2018年3月期第2四半期決算説明会
藤中茂氏:おはようございます。本日はお忙しい中、株式会社イワキの2018年3月期第2四半期決算説明会にご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、これより始めさせていただきます。改めまして、株式会社イワキの社長の藤中です。よろしくお願いいたします。
本日お話しする内容は、1つ目が、2018年3月期第2四半期の決算概要。2つ目が、2018年3月期の通期業績の見通し。それから3つ目が、中期経営計画。この3項目です。
2018年3月期2Q 決算サマリー
まずは、2018年3月期第2四半期の決算概要です。
第2四半期決算サマリーを、スライドの4枚目でお示ししています。表で並べておりまして、左から、2017年3月期第2四半期の実績。真ん中が、2018年3月期第2四半期の実績。いちばん右側が、当初の計画でありますが、2018年3月期第2四半期の予算です。
2018年3月期第2四半期の連結売上高は、前期比8.4パーセント増の134億3,500万円となりました。予算に対しましても約2.7パーセント、金額では3億6,000万円のプラスでございました。
営業利益につきましては、増収効果や製品ミックスの影響で、前期比31.6パーセント(の増)。金額では2億4,400万円増の、10億1,500万円。営業利益率は、7.6パーセントの結果となりました。
経常利益につきましては、とくにアジア地域の関係会社の投資利益が膨らみまして、前期比24.7パーセント(の増)。金額では2億6,800万円増の、13億5,400万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益が、10億1,600万円。1株当たり四半期純利益が、135円78銭となりました。業績の分析に関しましては、後ほど述べさせていただきます。
なお、為替レートに関しましては、想定レートが1ドル113円・1ユーロ120円のところ、期中平均では1ドル112円34銭・1ユーロ121円66銭でございました。
2018年3月期第2四半期決算のポイント
業績の分析です。スライドの5枚目が、決算の主なポイントです。
売上に関しましては、当社が対象としている市場の大部分が、堅調な状況でありました。中でも、半導体・液晶市場や、電子部品やプリント基板が含まれる表面処理装置市場が、大幅な増収で業績を牽引いたしました。
また中国では、金額こそ少ないものの医療機器、主に生化学分析装置の分野が伸びました。中国での売上は、42.5パーセントの増加となっております。
(スライドに)「欧州地域で新エネルギー市場の需要拡大」とありますのは、風力発電用の変圧機の冷却に、当社の中型マグネットポンプが使用されていることが、主な要因です。ここ数年、堅調な需要が継続しています。
売上高のポイントで、いちばん下にある「製品の短納期対応」は、売れ筋商品の在庫を積み増しいたしまして、短納期を武器に売上の増加を図るという施策です。
例えば、製品によって、今まで1ヶ月かかっていた製品の納品を10日に短縮することや、今まで2週間かかっていたものを即日出荷するなどです。売上では、月あたり数千万円の効果が出始めております。
営業利益では、増収効果や経費の見直し等、それから比較的粗利の高いマグネットポンプや、定量ポンプの増加。いわゆる製品ミックスの改善で、前期比31.6パーセント(の増)。金額では2億4,400万円増の、10億1,500万円。営業利益率は、7.6パーセントの結果となっております。
経常利益では、前年同期のいわゆる特殊要因の恩恵がなかったものの、中国・台湾・韓国等、関係会社の好調が続きまして、前期比24.7パーセント(の増)。金額では2億6,800万円増の、13億5,400万円となりました。
売上高・営業利益の推移(四半期ベース)
四半期ごとの売上高と営業利益の推移を示したものが、スライドの6枚目になります。
(売上高を)今期の第1四半期と第2四半期の比較で申しますと、約5億円。7.8パーセントの増加となっております。売上高で、とくに季節性があるという認識はしておりませんけれども、年度の戦略計画等が浸透する第2四半期が、伸びる傾向にあるということが言えるかもしれません。
