1.17年度上期決算のポイント(決算計数)

寺澤辰麿氏:これが、上期の決算のポイントでございます。

業務粗利益は、前年同期比で6億円減のマイナス0.6パーセントです。(資料の)右側に、今年(2017年)5月に公表した、本年度の業績見込みを出しております。業務粗利益・経費・実質業務純益・経常利益・中間純利益は、それぞれ、当初予想したよりも進捗が進んでいるということでございます。

(それぞれの進捗率は)業務粗利益は50.3パーセント。経費は49.2パーセント。実質業務純益は51.7パーセント。中間純利益は56.1パーセント。この56.1パーセントというのは、若干前倒しで収益を計上した要因もありますので、年度ベースにこれほど反映するわけではございません。

経費は、前年の620億円が(今年は)611億円となりました。これも、中計のコストシナジー及び追加的なコストシナジーに加えて、前年の経営統合に伴う経費が落ちたこと。それから、働き方改革による残業時間の減少の効果により、経費もマイナスになりました。OHRは55.6パーセントということで、(前年の)56.8パーセントよりも下がるかたちになります。

実質業務純益は2億円の増、0.4パーセントの増です。経常利益は8億円(の増加)です。中間純利益は前年同となりました。これは(そうなるように)作ったものではなくて、たまたま結果として、こうなりました。

トップラインの中で、(国内業務部門利益の)資金利益等は前年同期に比べてプラスになっておりまして、一方、国際業務部門がマイナスになっています。これは、外債の損失を売却して出したためです。

しかし、(国内業務部門利益の)資金利益や役務取引等利益は、増えているというかたちでございます。

それから、株式等関係損益が前年同期比で32億円増えております。これは、前倒しで利益を出しております。

これらの結果、コンコルディアについては、連結経常利益が前年同期比で39億円の増、当期純利益が負ののれんを除いて(前年同期比で)22億円の増となりました。一部の新聞に、「(当期純利益は前年同期比で)マイナス62.6パーセント」と(いう数値が)出ていましたけれども。これは、前期は負ののれんを計上しておりますので、実質でみれば、(前年同期比で)6.7パーセントの増ということでございます。

2行合算の当期純利益(339億円)よりもコンコルディアFG連結(346億円)の方が多いというのは、これはパーチェス法等の関係がありまして、東日本銀行での連結等の利益が出たということでございます。

1.17年度上期決算のポイント(業務粗利益の増減要因)

業務粗利益の中身がどうなっているかについて、要因ごとにご説明いたします。

預貸は、残高要因で21億円の増、利回り要因で53億円の減ということで、国内貸出金利息は31億円の減ということでございます。これに預金利息の増がありまして、預貸全体としては27億円の減となりました。

続いて、役務が19億円乗ります。前年同期は、市場が非常に悪かったので、投信や保険で50億円の減というものがありました。これは、大きく役務が伸びた理由になっております。

それから市場部門は、債券等の利息がほぼチャラ。債券利息がマイナスですけれども、投信分配金等がプラスで、ほぼチャラになっています。債券・投信等売却損益は8億円。

投信解約損益は、前期比プラス40億円でございます。

その他(の市場部門損益)がマイナス5億円です。

これらにより、市場部門はプラス3億円。市場部門の益出しに依存しない業務粗利益の構造になっております。

その他が、3億円の減少です。

以上の結果、(業務粗利益は)対前年で6億円の減少。ほぼ前年同期と同じような傾向ですけれども、この利回り要因を前年同と比べますと、かなり落ちてきております。徐々にその利鞘の低下幅が小さくなってきているということで、底打ちをして、来期に向けて伸びていく可能性が出てきていると申し上げておきたいと思います。

2.統合シナジー効果(統合シナジーの概要)

先ほど、シナジーについて申し上げました。

中計シナジー(資料の左側)では経営統合の中で、初年度(2016年度)のコストが5億円。2年目(2017年度が)10億円。3年目(2018年度)も10億円と見ておりました。したがって、2017年度(の計画)は、コストで10億円。

これに、先ほど申し上げました(資料の右側の)追加シナジー施策。これはどういうことかというと、構造改革をして本部組織の合理化・業務の効率化・働き方改革・実働人員を減少させるといったことで、2017年度に20億円のシナジー効果を出す。

これは、なぜシナジーかと言いますと、持株と銀行の経営グループとして考えたときに、銀行の経営管理部門・企画部門を持株に持ってくることで、そのシナジー効果が出せるということでございます。

経営企画・リスク管理・ALM等の本部機能を集約して、両行の本部組織の再編合理化をやったということで、(追加シナジー施策として)20億円。(中経シナジー施策の10億円と)合わせて30億円。今期は、そのコストシナジーでコストを下げようということです。

それから、収益シナジーについては、中計では初年度で10億円・2年目で30億円とみておりました。これも、その構造改革で人員を創出する(ことを考えています)。約180名を創出して、その人員を営業部門に振り分けるといったことを考えています。法人ソリューション営業・資産家向けコンサルティング営業・市場運用等を強化して、(2017年度で)約30億円の収益を上げようと考えています。

