ショッピング感覚で使える“クラウドファンディング”とは

頼藤太希氏(以下、頼藤):こんにちは。

高山一恵氏(以下、高山):こんにちは。

頼藤:ゆる~くマネーについて語るラジオ『マネラジ。』。

(会場拍手)

頼藤:58回目です。最近はどうですか、高山さん。

高山:プライベートな話なんですけど、息子が保育園を卒園しまして。

頼藤:おおー。おめでとうございます。

高山:ありがとうございます。本当にずっと泣いてた(笑)。親バカだけど、わぁ大きくなった! みたいな感じでずっと泣いてました。

頼藤:なんか言うんですか? 「ママ、今まで育ててくれてありがとう」とか。

高山:そうなの。一言そういうのがあって、もう号泣。でもほかの子のもみんないいから、ほかの子のも泣いてたよ(笑)。

夜の謝恩会はすごい飲んだ(笑)。飲んで騒いだ。

頼藤:それはお父さんお母さんもはしゃぐでしょうね。

高山:すごいはしゃぎ方で、本当にほかのお客さまに申し訳なかったというぐらい。5時間ぐらい飲みましたからね。

頼藤:(笑)。なるほどね。

僕はニュースといえば、今じつは、本を3冊書いてまして。

高山:そうだよね、今すごいですよね。

頼藤:そのうち2冊は仮想通貨なんですけど(笑)。

高山:ビットコインの人になってるよね。

頼藤:ビットコインというよりは仮想通貨ね。もう1冊が投資信託の本で、全部で3冊。けっこう大忙しで。

高山:じゃあゴールデンウィークも夏休みもないね(笑)。

頼藤:疲れちゃいますね(笑)。

高山:まあ、お仕事はありがたいですけどね。

頼藤:ありがたいんですけどね。それだけ重なるとひやひやします(笑)。

高山:やばいよ。これ聞いてる出版社の方から「頼藤さん!」とかって(笑)。

頼藤:じゃあ今のはカットで…(笑)。

高山:(笑)。やる気出してくださいよ。

頼藤:3冊あるとうれしいことですよね。

高山:うれしいことですよね。

頼藤:というわけで今回は、クラウドファンディング。今まで取り上げてなかったのが不思議かもしれないですね。

高山:そうですね。

頼藤:クラウドファンディングは知ってますか?

高山:一応、概要は知ってますよ、もちろん。わたしの経営者の友達も、クラウドファンディングで子ども向けの……なんだっけ。

頼藤:ああー。「Custom Bibs」ね。

高山:そうそう。子ども向けのなんだっけ。

頼藤:よだれかけ。

高山:よだれかけの事業を立ち上げたいから、お金出してくれという要請が来ましたので出資しました。

頼藤:仲良くしている尾崎さんのプロジェクト、熊本の「おいしいミニ炊き出しブック」は、ちゃんとプロジェクトに成功して、お金を集めて出版に動いているんですけれども。

高山:お金出しましたよね。

頼藤:はい。クラウドファンディングのセミナーを僕、商工会議所でやったんですよ。

中小企業の経営者向けに、クラウドファンディングを活用してマーケティングに活かそうみたいな話だったんですけれども、今日はクラウドファンディングにお金を貸そうというか、寄付しようという消費者目線でのご紹介をできればと思います。

じゃあまずクラウドファンディングとは。クラウド×ファンディングの造語なんですけれども。

高山:モノやサービスをつくりたいとか、世の中の問題を解決したいといったアイディアやプロジェクトを持つ起案者が、専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人から広く資金を集める方法です。

頼藤:どこか読んだんですね(笑)。

クラウドというのは群衆という英語なんです。クラウドから資金を調達する、ファンディングが資金調達だから。

今まで群衆からお金を集めるのは寄付があったじゃないですか。募金活動。でもあれはどこかの道端に立って、「赤い羽根募金おねがいしまーす!」とかじゃないですか。じゃなくて、これはネットで呼びかけるというところがポイントなんです。

それで不特定多数の人から寄付を集めるというところで、クラウドファンディングというのが人気が出ている。

クラウドファンディングというのはそういうことなんですけども、例えばミュージシャンの方が「CDを出すために100万円必要です。みなさま100万円寄付お願いします、達成したあかつきには、サイン入りで、CDをプレゼントします」みたいなお礼の品を付けて募集を募る。

例えば100万円という目標金額を達成できたらもらえる。達成できなかったらもらえないというのが基本。

これは成功時報酬型という寄付の募集の仕方なんですけれども、もう1つ実施確約報酬型というのもあるんですけれども、稀です。

どういうプロジェクトに多いかというと、もう映映画の制作は終わっているから、あとは配信するだけ、だからその場合は100万円募集したとしても、達成できなくてももらえる。50万円しか集まらなかったとしても、もらえるという感じです。

クラウドファンディングが日本で流行ったのは東日本大震災と熊本の地震かな。

復興のために寄付を募って使われたのでけっこう大きく広がったんですけれども、別に復興だけじゃなくて、今言った音楽CDもそうだし、地域活性化の本だったり、新商品・新サービス。こういった商品を広めたいので、みなさん寄付お願いしますと。

