2017年度第1四半期 事業概況およぼトピックス
吉田修氏:1ページをご覧ください。2017年度第1四半期の事業の概況およびトピックスを記載しております。
詳細説明は割愛させていただきますが、成長3分野を中心とする主要製品の堅調な販売推移、そして国内石化関連事業の高水準での設備稼働継続等により、昨年度に引き続き1クォーターは順調な立ち上がりとなりました。
決算の概要①
2ページをご覧ください。第1四半期決算の概要でございます。売上高は3,090億円、前年同期比153億円の増収となりました。
営業利益は273億円、前年同期比18億円の増益。経常利益は283億円、前年同期比50億円の増益。親会社株主に帰属する四半期純利益は227億円、前年同期比65億円の増益となりました。
為替レートは111円で前年同期比3円の円安、国産ナフサ価格はキロリットル当たり3万9,100円、前年同期比7,500円の上昇となりました。
決算の概要②
有利子負債につきましては4,310億円で、前年度末に比べ89億円減少しております。現預金を有利子負債から控除したNet有利子負債は3,565億円で、前年度末並みの水準となっております。
自己資本は4,658億円で、前年度末に比べ161億円増加しました。この結果、NetD/Eレシオは0.02ポイント改善し、0.77となりました。
自己資本比率については2.0ポイント改善し、35.9パーセントとなっております。
連結対象会社数につきましては、連結子会社94社、持分法適用会社37社、合計131社が連結対象会社となっております。
セグメント別 売上高・営業利益の内訳(増減分析 対前年決算)
続きまして4ページをご覧ください。セグメント別の売上高・営業利益の内訳および対前年同期の営業利益増減分析でございます。
売上高合計は前年同期比で153億円の増収となりましたが、これは成長3領域の主要製品の販売数量増および基盤素材を中心に原料価格上昇による販売価格改定を実施した影響でございます。
営業利益合計は前年同期比で18億円の増益となりました。数量差は7億円のプラス、交易条件が26億円のプラス、固定費他は15億円のマイナスとなりました。
このうち成長3領域につきましては、数量差はいずれも拡販によりプラスとなっておりますが、交易条件は前年1クォーターでの急激な原料価格低下による期ずれプラスの影響等が緩和しまして、マイナスとなっております。
固定費につきましては戦略的に進めております研究費の増加等により、1クォーター時点では減益となっております。
一方、基盤素材につきましては、高稼働継続、高水準で推移している市況影響等により、交易条件の改善を主因に増益となっております。
それではセグメント別に説明いたします。モビリティにつきましては売上高が777億円、営業利益が115億円となりました。
営業利益の増減要因は、数量差は自動車部品用途、ICT情報通信技術関連用途を中心に販売が堅調に推移しております。この結果3億円のプラスとなっております。一方、交易条件は2億円のマイナス、固定費他は研究費の増加等により6億円のマイナスとなっております。
ヘルスケアにつきましては売上高が342億円、営業利益が29億円となりました。売上高の減少は、歯科材料で期末に予定していました販売が2クォーターにずれ込んだこと等によりまして減少しております。
営業利益の増減要因につきましては、眼鏡レンズ用材料および不織布の販売が堅調に推移したことにより、数量差は3億円のプラスとなりました。交易条件は2億円のマイナス、固定費他は4億円のマイナスとなっております。
フード&パッケージングは売上高が458億円、営業利益が46億円となりました。
営業利益の増減要因はコーティング・機能材、機能性フィルム・シートの販売が堅調に推移し、数量差で1億円のプラス。一方、交易条件につきましては4億円のマイナス、固定費他は農薬の研究開発費の増加等により8億円のマイナスとなっております。
基盤素材につきましては売上高が1,453億円、営業利益が108億円となりました。
営業利益の増減要因は、数量面では国内ポリオレフィン事業を中心に販売が堅調に推移しております。交易条件は内需堅調な状況下でのナフサクラッカーおよび各誘導品プラントが高稼働を継続しております。これに加えまして、アジアのオレフィン市況も引き続き高水準で推移しておりますので、34億円のプラスとなっております。
その他セグメントは1億円のマイナスとなっております。
営業外損益及び特別損益の内訳
続きまして5ページをご覧ください。営業外損益及び特別損益の内訳を記載しております。上段の営業外損益の合計は10億円のプラスとなりました。前年同期比で32億円の増益となりましたが、これは持分法投資損益の改善と為替差損益の改善によります。
下段の特別損益の合計は25億円のプラスとなりました。このうち特別利益は資産売却益の計上によるものでございます。
賃借対照表
6ページをご覧ください。貸借対照表でございます。総資産1兆2,962億円、前年度末に比べまして293億円の減少となりました。売掛債権、未収入金等のその他資産が減少しております。
純資産残高は前年度末に比べ156億円増加しました。このうち株主資本は当期純利益の計上を主因に124億円増加しております。
キャッシュ・フロー計算書
7ページをご覧ください。キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フロー221億円、投資活動によるキャッシュ・フロー-91億円、この結果フリーキャッシュ・フローは130億円のプラスとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは有利子負債の返済を主因に224億円のマイナスとなりました。
続きまして、2017年度の業績予想の概要についてご説明いたします。第1四半期の実績を踏まえ、上期業績予想および通期の業績予想の修正を行っております。
2017年度第2四半期以降のトピックス
