総括

藤本哲也氏:2018年3月期第3四半期決算の総括でございます。

第3四半期累計のグローバル販売台数は、対前年2パーセント増の118万6,000台と、過去最高の販売実績となりました。これは新型「CX-5」のグローバルでの販売貢献に加えまして、中国での好調な販売が台数成長を牽引したことによるものでございます。

また、防府工場で新たに新型「CX-5」の生産を開始いたしました。クロスオーバー系車種の生産を拡大したことも、台数成長をサポートしています。

財務実績では、売上高が2兆5,479億円。営業利益は対前年5パーセント増の1,071億円。当期純利益は849億円となっています。

通期見通しにつきましては、為替を実勢レベルに修正し、加えて販売台数の見直しを行っています。グローバル販売台数、総台数160万台の変更はございません。また、営業利益1,500億円の見通しにも変更はございません。さまざまな環境変化に対応しつつ、将来に向けた主要施策を着実に推進してまいります。

2018年3月期 グローバル販売台数①

それでは、第3四半期累計の実績をご説明いたします。

グローバル販売台数は118万6,000台となりました。北米では、主に米国でセダン系の車種が減少したことにより、対前年3パーセントの減少となりましたが、中国や日本をはじめとする販売拡大により、グローバルでは前年より2パーセント増ということになっています。

車種別ではグローバルで販売が本格化しています新型「CX-5」、これらを筆頭にクロスオーバー系車種の好調な販売が、台数成長を牽引しています。

日本

次に各マーケットの状況でございます。

日本の販売実績は対前年5パーセント増の13万9,000台。登録車シェアは、対前年0.1pts増の4.7パーセントとなっています。新型「CX-5」の順調な販売が、台数増加に貢献をいたしました。新型「CX-8」でございますが、(2017年)12月の発売後、約1ヶ月間で計画を大幅に上回る、1万2,000台の累計受注をいただいています。

また、(2017年)12月から、デミオの先進安全技術を拡充しています。これにより、日本国内で販売する主要6車種の全機種が、新しい自動車安全コンセプトの最上位である「サポカーS・ワイド」に該当しまして、より多くのお客さまに安全・安心を提供することになります。

北米

続きまして、北米でございます。

販売台数は対前年3パーセント減の32万1,000台となっています。新型「CX-5」の販売が好調な一方で、セダン系の車種では厳しい販売環境が継続しています。

「Mazda6」に商品改良を実施いたしまして、ロサンゼルス自動車ショーにおいて、初公開をいたしました。新たにSKYACTIV-G2.5Tを追加するなど、商品力を強化してまいります。

地域別には、米国はフリート販売を抑制したこともあり、対前年5パーセント減の22万台でございます。カナダでは対前年5パーセント増の5万9,000台。メキシコは対前年2パーセント増の4万2,000台となっています。

欧州

続きまして、欧州でございます。

販売台数は対前年1パーセント増の19万3,000台となりました。新型「CX-5」は販売を本格化して以降、欧州各国で販売が順調に推移しており、対前年で14パーセントの増加です。

国別では、ドイツで対前年7パーセント増の5万台。英国では需要縮小に伴いまして、対前年19パーセント減の2万4,000台となっています。ロシアでは対前年22パーセント増の2万1,000台の販売実績でございます。

中国

続きまして、中国でございます。

(販売台数は)対前年8パーセント増の24万5,000台と、第3四半期累計としては、過去最高の販売実績を達成しています。「Mazda3」および「CX-4」の好調な販売が、台数増加に貢献をしています。また、(2017年)9月から市場導入いたしました、新型「CX-5」も販売が順調に進捗しており、深化したデザインや商品力が好評でございます。

その他市場

その他の市場でございます。

販売台数は対前年3パーセント増の28万8,000台となっています。

オーストラリアでは販売実績が8万6,000台と、対前年2パーセント減となりましたが、メーカー別販売台数では第2位を継続しています。「CX-5」や「CX-9」などのクロスオーバー系車種の販売が好調で、とくに「CX-5」はセグメント1位を維持しています。

ASEAN全体では、対前年3パーセント増の8万3,000台となりました。なかでもタイですが、対前年26パーセント増の4万台の販売実績でございます。

一方、ベトナムですが、関税撤廃前の買い控え影響もございまして、対前年で25パーセント減となっています。

その他の地域ですが、ニュージーランド・チリ・ペルーで過去最高の販売台数となっています。

2018年3月期 財務指標①

続きまして、第3四半期累計の財務実績でございます。

売上高は対前年8パーセント増の2兆5,479億円となりました。営業利益は1,071億円と、対前年で51億円の増益となっています。当期純利益は849億円でございます。

