17.3期ハイライト
田中孝司氏:本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、2017年3月期決算についてご説明したいと思います。
本日の説明内容は次の3点でございまして、2017年3月期の実績、中期目標の達成に向けた取り組み、3つ目は2018年3月期の業績予想と、この3点になっております。
2017年3月期の実績の方からご説明させていただきます。
2017年3月期の、終わった期のハイライトでございます。業績とオペレーションについて、営業利益は9,130億円、前期比プラスの9.7パーセントでございます。
国内事業が増益を貢献しまして、また、ライフデザイン事業についても強化を進めました。もう1つ、株主還元・資本政策についてでございますけれども、配当は期初予想より5円増配を予定しております。
また、1,000億円の自己株式取得と発行済株式総数の5パーセントを超える自己株式の消却を実施済みでございます。
17.3期 営業利益 増減要因
次は営業利益の増減要因についてご説明します。
1番左側、モバイル通信料収入が前期比で308億円の増収、端末販売奨励金と販売手数料を合わせたトータルの販売コストは前期比で850億円削減しましたけれども、1部遊休設備の減損等のコスト増もあり、パーソナルセグメントその他では237億円の増益となっております。
さらに、バリューセグメント、およびビジネスセグメントの国内事業が増益をけん引したという内容でございます。
モバイル 通信料収入
次はモバイル通信料収入についてございます。
YOYでプラスの1.8パーセントということでございます。auの安定的な成長に加え、今後はMVNOの拡大が増収をけん引していくと、このように見ております。
モバイルID数
モバイルID数といいますのは、auサービスを利用するユニークユーザー数であるau契約者数と、連結子会社が提供するMVNOサービス契約数の合計でございます。
グラフを見てください。3クォーターまでは減少トレンドが続きましたけれども、4クォーターに入り増加トレンドに反転しております。
1月末に連結化しましたBIGLOBEを除いても増加トレンドになっております。引き続き、auプラスMVNOベースでモバイルID数の成長を目指してまいります。
総合ARPA
次は総合APPAについてでございます。総合APPAはYOYプラス3.4パーセントの6,340円となりました。
そのうち、グラフの青い色の部分、au通信ARPAはYOYプラスの2.5パーセントの5,830円となりました。グラフのオレンジ色の付加価値ARPAはYOYプラスの15.9パーセントの510円となりました。
au契約数ベースの総合ARPAも引き続き安定的に成長していると、このように見ております。
中期目標のフレームワーク①
次は中期目標の達成に向けた取り組みについてご説明します。9ページ目は中期目標のフレームワークについてでございます。
くどいようですけど、もう1度説明させていただきます。
2016年3月期までの3年間は3M戦略の推進によりお客様基盤を拡大した結果、成長起点になったというふうに思っております。
2017年3月期期初でご説明した新たな中期目標では、3つの領域で事業成長を追求しております。
中期目標のフレームワーク②
1つ目は、ベースとなります国内通信事業での持続的な成長でございます。
2つ目は、auのお客様基盤をベースに事業領域を非通信領域に拡大するライフデザイン事業はau経済圏の最大化を目指しております。
3つ目はグローバル事業の積極展開、この3つでございます。
これにより、新たな成長軸の確立を目指してまいります。
中期1-2年目のポイント
10ページ目は中期1・2年目のポイントについてご説明します。足元、MNO3社間のユーザーの流動が止まってきております。
MVNOの復旧が進んでいる市場環境に対して、会社の中の変革を加速させていく、というふうに思っております。
国内通信事業ではKDDIグループのお客様基盤である、auプラスMVNOベースでのモバイルID数の拡大を目指してまいります。
ライフデザイン事業では、M&Aによる新たなノウハウやお客様基盤を獲得する、2つ目、IoTビジネスの創出を目指した取り組みを強化していく、このように考えております。
また、グローバル事業においてはミャンマー・モンゴルにおけるモバイル事業を推進するということに合わせて、データセンター事業の高品質化を進めてまいります。
お客さま体験価値向上を目指し、ポイント連携を強化
11ページ目はauSTARについてでございます。
お客様体験価値向上を目指し、ポイントプログラムの連携を強化してまいります。
auSTARロイヤルではご契約年数とデータ通信量に応じてお客様に毎月WALLETポイントを還元しております。
また、auSTARギフトにおいて、ポイントで交換できる商品をご用意し、ポイントを貯める・使うの両面で魅力を高める取り組みを進めてまいります。
また、WALLETポイントはau WALLETプリペイド・クレカの利用でも貯まり、プリぺにチャージして電子マネーとしてご利用いただける、このように考えております。
これらの取り組みにより、au経済圏流通総額の拡大にも結び付けていく、こういった戦略でございます。
スマートフォン料金
12ページ目はスマートフォン料金についてでございます。
左側はこれまでの8ギガ・10ギガ・13ギガバイトに代わり、昨年9月からスーパーデジラとして20ギガ・30ギガプランを開始しております。
右側はその利用者の変化でございますけれども、8ギガから13ギガプランの利用者の減少よりも、20ギガ・30ギガプランの利用者の増加が上回っており、LTフラットやデジラ5ギガバイト以下のプランをご利用のお客様も大容量プランに移行しつつあります。
