(1)連結経営成績(累計)
芝﨑健一氏:それでは私からご説明申し上げます。平成30年3月期第1四半期決算短信でございます。
まず連結の営業成績でございます。営業収益は3,554億円。前年同期比4パーセントの増収となりました。
一方、営業利益はマイナス100億円。前年同期比174億円の減益となりました。
経常利益はマイナス95億円。前年同期比172億円の減益となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益はマイナス79億円。前年同期比115億円の減益となりました。
今回の決算につきましては、消費スタイルの急速な変化に伴う通販市場の拡大などにより、宅急便の取扱数量が増加し、前年同期比136億円の増収となっています。
このような状況下、ヤマトグループは高品質なサービスを提供し続けるために、その礎であります社員が生き生きと働くことができる「働き方改革」を中心に据え、グループ全体の事業モデルの変革に取り組んでいるところでございます。
デリバリー事業は社員の労働環境の改善と整備、宅急便の総量コントロール、宅急便ネットワーク全体の最適化、「ラストワンマイルネットワーク」の強化による効率の向上、そして宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定を内容とする「デリバリー事業の構造改革」を開始しております。
とくに宅急便の総量コントロールにおきましては、荷物の急増による社員の負担増を回避するために、大口の法人のお客さまに対し、繁忙期の出荷調整や、再配達削減などを要請するとともに、運賃の見直し交渉を進めておりますが、こういった5つの構造改革に取り組んでいる現状においては、まだ道半ばというところでもございます。
宅急便の取扱数量増加に連動した外部戦力を含めた、人的コストの増加が利益を圧迫するという、これまでの流れが継続し、業績は厳しい結果となったものでございます。
また、前期からグループ全体で実施してきた社員の労働時間に関する実態調査につきまして、第1四半期の中でも、継続確認を進めた結果、当第1四半期におきまして、新たに認識した労働時間に対する一時金を52億円計上したものでございます。
(2)連結財政状態
連結の財政状態でございます。
自己資本比率が46.9パーセントで、50パーセント前後というレンジの中に収まっています。
配当の状況
配当の状況につきましては、前回の予想から変更がなく中間配当13円。期末配当14円。年間27円とし、前期と同額の配当の予定であり、株主さまに対する還元は一時的な費用の減益に関わらず、姿勢は変わらない、安定した配当をするというところは変更がないというものでございます。
平成30年3月期の連結業績予想(平成29年4月1日~平成30年3月31日)
連結業績予想でございますが、別途本日リリースいたしましたとおり、前回発表から当第2四半期連結累計期間および、通期の連結業績予想を一番下段の方に記載したとおりといたしました。
第2四半期の業績につきましては、営業収益は7,180億円。前回発表より100億円増加増収。前年同期比1.6パーセント増収の見込みでございます。
営業利益はマイナス130億円。前回発表より100億円減益の見込みでございます。
経常利益はマイナス130億円。前回発表より100億円減益の見込みでございます。
親会社株主に帰属する四半期純利益はマイナス130億円。前回発表より70億円減益の見込みでございます。
通期の見通しの業績は、営業収益は1兆4,900億円。前回発表より200億円の増収。前期に対しまして1.6パーセント増加の見通しでございます。
営業利益は250億円。前回発表より50億円の減益。前期に対しまして28.3パーセント減益の見込みでございます。
経常利益は250億円。前回発表より50億円の減益。前期に対しまして28.3パーセント減益の見込みとなってございます。
親会社株主に帰属する当期純利益は120億円。前回発表より50億円の減益。前期に対して33.5パーセント減益の見込みでございます。
少し繰り返しになりますが、平成30年3月期の上期は、働き方改革の推進途上でございます。
数量やプライシングに対する交渉期間であることから、宅急便の取扱数量の増加基調は継続しております。
その結果、期中予想より増収となる反面、配達委託などを中心に費用は増加したものでございます。
また平成29年3月に計上しました一時金につきまして、その後も継続確認を進めていった結果、第1四半期におきまして、新たに認識した労働時間に対する一時金を52億円計上いたしました。
