2018年3月期第2四半期決算説明会
吉田勝彦氏:それでは私より2018年3月期上半期の連結実績についてご説明いたします。
上期連結業績ハイライト
上半期の連結実績ハイライトです。2018年3月期上半期の売上高は4,290億2,700万円、営業利益は419億5,100万円、純利益は342億7,600万円となりました。
前年同期比ではそれぞれ売上高で55.9パーセント増、営業利益で2.3倍、純利益で2.7倍となり、売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてにおいて半期として過去最高となりました。
これは本年1月に経営統合したミツミ事業の全製品の生産性改善、およびスマホ、ゲーム機器向け製品が季節性の高まりの中で収益に大きく貢献したこと、LEDバックライトが想定以上に好調に推移したこと、また主力製品であるボールベアリングも堅調に推移したことによるものです。
為替の影響ですが、売上高で前年同期比プラス148億円、営業利益で前年同期比プラス18億円との推計です。
2Q連結業績ハイライト
続いて、第2四半期の連結実績についてご説明いたします。2018年3月期第2四半期の売上高は2,358億2,300万円、営業利益は248億8,900万円、純利益は200億9,500万円となりました。
前年同期比では、ぞれぞれ売上高で52.3パーセント増、営業利益および純利益で2.1倍、同じく前四半期比では、売上高で22.1パーセント増、営業利益で45.9パーセント増、純利益で41.7パーセント増となり、売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてにおいて四半期として過去最高となりました。
これはLEDバックライトおよびカメラ用アクチュエータ等のスマホ向け製品が季節性の高まりによって数量が増加したことに加え、ゲーム機器が今後の需要期に向けて出荷数量が伸びたこと、またボールベアリングを中心とする機械加工品が堅調に推移したことによるものです。
為替の影響は、売上高で前四半期比プラス1億円、前年同期比プラス150億円、営業利益で前四半期比マイナス11億円、前年同期比プラス17億円との推計です。
売上高
こちらのグラフは、売上高の四半期推移です。第2四半期は2,358億円と四半期として過去最高を更新しています。
第3四半期は、ゲーム機器において力強い需要が見込まれるものの、売上構成比率の高いスマートフォン部品を保守的に見積もり、第2四半期に比べて減収を見込んでいます。
営業利益
このグラフは、営業利益の四半期ごとの推移を棒グラフで、営業利益率の推移を折れ線グラフで表しています。ご覧のとおり、四半期として過去最高を更新するとともに、営業利益率は10.6パーセントと二桁を超えました。なお、前年同期比での増益は4四半期連続です。
第3四半期は、売上と同様にゲーム機器において力強い需要が見込まれるものの、スマートフォン部品を保守的に見積もり、第2四半期に比べて若干の減益を見込んでいます。
機械加工品事業セグメント
機械加工品事業セグメントについてご説明いたします。左側のグラフが四半期ごとの売上高の推移を、右側のグラフは棒グラフが営業利益、折れ線グラフが営業利益率を表しています。
第2四半期の売上高は417億円、前四半期とくらべて売上高で3パーセントの増加となりました。ボールベアリングの売上高は260億円、前四半期比で3パーセントの増加となりました。
ボールベアリングの数量ですが、外販は月平均で1億8,800万個となり、20四半期連続で前年同期を上回りました。また生産数量は、9月には過去最高となる2億7,500万個となり、生産性改善による生産能力増強は着実に進捗しています。
ロッドエンド・ファスナーの売上高は78億円となり、前四半期比で5パーセントの増加となります。ピボットアッセンブリーは79億円となり、前四半期比横ばいでした。なお、当社シェアは80パーセント超を維持しており、安定的に収益に貢献しています。
営業利益ですが、第2四半期は108億円、営業利益率は25.9パーセントとなりました。前四半期比で4パーセントの増加、営業利益率では0.3ポイントの上昇となります。
製品別では、ボールベアリングは利益が増加、ロッドエンド・ファスナーでは利益が回復しましたが、ピボットアッセンブリーの利益は前四半期比横ばいとなりました。
電子機器事業セグメント
電子機器事業セグメントについてご説明いたします。売上高ですが、第2四半期は1,331億円、前四半期比で28パーセント増となりました。
モーターは465億円、前四半期比で6パーセントの増加となり、自動車向けを中心に堅調に推移いたしました。エレクトロデバイスは758億円となり、前四半期比で48パーセント増となりました。