(中経シナジー施策の)30億円と(追加シナジー施策の)30億円で、合わせて60億円の収益シナジーを考えようとしています。

本年度はコストシナジー(30億円)と収益シナジー(60億円)で、合わせて90億円を実現しようという予算になっているわけでございます。

2.統合シナジー効果(17年度上期進捗)

上期の結果について、ご説明します。

コストシナジーについては、昨年(2016年度)は5億円の計画に対して(実績が)8億円でしたけれども、今年(2017年度の計画)は(中経シナジー効果の)10億円と(追加シナジー効果の)20億円を合わせた30億円。(実績としては)上期に18億円ですから、進捗率は60パーセントです。

それから収益シナジーについては、昨年の(計画の)10億円に対して(実績が)13億円。今年は、中計(30億円)と追加シナジー(30億円を合わせた)60億円に対して、30億円(の実績)。ちょうど半分になっており、シナジー効果がちゃんと出ているということでございます。

【参考】 統合シナジー効果(17年度上期決算への寄与度)

その結果、業務粗利益(資料の右側)については、先ほど申し上げた(前年同期比で)6億円の減益でございますけれども、この30億円の統合シナジー効果がなければ、36億円の減益であっただろう(ということです)。それが、6億円の減益に留まりました。

経費(資料の左側)については、統合シナジー効果がなければ(前年同期比で)9億円の増であったものが、18億円抑制されているということで、9億円の経費削減でございます。

統合シナジーによって、上期はこのようなトップラインができたということの、ご説明でございました。

3.17年度の業績予想

その結果、本年度(2017年度)の業績についてご説明します。

当初5月に公表した業績予想では、2行合算のトップラインが2,180億円・ボトムが605億円です。そして、コンコルディアFG連結のボトムは、615億円と予想しておりました。

(これに対して、11月公表の業績予想は)トップラインはわずかではありますけれども、5億円増えて、2,185億円。

これは「5億円? ほとんど、たいしたことではないじゃないか」と言われるかもしれません。(2016年度実績の)2,182億円を(2017年度業績予想で)2,185億円としているのは、「最近トップラインが落ちてきたのを、なんとか食い止めてプラスに持っていきたい」という、私どもの経営姿勢をここで出したつもりです。

容易に達成できる数字だとは決して思いませんけれども、我々としては、トップラインをなんとか下げ止めて上昇させたいという経営姿勢です。

経費については5月公表値と同じで、とくに見直しておりません。

当期純利益は、(5月公表の)605億円から10億円増やして615億円としています。何が変わったのかと言うと、99億円の与信コストが前年より増えるというかたちになっておりました。

与信コストの増分を、上期の与信コストの状況を見ながら、少し引き下げたことによって、当期純利益が増えるというかたちになりました。これを受けて連結調整をした結果が、(コンコルディアFG連結の11月公表当期純利益の)630億円になります。

以上が、業績予想でございます。

1.貸出金平残・預金平残の推移

個別の決算の内訳について、簡単にご説明をしていきます。

貸出金平残(資料の左側)については3.1パーセントの増ということで、法人の伸びが3.9パーセント、個人の伸びが2.2パーセント。住宅ローンが今はほとんど伸びておりませんので、このように法人を中心とした伸びとなっています。前期よりも、伸びが大きくなっております。

預金平残(資料の右側)については3.5パーセントということで、法人預金の伸びが非常に高いということでございます。

貸出金平残については、初めて12兆円を突破いたしました。

2.中小企業向け貸出、資産家向け融資

貸出の内訳について、我々は東日本銀行の中小企業向け貸出・横浜銀行の資産家向け融資という、それぞれの強みを活かして併用していこうという経営をしています。中小企業向け貸出については、東日本銀行の伸びが7.1パーセントで、横浜銀行を上回っております。

なお、中小企業向け貸出の中には、資産管理会社向け(が含まれます)。資産家が自分の資産を法人化して経営することは、形式的には中小企業になってしまいますので、それを入れると7.2パーセントというかたちになります。

横浜銀行は、アパートローン・非居住向けのローン・資産管理会社向けのローンということで、今相当伸ばしております。

これらにより、横浜銀行で10.7パーセント・東日本銀行で5.9パーセント。そして全体では、10.2パーセントという高い伸びになっております。

3.貸出金・預金利回り~国内業務部門

利回り等について、ご説明いたします。

貸出金利回り(資料の左下)です。昨年(2016年度)はマイナス金利が入りましたので、大きく利回りが低下して、前年同期(2015年度)比で12bp落ちました。

ここから、上下上下(2016年度上期・下期・2017年度上期・下期)で見ていきます。2016年度の上期から下期に対しては5bpの減少、2016年度の下期から2017年度の上期に対しては4bpの減少。(2015年度下期から2017年度上期まで)9bp、5bp、4bpと落ちていますし、年度ベースでは(2015年度から2016年度にかけての)12bpが今年(2016年度から2017年度にかけて)は8bpぐらいになるだろうと。これは、どんどん落ちていくと考えられます。