それから、こちらの資料に記載はございませんが、今期の第1四半期と第2四半期の比較で、売上が伸びたところを挙げます。
市場別では、半導体・液晶の20パーセントの増加、水処理の9パーセントの増加。製品別では、空気駆動ポンプの22パーセントの増加、定量ポンプの15パーセントの増加。地域別では、日本国内の10パーセント(の増加)、アメリカの10パーセントの増加といったところが、目立った要因の1つです。
売上総利益率・販管費(率)の推移(四半期ベース)
販管費と売上総利益率の推移を四半期ごとに示したものが、スライドの7枚目になります。
販管費につきましては、どうしても期の初めを抑え目にするということで、第4四半期が膨らむ傾向にあります。2018年3月期第2四半期累計で申しますと、売上総利益率(オレンジ色の折れ線グラフ)が33.6パーセント。販管費率が25パーセントという結果でございました。
品目別売上高
品目別の売上高を示したものが、スライドの8枚目になります。
品目ごとの売上高の占有率は、例年ほぼ同水準です。主力のマグネットポンプと定量ポンプが幅広い市場で販売されまして、第2四半期累計の占有率がそれぞれ33.8パーセントと18.2パーセントです。この2品目で、売上の半分以上を占めるということになります。
品目別の売上高を前年度比較で申しますと、主力のマグネットポンプは1.2パーセントの増加に留まりました。一方、定量ポンプが水処理・表面処理・生化学市場等、幅広い市場で使用されまして、11.8パーセントの増加。そして、半導体製造装置内に組み込まれる空気駆動ポンプが市場の環境を反映して、38パーセントの増加となっております。
また、主に医療機器や新エネルギー市場で数多く使用される、回転容積ポンプが10.4パーセントの増加となりました。増加率あるいは増加額の面で目立ったものが、定量ポンプ・空気駆動ポンプ・回転容積ポンプ。この3品目です。それから、全般的には市場の活況を反映しまして、前期比で売上高が減少した品目はございませんでした。
市場別売上高
それから、市場別の売上高を示したものが、スライドの9枚目になります。
市場ごとの売上高占有率は、そちらも(品目別売上高と同様に)例年ほぼ同水準です。前期の比較で申しますと、半導体・液晶市場の占有率が、前期の13.4パーセントから今期の15.5パーセントと、約2パーセントの増加となっております。前期との変化率で申しますと、半導体・液晶が25.7パーセントの増加。金額で言うと、4億2,600万円の増加です。
次に伸びたものが、新エネルギー市場の24.5パーセントです。これは、家庭用燃料電池に組み込まれる補修用のポンプの売上がスポットで入ったということで、一時的なものだと判断しています。
電子部品やプリント基板製造が含まれる、表面処理装置。この市場向けが、13.7パーセントの増加。金額で言いますと、1億3,700万円の増加です。
水処理市場では、7.2パーセントの増加でございましたが、増加の金額で言うと2億1,700万円(の増加)ということで、表面処理装置市場を逆転いたします。
前期の比較で、売上高はトータルで10億4,100万円の増加をしていますが、半導体・液晶、表面処理装置、水処理。この3市場での増加額が、約75パーセントを占めているという結果です。
地域別売上高
それから、地域別の売上高を示したものが、スライドの10枚目になります。
地域ごとの、売上高の占有率。こちらもほぼ例年同水準ですが、第2四半期累計で申しますと、占有率は日本国内が0.9ポイントのマイナス、アジア地域が1.4ポイントのプラスという、微妙な変動でございました。
前年同期の増減比較で申しますと、日本国内が6.8パーセント(の増)。金額では5億2,700万円の増加。台湾や韓国などが含まれるアジア地域は、半導体・液晶、表面処理市場等の好調を受けまして、27.6パーセント(の増)。金額で言いますと2億7,400万円の増加。
