2017年度第2四半期決算説明会
徳成旨亮氏:三菱UFJフィナンシャル・グループの徳成です。本日は遅い時間帯にも関わらず、私どものネットカンファレンスにご参加いただき誠にありがとうございます。それでは早速ご説明に入ります。お手元の資料をご覧ください。
親会社株主純利益の概要
親会社株主中間純利益は6,269億円。通期の業績目標9,500億円に対する進捗率は65.9パーセントとなりました。
(スライド)左の過去の推移にあるように、この水準はモルガン・スタンレーの持分法適用関連会社化に伴う、負ののれんを計上した2011年度を除くと、中間期としては最高に近い水準の利益となりました。
(スライド)右にはそれぞれの最終利益に積み上げる構成をお伝えしていますが、今回は商業銀行・信託銀行を始め、各エンティティがそれぞれ利益に貢献をいたしています。
損益サマリー
6ページは損益サマリーです。業務粗利益は前年同期比387億円、2パーセントの増加となりました。内訳ですが、資金利益は国内預貸金収益や有価証券利息が減少し、微減となりました。信託報酬と役務取引等利益、いわゆる手数料収入は、海外業務の手数料収益減などがありましたが、コンシューマーファイナンス子会社2社、アコム株式会社、三菱UFJニコス株式会社の業容拡大に伴う増収。それから為替影響もあり、132億円増加しています。
特定取引利益とその他業務利益は、国債等債券関係損益は減少しましたが、その他の市場関連取引の収益が増加し、269億円増加となりました。
営業費は円安の影響もあり、海外経費が増加し、前年同期比633億円増加。この結果、7行目の業務純益は前年同期比246億円、マイナス3.4パーセントの7,007億円となりました。
与信関係費用総額は、貸倒引当金の戻入を主因に、全体では31億円の戻り益を計上しました。株式等関係損益は、政策投資株式の売却促進や株式減損の減少により109億円改善し、550億円の利益計上となりました。持分法投資損益は、モルガン・スタンレーの業績好調を背景に、前年同期比217億円増加。
これらの結果、経常利益は前年同期比8.7パーセント増益の8,640億円となりました。特別損益は、持分法適用会社であったアバディーン・アセット・マネジメント社が、スタンダード・ライフ社と合併したことに伴う株式交換益を486億円計上したことを主因に、607億円改善しました。以上の結果、親会社株主中間純利益は、前年同期比1,364億円、27.8パーセント増益の6,269億円となりました。
事業本部別業績概要
事業本部別の業績概要です。右側の増減グラフのとおり、リテール部門は、アコム株式会社や三菱UFJニコス株式会社など子会社の増収等により増加となりましたが、商業銀行業務は厳しい状況が続いています。
法人部門は貸出収益の減少や前期の大口手数料剥落もあり減少しました。
国際部門は円安効果もあり増益を確保したものの、市場部門は取引フロー減少による国内のセールス&トレーディング業務の苦戦などにより、全体として本業は減益となりました。
貸出金・預金
続きまして、B/Sについてご説明いたします。貸出金残高は109兆円と3月末費ほぼ横ばいでした。国内法人貸出は、M&A関連の貸出減少等を主因に0.5兆円減少しましたが、海外貸出は為替影響を除いても0.4兆円増と、引き続き増加基調を維持しています。
資料左下の預金は全体で171兆円あまりと、3月末比で1兆円の増加となりました。資料左下記載のとおり、海外貸出を支える外貨預金ですが、為替影響を除いても0.7兆円の増加と、堅調に積み上がっております。
国内預貸金利回り
国内預貸金利回りです。国内商業銀行業務は、苦戦が続いております。グラフの上から2つ目の折れ線が国内預貸金利回り差ですが、低金利環境が継続する中、利回りはこの上期も小幅ながら縮小し、残念ながら低下傾向に歯止めがかかっていない状況です。
貸出資産の状況
貸出資産の状況です。左側に地域別のリスク管理債権の残高をお示ししています。ご覧のとおり、全体としてリスク管理債権の残高は減少しており、貸出資産の質は健全な状態が続いています。右のグラフ、与信関係費用は31億円の戻り益計上となりました。
保有有価証券の状況
保有有価証券の状況についてご説明いたします。左上の表の1行目、有価証券の残高は54.7兆円と、3月末比でほぼ横ばいでした。4行目の国債は3.4兆円の減少となりましたが、7行目の外国債券は2.5兆円増加しました。
4行目の右側、国債の評価損益は減少したものの、引き続き2,462億円の含み益を保持しており、6行目以下の外国株式・外国債券等は含み益が増加し、1行目の合計の評価益は4,800億円あまり増加しました。なお、グラフのとおり、国際のデュレーションは2.5年と、3月末比ほぼ横ばいであります。
自己資本の状況
自己資本の状況をご説明いたします。左の文章下段に記載のとおり、9月末時点のバーゼルIII完全実施ベースの普通株式等Tier1比率は12.3パーセント。有価証券含み益除きでも10.0パーセントと、資本の健全性上、引き続き十分な水準を確保しています。
2017年度業績目標
2017年度通期の純利益の期初目標は9,500億円ですが、この上期終わった段階でも、引き続き年度の目標は9,500億円を据え置きとさせていただきます。
配当金予想
2017年度の配当は、中間期に9円の中間配当を実施し、年間の配当予想は18円を据え置きといたします。
自己株式取得の概要および自己株式消却の方針
中間期はROEが9パーセントを超えましたが、さらなるROEの向上や株主還元の充実を目的として、本日開催の取締役会において、本年5月に引き続き1,000億円を上限とする自己株式の取得を決議いたしました。今回取得する全株式は、5パーセント以上の自己株式は消却するという私どもの方針に基づき、全株消却いたします。
MUFG再創造イニシアティブの進捗
ここで恐縮ですが、5ページまでお戻りください。この上期決算は、ただ今ご説明申し上げたように、期初の公表値に対して大幅な上振れとなり、通期の業績目標9,500億円に対する進捗率も65パーセントを超える水準となりました。
しかしながら、本業収益である業務純益は前年度上期に引き続いての減益で、円安や与信費用の改善、あるいは政策投資、売却益といった一時的な利益に支えられた決算と受け止めるべきだと考えております。
低金利、低成長経済という経営環境は今後も続くものと覚悟しなければならず、MUFGが持続的な成長を続けるためには、伝統的な商業銀行を中心とするビジネスモデルの変革が必要です。
1年半前、私たちがMUFG再創造イニシアティブの検討を開始し、この5月にその骨子を発表したのはまさにこのためです。資料にはこの上期の成果、あるいは決定事項を記載しています。
MUFG再創造イニシアティブは資料記載の4つの柱からなりますが、例えば2つ目の柱、デジタルを活用した事業変革においては、10月にJapan Digital Design社を設立いたしました。これは、これまでの社内活動の成果の上に、外部のエンジニアの採用、あるいは地域金融機関32社との業務提携も加えて、革新的なユーザーエクスペリエンスの開発や社会的コストの低減に向けた取り組みを推進してまいります。
4つ目の柱、グループの経営体制の再構築では、商業銀行と信託銀行の法人貸出等業務の統合プロジェクトを進めており、来年4月16日付で信託銀行から商業銀行へ約12兆円、2,600社の貸出資産を移管する予定です。
引き続き、MUFG再創造イニシアティブの施策の具体化を進めて、来年度開始の次期中期経営計画に折り込み、詳細を後日発表させていただく予定です。
私からの説明は以上です。