントの減となりましたが、前期に続く過去2番目の高水準となりました。

2018年度の業績予想につきましては、全セグメントが増収増益となる見通しであります。特徴といたしましては、消防車輌事業の国内の需要台数は2017年度とほぼ同水準であると考えておりますが、海外売上が伸びる見通しでありまして、売上高は2.9パーセント増と過去最高を更新するものと予想をしております。

また、営業利益につきましても、消防車輌の製品ミックスが改善することや、前期の一過性の生産工程の混乱がなくなることなどで、8.4パーセントの増益を予想しているところであります。

なお、今年度は、当社の中期経営計画の最終年度となる中で、売上高1,000億円、営業利益100億円という経営数値目標には届かない予想ではありますが、海外売上高比率を伸ばすなど、着実な事業成長を目指しているところであります。

基本情報

それではまず、簡単に会社概要をご説明させていただきます。

当社の創業は1907年でありまして、今年(2018年)で111年目を迎えております。2008年10月より持株会社制に移行しておりまして、連結子会社14社・持分法適用会社3社で構成されているグループでございます。

事業概要

当社グループでは、ご覧の4つの事業を展開しております。

当社は、消防車輌の製造販売が発祥の事業であります。売上高で6割弱、利益の3分の2を占めるメインビジネスとなっております。また、2016年1月末には、フィンランドのBronto Skyliftという消防車メーカーを買収し、100パーセント子会社として当社グループに迎え入れ、海外事業の強化を図っているところであります。

(左から)2つ目の消火器や消火設備等を取り扱う防災事業でありますが、消防車輌事業に次ぐ収益の第二の柱とすべく、注力しております。2008年には、当時東証2部上場の宮田工業を買収し、消火器シェアは4年連続トップとなるなど、前期はとくに当社グループの成長に貢献いたしました。

産業機械事業は、主に鉄スクラップ処理機械を製造販売しておりまして、切断機ではトップシェアでございます。

環境車輌事業は、衛生車や塵芥車を製造販売しており、衛生車が主力の事業でございます。

マーケットシェア (1998-2017)

当社グループの事業は、いずれもニッチなマーケットではありますが、ご覧の折れ線グラフのとおり、多くのトップシェア商品を有していること、また、成熟した市場の中でマーケットシェアを着実に伸ばし成長していることが、当社の大きな特徴であります。

連結損益計算書

それでは、2017年度の決算概要についてご説明いたします。

まず、連結損益計算書でございます。売上高は855億円となり、2016年度を4億円、0.5パーセント上回り、過去最高を更新いたしました。

一方、利益につきましては、消防車輌事業の国内需要が反動により減少したことや、環境車輌事業の工場移転により経費が増加したことなどもあり、減益となりましたものの、営業利益は85億円、経常利益は90億円となりました。また、大きな特別損益もございませんでしたので、当期純利益は57億円と、過去2番目の高水準となりました。

セグメント別 収益実績

セグメント別の売上高と営業利益です。棒グラフは、一番左側が2016年度実績、真ん中が2017年度予想、右側が2017年度実績を表しております。

前期の業績予想につきましては、売上高830億円、営業利益87億円、経常利益90億円、当期純利益54億円と発表しておりました。

売上高・経常利益・当期純利益は予想を上回る結果となりましたが、営業利益は残念ながら約2億円、2パーセント下回ることとなりました。業績予想と実績の乖離の主な要因について、ご説明申し上げます。

消防車輌事業は、予想を約2億7,000万円下回ることとなりました。これは、冒頭で申し上げましたとおり、国内需要が減少したことに加え、新排ガス規制の影響によりシャシの入庫が遅れたことで、生産工程が輻輳したことが、主な要因でございます。

環境車輌事業におきましては、昨年(2017年)5月の工場移転により、ここも生産工程が乱れたことで、約1億9,000万円下回ることとなりました。それらの落ち込みを、好調な防災事業や産業機械事業が補いましたものの、連結では予想を約2億円下回ることとなりました。

セグメント別 受注状況

続いて、セグメント別の受注高と受注残高でございます。

消防車輌事業は、マーケットシェアは引き続き好調でありましたが、国内需要が減少したことが要因で、受注高が落ち込みました。

一方、防災事業は(パッケージ型自動消火設備の)「スプリネックス」の受注を大きく伸ばしたことで、受注高は52パーセント増、受注残高は104パーセント増と、大きく増加しております。

また、環境車輌事業につきましては、主力の衛生車の需要が減少したことが影響しております。

四半期収益構成

これは、四半期ごとの売上高・営業利益の構成を示しております。当社グループの事業は、とくに消防車事業の官公庁向けの売上高の占める割合が高いことから、収益が下期に偏重する傾向があります。

