2017年3月期通期 連結業績
畑彰之介氏:こんにちは畑です。本日はお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。お時間に限りもありますので、早速始めさせていただきます。
2017年3月期の決算説明です。通期決算からです。2017年3月期通期の連結業績の数字をご説明します。
売上高で450億8,900万円。営業利益で211億6,100万円。経常利益211億6,400万円。当期純利益が148億3,800万円。
17年3月期の通期会社計画。2月2日に業績予想を出したものに対し、それぞれ達成率が100.2パーセント。
営業利益100.8パーセント。経常利益100.8パーセントで、2月の業績予想から、ほぼほぼ予定通りの着地でした。
2017年4Q ハイライト
続いて、四半期決算の内容についてご説明します。2017年4Qハイライトをご覧ください。
価格.com、食べログ、新興メディアという3つに分けてご説明します。
価格.comは、サービス事業は引き続き順調だった一方、ショッピング、広告が低調で、売上高は57億円と前期比マイナス3.9パーセントの減収でした。
一方、アジア4ヶ国で展開しているPriceprice.comについては、2017年3月時点で月間利用者数が1,051万人で、1,000万人を突破しています。
これについては、後ほど別のスライドでご説明します。
続いて食べログですが、3月末の課金飲食店数は5万3,100店舗。
それから従量課金をしています新プランは3,500店舗に増加したことで、売上高は47億円と前期比プラス12.1パーセントという結果でした。
我々が主に力を入れてやっているオンラインのネット予約も非常に好調で、これは4月の数字ですが、累計予約人数が1,500万人を突破しています。
新興メディアファイナンスは、不動産の『スマイティ』と『キナリノ』が非常に好調で、売上高は12億円で前期比プラス4.1パーセントという結果でした。
2017年3月期第4四半期 連結業績
第4四半期の連結業績ですが、売上高が118億4,000万円。営業利益、経常利益がそれぞれ56億円台半ば。
売上高は前期比プラス2.9パーセントという結果でしたが、営業利益、経常利益は、若干のマイナスという結果でした。
四半期別 業務別売上構成の推移(連結)
四半期別の業務セグメント別の売上構成の推移を示しています。
この第4クォーターは、食べログが全体の売上の中40.3パーセントで、前の期の4クォーターの37パーセントから、3.3ポイント売上のシェアを上げています。
四半期別 コスト内訳の推移(連結)
コストの内訳の推移です。とくに変化はありませんが、第4クォーターに関して、例年通り少し広告宣伝費が多く、全体の20.8パーセントで第4クォーターの傾向を示しています。
価格.com事業
続いて、それぞれの業務についてレビューをします。価格.com事業です。
この中で、価格.com事業のショッピング、サービス、広告で3つの分類に分けています。
サービス事業は全体として伸びましたが、ショッピングが低調で、価格.com事業全体の売上高は前年比マイナス3.9パーセント。
それか月間利用者数については5,285万で、ほぼ計画通りの数字でした。
価格.comショッピング事業・広告事業
価格.comのショッピング事業で、去年の計画にあるとおり、デジモノ家電であるとかパソコンは、依然として売上が増えていません。
少し底を打った感じがあるのですが、一昨年より力を入れている消費財のカテゴリーにおいて、この4クォーターは前年比流通総額プラス5.2パーセントで順当な伸びを示しています。
広告事業は、ヘッダービディングの導入で、ネットワーク広告が去年少し単価が下がり、当社の広告売上にも影響を及ぼしました。
これは高単価な広告が自動的に配信されるような仕組みになっており、ネットワーク広告を含めて単価を引き上げ、広告在庫が適正な収益につながるように施策も打っています。
価格.comサービス事業
こちらは伸びているサービス事業の中で、通信事業の内訳を示しています。
通信カテゴリーについては、一昨年、昨年とそれまでの上昇基調から一転、底を打った感じになったのですが、この4クォーターは前年比SIMでプラス3.0パーセントでした。
海外Wi-Fiでプラス61.1パーセント、固定回線はマイナス1.1パーセントとほとんど変わらなかったのですが、全体としては通信事業も成長基調にあります。
価格.com海外事業
次に価格.comの海外事業、Priceprice.comの状況です。
インドネシア、フィリピン、タイ、インドという4ヶ国を合算し、ユニークユーザー数が、合計1,051万人で前期比プラス42.8パーセントと高い伸びを示しています。
車カテゴリーの車種ページというのを例に上げていますが、データベースを強化し、日本の国内サイトと同じように、より詳しい情報が閲覧できるようになっているというコンテンツの進化。
今年は、いよいよこの部分をどうマネタイズしていくかということを始めていく予定です。
食べログ事業
食べログ事業のご説明です。食べログ事業については、個人課金、広告、飲食店課金と分割しています。