中国市場では医療機器、主に生化学分析装置の伸びがありまして、42.5パーセント(の増)。金額で言いますと1億5,400万円の増加という結果でございました。(先ほどの説明と)同じく(売上高は)トータルで10億4,100万円伸びておりますが、この増加のうち、日本国内・アジア地区・中国。この3地域で、増加額の約92パーセントを占めているという結果です。
設備投資・研究開発費・減価償却費推移(半期毎)
それから、設備投資・研究開発費・減価償却費の半期ごとの推移を示したものが、スライドの11枚目です。特段コメントはございませんが、規模感をご理解いただくためにつけております。
以上が、第2四半期決算の概要でございました。
2018年3月期 業績予想
次に、今期2018年3月期通期の業績見通しです。
売上高につきましては、前期比6.7パーセント増の268億3,800万円。営業利益につきましては、前期比21.9パーセント増の17億8,600万円と予測をしています。経常利益につきましては、前期でスポット的に発生した投資有価証券の償還による為替差益がないものの、持分法による投資利益(があります)。
繰り返しますが、とくにアジアの関係会社が好調を受けまして、前期比7.2パーセント増の22億9,000万円と予測しています。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比2.6パーセント増の17億3,500万円。1株当たり当期純利益は、231円90銭。こちらが、現時点での予想になります。
なお、2018年3月期の想定為替レートにつきましては、下期に見直しを行いまして、1ドルが107円。1ユーロが128円としています。
2018年3月期予想 増減益分析
スライドの14枚目が、予想の増減益分析です。
(スライドの)いちばん左側の、2017年3月期の営業利益の14億6,500万円から始まります。売上増減・原価率変動などによりまして、プラスの8億3,300万円。売上総利益に対する為替影響が、プラスの8,200万円。販管費に対する為替影響が、マイナスの2,800万円。販管費や研究開発費の増加の影響が、マイナスの5億6,600万円と大きくなっております。
これは、後ほどご説明いたしますが、アメリカにおいてアクアティック事業分野のエキスパートを4名ほど採用したことがあり、当初の計画にはなかった、人員の前倒し採用の影響が多く出ております。
最終的に、2018年3月期の営業利益は、21.9パーセント増の17億8,600万円と予想しています。
前提
スライドの15枚目が、前提となる市場環境の想定になります。
当社の主力の6市場を並べておりまして、(スライドの)右側に向かって、国内と海外の市場環境を簡単に分けたものです。
青色で記載しているものが、当社にとってのプラス材料。赤色で記載しているものが、当社にとってのマイナス材料です。
水処理市場では、国内で一部マイナス要素がありますが、まずは堅調と想定をしています。第1四半期の決算説明では、国内の水処理市場でバラスト水処理をプラス材料として取り上げておりましたが、下期以降は削除しています。
それから半導体・液晶市場では、同じく前回(2017年3月期決算)の説明では、海外の後半は不透明という記述でしたが、今回は「堅調」と修正しています。
もう1つ、前回の説明からの変更点を挙げますと、(下から2番目の)化学市場の海外です。「中国半導体向け純薬設備の投資拡大」とあります。半導体を製造するために使用する、シリコンウェハーの洗浄用の薬液など、数多くの種類の化学薬液の生産のための設備投資が、拡大しています。
また、こちらの表には(記載が)ございませんが、リチウムイオンバッテリーの増産にともないまして、正極材・負極材・電解液の生産のための設備投資も、同様に拡大をしています。
半導体用の薬液・バッテリー用の薬液の製造には、数多くのケミカルポンプが使用されることから、化学市場の海外については、想定をポジティブに判断しています。
株主還元
スライドの16枚目が、株主還元の配当性向の基本方針です。
株主さまへの還元として、配当性向30パーセント程度は安定してお出しし続けるということが、基本方針です。現在のところ、2018年3月期につきましては、(1株当たり配当金は)年間70円・配当性向は30.2パーセントを計画しています。