そして、先ほど申し上げましたとおり、消防車輌事業や環境車輌事業の生産工程が輻輳したことで、第4四半期に出荷が偏重したことが影響し、売上高の41パーセント、営業利益の56パーセントを第4四半期に計上することになり、例年以上に下期偏重型となりました。

連結貸借対照表

次に、バランスシートです。総資産は、前期比88億円増の1,148億円となりました。88億円の増加は、流動資産で82億円増加したことが主な要因であり、売上債権で43億円、棚卸資産で約22億円増加した結果でございます。

また、負債につきましては、仕入債務を中心に流動負債が52億円増加する一方、長期借入金が24億円減少した結果、28億円増加となりました。その結果、純資産は前期比60億円増の627億円となり、自己資本比率はプラス1.1ポイントの53.8パーセントとなりました。

連結キャッシュ・フロー計算書

次に、キャッシュ・フローでございます。営業キャッシュ・フローは、72億円の収入となりました。これは主に、税引前利益が90億円、仕入債務の増加等47億円で資金が増加した一方、売上債権が30億円の増加、法人税等の支払い35億円などで、資金が減少したことによるものであります。

投資キャッシュ・フローは、24億円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得に伴う21億円によるものであります。

また、財務キャッシュ・フローは35億円の支出となりました。これは主に、長期借入金の約定返済の23億円、配当金の支払いの13億円等によるものであります。これらの結果、現金及び現金同等物は、前期比13億円増の92億円となりました。

連結収益予想

次に、2018年度の業績見通しについてご説明いたします。

売上高につきましては、消防車輌事業の国内需要は前期並みであるものの、海外売上が伸長する見通しであることなどから、前期比約3パーセント増、25億円の増加を予想しております。

また、利益面では、消防車輌事業の製品ミックスが改善することや、消防車輌・環境車輌において、前期に発生した一過性の生産工程の乱れがなくなることなどから、8.4パーセントの営業増益を予想しております。

セグメント別 収益予想

セグメント別の売上高と営業利益を2017年度と比較しますと、このようになります。詳細につきましては、後ほどセグメント別概況にてご説明いたしますが、冒頭に申し上げましたとおり、全セグメントが増収増益となることを予想しております。

消防⾞輌事業①

それでは、セグメント別に概況をご説明申し上げます。

まず、消防車輌事業です。今期の国内需要は、前期と同水準で推移するものの、海外売上が伸びる見通しであることから、17億円・3.4パーセントの増収を予想しております。

消防車輌事業における海外売上高比率を30パーセントにすることを、1つのターゲットにしてまいりましたが、今期はそれを達成できる見通しであります。また、営業利益につきましても、国内の製品ミックスが改善することや増収効果により、8.5パーセントの増益を見込んでおります。

消防⾞輌事業②

この左上のグラフは、国内の消防車市場の状況でございます。白の棒グラフが需要台数、赤の棒グラフが当社の受注台数、そして青の折れ線グラフが当社のシェアでございます。消防車の需要台数は、ここ十数年はご覧のとおり、1,000台から1,200台程度の水準で推移しております。今期は、前期程度の需要を予想しております。

こうした中で、当社は付加価値の高い独自の商品を開発・投入することでシェアを高めてきており、前期のシェアは57パーセント台と、過去最高水準となりました。

当社の高付加価値製品の一例として、水ではなく泡で消火する「CAFS(Compressed Air Foam System)」という商品がございます。「CAFS」は、水・消火薬剤・圧縮空気を混ぜて泡で放射することにより、消火効率を格段に向上させる装置です。使用する水の量が少なくて済むことなど、多くの長所を持った商品であります。

「CAFS」に代表されるような高付加価値商品の開発・市場投入を継続し、さらなるシェアアップと収益力の強化を図ってまいります。

なお、海外事業につきましては、前期の地域別売上高構成は(スライドの左下の円グラフを)ご覧のとおり、APACを中心として、EUや中東でも一定の売上を確保しております。前期に引き続きAPACが牽引役となり、冒頭に申し上げましたとおり、今期の海外売上高比率は30パーセントを超える見込みであります。

APAC以外の地域においても受注に向けた準備を進めており、特定地域に偏らない事業展開を進めることにより、海外事業規模の一層の拡大に取り組んでまいります。

防災事業①

続いて、防災事業です。消火器の需要は前期と同水準で推移するものの、消火器のマーケットシェア向上を図るとともに、多くの受注残高を抱えている「スプリネックス」が続伸する⾒通しであることから、増収増益を予想しています。売上高・営業利益とも、前期に続き、過去最高の更新を見込んでいるところであります。