広告は第4クォーター比較的調子が悪かったのですが、全体では前年比で12.1パーセントの増加という結果でした。
PCサイト、スマートフォンサイト、ARPU対応しているところも含めて、国内の食べログ月間利用者数が合算で1億を超えています。
食べログ課金飲食店数の進捗
これは食べログの課金飲食店数の推移のグラフです。課金飲食店数が5万3,100店舗で前年同月比より8.3パーセント増えています。
それから、青く塗りつぶしてあるところが固定料金プラス従量課金をしている店舗で、2016年3月で3,500店舗と、やや計画を上回るような数字です。
食べログオンライン予約の進捗
オンライン予約の課金していない部分も含めた全体の進捗です。
オンライン予約人数は、第4クォーター271万人で前年比でもプラス136.1パーセントで倍以上の伸びを示しています。
第2クォーターから第3クォーターにかけ、ページの改修を行い、オンライン予約の数が増えています。
今現在は第1クォーターもページの改修を行っており、ますます増えていく予定です。
四半期平均ARPUですが、第4クォーターは新プラン課金飲食店が増えたことも寄与し、1店舗あたりの2万700円で好調に推移しています。
食べログ その他取り組み
食べログその他の取り組みで、グラフは個人向け有料サービスの加入者数を示しています。
これは独自でやっているところ、ドコモさんとのアライアンスをやっているところと、両方あるのですが、この3月は順調なカーブを描いています。
飲食店を絡めた広告展開に関して、食べログについては、去年から独自の広告メニューを開発しています。
バナー広告であるとか、ネットワーク広告に加え、当社の飲食店とのネットワークを活かし、OtoO、クロスメディアを、他のメディアではできない広告展開を多めにしています。
新興メディア・ファイナンス事業
続いて、新興メディア・ファイナンスを説明します。
四半期別の売上高は、第4クォーターは前年比プラス4.1パーセントという結果でした。
このうち、タイムデザインという旅行のサービスがかなりのウエイトを占めるので、第2クォーターが夏の旅行シーズンの繁忙期で数字が多いでのすが、今期もおそらく同様の傾向にあると思います。
新興メディア事業≪キナリノ≫
次のページで新興メディア事業キナリノについてご説明しています。
キナリノはユーザー数も順調に増えており、4月にアプリをリリースし、記事も増やし、キナリノモールというメディアから実際に買い物ができる機会を拡充する予定です。
グラフはキナリノモールの月間流通額を示しており、今までは広告収入で月に500万から1,000万ぐらいの広告が入っていたのですが、それに加えてキナリノモールを増やしていくことで、安定的な収益を上げていくという施策を始めています。
新興メディア事業≪タイムデザイン≫・ファイナンス事業
新興メディア事業の中で、タイムデザイン、それからファイナンス事業についての説明です。
まずタイムデザインについては、タイムデザインは航空券とホテルと組み合わせたダイナミック・パッケージのシステムを、航空会社またはホテルにインフラとして提供しています。
加えて、新規取引先として、企業のサービス、旅行サイト、大手ポータルに提携先の事業社を拡大しています。
今の時点で契約上ここに議題名は書いていないのですが、順次提携次第リリースしてみなさんのお目に触れることになると思います。
ファイナンスに関して、これ自体は規模が大きくなるものではないんですが、食べログとの連携で、食べログに加盟している、もしくは関係のある飲食店向けに、飲食店向けの損保を売っていくということで、カカクコム・インシュアランスと食べログ事業のシナジーを活かした商品を開発して販売を開始しています。
ここまでが、この3月期のレビューです。
2018年3月期業績予想
2018年3月期の業績予想及び事業方針をご説明します。
まず2018年3月期業績予想ですが、今年度よりIFRSを任意適用し、本日の決算も開示していますが、ここでは日本基準とIFRS予想とを並べて表示をしています。
IFRS予想だと、売上が480億円。売上高が233億円。日本基準で申し上げますと売上高が500億円。営業利益が230億円という計画です。
こちらについては、タイムデザインの売上をネッティングするという作業があり、その他について軽微の増減はあるんですが、中身にほぼ影響はなく、利益も数億円の差異です。
カカクコムグループ今後の事業方針
次がグループ、個別事業ではなく、全体の方針について、再度ご説明します。
まず別の月間利用者数比率ですが、今現在、2017年3月で価格.comで24.1パーセント。食べログで47.6パーセント。
その他のメディアで28.4パーセントというユーザーの構成になっており、例えばキナリノで、Priceprice.comなど、まだそんなにマネタイズが進んでいないところで、ユニークユーザーが多いサイトがいくつか出始めてきています。
一方でサイト別売上比率は、2017年3月とFY2016が対応しており、このユーザー数に対して、売上は価格.comが47.2パーセント。食べログが41.3パーセント。
一方で、新興メディア・ファイナンスは11.5パーセントにとどまっており、このたくさんいるユーザーをどうやってマネタイズしていくか。