当第2四半期は需要期にあたりましたが、大手顧客向けのLEDバックライトの生産が順調に推移しました。なお下半期は売上、利益ともに減速する見込みです。
センシングデバイスの売上高は97億円となり、前四半期比で17パーセント増加しました。営業利益は114億円、営業利益率は8.6パーセントとなりました。前四半期比ではそれぞれ営業利益で67パーセント増、営業利益率で2.0ポイント上昇いたしました。
製品別では、モーターは堅調に推移、エレクトロデバイスとセンシングデバイスでは利益が増加しました。
ミツミ事業セグメント
ミツミ事業セグメントについてご説明いたします。売上高ですが、第2四半期は608億円となり、前四半期比では27パーセントの増加となりました。
これは主にカメラ用アクチュエータおよび新型ゲーム機器が需要期を迎え出荷数量が大きく増加したことによります。
第2四半期の営業利益は66億円、営業利益率は10.8パーセントとなりました。前四半期比では、営業利益は72パーセント増、営業利益率は2.9ポイントの上昇となりました。これは先ほど説明させていただいた出荷数量の増加に加えて、全体の生産性改善が収益改善に貢献しました。
純利益
このグラフは、純利益の四半期ごとの推移を棒グラフで、1株当たり純利益の推移を折れ線グラフで表しています。
純利益は、前四半期比で42パーセント増の201億円となり、四半期として過去最高を大幅に更新しました。
これまでの最高益は、負ののれん発生益等の特別損益を含む昨年度の第4四半期でしたが、これを大幅に超える結果となりました。1株当たり純利益も過去最高を更新し、47.7円となりました。
販管費
このグラフは、販管費の四半期ごとの推移を棒グラフで、売上高販管費比率の推移を折れ線グラフで表しています。
販管費は253億円、前四半期比で15億円の増加となりました。売上高販管費比率は10.7パーセント、前四半期比で1.6ポイント改善となりました。
たな卸資産
続いて、たな卸資産の四半期ごとの推移です。第2四半期末は1,632億円となり、3ヶ月前と比べると292億円の増加となっています。
これは、主にスマホ向け部品およびゲーム機器において在庫が増加したもので、第3四半期以降は本格的な需要期を迎えることに伴い、在庫水準は適正化していくと見込んでいま す。
設備投資額・減価償却費
このグラフは、設備投資額の推移を左側の棒グラフで、減価償却費を右側の棒グラフで表しています。
上半期の設備投資は223億円、減価償却費は149億円でした。今期の設備投資総額は、ミツミ事業を中心に積極的な設備投資を行うことに伴い、期初計画の440億円から40億円増加して480億円となる見込みです。一方で、減価償却費は期初計画の範囲内となる見込みです。
ネット有利子負債とフリーキャッシュフロー
このグラフは、有利子負債総額から現預金を差し引いたネット有利子負債の推移を棒グラフで、フリーキャッシュフローの金額を折れ線グラフで表しています。
第2四半期末におけるネット有利子負債は674億円となり、2017年3月末から35億円減少しました。
なお、第2四半期には自社株買いならびにM&Aによる支出が含まれています。今期は設備投資が増加するものの、利益の拡大によりフリーキャッシュフローは大きく改善し、ネット有利子負債は更に減少する見込みです。一方で、中期の成長に向けて、積極的なM&Aなども引き続き検討していきます。
自己株式の取得
今年の2月13日に決議しました自己株式の取得については、累計で4,658,200株、総額では83億5,160万7,184円の取得となりました。
業績予想
こちらは今期2018年3月期の業績予想をまとめたものです。今期は、売上高、営業利益、経常利益、純利益のいずれも、過去最高を大幅に更新する見込みです。
下半期は、主力製品であるボールベアリングの外販数量の増加やゲーム機器の好調などが引き続き見込まれるものの、スマホ部品の不透明さから、売上・利益について保守的に見積もっています。
これらの点に加えて、為替動向、顧客動向等を含めた当社業績に与える影響について、現時点の予想可能な範囲で勘案した結果、本年8月に修正させていただいた業績予想のうち、営業利益について670億円から730億円に、経常利益について660億円から720億円に、純利益については508億円から570億円にそれぞれ上方修正しました。上方修正の背景等の詳細については、このあと貝沼よりご説明いたします。
セグメント別業績予想
こちらは、各事業セグメント別の予想です。
18/3期 上半期実績への評価
貝沼由久氏:それでは、私から「経営方針と事業戦略」についてご説明いたします。上半期実績はすでにご案内いたしましたので省略いたします。
