頼藤太希氏(以下、頼藤):こんにちは。
高山一恵氏(以下、高山):こんにちは。
頼藤:ゆる~くマネーについて語るラジオ! マネラジ!
(両者拍手)
高山:今回は記念すべき第50回ということで、わたしがメインで。
頼藤:メインボーカル(笑)。
高山:メインボーカルで(笑)。いつも頼藤さんが出だしをやるんですけれども、今回はわたしがやらせていただきました。
頼藤:ちょっと趣向を変えてみましたね。
高山:趣向を変えてみましたけれども。最近のトピックスはありますかね?
頼藤:そうですね、これが放送されているときは、もしかしたらもう1月を越えているかもしれないので。あるとすれば、まず、ふるさと納税の返礼品の割合が3割になるところが多くなっているのかなと。
高山:残念ですね。
頼藤:実は、湯河原からはがきが届いたんですけれども、「平成30年1月1日から返礼割合が3割に変更いたします」と。
高山:今まで5割でしたよね?
頼藤:そう、今まで5割だったんですよ。だから例えば、3万円寄付したら1万5,000円分の宿泊ギフト券がもらえていたんですけれども、9,000円になってしまうということですよね。3万円寄付しても。
高山:そうだね。
頼藤:すごく魅力が下がってしまいますよね。3割にするかどうかは、なんていうか、けっこう努力義務でしたよね。けれども、2018年から3割にするところが多くなるんじゃないかなと思いますので、ふるさと納税も人気が収まっていくかもしれないですね。
高山:返礼品目当てだった人にとっては、ってことなのかな?
頼藤:といったところでしょうか。
高山:はい。今日は10万円で始められる金融商品についてお話ししていこうかと。
頼藤:預け先?
高山:はい、預け先。
頼藤:なるほど。新年ですしね。それ僕が?
高山:ええ。やっぱり証券アナリスト(資格)をお持ちの頼藤太希先生に聞いていこうかなと思います。
頼藤:なるほど。今、手元に10万円あったら、どこに預ければいいのかというところを、今日はじゃあ8個お伝えしましょうか。
高山:8個。
頼藤:その8個は、1つが個人向け国債。
高山:個人向け国債ね。
頼藤:2つ目が、ネット定期(預金)。
高山:ネット定期。
頼藤:はい。3つ目が個人向け社債。4つ目が旅行積立。
高山:旅行積立。
頼藤:5つ目が投資信託。6つ目がデパート積立。
高山:デパート積立。
頼藤:7つ目がソーシャルレンディング。
高山:ソーシャルレンディング!
頼藤:8つ目がiDeCoということで。それについてお話していこうと思うんですけれども、まず、個人向け国債です。個人向け国債って、みなさんご存じですかね?
高山:どうなんですかね。知ってらっしゃる方いるんですかね。
頼藤:じゃあ、先生お願いします。
高山:個人向け国債は、最低1万円から購入できるもので、国が個人向けに発行している債券です。金利タイプと満期の違いで3種類あるんです。具体的には市場金利に連動して、金利が半年ごとに見直される「変動10年」。
頼藤:変動10年。
高山:これは満期が10年のものです。あとは購入時の金利が固定されるタイプのもので、これは満期が3年の「固定3年」と満期が5年の「固定5年」というものがあります。
頼藤:なるほど。3種類ありまして、最低金利が決まっているんですよね。これが0.05パーセントなんです。かつ、元本割れナシです。購入後1年経てば、いつでも換金できると。ただ換金するときに、その直前2回分もらっている利子は返さないといけないんです。ただし、元本割れはしないということなので、定期預金や現金預金に置いているよりは、これを選んだほうがいいのではないかと。
中でも「変動10年」というのは、金利が連動するんです。世の中の金利が上昇すれば「変動10年」の金利も上昇してくれるということですし、もちろん、物価上昇、インフレになったときに金利が上昇しやすいので、「変動10年」を持っていると、インフレリスクや金利上昇リスクに対応ということができます。
高山:ちなみに今、普通預金の金利って0.001パーセントですからね。それに比べたら……。
頼藤:今は50倍ですよね。
2つ目、ネット定期です。定期預金って、けっこうよくキャンペーンをやっているんですけれども、普通の大手都市銀行と比べて、ネット銀行だったり、実は銀行のネット支店というのもあるんですよ。そういったところで預けたほうが、より高い金利を得られますよということです。
今回は2個紹介しますけれども、1個目はSBJ銀行。ここは定期預金金利は1年で0.12パーセント、これは税引き後です。3年は0.2パーセント、これも税引き後です。5年は0.24パーセントというところで、普通預金や大手都市銀行の定期預金よりは、ぜんぜん(金利が)高いということですね。
SBJ銀行は、セブンイレブンとミニストップで出金するときに、ATM手数料がどの時間帯でも何回でも無料と。これすごくないですか?