あとは発展途上国に学校を建設したいとか、カフェを開業したいとか、古民家を再生したいとか、NPO活動を継続したいとか、渋谷に図書館をつくりたいとか。

あとは主婦がお祭りを開催とか、アーティストの個展、海外の有名なアーティストを日本に招くための渡航費と開催費を集めたいとか。いろいろできるんですよ。

高山:それはいいね。じゃあperfumeに来てもらうとかできる? それはまた違う?(笑)。

頼藤:できるんじゃないですか? perfumeの出演料とか渡航費とか。

高山:じゃあこれ聞いてるファンの方やりましょう(笑)。

頼藤:ただ、クラウドファンディングが成功するためには共感が必要なんですよ。

高山:確かにお金出してもらうんだもんね。

頼藤:そう。共感したり、応援したいと思ってもらえるようなのじゃないといけない。消費者側からすれば、応援したいと思えないと出さないですよね。

高山:それはそうだよね。

頼藤:クラウドファンディングは、最近、お礼がついているんですよね。音楽CDの発売だと、CDがもらえるとかなんですけれども、新商品がいち早くもらえるとか、安く買えるとか、先行発売とか。だから簡単なショッピングみたいな感じで使う人も多い。

クラウドファンディングは寄付金控除を使えるものもあるんです。例えば、復興とかは寄付金控除の対象になりますよね。

高山:そうだね。

頼藤:だからお礼品が魅力的だったら、それを目的にやるという。ふるさと納税の返礼品みたいな感じで選ぶ人が多い。

クラウドファンディングサイトはいろいろありますから、そういうサイトでいろいろ物色して、おもしろいプロジェクトないかなと見て、お金を1万円とか5,000円とか寄付するという感じですね。

高山:なるほど。

クラウドファンディングは4種類、お礼の品が魅力的な「購入型」に注目

頼藤:クラウドファンディングは、実は大きく分けて4種類に分かれるんです。

まず寄付型。寄付しておしまい。お礼にホームページ上に名前を載せます。これでおしまい。あとはサンキューレターみたいな。

2つ目が購入型。商品とかサービスをもらえるんです、プロジェクトを達成したらお礼品として。例えば寝室に置くプロジェクター、天井に張り付けるプロジェクターとかあるんですけど、お金が集まったらこのプロジェクターを開発して、できたらみなさんにお届けします、みたいな。それも購入型ですよね。

3つ目が融資型。これはソーシャルレンディングと言われています。企業にお金を貸しつけると。リターンは利子をもらえるという感じです。

あとは投資型。中小企業の株を買うみたいな感じです。ファンド形式だったらそこにお金を出資する、投資信託みたいな感じですね。

この4つに分かれます。

中でも購入型というのに一番注目が集まっていると。それはお礼品が魅力的だからということなんです。

高山:クラウドファンディングで成功してる事例は、けっこうあるんですか?

頼藤:ありますよ。「世界一のメンズフェイシャルエステをつくり、日本の男がかっこいい未来をつくる」みたいな。

高山:なにそれ?(笑)。

頼藤:サロンを開きたいからお金くださいみたいな感じで、3,140万円集めたんだって。

高山:すごい! じゃあ男性はそういう願望あるんだね、やっぱり。

頼藤:そう(笑)。あとは古民家を再生したいからとか、日本酒の新しい楽しみ方を日本、そして世界に広めたいとか。そういうのあるんですよ、けっこう。いろいろあります。

高山:でも資金集めるのが大変そうな気がする。本当に共感を得ないと、ということでしょ?

頼藤:そう。だから共感を得るためにすごい苦労するんですよね。

高山:そんな感じしますよね。

頼藤:いろいろあるんです、本当に。楽しいですよ。映画の最後のエンドロールに名前が載るとかもいいですよね。

高山:いいよね、超大作みたいなのに載ったり。スターウォーズとかに載っちゃうみたいな。

頼藤:でもスターウォーズぐらいになると長すぎて見ないという(笑)。

高山:最後、長いよね。いつ帰ろうかなみたいな感じ(笑)。

頼藤:そういうのはありますよね。あとはコワーキングスペースつくりたいからお金くださいみたいなのとか、いろいろあります。

芸能人の方がやるクラウドファンディングもけっこう多くて、芸能人の方はお礼品は一緒に食事会をするとか。

高山:おおー! もしかして木村拓哉の横とかに座れて(笑)。

頼藤:あと、すごくお金を集めてたのが、スマート音声翻訳デバイス「IU」という20言語対応の翻訳機。「IU」というのはわたしとあなたという意味なんですけど。例えばフランス語、英語とか言ったら、フランス語を英語に換えて、英語をフランス語に換えてくれる。

高山:すごい便利。

頼藤:これ5,000万円ぐらいお金を集めていたんです。

高山:なるほどね。

頼藤:あとは「ひふみ投信」は知ってます?

