2018年3月期第1四半期決算サマリー

山本晋也氏:スライドは2ページになります。第1四半期決算のサマリーでございますが、前年漁病などで大変苦戦をいたしました鮭鱒事業が、今年度は大変好調に推移いたしました。

またそれに加えまして有価証券ですが、今年は売却をしております関係で前年同期比と比較いたしますと4パーセントの増収。利益は各段階利益とも大幅な増益となってございます。

一方、計画に対しましては右端のところで(に表記が)ございますが、概ね4分の1程度ということで、順調に推移している状況でございます。

2018年3月期 第1四半期決算 セグメント別概況

次のスライドご覧いただきまして事業別の売上高・営業利益の表になります。ご覧の通り水産事業と食品事業は、売上・利益ともに非常に順調に推移いたしまして、増収増益でございます。

一方、ファインケミカルにつきましては、若干の減益ということで推移してございます。

主な営業利益増減要因

主な営業利益の増減要因でございますが、スライドの4ページになります。

一言で申し上げますと、南米の鮭鱒養殖事業が非常に好調でございました。昨年、苦戦しまして今年を見ますと、非常にプラスになっていてございます。

これは市況の上昇に加えまして、養殖池も良い生け簀だったということもあります。養殖成績も大変よく増益に寄与しました。

在池魚評価ですが、これはいつも申し上げているIFRS(国際財務報告基準)の関係の、鮮魚の評価益でございます。これについてはプラスになりました。この影響で、ご覧の通り34億円もの増益となっております。

あと規模としては、大幅に小さくなりますが、国内関係で水産そして食品・物流と、それぞれおかげさまで増益基調です。水産につきましては漁業(スライド点線部分)が、若干苦戦している関係でネットすると大きな増減になってはございません。

ファイン(ケミカル)につきましては、また後ほど出てまいります。しかし新工場の減価償却費に加え、通販事業が今期力を入れて伸ばそうと取り組んでおります。この関係で広告宣伝費が前倒しで出ていることもあり、減益となっております。

連結損益計算書(前年同期比)

続きまして、損益計算書でございます。損益計算書の営業利益、経常利益までは後ほど出てまいります。ですので、ここでご覧いただきたいのは特別損益です。

冒頭申しあげた通り、有価証券の売却益を今期は計上している一方、昨年は有価証券の売却損失がございました。今期は売却損失がなくなっている関係でネットすると増益という状況になっております。

連結貸借対照表(前期末比)

それから続きまして、貸借対照表でございます。総資産が4,644億円になります。昨年3月末の前期末と比較いたしますと125億円増えております。

季節的な要因もございます。しかし売掛金や棚卸資産が増加している関係で、総資産も増えている状況になってございます。

セグメントマトリックス 売上高(前年同期比)

7枚目、8枚目、9枚目のスライドはセグメントマトリックスでございます。

7枚目は売上高でございます。上段が今期の数字となっております。下段が前期の数字でカッコ内で示している数字が増減数となっております。

ポイントのところは赤丸で囲わさせていただいております。この部分が日本の大きな増収と南米の増収でございます。エリア別に見ると、この2つが特徴的でございます。

事業別に見ます。これは横軸でございます。冒頭申し上げた通り、水産・食品事業が大きく増収になってございます。

1点、為替の影響について申し上げます。右下に小さな表がついております。こちらはDKK(デンマーククローネ)です。デンマーククローネの影響で、ヨーロッパについて為替の影響が大きく減収に出てございます。為替の影響を除くと、ほぼ同等という状況でございます。

セグメントマトリックス 営業利益(前年同期比)

それからスライドの8枚目。こちらは同じ表の作りになっております。表記は営業利益でございます。

何度か繰り返しになりますが、エリア別で見ると南米が非常に大きく増益ということでございます。その他のエリアを見ると、ほぼ前年並ということになります。

事業でご覧いただくと、水産が大きく増益している理由は先ほど申し上げた南米の鮭鱒事業です。それ以外の事業では、食品が好調でございます。

連結キャッシュフロー(前年同期比)

キャッシュフローについて記載しておりますスライド9枚目でございます。

こちらは先ほど申し上げた売掛金や在庫が増えてきた関係を踏まえ、運転資本が昨年に比べプラスからマイナスのキャッシュフローになりました。

営業キャッシュフローについても、昨年の実績としまして70億円程度あったものがマイナスの12億円になってございます。これを主として財務活動によるキャッシュフローを、短期借入で賄ったというようなキャッシュフローになります。