高山:すごいですね。何回でも無料?
頼藤:そう! ファミリーマートの場合は月10回まで無料。だから、けっこういいですよね? もちろん預け先と言ってるから、引き出すことを考えてはないと思うんですけれども、こういったところもメリットかなと思います。
2個目はイオン銀行です。イオン銀行は定期預金金利は1年だと税引き後で0.04パーセント、3年だと0.08パーセント、5年だと0.08パーセントと。3年と5年一緒ですね。SBJ銀行よりも金利の利率は低いんですけれども、イオンカードセレクトは年会費無料なんですけれども、これを持っていると普通預金金利が税引き後で0.08パーセントになります。かなりよくないですか?
高山:普通は0.001パーセントですからね。
頼藤:かなりいいですよね。普通預金の金利ですよ。これが0.08パーセントですよ。
高山:じゃあ、イオンとかよく使う人はいいんじゃないですかね。
頼藤:そう。だから定期預金を利用しなくても、イオンカードセレクトとの合わせ技を利用するとお得ですよと。もちろん、イオン銀行ATMで出金する場合は、どの時間帯でも何回でも手数料は無料です。
高山:なるほど。
頼藤:だから、今どきATMの手数料で稼ぐというのはおかしいんですよ。そこはもう無料にすべきなんです!
高山:確かにね(笑)。
頼藤:そして、その割には預金金利とか0.001パーセントじゃないですか。「手数料カットしましょうよ」って思うんですけれども。こういうかたちでネット銀行とかは手数料無料のところが増えてきました。
3つ目は個人向け社債と。
高山:会社が発行している債券。
頼藤:そうなんです。社債なので、先ほどの個人向け国債とは違って、ちゃんとお金が返ってくるかどうかは不安定なところがあります。
高山:まあ、企業の業績によりますね。
頼藤:なので、きちんとその会社は成長するのか、売上が安定するのかとか、資金繰りは大丈夫かというところは気にしないといけないと。それを一個一個見ていくと大変なので、参考になるのが格付け機関の格付けです。
格付け機関というとMoody’sとかS&Pとかあるんですけれども、日本だとJCRと呼ばれているものとか、R&Iと呼ばれているものがあります。そこが格付けを付与しています。
格付けはAAAから下がDです。DはデフォルトのDです。Dの1個前がシングルのCなんですけれども、Cになてしまうと限りなくお金が返ってこない、返ってくる可能性が低いよと。AAAだときちんとお金が返ってきますよ、という指標です。
格付けがAAAに行くにつれて、利率は低くなって、CやBBBになると割と利率が上がっていくというかたちです。参考までに、最近発行された個人向け社債の中から、10万円で購入できて、利率の高いものを2つ紹介します。1つがSBI債。
高山:これ人気ありますよね。
頼藤:募集した瞬間にみんな買っちゃうと。
高山:チケットぴあみたいって言ってました(笑)。
頼藤:そうなんですよ。なぜそうかというと、税引き後で(利率が)0.398パーセント。けっこう高い。期間は2年間とかで、2年間お金を貸していれば、その間利率が0.398パーセントもらえるという感じです。
もう1個はマネックス債。マネックスはいろいろな種類の債券を出しているんですけれども、直近で出したものがおもしろくて、「マネックス債 夏祭り」というものがあって。まず、最低は(利率が)0.1パーセント付くんです。それに加えて観測期間中の東京における真夏日の日数が何日間かあれば、その分だけ上乗せするんですよ。0.1パーセント×真夏日の日数分。
高山:そうなの?(笑)。それはおもしろいですね。
頼藤:ですよね。真夏日というのは最高気温が30度以上の日で、気象庁が発表するときです。それが今回は6日間あったと。
高山:観測期間7日中の6日もあったと。
頼藤:そうすると税引き後で0.558パーセントと。