18/3期 通期修正予想のポイント
下半期の修正予想をどのように出すかでかなり悩みましたが、スマホ部品が不透明であることのほか、さまざまな事情を勘案して、全体を非常に保守的に見させていただきました。
また、それぞれの要因による変動の幅が大きいため、最も保守的な予想数値を、想定レートを1ドル105円として出しています。今後、状況に応じて数字がはっきりした段階で上方修正をさせていただきたいと思います。
今期の営業利益は上半期実績420億円、下半期計画310億円ですが、10月は現時点の管理会計ベースで80億円くらい出る見込みで、そうなると残り5ヶ月で230億円、1ヶ月平均で46億円となり、達成の確度は高いと感じています。
今回このような修正計画を出させていただきましたが、できるだけ早い機会に今期の着地についてご案内させていただきたいと思います。
営業利益の増減分析
今期の営業利益は、ミツミ事業の貢献がかなり大きいことは間違いありません。ただ、ご覧のとおり、旧ミネベア事業でもかなりの改善ができたかと思います。
機械加工品もまだ完全ではありませんが、かなり良くなってきていますし、電子機器もLEDバックライト、モーター等を中心に良くなってきていると思います。
ボールベアリング事業の戦略
本日は、少々早いですが、来期のイメージを中心にご説明させていただきます。
まずボールベアリング事業ですが、おかげさまで驚くほどの外販需要が出てきていまして、9月の外販数量は1億9,500万個となりました。
10月は国慶節の影響で1億8,800万個となりましたが、今月は再度1億9,000万個を超えてくる見込みです。
スライドにもあるように、自動車、高級家電およびデータセンター向けモーターに使用されるボールベアリングが非常に増えています。また、最近はドローンやペット型ロボットを含めた小型ロボット向けも出てきており、今後大きく成長する可能性があります。
今は現有設備の生産性改善により月産2億8,500万個体制を構築中ですが、ちょうど昨年の今ごろ、さらに月産1,000万個の能力増強ということで80億円の設備投資を決定しました。
まだ機械は入ってきていませんが、来年5月にはこれらの設備も利用して月産3億個の体制を作ろうと思っています。
収益も来期から非常に良くなると見込んでいます。なぜかと申しますと、第一に、現在生産性改善の一環として工場ごとの生産品目を最適化するために工場の再編をおこなっていますが、その結果として、従来よりも多くの段取り替えと物流費が発生しています。来年2月には工場の再編が完了し、費用は大幅に減少する見込みです。
第二に、ボールベアリングの製造工程には、実はまだ投入してから出てくるまでの間にマニュアル工程があります。
そのため、数量が増加するとどうしても増員しなければならないというのが現状です。従いまして、このマニュアル工程をできるだけ自動化していくことも今期中に実施する予定です。
来年2月以降は工場の再編も終わり、また在庫ができてくるとエア代が減っていきます。とにかく生産のキャッチアップを今は優先したいと思っています。
本日、1つのポイントとして強調させていただきたいのは、来年4月1日以降、現在取り組んでいることがいよいよ花が咲き、来期は4月からフルで効いてくるということです。
このままでいくと、やはりボールベアリングの工場が足りなくなるということで、実は本日、タイのバンパイン工場に前工程の工場に利用できる建屋を作ることを決定しました。
現在の外販需要の伸びは普通では考えられないほどの勢いのため、状況に応じて、内外輪の部品をカンボジア工場に持っていき、そこでアッセンブリーをすることで、月産3億1,000万個を超えても対応できる体制を早期にいつでも構築できる手立てを準備しておく必要があると考えています。
LEDバックライト事業の戦略
LEDバックライトは本当に翻弄されました。2年前、新聞にある液晶パネルメーカーが1兆円でスマホの有機ELを作るという記事が出た前後から、私どもの株価は2,000円から1,300円くらいまで下落しました。しかし、私はずっと「まだわかりませんよ」と繰り返し申し上げています。
本日、みなさまに申し上げられることは、さまざまなお客様の現時点での内示を集計したところ、来期はそれほど大きな数量の落ち込みはない見込みで、これはしばらく続くのではないかということです。
したがって、みなさまがご心配されたことは、いったんお忘れいただいてよいのではないかというのが、本日のメッセージです。あまり詳しくは申し上げられません。
高感度/高抵抗ひずみゲージ「MINEGETM(ミネージュ)」の新規開発