この一時金でございますが、6月21日に開示させていただきました一時金の状況に関するお知らせの時点での見通しに対しまして、割増賃金の支給対象時間などが、想定より多かったために金額が増加したものでございます。
下期におきましては、収益構造の改革に関する施策の効果があらわれ、利益は回復基調に入ると想定しています。
営業費用につきましては、体制構築による委託費と人件費の重複が徐々に解消していく見通しであり、営業利益は改善する見込みでございます。
これらにより、営業利益は前回発表に対しまして上回る一方で、営業利益、経常利益および、親会社株主に帰属する当期純利益は前回発表予想を下回る見込みとなったものでございます。
現在、ヤマトグループではデリバリー事業の構造改革を中心として、将来にわたってお客さまに高品質なサービスを提供し続けるために、グループ全体で働き方改革に積極的に取り組んでいる最中でございます。
第1四半期の実績の内訳につきまして、お手元の決算短信をもとにご説明させていただきます。
グループ全体の取り組みのうち、第1四半期のトピックは4点でございます。
まず新設したヤマト運輸の「働き方改革室」や、グループ各社の「働き方創造委員会」を中心に、全社一丸で働き方改革を推進することで、より社員が働きやすい環境の整備に取り組んでおります。
次にネットワークでございますが、従来の羽田、厚木、中部、沖縄に加え、11月に「関西ゲートウェイ」の稼働を予定しています。これにより、国内ネットワークの拡充を進めてまいります。
さらに海外市場でのネットワーク構築への取り組みがございます。2017年4月にフランスのエクスプレス事業社大手企業と、クロスライセンスを含む包括的パートナーシップ契約を締結いたしました。
また、ヤマトグループ6社におきまして、小口保冷配送サービスに関する国際規格「PAS 1018」の認証を取得したものでございます。
最後に、先端技術の導入・検討に関する取り組みは、自動運転を活用したオンデマンド配送サービスなどを提供する「ロボネコヤマト」のプロジェクトの実用実験を開始しました。
また、日本初の新規格大型トレーラーによるゲートウェイ間の輸送効率化など、先端技術の活用に向けた取り組みを推進してるところでございます。
各フォーメーション別の概況について、簡単に触れさせていただきます。
デリバリー事業は引き続き急速な通販市場の拡大がございますが、宅急便の取扱数は増加し、増収となっております。
利益面では先ほど申し上げたとおり、労働需給のひっ迫感がさらに強まるなか、サービス品質を維持するための外部戦力を含めた、配達の人に関わるようなコストの増加や、労働時間に関する実態調査につきまして、継続確認を進めた結果、一時金を計上するなど、利益を圧迫し、減益となったものでございます。
BIZ-ロジ事業は、メディカル事業さまに向けたサービスとして、海外でグローバル展開する企業と業務提携をするなど、積極的に拡販を推進いたしました。
企業間物流の好調などにより増収となったものの、海外関連事業の伸び悩みなどによりまして、減益となったものでございます。
ホームコンビニエンス事業は、既存サービスに加えまして、フリマアプリと連動した大型荷物を簡単に送れる「らくらく家財宅急便」の拡販を積極的に推進したことなどにより、増収増益となったものでございます。
e-ビジネス事業は、発送指示を一元管理し、出荷業務の効率化を支援する「Web出荷コントロールサービス」における取扱が拡大したことなどにより、増収増益となったものでございます。
フィナンシャル事業につきましては、リース事業が順調に推移し、増収増益となりました。
最後にオートワークス事業でございますが、「リペアワークス」。これは定期訪問サービスでございますが、営業を積極的に行い、車両取扱台数が増加したことにより、増収増益となったものでございます。
CSRの取り組みについては、海外も含めたグループ全体で「事故ゼロ運動」を実施し、全社の安全意識向上に取り組んでいるものでございます。
また、客貨混載におきましては、2017年6月より兵庫県でも開始して、岩手、宮崎、北海道、熊本、兵庫の合計5件となっています。
加えまして、神奈川県藤沢市の環境配慮型配送センター「Next Delivery SQUARE」における物流効率化によるCO2削減などの実績が評価され、第18回物流環境対象の「物流環境保全活動賞」を受賞しました。
以上、大変簡単ではございますが、この第1四半期の決算の状況について、ご説明申し上げました。私からは以上でございます。