8ページをご覧ください。第2四半期以降のトピックスを記載しております。いずれも成長分野の拡大に寄与するような投資を計画的に進めている状況でございます。
ポリプロピレン(PP)・コンパウンドの能力増強につきましては先日プレスリリースしておりますが、アメリカ・メキシコ・インドの3拠点で順次増強、プラントの営業運転開始に入っていきます。年産能力としては5万トンとなっております。
ミラストマーにつきましては第3四半期5,000トンの能力増強を予定しております。
電解液のJV設備増強をこちらも第3四半期に予定しております。
それから第4四半期には三井化学SKCポリウレタンでのシステムハウス、インド拠点の稼働開始を予定しております。
同じく第4四半期に名古屋での高機能不織布設備の新設と、同じく高機能不織布設備の四日市での増強を計画している状況でございます。いずれも順調に進んでおります。
業績予想の概要
それでは9ページをご覧ください。業績予想の概要でございます。
上期につきましては売上高6,200億円、営業利益460億円、経常利益460億円、親会社株主に帰属する当期純利益330億円を見込んでいます。営業利益の見通しは、対前回30億円の上方修正としております。
通期につきましては売上高1兆3,000億円、営業利益1,000億円、経常利益1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益680億円を見込んでおります。通期の営業利益の見通しは、対前回20億円の上方修正としております。
なお、下期につきましては各事業セグメントの見通しに変更はございません。
業績予想の前提としましては為替レートは上期111円、通期で110円、内訳としまして2クォーター110円、下期も110円としております。
ナフサ価格は上期3万8,050円、通期で4万円、2クォーター3万7,000円、下期は4万2,000円という前提で計画を立てております。
配当予想については中間で1株当たり8円、期末は10月1日に実施予定の株式併合の影響を考慮した株数に対しまして、1株当たり40円としております。実質的には当初予想から変更はございません。
営業利益推移(16年度決算→17年度前回予想→17年度今回予想)
続きまして10ページをご覧ください。2016年度決算、5月12日の公表値の2017年度前回予想と今回修正予想の営業利益の推移をグラフ化したものでございます。
前回予想では16年度から17年度にかけまして、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの各分野で拡販する一方、基盤素材を中心とした交易条件の難化に加えまして、4年に1度の大規模定修のマイナス影響を織り込み、前年比微減益という見通しでスタートしております。
足元の事業環境に大きな変化はございませんが、数量面ではモビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの拡販は予定どおりに推移しております。
これに加えまして交易条件の改善を織り込み、会社全体で1,000億円の営業利益を確保できる見通しとなり、今回業績予想の修正を実施しております。
注力している成長3領域の業績見通しにつきましても、営業利益770億円を見込んでおりまして、モビリティ、フード&パッケージングが前回予想を上回る見込みでございます。
セグメント別 売上高・営業利益の予想(対前年決算)
11ページをご覧ください。売上高・営業利益のセグメント別の内訳につきまして、上期、通期の予想値及び対前年比較を記載しております。
売上高につきましては、主要製品の拡販を主因に16年度を上回る見込みです。通期の営業利益につきましては、前年比較では微減益となるものの、先ほど申し上げましたとおり、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの3領域が前年度を上回る見込みでございます。
セグメント別 営業利益の予想(対前回予想)
前回予想からの変化点につきましては、次のページでご説明させていただきます。12ページをご覧ください。上期の営業利益見込みの対前回予想との変化点をセグメント別に記載しております。
上段をご覧ください。前回予想比較で30億円の増益見込みとしております。モビリティにつきましては、主要製品の販売が堅調に推移していることと交易条件の改善がありまして、前回予想を上回る見込みでございます。
ヘルスケアは前回予想どおり進捗しております。
フード&パッケージングは、機能性フィルム・シートの販売が堅調に推移していることと交易条件の改善もあり、前回予想を上回る見込みでございます。
基盤素材は、国内ポリオレフィンの販売が堅調に推移していること及び交易条件の改善がありまして、前回予想を上回る見込みでございます。
下段の下期予想につきましては、冒頭申し上げましたとおり事業セグメントの見通しに変更はございません。
営業外損益及び特別損益の内訳
13ページをご覧ください。営業外損益予想及び特別損益予想の内訳を記載しております。上段の営業外損益予想については、上期、通期とも金融収支、その他のマイナスを持分法投資損益でカバーし、0となる見通しでございます。
前年との比較では上期が35億円のプラス、通期が49億円のプラスを見込んでおります。
下段の特別損益予想の上期合計は、資産売却益の計上により10億円のプラス、通期では通常償却費用の計上等により40億円のマイナスを見込んでおります。
キャッシュ・フロー計算書
14ページをご覧ください。キャッシュ・フロー予想を記載しております。上期、通期ともに営業キャッシュ・フロー、フリーキャッシュ・フローは前回予想を上回る見込みでございます。
以上、1クォーターは順調な立ち上がりとなりましたが、引き続き収益力強化、財務体質の改善に取り組んでまいります。
2017年度第1四半期決算の概要及び2017年度業績予想の概要につきまして、ご説明を終わります。