この利鞘の低下については、(要因が)2つあります。基準金利がどうなっていくかということと、利鞘がどうなっているかということです。

基準金利は、もうあまり変わらないだろうと想定しています。

あとは、競争で利鞘がどうなるかという問題と、過去の高いものが新規の融資に切り替わる分の影響がどれくらいあるかという問題です。これが着実に落ちていくとしますと、貸出金利回り低下幅は徐々に縮小して、来年度の預貸収益の反転も視野に入るのかなという状況です。

貸出金の金利種別のポートフォリオ(資料の右側)は、横浜銀行・東日本銀行はそれぞれこのような状態です。(それぞれ)固定性が、ほぼ4分の1くらいという構造になっております。(それに対して)連動が4分の3ということです。

4.役務取引等利益

役務についてご説明します。

昨年(2016年度)は相当、投資型商品の販売収益が落ちていました。今期(2017年度)は、投資型商品についてはほぼ同額なものの、法人関連で増え、全体で19.7億円増えたということです。業務粗利益に占める役務取引等利益の割合は18.6パーセントと、2ポイント上昇しております。

投資型につきましては、浜銀TT証券の伸びが非常に高いです。これは、仕組債や外債などが伸びたということです。全体では残高が(前年同期比で)5.4パーセント伸びております。中身については、投資信託が若干減ったものの、保険販売が増えて、ほぼチャラというかたちであります。

それから、法人関連の役務については、与信関連と非与信関連を分けてご説明します。与信関連で相当大きく伸びておりますけれども、これはソリューション系に重点を置いて、法人・FC等がお客様等の経営に関与しています。経営の内容がよくなったお客様について、ストラクチャをお客様の経営に沿ったものにする等のファイナンスを行い、手数料を稼いだということが、この与信関連の約13億円の増の大半でございます。

5.有価証券ポートフォリオ

有価証券ポートフォリオについては、有価証券合計で203億円落ちております。

これは、国債等の利回りが相当落ちておりますので、あまり投資できないということ。分散投資についても、外債等の含み損をかなり改善しました。

それに合わせて役務を出しているということで、合計としては減っております。ただ、最近の市場の環境により、評価損益は1,400億円強にまで増えています。

デュレーションの推移(資料の右上)は、円債は変わらず、2.8年です。外債は(2017年9月末は)4.2年ということで、(2017年3月末と比較して)若干短期化しておりますけれども、ほぼ同じような運用にしております。

利回りについては、少しよくなっているということでございます。

6.経費

経費につきましては、先ほどもお話をしましたけれども、OHRが0.5ポイント低下して55.6パーセントになっております。

今年(2017年)の期初の予算の時に、営業人員を創出するということで、本部の人員を削減して(2行合算で)180名くらい人間を出そうということで、178名の実績見込みになっております。

かつ、予算上では実働人員を195名くらい減らそうという計画でした。「減らす」と言っても、2・3年お客様のもとに出向させて、事業承継等さまざまなことについて役に立てるというかたちで考えておりました。ただ、横浜銀行の人数については、お客様との関係がございますので、今期(達成が)できなくても、来年(2018年)にまたやるということでございます。

ただ、経費の中身については、この170名の実働人員は、期末に落ちるとみておりましたので、経費額についてはその影響はございません。ここ(実働人員)が落ちたからといって、ここ(経費)が増えるということではございません。

7.不良債権残高・与信関係費用

不良債権について、ご説明します。(2016年の)2,163億円の不良債権額が(2017年は)1,833億円ということで、(前年同期比で)15パーセントくらい落ちました。不良債権比率は1.4パーセントということで、0.3ポイント改善しております。

与信関係費用でございますが、前年同期は全体として6億円の戻りがあったわけですけれども、(2017年)上期で33億円ということで、5bpの関係費用比率になっております。リーマンショック以降でみますと、だいたい平均すると15bpくらいが与信関係費用になっております。今非常に景気がいい中で、与信関係コストが落ちているという状況にあります。

私どもは、少し保守的にものを見ております。こういった時にも、できるだけ積めるものは積んでおこうという考え方のもとで、いろいろ前倒しで引当等をしていきたいということです。

まだ戻しがある地銀が多いのですけれども、私どもはできるだけ保守的に積んでおきたいということで、少し増えているということでございます。

8.自己資本・株主還元

自己資本・株主還元のご説明でございます。

連結総自己資本比率は12.16パーセント、普通株式等Tier1比率は11.75パーセントと、引き続き高い質・水準を維持しております。

中間配当としては、普通配当13円の2分の1(6.5円)をお支払いをするということ。また、「親会社の株主に帰属する当期純利益が600億円を超える場合に、特別配当をいたしますよ」と言っております。今期は630億円と見込んでおりますので、特別配当は(2016年度の)1円を(2017年度は)1円以上というところで、実施予定です。

いずれにしても、総還元性向としては50パーセントを目途とするということで決めておりますので、(特別)配当か自己株式(の取得)かというかたちで、還元をしてまいりたいと考えています。積極的な還元を、継続してまいりたいと思っております。

以上が内訳でございます。