さらにすばらしいことに、このたび「MINEGE(ミネージュ)」という「夢のゲージ」を新規開発いたしました。これは15年間にもわたり、さまざまな試行錯誤を経て実現したものです。
現在私どもが使っているものは、学術上はJゲージと呼ばれますが、今回の新製品はNゲージと呼ばれます。これは非常に小型で超高感度のセンサーです。
本日、こちらの会場の外に実物の展示をしていますので、ぜひご覧いただきたいと思います。アプリケーションとしては、自動車、モバイル・ウェアラブル、そしてロボティクスを主要ターゲットと考えており、数百億円規模の売り上げを目指すと発表させていただきましたが、個人的にはもう1桁いけるのではないかと思っています。
売上としては再来期あたりから貢献してくると思っていますが、すでにサンプルをさまざまな方面にお出ししており、これから反応を見ながら、みなさまに状況の報告をしていきたいと思っています。
ミツミ事業の戦略
ミツミ事業も、2015年12月に経営統合を発表してから当社の株価が1,300円から650円まで下落してしまいましたが、おかげさまで前期100億円のマイナスの会社が、今期200億円にまで良くなってきました。
ミツミの過去最高の営業利益は331億円で、当時は一本足打法というか、ゲームへの依存度が高かったわけですが、今はさまざまなスマホ部品を手掛けていたり、また七本槍に象徴される各製品の生産性が劇的に向上してきました。
昨年の今頃は、3つある電源工場のどこを閉鎖するかという議論すらあったのが、今はもうフル稼働になってしまいました。これは別にゲーム向けで稼働率が上がっているのではなく、この1年間、とにかく受注獲得に鋭意取り組んできた成果であり、現在、ミツミの工場で空いているのは、青島の1工場だけです。
これも建てようと思って建てて、まだ何も設備を入れていなかった建屋で、これを除き残りはすべて埋まっているというのが現状です。
営業利益の目標について、後のスライドでもご説明させていただきますが、まずは250億円を目指しますが、私どもとしては331億円を超えることを社内の目標にしています。こちらも近いうちに達成できるだろうと個人的には思っていますので、今後にぜひご期待いただければと思います。
中長期成長に向けて - 自動車向け
こちらは、さまざまな方面で自動車の依存率が高くなければ将来がないかのような書き方をされているため、まとめたスライドです。
ベアリング、モーター、センサー、コネクタ、コイル、アンテナなど、とにかくものすごい数の製品がこれから自動車向けで増えていく予定で、現在約1,000億円の自動車向け売上がこの3年間で2,000億円規模になるという手応えを感じているところです。
車載用のモーターも、ドイツを中心に実に多くの引き合いをいただいています。さらに、ミツミ関連のコイル、コネクタ、アンテナなどもこれからどんどん入ってきます。
とにかく私の持論は、高級車を含め、高級品が世の中に出ると高級部品も増えるというもので、これは間違いのない方程式です。
自動車の環境性能/省エネ、安全性、快適性といった高級化・高機能化がますます進み、さらにEV、ADAS、インフォテイメントなどの必要性が高まってくると、私どもの部品も自動的に増えていくことになります。このように、自動車の高級化・高機能化やイノベーションにより、間違いなくミネベアミツミに対して大きな追い風が吹いていると実感しています。
今後の成長をけん引する主要エリア
これから数年の間、これは短期の話ですが、何が成長するのでしょうか。後のスライドで3カ年計画の修正案をご提示させていただきますが、先ほど申し上げたように、私の感覚ではスマホは来年は今年以上に売れるだろうと思っています。
ゲーム機器も、今年は出だしにおいてサプライチェーンでいろいろな問題があったと聞いていますが、マーケットの評判が非常によいため、当然来年も増えると思っています。
それから、機械加工品は、先ほど申し上げたように、月産3億個体制になっていきます。車載もこれからますます数が増えていきます。さらに、市場投入目前の新製品がこれから出ていきます。
これは現時点でははっきりとしたことが言えないので申し訳ないのですが、触覚デバイス、6軸センサ、高感度・高抵抗ひずみゲージ、新型SALIOT、医療用ベッドセンサーのほか、スライドには記載していないものが、これからまだまだたくさん出てきます。このようなもの が、これからのミネベアミツミをけん引するだろうと思います。
中期事業見通し
数字で簡単にまとめたのがこちらのスライドです。濃いグレーと薄いグレー(のグラフ)で書かれているものが本年5月に私どもが発表した3か年計画です。
18年3月期が最低でも730億円になりますので、そこから上に乗せていくと、1兆円または1,000億円というのは、1年前倒しで達成できる確度が高まっています。ものすごくついていれば、来年にも達成できるかもしれないと思っています。