為替レートにつきましては、USドル112円、ユーロ129円と、それぞれ対前年に比べまして、5円、11円の円安ということです。

2018年3月期 営業利益変動要因①

続きまして、第3四半期累計の営業利益変動51億円の要因でございます。左からまいります。

台数・構成では、主に米国での出荷台数の減少、また、競争激化に伴う販売費用の増加により、242億円の悪化となりました。

次に、為替では、ユーロで104億円、オーストラリアドルで100億円の改善などがあり、合計で315億円の増益要因です。

コスト改善では、コスト改善活動の進捗など、原材料価格の高騰などの影響が一部相殺いたしまして、ネットで45億円の改善です。

研究開発費は、次世代技術、商品の開発強化などにより、34億円の増加。その他固定費につきましては、33億円の悪化となっております。

2018年3月期 グローバル販売台数②

続きまして、2018年3月期通期見通しにつきまして、ご説明をいたします。

2018年3月期のグローバル販売台数、総台数は160万台と、前回公表と同じでございますけれども、地域別(販売台数)については見直しを行っております。

厳しい販売環境におきまして、北米、そして日本での計画を引き下げますが、好調な中国を上方修正しております。

2018年3月期 財務指標②

続きまして、財務指標でございます。

通期見通しの為替レート、USドルを110円から111円に、ユーロを127円から130円に変更しております。

内訳につきましては、後ほどご説明いたします。

為替レートの変更に伴う営業外収益の為替差益などのの影響を見直しております。

経常利益、税引前利益等、修正をしておりますが、営業利益と当期純利益につきましては、総額の変更はございません。

2018年3月期 営業利益変動要因②

続きまして、営業利益の変動要因でございます。

営業利益1,500億円の変動はございませんが、内訳について見直しをしております。

左から台数・構成ですが、主に米国での販売環境の厳しさなどを受けまして、20億円の悪化。

為替につきましては、ユーロ、ポンドを中心として、50億円の改善。

その他固定費領域で30億円の悪化という見通しを反映しております。

2018年3月期 営業利益変動要因③

通期の変動の見通しでございます。

通期243億円の変動の内訳ですけれども、台数・構成で、繰り返しますけれども、米国での出荷台数の減少、販売増加によりまして、220億円の悪化の見通し。

為替につきましては、ユーロで168億円、オーストラリアドルで107億円、すべての通貨で408億円の増益要因。

コスト改善につきましては、原材料等の値上げによる減益影響を、コスト改善活動でオフセットいたしまして、100億円の増益の見通し。

開発費につきましては、131億円の増加。

その他固定費では品質関連費用の改善などがありまして、86億円の改善の見通しとなっております。

主要施策の進捗①

続きまして、主要施策の進捗につきまして、ご説明いたします。

まず、商品開発では、新型「CX-8」を日本市場に導入いたしております。

新型「CX-8」は、お客様に新たな価値を提供する、3列シートSUVとして、新たな市場の創造に挑戦しております。

次に、「Mazda6」の商品改良モデルはSKYACTIV-G2.5Tや、気筒休止技術の搭載に加えて、デザインをより深化させるなど、商品力をさらに強化してまいります。来期に向けて、米国販売での反転を目指してまいります。

国内では、デミオなど、小型車にも先進安全技術を拡充し、より多くのお客様に安全・安心を提供してまいります。

技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に添いまして、「SKYACTIV-X」などの持続的成長に向けた次世代技術商品の開発を推進しております。

次に、グローバル販売・ネットワーク強化でございます。

販売環境に対応いたしまして、米国でのオペレーション改革、販売網への投資を来期以降一層強化してまいります。

主要施策の進捗②

グローバル生産領域ですが、タイにおきましてパワートレイン工場でエンジン機械加工工場を新設いたしました。

エンジンの年間生産能力を3万基から10万基に拡大しまして、エンジントランスミッションの一貫した現地生産体制の拡充を図っております。

また、防府工場で新型「CX-5」の生産を開始しておりますが、本社工場でのクロスオーバー系の生産能力拡大と合わせまして、来期以降の販売拡大をサポートしてまいります。

そして、トヨタ自動車とのアライアンスにおきましては、米国合弁新工場の建設予定地を米国アラバマ州ハンツビル市に決定しております。

新会社での電気自動車の共同技術開発をはじめとした将来の電動化対応は計画どおり進捗しております。

自動車市場を取り巻く環境の変化に対応しつつ、成長に向けまして、主要施策を着実に実行してまいります。

以上で、私からの説明を終わります。