2018年9月期 第2四半期のまとめ

森崎孝氏:社長の森崎でございます。みなさま、本日はお忙しいなか、私どもの決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。これより、2018年9月期第2四半期決算と、通期業績予想をご説明申し上げます。

最初に、全体像でございます。上期決算は、主にシンクタンク・コンサルティングサービス(TTC)の大幅な改善により、増収増益となりました。

連結売上高は前年同期比41億6,000万円増の464億7,000万円です。官公庁、金融・カード、民間(一般企業)、すべての部門において(売上高は)増加し、(前年同期比)9.9パーセントの増収となりました。

経常利益は、前年同期比11億1,000万円増の46億6,000万円となりました。売上増とシンクタンク・コンサルティングサービスの利益率改善が寄与し、増益となっています。詳細は後ほどご説明申し上げます。

純利益は29億4,000万円で、前年同期比34.5パーセントの増益となりました。

第2四半期連結決算 <前前同比>

続きまして、連結損益計算書の概要です。3ページでございます。

売上高はただ今申し上げましたとおり、前年同期比41億6,700万円の増収となりました。売上総利益は、前年同期比14億1,700万円増加しました。

販管費が(前年同期比)1億6,900万円増加しましたが、利益率改善により、営業利益は、前年同期比37.4パーセント増の45億8,000万円となっています。また、経常利益は、(前年同期比)11億1,600万円増の46億6,300万円。親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比34.5パーセント増の29億4,200万円となりました。

顧客業種別売上高 <前同比>

4ページは売上高の内訳を、お客さま別、種別に示したものでございます。

冒頭ご説明申し上げましたとおり、官公庁、金融・カード、民間(一般企業)、すべての部門で増収となり、全体では前年同期比9.9パーセントの増収です。

(グラフを)下から順番に見てまいりますと、官公庁は大型プロジェクトが売り上がるなど、売上計上案件が増加し、前年同期比22.2パーセントの増収です。

ボリュームが最も大きい金融・カード、こちらは主にメガバンク向けの基幹システム・市場系リスク関連システム、このような(システム)構築案件が堅調で、(前年同期比)5.2パーセントの増収となりました。民間についても、電力など主要なお客さま向けサービスに加え、AIを活用した新サービスが寄与しはじめたことで、前年同期比9.2パーセントの増収となりました。

経常利益の変動要因 <前同比>

5ページは、経常利益の前年同期比変動要因をブレークダウンしたものでございます。

前年上期の(経常利益)35億4,600万円に対し、この上期は46億6,300万円と、11億1,600万円の増益です。

内訳を見てまいりますと、売上増による増収効果に加え、シンクタンク・コンサルティングサービスでの利益率の改善効果がプラスに働き、販管費の増加や営業外収益減の影響を打ち消して、増益となっています。

シンクタンク・コンサルティング サービス(TTC)

6ページです。続きまして、セグメント別の業績をご説明いたします。

まず、シンクタンク・コンサルティングサービスです。こちらは概ね、三菱総合研究所本体の業績に相当いたします。売上高は、前年同期比24億600万円増の164億円。経常利益は、前年同期比10億1,200万円増の23億2,800万円と、7割強の増益となっています。

これは先ほどご説明申し上げました、官公庁向け大型案件が売り上がったことに加え、中期経営計画のもとで注力しています、AIを活用した新サービス、例えば「エントリーシート優先度診断サービス」、電力料金の予測サービスなどが、着実に(売上に)寄与しはじめたことによるものです。

利益面では、戦略的な受注に取り組んだことや、大きなトラブルもない一方で、経費を抑制し、営業利益率が改善したことで、増益となりました。

(表の)一番下の行、受注残高は上期の売上の案件が多くなったことも影響し、(前年同期比)9.8パーセントのマイナスとなっていますが、その上に記載しています受注高、こちらは民間向けが順調に積み上がり、前年同期比8億3,000万円、4.8パーセントのプラスとなっています。

ITサービス(ITS)

7ページです。次に、ITサービスについて、ご説明をいたします。こちらは概ね、三菱総研DCSグループの業績となります。

売上高は、前年同期比17億6,100万円増の300億7,000万円。経常利益は、前年同期比1億1,200万円増の22億8,900万円となりました。金融・カードのうち、とくにメガバンク向けのシステム構築案件に加え、一般産業向けも堅調で増収増益となりました。

当期(2018年9月期第2四半期累計)の受注残高は、上期売上案件が多くなったことから、(前年同期比)2.4パーセントのマイナスとなっていますが、受注高は順調に積み上がっており、前年同期比13億8,700万円、5.2パーセントのプラスとなっています。

期末受注残高 <前同比>

受注状況について、(2018年)3月末の受注残高を前年と比較して、ご説明をいたします。全社の受注残高ですが、これは受注高の累計から、すでに売り上げた金額を差し引いた数値です。

(2018年度9月期)下期の売上予定と来期(2019年9月期)以降の売上予定、この両方を含んだものです。上期末の受注残高は、1年前(2017年9月期第2四半期末)の625億3,500万円に対し、この3月末は589億9,900万円で、5.7パーセントの減となっています。