ここでみなさんにご注目いただきたいのは、730億円と820億円の差の90億円です。内訳は詳しく申し上げられませんが、イメージとしては先ほど申し上げたとおり、スマホは今年よりも売れると思っています。ゲームも同様に、今年よりも売れます。ボールベアリングをはじめとする機械加工品は来期はじめから今期よりもかなり良くなります。
この3つを合わせただけで、90億円の増益が可能となります。そのため、今期の730億円が仮に750億円、770億円、790億円となったとしても、そこから90億円上乗せする余地は十分あると思っています。
本日は見通しをご説明させていただきましたが、詳細については現時点ではお話しできない部分もあるため、来年5月に改めてきちんとご説明させていただきたいと思っています。
中期事業見通し
営業利益1,000億円の目標を1年、あるいは2年前倒しということなのですが、機械加工品については前回500億円と申し上げていたところ、現在の見通しでは510億円いくだろうと 思っています。
思い出していただきたいのは、M&Aによって150億円の利益を上積みさせたいと5月に申し上げましたが、他の部門が良くなってきたことと、先日発表させていただいたC&A Tool EngineeringとMach Aeroを買収したことにより、今後のM&Aによる営業利益の上乗せは約100億円でよいことになります。
機械加工品にすでに実施したこれらの買収による上乗せ分を含めると、この3年以内に確実に510億円は達成できる見込みです。
電子機器も、モーター事業が伸張していくことや、LEDバックライトがまだ強いというころを勘案すると、330億円はいけると思っています。
ミツミ事業は今期は上振れる可能性を残して200億円、2年後は250億円と見込んでいますが、先ほど申し上げたように、私どもとしては近い将来のいつか331億円超えを達成したいと考えています。
ゲーム機は以前は1家に1台と言われていましたが、今は1人に1台とも言われており、息の長い成長をこの中に取り込んでいます。
このようなものを含めて、M&Aによる100億円、全体で1,000億円の営業利益は十分達成できるのではないかと思っています。
M&Aによる機械加工品事業の強靭化1
9月に発表したC&A Tool Engineeringですが、ここは3Dプリンティングで初めて米国FDAに認可された医療用のパーツを作る技術を持っています。我々は早い時期から、3Dプリンティングにはもっと資源を投資していかなくてはいけないと思っていましたが、今回これを機会に、私どもの中に3Dプリンティング技術が入りました。これは非常に大きな効果の1つです。
それからもう1点、実はこの工場のオーナーが、2008年のリーマンショックの後に、大きな工場を非常に安く買いました。今はその一部を使っていて、その他の部分が空いています。そこで、ニューハンプシャーのNHBBの拡張のために活用しようと思っています。
スペースや人の採用面を含めてNHBBの拡張は1つの懸案事項だったのですが、このC&Aを取得することによって、自ずと解決できるということが、1つ大きなポイントです。
M&Aによる機械加工品事業の強靭化2
それから、11月6日に発表したとおり、フランスの会社であるMach Aeroの全株式を取得しました。ここは、非常に重要な部品を大手航空機メーカー様に納めているコアな部品の会社です。
今回のM&Aによって、コア部品の製造技術を勉強できるだけではなく、当該航空機メーカーとの関係を非常に密接にすることができます。そのような販売シナジーやプロダクトシナジーがまずあります。
今はNHBBとミネベアUKが航空機関連部品を製造していますが、Mach Aeroグループとともに、この辺のシナジーをこれから出していきます。
それから、たまたま当社連結子会社であるインテックの工場がインドのベンガルールにあり、Mach Aeroの工場もベンガルールにあります。したがって、我々のこれからのインドの橋頭堡をベンガルールに築くということが、非常に自然の成り行きとしてあり得るだろうと思います。
Mach Aeroにもインテックにも、優秀なインド人がすでにいますので、これからこういうメンバーとコミュニケーションを取りながら、長いスパンでインドへの進出を考えていきたいと思っています。
株主還元
ネットDEレシオは、私が社長になった当時は103パーセントあったのですが、現在は約20パーセントとなりました。
今期は大幅に増配させていただきますが、格付けもシングルAに格上げしていただけました。これからも成長のために資金を使っていきたいと考えますが、株主還元も積極的に検討してまいります。