以上が、通期の業績見通しでございました。
10年ビジョンの概要
ここからは、中期経営計画のお話になります。スライド18枚目では、イワキグループの「10年ビジョン」を示しています。
2025年3月期までに連結売上高を国内200億円・海外200億円の合計400億円にする。それから売上高営業利益率を10.0パーセントにすることが定量目標になります。グループ一丸となり、世界No.1の製品、品質、価値、サービスを提供することが定性目標になります。
第一期〜第二期 中期経営計画(2018/3期〜2020/3期)の位置付け
今回ご説明する、中期経営計画の位置付けです。2017年3月期から2025年3月期までの9年間並んでおり、2019年までの3年間を第一期「種蒔期」、続く2022年までの3年間を第二期「育成期」、2025年までの3年間を第三期「収穫期」と設定しております。
今回ご説明する中期経営計画は、この区分で2018年から2020年ですので、第一期〜第二期という表現をしております。
第一期 中期経営計画の主な進捗状況
これまでの中期経営計画の進捗状況です。第一期中にまとめあげようとしている計画につきまして、定量評価が難しいこともあり、(達成状況を)マル、サンカク、バツで評価しております。
国内営業関連では、「競合のSWOT分析を関連部門で共有化し、リプレイス」と市場要求(納期)対応のため、短納期施策を実施」はマル印になっております。今後はこの計画の継続や拡大により、売上をさらに拡大できると予想しております。
ソリューションビジネス、システム販売、メンテナンスとの協業分野では、メンテナンス起点の営業で一部結果が出ているものの、まだ環境整備の段階でして、営業部門やメンテナンス部門で個別に持っている顧客情報を統合して、ポンプやシステムの導入から廃棄まで、製品ライフサイクルの期間すべてにわたり、お客さまとお付き合いできる仕組み・ビジネスの構築を目指します。
(スライド)中段の海外および新規事業の分野です。アメリカでは独自の水質コントローラを武器にして、食品業界など、一般産業用の水処理市場の深耕。小型魚類飼育水槽システムを武器としたアクアティック事業への深耕がもう一息でマル印になるかなと判断しております。水質コントローラのアメリカからアジアなど新興国への販売チャネルの強化が今後の課題となります。
欧州では、欧州マーケティングマネージャーの設置がひと段落しまして、日本とヨーロッパ間の情報の流れが整理されました。
次のステップとして、実際のビジネスである化学・化工機プラント市場の深耕など、100パーセント子会社になるIWAKI Europe GmbHを中心とした販売戦略のもと拡大していくことが今後の課題となります。
アセアンはまだ地域統括の準備を始めた段階で、計画を策定しておりますが、バツ印となっております。
中国では、若干時間がかかりましたが、医療機器市場で安定した売上を確保できるようになりましたが、そのほかの強化市場である新エネルギー市場・水処理市場の安定化が今後の課題となります。
投資関係では、IWAKI Europe GmbHの生産設備に対する投資と、中国からの部材調達や生産委託に関する投資が継続中で、サンカク印となっております。業務提携やM&Aの分野は継続検討中で、こちらもサンカク印となっております。
第一期〜第二期 中期経営計画(2018/3期〜2020/3期)P/L
2018年3月期から2020年3月期までの3ヵ年の中期経営計画の連結損益計算書です。
売上高は堅調な増収見込みで、増加率がそれぞれ(2018年3月期)6.7パーセント、(2019年3月期)4.8パーセント、(2020年3月期)6.2パーセントを計画しております。
営業利益は増収効果や粗利率の高い子会社などの貢献で、連結の営業利益率が2018年度は6.7パーセント予想。続く2019年度、2020年度もそれぞれ8パーセント、10.3パーセントを計画しております。
第一期〜第二期 中期経営計画(2018/3期〜2020/3期)当初計画値との差異、変更点
昨年(2016年)11月に公表した2017年3月期から2019年3月期までの中期経営計画と、本日お話している計画との差異をまとめました。