連結借入金・純金利負担

その結果がスライド10枚目に記載しております。借入金の推移をご覧いただきますと、赤いのが長期借入金。青で表示させていただいてるのが短期借入金でございます。

短期借入金が113億円でございます。若干、長期の借入の一部にもまわしておりますが、運転資本の増加にともなう短期借入金の増加という状況です。

水産事業

ここからが各事業別の詳細でございます。スライド11枚目から13枚目までが水産事業でございます。11枚目は連結全体の水産事業についてございます。売上高については664億円となり、前年同期と比較しますと31億円ですので、5パーセントの増収でございました。

営業利益については23億円の増益でございました。このスライドの中でご覧いただきたいのは、下に3つのグラフの中の右側の折れ線グラフです。鮭鱒の市況の推移でございます。私どもが特に取り扱っているチリのトラウトの表記が赤の折れ線グラフとなってございます。

この状況で右肩上がりであるというのは、特にご注目いただけると思います。こちらは昨年の1月から3月の状況からみて、非常に高い水準で推移しております。

水産事業 売上高・営業利益(前年同期比)

次のスライドは、この影響を受けております。各会社別でございます。社名は出ておりませんが、営業利益を棒グラフにしてございます。

繰り返しになりますが、濃いブルーで表示しているところが、チリの鮭鱒養殖事業でございまして、非常に価格に恵まれたこと、養殖シェア的に特に良く大幅な増益となっております。

右下に矢印で引っ張っている箇所が、冒頭にて若干触れさせていただきました在池魚評価と通常の事業損益をそれぞれ表示したものでございます。

黄色で表示しているのものが実際に販売して実現した損益でございます。ご覧いただきますと昨年は赤字であったものが、今年は黄色い表示で20億円程度の増益が出ており黒字になりました。

在池魚の評価損益について、昨年は若干端数はありますがほぼ0でございます。

今期は10億円弱の評価損益が残っておりますので合わせまして、ここに表示させていただいてます(黒三角の)6億円から26億円に大きく増益になったということでございます。

これ以外ではマグロが若干下がっていきそうな関係で苦戦しています。これは国内の養殖事業関係となっております。

鮭鱒の日本でやっている銀鮭の養殖につきましても、価格が上昇したこと、昨年に比べまして増産したことが要素となり増益基調でございます。

また昨年大変苦戦いたしましたアメリカでの「すけそうだら事業」ですが、引き続きフィレ市況は低迷しております。

昨年うまくいかなかったすけそうだらの子供を「助子」と表示しております。こちらが増産ができました。以上により増益と推移しております。

水産事業 ニッスイ個別(前年同期比)

スライド13枚目。こちらが個別の水産事業でございます。

引き続き、こちらも鮭鱒および、すりみが牽引いたしましたので増収・増益でございました。3つのグラフの中の右上が主な魚種別の売上高をお示ししております。

左下が四半期単位の営業利益でございます。個別につきましても非常に順調に推移いたしました。

食品事業

3枚のスライド、14枚目から16枚目で構成されております。1枚目が連結全体での食品事業でございます。

売上高は810億円となり、前年に比べ食品につきましても104パーセントの増収でございます。営業利益につきましては5億円の増益。前期と比べますと、120パーセントの増益ということで非常に順調に推移しております。

日本の冷凍食品や魚肉ソーセージが好調だったことに加え、昨年は北米の家庭用の冷凍食品が苦戦いたしました。この改善もいたしまして増益となってございます。

食品事業 売上高・営業利益(前年同期比)

続きのスライドでございます。加工・チルドです。それからニッスイ個別というかたちで、中身を食品事業分けてございます。いちばん左端のグラフが加工を行っている会社(のデータ)でございます。

今申し上げた通り、北米の昨年苦戦した濃いブルーで表示しているところの会社でございますが、この会社は今年は主力商品を中心に、販売数量が増加いたしましたので増益になってございます。

一方で、ピンク色で表示している会社です。これは北米の業務用の冷凍食品でございます。昨年は非常に原料のメリットというのが出まして大きく増益になったのですが、今期は調達コストが上昇して若干の減益のスタートとなっております。

あとは日本ですが、日本につきましては次のスライドでも出てまいります。非常に順調に推移しております。

それからチルド事業。若干触れておきます。コンビニエンスストア向けのサラダや惣菜は非常に順調です。しかし生産体制であるコンビニの再編などの影響もございまして、減益となってます。

食品事業 ニッスイ個別(前年同期比)