セグメント別に見ますと、シンクタンク・コンサルティングサービスは(前年同期比)26億8,600万円、9.8パーセントのマイナス。上期売上案件が増加したこと、および大型の実証事業の減少に起因するものでございます。

ITサービスも上期売上案件の増加により、(前年同期比)2.4パーセントのマイナスとなっています。ただ、当期売上予定の受注は順調に進んでおり、全社の通期計画に対しましては、すでに約9割の受注を確保しています。

2018年9月期 連結業績予想①

10ページに移ります。続きまして、通期業績予想をご説明いたします。

上期は前年同期を大きく上回る業績となりましたが、期ずれによって上期売上案件が増加したことなどを勘案し、通期予想は据え置きとさせていただいています。下期、シンクタンク・コンサルティングサービスセグメントでは、現在着実に成果を生みはじめている、新しいサービスの投入の本格化など、今後に向けた研究開発投資を進めることを見込んでいます。

また、ITサービスセグメントでは、将来のクラウド化対応も含め、顧客向けサービス基盤の高度化を進めるために、メインフレームの廃止に関連する費用などを見込んでいます。

以上から、現時点におきましては、通期業績予想を不変としていますが、今後予想を上回る結果を実現すべく、グループを挙げて邁進してまいる所存でございます。

2018年9月期 連結業績予想②

11ページは、ただ今申し上げました説明を、損益計算書に展開したものでございます。

2018年9月期 配当予想

12ページです。中間配当は期初公表のとおり、1株あたり40円といたします。期末の配当予想も現時点では不変とし、年間配当予想額は、期初公表の80円。前期比5円のプラスを維持いたします。

以上の予想に基づきます配当性向は、33.3パーセントとなる見込みです。基本スタンスといたしましては、今後とも、安定的な配当を継続的に行いながら、業績や財務健全性とのバランス等も総合的に勘案しつつ、配当水準の切り上げを目指してまいりたいと考えています。

中期経営計画における成長戦略

14ページに移ります。昨年(2017年)10月に発表した、今後3ヶ年の中期経営計画におきましては、成長戦略として、官民共創・海外を含む民間向け事業を、今後成長を牽引する事業に位置付けました。

14ページ(上部のコメント)に記載していますとおり、官民共創は社会課題を起点に、官民横断領域におけるコンサルティングからソリューションまで、一貫してご支援する事業でございます。

民間企業と書いていますのは、実績と市場性のある分野で新技術、あるいは汎用ツールを活用したサービスなどを提供させていただく事業です。

それらの合計で、2017年9月期から2020年9月期、この3ヶ年におきまして、100億円の増収を目指していくとお話をしていました。これらの進捗について、本日はご説明いたしたいと思います。

官民共創の進捗

15ページでございます。官民共創事業におきましては、重点分野において、官民横断領域の拡大、また、IT実装までのスケールアップが展開しています。その結果といたしまして、下(のグラフ)に書いていますけれども、今期(2018年9月期)目標に対して、約7割の受注を確保しているという進捗になっています。

官民共創の実績(例)

16ページでございます。こちらは、具体的に、進んでいる案件の実例を書いたものでございます。

官民横断領域の拡大や、IT実装までのスケールアップが、実際にかたちとなってきた案件の実例です。例えば、ICT企業に向けたゲノム関連事業の技術評価を行う案件や、自動車メーカーに向けた次世代安全システム開発の案件、特殊法人向けのビッグデータ収集・分析システム構築などが進捗中です。

民間向け事業の進捗

17ページに移ります。民間向けの事業は、これまでのコンサルティングサービスに加えて、とくに新しい技術を活用して、企業のさまざまなニーズにお応えするかたちで、いわゆるストック型ビジネスが進展しています。

その中で、外部パートナーのみなさまとの連携も強めています。例えば、人材やヘルスケアなどの分野では、AIを活用した新しいサービスなど、すでに提供中のものに加え、実証実験や開発中のものなどが多数ございます。

提供中のサービスが売上に貢献しはじめてめており、全体では下(のグラフ)に書いていますとおり、今期(2018年9月期)の目標に対しまして、約9割の受注を確保しています。

民間向け事業の実績(例)

18ページに移ります。提供中のサービスといたしましては、例えば、学生向けの「エントリーシート優先度診断サービス」、これは51社の会社に正式導入いただいています。

また、高齢者のみなさまがウェアラブル、あるいは装着型のIoT端末を付け、楽しみながら運動できるようなサービスにつきましては、約100の事業所に採用いただきました。自治体向けAIでは、行政案内を行うサービス、「AIスタッフ総合案内サービス」と呼んでいますが、これについては(2018年)2月から3月にかけて、35団体の参加を得て、実証実験を行っています。この10月には商用サービスを開始する予定です。

加えまして、最近非常に人気のある、FinTech、こちらの分野におきましても、AIを活用した金融サービスとして、リテール向けのAIサービスを、地方銀行さま向けとして、7行にすでに導入をいただいています。

以上、上期につきまして、説明をいたしました。ご清聴ありがとうございました。