2018年3月期の売上高は、先ほどご説明のとおり、各市場好調の見通しのため、当初計画より1億1,400万円ほど増加する見通しです。
来期以降は、市場環境や競合環境で不透明なところもあり、当初計画より若干保守的に引き下げまして、2019年3月期は当初計画から3億円9,400万円減少の281億2,400万円。それから2020年3月期を298億6,000万円としております。
売上総利益は、増収効果や昨年の計画には含まれていないテクノエコー株式会社子会社化の分が加わり、当初計画から若干の上積みができると予想しております。
営業利益は種まきの時期ということで、先行投資としてアクアティック事業や海外の生産体制強化のための見通しが計画されておりますので、2018年、2019年ともに当初計画から約12〜15パーセント程度の引き下げとなっております。
第一期〜第二期 中期経営計画の主な基本方針
2020年3月期までの中期経営計画の主な基本方針です。昨年とほぼ変わっておりませんが、4点あげています。
まず「強化市場への経営資源の優先的投入」とありますが、昨年と異なるのは、効果測定という言葉が入ったことになります。
当社では、医療機器、新エネルギー、水処理の3つの市場を強化市場と定めており、この3市場に関する製品開発につきましては、他の市場向け製品を後回しにしてでも開発人員の投入を図るなど、優先的な扱いをしています。今回の中期経営計画においても、この方針に変わりはございませんが、どの程度効果があったのか定量的に把握して、開発の入り口である製品戦略の段階から製品リリースまで、トータルの過程の効率化を図ります。
2つ目、「継続して顧客対応力を強化し、ソリューションビジネスを展開〜推進」には、「推進」という言葉が加えられました。
メンテナンスやオーバーホール、システム製品の提供が起点となった新規ビジネスの結果も出始めております。
この点はさらに推進いたしますが、先ほども申し上げたとおり、営業部門やメンテナンス部門で個別に持っている顧客情報を統合して、今期はシステムの導入から廃棄まで製品ライフサイクルの期間すべてにわたって、お客さまとお付き合いできる仕組み・ビジネスの構築を目指します。
3つ目、「新規事業のビジネスモデル構築〜整備」には、「整備」という言葉が加えられました。
具体例で申しますと、小型魚類飼育水槽システムを武器にした、アクアティック事業がございます。遺伝子の研究において、ゼブラフィッシュなどの小型魚類を使用する例が増えてきました。この健康で均質な魚を大量に飼育するための設備が小型魚類飼育水槽システムです。
ハードウェアとしては、国内専用モデルやグローバルモデルの開発が進み、販売量も成長しつつありますが、次のステップとしては、健康な魚を数多く飼育するための水の環境を整えるシステムを提供する、コンサルタント的なビジネスを整備いたします。
4つ目は、海外展開の方針です。欧州地域ではマーケティングや生産面の整備が進んでおりますが、アセアン地域が遅れている状況です。
現在はアセアン統括プロジェクトというものを組織して、今後3年間でマーケティング・営業・物流の統括を進めていく計画です。
第一期〜第二期 中期経営計画の主な具体的方針
2020年3月期までの中期経営計画の主な活動をまとめました。
国内営業では、ここ数年継続している競合リプレイス需要の獲得やソリューションビジネスの定着に力を入れるとともに、市場要求(製品、部品、納期等)への対応で受注の取りこぼしを防ぎます。
国内営業で1つ追加されているのは、「顧客向けIOTの推進」という言葉です。今期は下期からIOT推進プロジェクトを新規発足させて、いわゆるインダストリアルIOTの対応を開始いたします。
最初は対象機種を大型マグネットポンプ、空運転防止装置、定量ポンプIXシリーズの3つに絞り、ポンプやお客さまの製造プロセスの予防保全と、プロセスモニタリングに役立つことを目指します。
海外では、各地域の特性で有力市場がそれぞれ異なりますが、先ほど申し上げた強化3市場(医療機器、新エネルギー、水処理)を柱に、売上拡大を狙います。
アメリカでは、注力すべき分野に化学分野を加えております。