山本晋也氏(以下、山本):減益となっています。ほとんど同じですが、若干の減益ということでございます。

次のスライドがニッスイの個別です。先程申し上げたとおり、家庭用の冷凍食品と魚肉ソーセージが非常に好調に推移いたしました。

また、4つの中の右下のグラフ「冷凍すりみ輸入価格推移」という折れ線グラフをご覧いただきますと、昨年は非常に高いすり身の原料を使って、私どもの練り製品、魚肉ソーセージ等々作っていたわけですが。

今期は若干落ち着いたこともありまして、このメリットも出てきております。続きまして、ファインケミカル事業です。

ファインケミカル事業

ファインケミカル事業につきましては、売上高がほぼ横ばい。営業利益につきましては、5億円の減益ということです。繰り返しになりますが、鹿島の医薬品工場新設に伴う減価償却費、併せて通販事業への広告宣伝費の投入を行っている関係で、減益スタートとなっております。

物流事業

続きまして、物流事業です。物流事業は、昨年の4月に大阪の舞洲に物流センターが新興いたしました。

昨年はまだスタートを切ったばかりでございましたので、初期費用などもございましたが、これが売上、それから減価償却費が昨年に比べて減ってきたということもございまして、増収増益に寄与しております。

ここまでが第1四半期の結果です。

第2四半期以降の打ち手 -水産事業(加工)

続きまして、最後は、スライド5、6枚まだ続きますが、これは第2四半期以降の打ち手でございます。

まず、水産事業の関係です。主として、加工関係ですね。日本の個別を中心とした水産事業でございますが、ご承知のとおり、アニサキスの報道によりまして、消費者の生食離れというのが、若干影響が出てきております。

これへの対応策も含めまして、消費者キャンペーンなどの販売促進、こういうものに積極的に取り組んでまいります。右側に若干、絵が出てますね。「ぶりは地球を救う」と。こういったようなものも使いながら、販促活動をしていこうと考えています。

それから、水産市況の、先ほど鮭鱒の市況をご覧いただきましたが、非常に高い水準まで、わずかな期間で値上がりをしてまいりまして。

危機的な状況というか、高止まりしている状況ですので、この下落リスクを想定し、在庫管理というのは、今までに加えまして、さらに徹底してまいります。

それから、加工度を高めた新商品。これはずっとテーマですが、右側に、非常にちょっと見づらくて恐縮なんですけれども、お魚で作ったミンチのもの。

こういったものを使いながら、肉とほとんど変わらない食感のものをご提供してみたり、あるいは骨取りあじの西京焼がございますが、こういう味付けですとか、すでに加工がされていて、あまり手間を取らないような商品の展開をより進めてまいります。

それから、次は北米の加工事業ですね。これは昨年苦戦をいたしました事業です。アラスカで生産加工を行っている事業ですが、労務費が高止まりしておりましたので、この対策を含めまして、人員整理、つまりリストラを進めている最中です。

ここに書いてあるとおり、従業員の減員を計画しておりまして、これを粛々と進めていくと。

加えまして、非効率な生産ライン、あるいは省人化をもう少しできるラインについては、抜本的に見直して、入れ替えをしていくと。見直しをしていくということをやってまいります。

第2四半期以降の打ち手 -水産事業(養殖)

それから、次のスライドが養殖関係を1つのページにまとめております。まず、左上が南米の鮭鱒養殖事業でございまして、第1四半期に魚病が発生しております。

こういうものへの魚病対策。魚病は養殖事業にはつきまとっているものなんですが、この対策を進めてまいります。併せて水産市況の下落リスクの、これは先ほど国内でお話したのと近いんですが。

付加価値商品の販売促進。それから、新たな割合を挙げていくということですね。こういうようなものを、より進めてまいります。

それから、えび養殖事業です。「白姫えび」というブランドで、国内において養殖のえびの出荷を開始いたします。これは高鮮度で、生食で食べていただけるような、えびの養殖でございます。

まだまだ頭数的には多いわけではないんですけれども、こういった新しい魚種の、新しい提案も進めてまいります。

左下、国内かんぱち養殖事業です。7月1日に鹿児島県で事業を開始いたしました。

もともと関係があったかんぱちの養殖事業の先について、もう少し拡大をしたいということで新たに会社を設立いたしまして、日本水産主導で進めていくことで解消いたしました。初年度については、6億円程度の売上を計画しております。

右下、国内まぐろ養殖事業。こちらにつきましても、まぐろの市況が少し弱含んでおりますので、加工度の高い商品を販売することで売上の拡大を図るとともに、収益の安定化を進めてまいりたいと考えております。

併せまして、完全養殖版本まぐろですね。

第2四半期以降の打ち手 -食品事業(国内)