高山:お世話になってます。

頼藤:そこが民間初のロケットプロジェクトみたいな「ひふみ」と書いてあるロケットを飛ばそうとしているんですけど、そういうのもあります。いろいろあって楽しいんですよ。

本当におもしろいですよ。やっぱりお礼品が魅力的なのが多いからかなと思います。

高山:確かに。

頼藤:いろいろあるんですよね。お礼品はそのプロジェクトに関わる商品とか、DVD、CDとかもありますし、作家とランチとかディナーとか。もちろん手書きメッセージや、本の場合は出版物。あとはサイト上にエンドロールとか、産地限定品とか。

若干、ふるさと納税に似てますよね。

高山:そうですね、そのへんだと。

頼藤:あとは完成パーティーイベントの招待券とか、サインとか似顔絵とか、フォトグラファーの人は写真1枚無料で撮るとか。いいですよね、そういうのがリターンにあると。おもしろそうじゃないですか?

高山:いいですね。

頼藤:クラウドファンディングサイトは、いろいろあるんですよ。「Makuake」とか「CAMPFIRE」とか「Readyfor」とか「MotionGallery」とか「FAAVO」とか。

「MotionGallery」は映画とかゲームとかエンターテインメント系が強くて、「Makuake」、「CAMPFIRE」、「Readyfor」は総じていろんなのがあります。「FAAVO」は地域貢献系が多いという感じです。

どうですか? おもしろそうじゃないですか?

クラウドファンディングサイトは新たな流行を探すヒントにもなる?

高山:おもしろそうですね。そういうの聞くとすぐやっちゃおうかなと思っちゃうタイプだから。

頼藤:応援する側は楽なんです。でもお金を集めるのはすごい大変。

高山:大変だと思うよ! 本当に。やっぱり人さまからお金を出資していただくというのは大変なことじゃない?

頼藤:仲良くさせていただいている尾崎さんと一緒にやっている山本さんという方に、取材に行ったんです。熊本の「おいしいミニ炊き出しブック」出版プロジェクト、成功されたんですけど、どうだったんですか? と聞きにいったんです。

すごい大変そうでしたよ。募集している30日間は毎日ブログ書いたり、寄付してください! みたいなあいさつ回りみたいなこととか。

高山:本業あるもんね。本業のかたわら、やらなきゃいけないんだよね。

頼藤:そうなんです。しばらくやりたくないと言ってました、クラウドファンディング。それぐらいつらかったんですって。

成功したからコンサル入ってくれという依頼も来たみたいなんですけど、自分が本腰入れてやりたいと思わなければできないよと言ってました。

高山:それはそうかもしれないですね。

頼藤:このプロジェクトをやるんだ! という思いがないと絶対できないと言ってました。簡単にマーケティングに使えるからという甘い考えではできないという感じですね。

高山:なるほど。でもそうだろうね、本業があってクラウドファンディングで資金集めをやるとなら、よっぽど志がないと。

頼藤:ただお金を集めるのは個人でもできますから、企業じゃなくても。だから自由にできるんですけれども、なかなかお金を集めるのは大変という。

だから、どういうプロジェクトがあるのか物色するのはいいんじゃないですかね。最近のはやりとかも、そこで見つかることがあると思うんです。どういうのがはやっているんだろうとか、これからどういうビジネスが出てくるんだろうとか。

高山:確かに。

頼藤:どうですか? やってみようと思いました?

高山:思う(笑)。もう、すぐ見ようかなと思っちゃう。

頼藤:お! いいですね。先生はちゃんと仮想通貨もやってますもんね(笑)。

高山:(笑)。とりあえずね。いろいろ試さないといけないんで。今すごい下がり方ですね。あと為替もすごく下がってて、個人的には寂しいんだよね。

頼藤:悲しいですよね。

高山:円高になっちゃってすごいね。

頼藤:まあ日米の政治で、すごく下がってますから。

過去、イタリアの選挙でユーロがバーンと下がった時があるんですよ。でも政治はすぐ回復するんですよね。ずっと円高になり続けるということはないと思います。

高山:じゃあどこかの段階で円安になった時にバーンと一気に。

頼藤:だって経済指標としては、いい指標が出ているんですよ。だから正常化はすると思います。それがいつの時期なのかはわからないんですけど、大丈夫となった瞬間に踵を返すようにマーケットは動きますからね。

高山:そうですね。準備が必要ですね。

頼藤:少し最後違う話になっちゃいましたね(笑)。

高山:ごめんなさい(笑)。個人的な資産形成の話にいきなりなってしまいました。

頼藤:もしかしたら、そういう話をたくさん聞きたいかもしれないんですけどね。

今回はそんな感じでいいですかね。クラウドファンディングをショッピング感覚で最近活用している人が多いと。アメリカ人は本当に活用しているんですって、ショッピング感覚で。お礼品がいいのがいっぱいあるから。

高山:なるほどね。

頼藤:そもそもアメリカにはふるさと納税はないですけどね。だから日本もそういうふうになってきているらしいですよ。傾向があるということなので、ぜひこの機会にクラウドファンディングのプロジェクトどういうのがあるんだろうと調べてみてはいかがでしょうか。

というわけで、本日もお時間となりましたので、頼藤太希と。

高山:高山一恵が。

全員:お送りしました。またねー、seeyou!