高山:なるほど。
頼藤:けっこう高いですよね。それで、期間は1年と。
高山:期間1年というのもいいですね。
頼藤:1年で終わっちゃうんですよね。こういうのはおもしろいですよね。お得に利回りを稼げるということです。
次は4つ目です。4つ目は旅行積立。旅行積立は今、利回りは、高いものだと、だいたい2.5パーセントくらいあるんですよ。低いものだと1.75パーセント。それでも今まで紹介した中でも、けっこう高めになってますよね。
高山:そうですね。
頼藤:旅行積立というのは何かというと、例えば、JALとかANAという航空系と、JTBやHISなど旅行会社系の2つの旅行積立があるんです。その会社で毎月積み立てていくと、1年後に、積み立てた金額に2.5パーセントの上乗せをしてくれるんです。
積み立てた金額に上乗せして、何に使えるかというところが重要なんですけど、JALやANAの場合は航空券とかツアーに使えると。あとはホテルなどもあるので、そういうところで使えます。JTB、HISも同じようにツアーや国際航空券に交換できます。
ただ、注意点がありまして、現金にはならないんです。現金にはならないし、途中で解約しても現金で返金されずに、旅行券や航空券で返ってくると。なので、旅行積立はお得な預け先なんですけれども、旅行しないんだったら意味がないという感じです。
だから、旅行好きな方や出張が多いという方は、ぜひ活用されたほうがいいと思います。
高山:そうですね。私鉄の切符の購入もできるんだったらJRとかも。
頼藤:というかたちです。
5つ目は投資信託を活用しようと。投資信託はいろいろあるんですけれども、おすすめするのは国債分散をしている投資信託。バランス型と呼ばれているものがあるんですけれども、そういったものを活用すれば、年4~5パーセントは期待できるのではないかと。
高山:利回りがね。
頼藤:そういうことです。投資信託を簡単に説明しますと、株式や債券などの詰め合わせで、お金のプロである運用担当者という方が運用する商品です。けっこうファンドの種類はあるんですけれども、僕はバランス型を選んでいただくのがいいかなと思います。
本当にいろいろあるんですよ。もしかしたら、賛否両論あるかもしれないんですけれども、バランス型には「8資産均等」というのがあるんです。「8資産」というのは、国内株式・国内債券・先進国債券・先進国株式・新興国債券・新興国株式・国内リートと先進国リートの8個。バランス型はこの8資産に均等に投資する。
例えば、(8資産均等には)「eMAXIS」や「iFree 8資産バランス」みたいなものがあるんですけれども、それはコストも安いので、そちらがいいかなと思います。それを活用していただくと。一気に買うというよりは、積立で買うほうを僕はおすすめします。
高山:一気に買うのは、なかなか難しいですよね、どこが底でどこが低調か。
頼藤:そうなんですよね。来年から「つみたてNISA」というものが始まりますので、「つみたてNISA」もさらに活用すると、グッとお得度が上がるかなと思います。
6つ目は、デパート積立。利回りは15.38パーセント! けっこう高いですね。デパート積立は、例なんですけれども、月1万円を12ヶ月間積み立てると、満期時に+1万円の上乗せボーナスがあるという感じです。
15.38パーセントと言ってますけれども、12ヶ月間積み立てなかったら+1万円のボーナスはもらえないんですよ。途中までの5,000円や6,000円はもらえないということです。
だから、この15.38パーセントという計算は仮に毎月積み立てて、少しずつ利子が上乗せされていくと考えたときの計算式で出したものです。
友の会は三越伊勢丹や高島屋などいろいろあります。これは高山さんもやっていると。
高山:やってます。デパート好きなので。
頼藤:どっちもやってるんですか?