これはまだ、今年は非常に少ない量でございますが、今期より完全養殖まぐろの出荷を進めたいとしております。

食品事業・ファインケミカル事業の融合【機能性表示食品】

続きまして、食品事業でございます。これはつい先日、秋冬物の新商品として発表させていただきました。

テーマはここに書かれている4つでございますが、「家族の食卓応援」ということで、女性の社会進出と食の簡便化ということに対応する、そのまま食べていただけるようなもののご提案。

それから家飲みが、頻度が高まっておりますので、それにおつまみとして食べていただけるようなご提案。

あるいは、こだわり消費として、少し高いんですが、おいしいものということで、価格ではなくてこだわりの商品ということのご提案でございます。

最後は「食べて健康」ということで、従来からやっているものでございますが、シニアはもとより、様々な世代の健康に寄与していきたいということで、記憶力をサポートする、中性脂肪以外の、認知機能・記憶力を維持するという表示で、新たな商品を展開してまいりたいと考えております。

第2四半期以降の打ち手 -食品事業(海外)

これは海外の食品事業でございます。北米の家庭用冷凍食品につきましては、昨年の第1四半期、3ヶ月ずれておりますので、1、3月なんですけれども、非常に苦戦をいたしました。

これについての対応というのはすでに行っているんですが、これ以外に、従来の伝統的な商品に加えまして、新商品を中心に既存の顧客に。

PBはなかなかやってきてなかったんですが、開発なども一緒に取り組んで拡大をしていきたいと思っております。

また、併せて生産効率の向上ですね。これについても、今あるメイン工場を中心に、委託加工なんかの見直しも含めて、検討している最中でございます。

右側は業務用冷凍食品です。昨年は大変好調でございましたが、原料高で今年は若干第1四半期苦戦しているということを申し上げました。この原料相場の価格変動をよく見ながら、調達をしてまいります。

また、新規顧客との共同による商品開発。今、写真が出ているような相手先とはうまくいって商品が流れている。パイやパン等。

以前申し上げてきたと思いますけれども、そういう先様に加えて、新たなお客様と新たな商品の開発について取り組んで、販売を増やしていきたいと考えてございます。

それから、欧州、ヨーロッパ事業ですね。ヨーロッパにつきましては、イギリスへの本格的な進出ということで、4月1日にCaistor Seafoodsという会社を買収いたしました。

これはここに書かせていただいているとおりでございますが、鮮魚や加工品をイギリス国内で、350店舗ほど展開するWaitroseというところに納品・供給している会社でございまして。

私どもの欧州で展開しているCite Marine、あるいはNordicという食品加工メーカー、あるいは水産の販売会社。こういうところとのシナジーも見ながら、イギリスにも展開していきたいと考えてございます。

連結決算上は3ヶ月ずれておりますので、第2四半期から寄与してくることとなります。それから、右側がCite Marineという会社の状況でございます。

新工場の、今、建設をしてございます。そういうものに加えまして、あまり大きくないですけれども、M&Aを通じながら、生産規模を強化して、販売水準の拡大を図ってまいりたいと。商品のバラエティも拡充してまいりたいと考えてございます。そこまでは食品事業です。

第2四半期以降の打ち手 -ファインケミカル事業

ファインケミカル事業。これが最後のスライドでございますが、大きく3つのセグメントに分かれてございます。

医薬品原料でございます。医薬品原料は、現在右側の表にございますとおり、新鹿島の医薬品工場を本番稼働に向けて準備中でございます。

現在、8月でございますので、性能適格性評価ですとか、試験操業にぼちぼち入ろうかというところでございます。

滞りなく行って、医薬品原料が海外展開する際にスムーズに入れるような準備を進めてまいります。

減価償却費としては、今年度は10億円程度発生するということになります。機能性原料。これは、BtoBの商売でございまして、健康食品を販売している国内外の会社、あるいは健康食品以外のところで、こういう原料を使っていただいている会社様に販売してまいります。

とくに粉ミルクなどの原料として、海外の展開も徐々にですが増えてまいりましたので、これにもう少し注力してまいりたいと考えております。

最後は機能性食品。今年は広告宣伝費、約25億円を投入いたしまして、なんとか「イマークS」を中心に、大きな規模に、一定の規模に通販事業を育てていきたいと考えています。右側に出ているのは、山手線なんかでの広告なんかもやっとやり始めることになりまして。

まだその効果は実感できるレベルにはなっておりませんが、きちっとフォローをして、拡大させていきたいと考えております。以上、私からのご説明になります。