防災事業②

当社グループは、かつては消防車輌事業1本足の収益構造でありましたが、防災事業を第2の柱として育てるべく、2008年に宮田工業を買収し、着実に事業拡大を果たしています。

左のグラフのブルーが、「スプリネックス」というパッケージ型自動消火設備であり、ここ数年の防災事業の成長を牽引しています。

右下には、消火器の需要本数をグラフで示しています。消火器の需要は、2011年に施行された法改正の特需は一段落したものの、堅調な推移となっており、今期も480万本程度と高水準な需要が続くと見込んでいます。当社の消火器のシェアは約34パーセントと、4期連続トップとなっていますが、もう一段のシェアアップを目指しています。

続いて、「スプリネックス」です。「スプリネックス」の最大の特徴は、延焼防止にとどまる一般的なスプリンクラーとは異なり、消火能力の高い薬剤を使用することで、完全消火が可能である点です。

また、寒さや地震にも強く、既存設備への後付が容易というメリットもございます。2014年に医療施設のスプリンクラー設置基準が強化されたことに伴いまして、スプリンクラーの設置に対して、補助金の付与が2014年度から継続されており、2018年度の補助金も成立しています。

補助金による追い風もございますが、「スプリネックス」のメリットに対する認知度が向上していることで、補助金が付与される医療施設に限らず、共同住宅や高齢者向け住宅を手がけるハウスメーカー向けの販売も、近年増加傾向にあります。消火器のシェアアップと「スプリネックス」の販売拡大の両輪により、防災事業のさらなる成長を目指してまいります。

産業機械事業①

次に、産業機械事業です。今期は鉄スクラップ価格の回復に伴い、主力の切断機の需要増加が見込まれるため、増収増益を予想しています。切断機のみならず、新商品の開発・拡販に取り組むとともに、部品・メンテナンスの拡大に注力し、収益力の向上を目指してまいります。

産業機械事業②

産業機械事業の主力製品である切断機は、鉄スクラップを回収して加工処理を行う、いわゆる鉄スクラップ加工業者が主な顧客となります。鉄スクラップ加工業者の設備投資の動向、つまり切断機の需要は、右のグラフのとおりです。鉄スクラップ価格に影響され、おおむね連動しています。

ご承知のとおり、鉄スクラップ価格の足元は回復の兆しも見せていますので、今期の切断機の需要も回復を予想しており、前期を上回る業績を見込んでいます。

環境⾞輌事業①

最後に、環境車輌事業です。今期は、塵芥車の需要は前期と同水準で推移するものの、主力の衛生車の需要は回復することや、前期に稼働した、新工場での移転直後の生産性悪化が回復することにより、増収増益を見込んでいます。

環境⾞輌事業②

このグラフは、衛生車および塵芥車の需要台数を示しています。衛生車・塵芥車の需要は、新排ガス規制に伴う需要が一巡したことで、前期は若干減少しましたが、今期は持ち直すと予想をしています。

当社が80パーセント以上のシェアを獲得している衛生車の需要は、長期トレンドでは減少傾向にありましたが、近年は底打ちをし、おおむね900台前後で落ち着いています。

塵芥車につきましても、2003年に始まった、排ガス規制による駆け込み需要がピークだった2003年度以降、しばらくは減少を続けていましたが、近年は4,000台を超える水準に持ち直しています。そのような中、当社は好評を得ている新モデルの展開により、シェアアップを図っています。

設備投資・減価償却費・研究開発費

最後に、投資の状況および株主還元策をご説明いたします。

設備投資・減価償却費・研究開発費の見込みにつきましては、ご覧のとおりとなっています。今期の設備投資は約19億円、減価償却費は約23億円を見込んでいます。環境車輌事業の新工場への投資が完了したことにより、グループの工場再編は一巡したことから、設備投資はおおむね減価償却費と同水準を見込んでいます。

また、今期の研究開発費は約16億円を見込んでいます。このうち多くは、消防車輌事業に関する研究開発でございます。

株主還元策

最後に、株主還元策でございます。当社の配当政策の基本方針は、安定的な配当の継続および(配当額の)向上としており、これまでも安定配当に加え、収益の状況に応じて、着実に向上させてまいりました。

前期の配当金につきましては、(2018年)4月27日に発表しましたとおり、期末配当を14円とすることで、年間普通配当を24円から26円へ、2円への増配を実施いたします。

今期につきましては、中間・期末とも15円とし、年間では4円の増配の30円とする予定でございます。今後とも安定的・継続的な配当を方針としながら、業績動向や財務状況等を踏まえて決定してまいります。

以上で、ご説明を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。