高山:どっちもやってますね(笑)。けっこう活用してますよ。
頼藤:(笑)。これも現金でもらえるわけじゃないんですよね。
高山:そうですね。デパートで買い物する人じゃないと活用ができないですかね。
頼藤:だから、お得な預け先なんだけれども、現金でほしいという方は活用してはダメかもしれないですね。
7つ目は、ソーシャルレンディング。クラウドファンディングに少し似ていますけれども、これは何かといいますと、すごく債券の仕組みに似ています。個人向け国債や社債ですね。大きく違う点は、直接お金の貸し借りをするのではなくて、間に第三者の運営会社がいるという感じです。
だいたいmaneoという会社や、SBIソーシャルレンディングというサービスが入っているんですけれども、そこを通じてお金を貸し借りするという感じです。
貸す人はみなさん。みなさんが投資家として貸せて、借りる側はどういうところかというと、中小企業なんです。「銀行ではなかなか借りられない」といった企業などがソーシャルレンディングという仕組みを活用してお金を借りているんです。
気になる利回りなんですけれども、年利は3パーセントから10数パーセントと、けっこう幅広です。だいたい平均して5パーセントぐらいのイメージです。
いろいろ会社があって、会社選びがけっこう大事だと思うんです。今ちらっとお話ししたmaneoやSBIソーシャルレンディングを選んでいただくといいのかなと思います。法人向けの貸付で貸倒件数というのは今0件。この数値は個人投資家としてはうれしいですよね。ぜひ、こういったところも活用してみてください。
最後8個目、iDeCoです。iDeCoもけっこう、このラジオで何回か話してるんですけれども、簡単に説明しますと、iDeCoとは、日本語にすると「個人型確定拠出年金」といいます。
確定拠出年金とはなにかというと、現役時代に一定金額を毎月積み立てて運用して、運用結果を老後に受け取れる制度です。受け取れる年金は運用結果次第で、多くもなるし少なくもなってしまうというところです。
これだけだとiDeCoの何がすごいのかわからないじゃないですか。iDeCoは、積立中、運用中、年金を受け取るときの3つのフェーズで、税制優遇があるという感じです。
中でも積立中の節税効果が絶大で、例えば、みなさん住民税率は一律10パーセントなんです。所得税は5パーセント~45パーセント。だから、合わせて15パーセント~55パーセント税金がかかるんです。
例えば、仮に所得税率が10パーセントだったときは、住民税と合わせて(税率は)20パーセントじゃないですか。だから、20パーセント分の節税効果を得られるんです。
高山:けっこう大きいよね。
頼藤:大きいですよね。年間で24万円をiDeCoに積み立てた場合は、2万4,000円が所得税のバックとして返ってきて、住民税が翌年、2万4,000円減額されるという感じです。所得税と住民税を合わせると4万8,000円お得になると。
年間24万円は着実に老後資産として貯めることができて、確実に4万8,000円の税金を取り戻すことができるから、利回りで考えると20パーセントという感じです。なので、iDeCoは活用せざるを得ないのかなと、正直思いますね。
高山:老後のお金を貯めるにはiDeCoはいいんですよね。
頼藤:ですよね。iDeCoはけっこういろいろな金融機関で開設できます。開設する基準は最後お伝えしますと、3つのポイントを踏まえて選んだほうがいいかなと思います。
1つ目は口座管理手数料が低いかどうか。iDeCoは普通預金口座と違って、開設するときに手数料がかかるし、毎月口座管理料がとられます。なので、口座管理料が安いかどうかを確認してください。
2つ目は、基本的に長期運用なので、長期運用できるような投資信託のラインナップになっているか、コストが低い投資信託がそろっているかどうかを見てください。
3つ目はサービスの質が高いかどうか。サービスの質が高いというのは、店頭で制度説明とか加入相談、申し込みの受付まで対応していたり、ホームページ上でわかりやすく情報公開していたり、コールセンターの対応がいいとか、そういったところです。
以上を踏まえると、SBI証券、楽天証券、イオン銀行、りそな銀行、中央労働金庫と。あとは野村證券もいいですかね。この中から選んでおけば、間違いないのかなと思います。
対面相談を希望の場合は、ネット証券ではなくて、イオン銀行、りそな銀行、中央労働金庫、野村證券といったところで加入していただくのがいいのかなと思います。
高山:なるほど。
頼藤:というわけで、けっこう長く話してきてしまいましたが(笑)。
高山:はい(笑)。やっぱり預ける先をどこにするかによって、お得度はだいぶ変わってくると思うので、ボーナスも出た方も多いと思いますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
頼藤:ビットコインをやりたいという方は、いつの回だったか忘れちゃったんですけれども、その回も聞いいただければ。
高山:なんか言ってましたね(笑)。その回も、ぜひ参考にしていただきたい。
頼藤:1つの手だとは思いますので、ぜひやっていただけたらと思います。
高山:それでは、高山一恵と。
頼藤:頼藤太希が。
頼藤・高山:お送りしました。またねー、See you!