また韓国・台湾地域に、水処理、新エネルギーを追加して現在は好調です。
大型投資については、ヨーロッパの子会社生産設備の増強、中国生産委託会社の拡大、物流関連強化を継続いたします。
M&A関連については、当社のビジネスの範囲内、周辺の領域においては事業拡大に資するものであれば業務提携や買収などをこれまで以上に柔軟に検討を行うとご説明申し上げておりますが、現状では具体な案件はございません。
残留塩素計のシナジー効果
今後の事業展開、成長の鍵になるであろうポイントを3つほどご説明いたします。
1つ目は、昨年12月に株式取得をしたテクノエコー株式会社についてです。今回はシナジー効果についてご説明いたします。
テクノエコー社の残留塩素計の薬液濃度モニタ技術とイワキのポンプによる薬液注入は技術的に非常に親和性の高い組み合わせでして、当社の強化・注力市場である水処理市場においてシナジー効果を生むことを期待しています。
使用されるところは、浄水場や排水処理施設、それから臭いを取る脱臭設備や温浴施設など、殺菌・滅菌をしなければならない多くの施設・設備です。
テクノエコー社はこれまで自販力の弱かった面がありますが、イワキの販売ネットワークに乗せて、第1のシナジー効果で順調な売上をあげております。
(スライド)上段の「グローバル展開」に関しては、需要そのものはありますが、サポート体制の整備などが必要ですので、こちらは今後の課題となります。
(スライド)中段の「新たな市場での実績」としては、福祉市場における介護風呂用の残留塩素計や特定のお客さま向けのカスタム製品である医療機器組込型の製品が、主にイワキの定量ポンプとセットで販売されます。こちらが第2のシナジー効果となっております。
(スライド)下段の「既存市場の拡大」においては、これまで継続して大型温浴施設、とくに東京オリンピックを控えたホテル建設ラッシュが追い風となっており、当分は安定した売上が継続するものと思われます。
中国戦略
今度の事業展開における2つ目の成長の鍵は中国戦略、主に調達と生産委託に関してです。
昨年中国・深圳にイワキ貿易という、部材調達とポンプの生産委託の窓口となる会社を設立して、活動が始まっております。
調達面ではコストが上昇傾向にあるとは言え、まだまだ安くて良好な品質の部材の調達は可能でございます。これらの部材を日本に供給して、当社製品の製造原価を低減することが大きな目的です。
生産委託面では、ポンプやコントローラーを最後まで組み立てることができる委託先を活用して、規模の大きい中国市場に供給する、いわゆる地産地消で流通経路を簡略化して、納期の短縮と中間コストの圧縮を図ります。
アクアティック事業
今度の事業展開における3つ目の成長の鍵は、アクアティック事業になります。
ハードウェアとしては主に小型魚類飼育水槽システムを用いる事業で、日本のイワキとイワキアメリカがプロジェクトを組み、日米だけではなく他の地域でもグローバルに展開する計画です。
とくにアメリカでは同じ事業を行っていた大手の業者、競争相手が事業から手を引いたということがあり、売り場の隙間ができている状況です。昨年度はここをチャンスと考えて、人材の先行投資も行っております。
これまでの実績としては、日米共同プロジェクトにより、グローバルモデルの製品化がもう一息の段階にきております。アメリカ市場においても引合いが活発化しており、今中期経営計画中には刈り取りが始まるものと考えております。
以上、テクノエコー社のシナジー効果、中国での調達・生産委託による地産地消、アクアティック事業の本格的刈り取りの3点を今後の成長の新しい鍵としてご説明いたしました。
要約貸借対照表
参考情報として、要約貸借対照表です。
流動資産において、その他が1億9,000万円と増加しておりますが、これは主に短納期対応のために在庫を積み増した結果です。
キャッシュフロー計算書
こちらはキャッシュフロー計算書でございます。
私からの説明は以上になります。長時間にわたりご清聴いただきありがとうございました。計画の達成に向けて、全社一丸となり努力する所存ですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。