そういうことを中期目標として、新興メディア・ファイナンスで20パーセントの売上を作ることを社内でも再確認し、載せさせていただいています。
価格.comの取り組み
価格.comの取り組みをご説明をします。
価格.comのユーザーに対するスタンスは変更ありません。
左側の興味・理解と真ん中の比較を合わせて、どちらにウエイトを据えるということでもなく、そのユーザーが気づき、訪問し、その中で興味・理解を深め、さらに比較をして購入していただくということ。
一昨年から、記事メディアが世間でも盛んですが、価格.comマガジン、+CLAP Men、他にもアキバ総研など、いくつかのサイトはあります。
そういった記事メディアを素人のレビューではなく、ほとんどプロに近い記事メディアで、より買い物されやすくなるサイトを目指すということをやっています。
食べログの取り組み
続いて食べログの取り組みです。食べログの取り組みについては、たくさんあるんですが、最も力を入れていくのは、去年に引き続きオンライン予約の強化です。
オンライン予約については、我々自身もメニューを強化して、ユーザーインターフェースも変え、増えていく基調にはあります。
さらにユーザーの多様なニーズに答えるようなサイトの作り、そこから簡単にオンライン予約ができる仕組みをページ上で行う。
さらに飲食店に在庫を補充していただくという事業、両輪回し、よりオンライン予約を活性化していきたいと考えています。
グラフに関して、2017年3月現在、3,500店舗が新プランに加入をいただいています。
現時点では約4,300店舗ですが、食べログに掲載している飲食店というのは、80数万件あり、そのうち実際オンライン予約をしていただくことに意味がある飲食店。
もしくは積極的にオンライン予約を推し進めていただくことで、業務効率化をし、集客効果を得られるような飲食店ということで、概算ですが、約35万店舗という見通しです。
35万店舗がオンライン予約を営業する、もしくは在庫を出していただく上限と考えており、この数字になるべく早く近づけていく営業体制を作っていきたいと考えています。
主な新興メディア・ファイナンスの取り組み
主な新興メディア・ファイナンスの取り組みです。折れ線グラフで、サイト別の月間利用者数を示しています。
キナリノに加えてicottoというお出かけメディアも、最近すごくユーザー数を増やしており、こういったグラフとなっています。
それから下のグラフ、まだ母数は少ないんですが、求人ボックスというメディアも順調にユーザー数を増やしており、ほぼ計画通りの数字となっています。
求人ボックス、レシポン、icottoについては、少しマネタイズには、まだ半年から1年ぐらい本格的に始めるにはかかると思っており、この1年間はユーザー数を増やし、良いメディアを作ること注力していきたいと思っています。
カカクコムグループデータ活用の取り組み
ここは広告事業にとどまらず、当社グループとしてのデータ活用の取り組みについて、図で表しています。
データベースの活用については、広告会社、株主であるデジタルガレージも含め、いろんなアライアンスの中で、さまざまなデータを集めて、どうビジネスにするかということを一昨年ぐらいから始めています。
去年は企画が出来上がり、今年はそれを実践する年と考えており、引き続き力を入れてやっていきたいと思います。
前回の決算説明会でもご説明したかもしれませんが、とくにFacebook、Twitter、そういったところの広告連携という意味ではビッグデータの活用がすでに始まっており、広告の数字に含まれてきますが、現実的に数字になり始めています。
加えて、この表にあるとおり、ユーザーでのコミュニケーション、企業の広告配信のみならず、製品管理という意味での分析支援のアライアンスも進めていきたいと考えています。
海外事業の取り組み
海外事業の取り組みです。現在、Priceprice.comというアジア4ヶ国でやっているサイトについては、計画通り順調に推移しています。
これ以外にも、グルメ、それからショッピングでも、Priceprice.comの領域をサービスの方に広げていくといったことも含め、アジア地域に注力し、海外事業を進めていきたいと考えています。
財務戦略
全体的な財務戦略ですが、大きな変化はなく、経営指標は、前回までと同様ROE40パーセントを目安として経営をしていきたいと考えています。
経営資源配分の考え方は、成長投資では今年から一部AIとか、もしくはVR、ARといったところで少し研究開発を積み、すでに研究を始めているというところです。
M&Aについても、具体的な案件はないですが、積極的に会社を訪問し、アライアンスを含めた話というのは、去年よりも加速させていきたいと考えています。
株主還元の施策は、これも今まで同様キャッシュフローを確保した上で、過剰な内部留保は積極的に還元するという方針に変わりはありません。
昨年より、中間配当と期末配当と、2回の配当を実施していますが、今年度についても、まだ決定はしておりませんが、予定としては年2回の配当です。
先日も自己株取得を行いましたが、余ったキャッシュについては積極的に株主還元していきたいと考えています。
以上、2017年3月期の決算説明概要でした。ありがとうございました。