今後は映像コンテンツなど大容量の付加価値サービスを推進し、さらなるARPAの拡大を目指してまいります。
MVNO事業
次はMVNO事業についてでございます。
格安スマートフォン市場において、各グループ会社それぞれの強みを活かし、モバイルID数の最大化を目指してまいります。UQmobileはテレビコマーシャルの効果もあり、認知度が向上しております。
スマートフォン初心者を中心にUQスポットや量販店などの対面販売を強化してまいります。
J:COM MOBILEはJ:COMのお客様のリテンションを目的に、J:COM営業網を活用し、タブレットも含め、販売を強化してまいります。
BIGLOBEはオンライン中心の自社チャンネルを活用し、SIMカード需要を中心とした新たなお客様層の開拓を推進してまいります。
ライフデザイン事業
14ページ目はライフデザイン事業についてでございます。
非通信領域において成長軸を確立するため、通信企業からライフデザイン企業への変革を目指してまいります。
図の上部、お客様のライフステージに応じて様々なサービスを提案してまいります。
図の中央部でございますけれども、お客様とのタッチポイントにおいては、左側のオンラインのauスマートパス・auSTARと右側のオフラインの実店舗であるauショップを強化してまいります。
また、図の下段、流通総額を拡大するため、仕組みとしてのイネイブラーの整備も強化していくつもりでございます。
ライフデザイン事業における提携・出資
15ページ目は、ライフデザイン事業における提携・出資について図示しております。
これまで、非通信領域において提携や出資を活用し、事業強化を取り組んできました。金融サービスは2008年じぶん銀行の設立から開始しております。
また、2014年にはWebマネーのシステムを活用し、au WALLET決済事業を開始しております。
コマース事業はテレビショッピングでトップシェアのジュピターショップチャンネルの連結化、ショッピングモールの事業取得によるWowma!の立ち上げを実施し、お客様基盤も大きく拡大していっております。
さらに、足元ではIoT時代を見越した出資・提携を加速させております。
今後もライフデザイン事業の強化に向け、M&Aを含めた成長投資を継続していくつもりでございます。
タッチポイント
次はタッチポイントについてでございます。提携や出資に加え、自社サービス面においてもタッチポイントを強化しております。
auスマートパスは3月末で1,522万会員になりました。1月からはauスマートパスプレミアムを開始しております。
auエブリデイなど、会員特典の強化と、保険特典などあんしん機能の追加により、オンラインからリアルへの連携を強化してまいります。
コマースサービス
17ページはコマースサービスについてでございます。
昨年12月にショッピングモール事業をDNA様から取得し、今年1月から新たなショッピングモール・Wowma!を開始しております。
この3月から、出店店舗様向けに入会金と月会費が無料になるキャンペーンを開始したこともあり、出店申込数は3月から急激に伸びております。
お客様の多様なニーズに対応できるサービスを目指し、店舗数と商品ラインナップの拡充を目指してまいります。
金融サービス
次は金融サービスについてでございます。左側、昨年4月からグループ会社との協力により、auのお客様向け金融サービスの提供を開始しております。
また、今年1月からは新宿・大阪などのau直営店でもこういった金融サービスの取り扱いを開始し、今後順次拡大していく予定でございます。
右側はオンラインバンキングにおいてじぶん銀行が日経ヴェリタス等のランキングで高い評価を獲得しております。
3月からは新たにセブン銀行様と提携し、スマホATMサービスを開始しました。今後もお客様体験価値向上を目指し、利便性を強化してまいります。
エネルギーサービス
次は、エネルギーサービスについてでございます。左側、auでんきは昨年4月に提供を開始し、順調に契約数を伸ばしております。
右側、今年4月からは関西地区において新たにガスサービスの取り扱いを開始しました。
両サービスでWALLETポイントの還元得点を提供しており、au WALLETクレジットカードなどの決済サービスと合わせて普及を目指してまいります。
IoTビジネスの創出
次はIoTビジネスの創出についてでございます。KDDI IoTクラウドサービスとして、トイレ空室管理とトイレ節水管理の提供を開始しております。
一例でございます。左側、空室管理によって、待ち時間の解消に加え、トイレの利用頻度に応じて清掃頻度を減らすことでコスト削減が可能になる。
さらには利用頻度の少ないトイレを会議室等の別用途に改装することで、スペースの有効活用も可能となっております。
右側、人感センサー等の活用により、水量を自動コントロールすると。
従来と比べて40から50パーセントの節水が可能になり、お客様もオフィスのコスト削減に効果が出ていると、このように報告を受けております。
グローバル事業
21ページ目でございます。グローバル事業の積極展開についてでございます。
グローバルコンシューマ事業においてはミャンマーのMPTとモンゴルのMobiComにおいて、LTEサービスを本格展開いたします。
データ通信事業では、世界最大規模の接続数を誇る欧州でのサービスを中心に、高品質なサービス提供を推進しております。
引き続き、アジア新興国モバイル事業とデータセンター事業を推進してまいります。
営業利益
最後に、18年3月期の業績予想についてご説明します。営業利益についてでございます。
18年3月期の営業利益予想は9,500億円を予定しております。
今期は来期以降の持続的成長に向けた施策を実施し、中期目標CAGR7パーセントの営業利益成長の達成に向けて、着実な進捗を目指してまいります。
主要KPI
主要KPIについてでございます。
左側、モバイルID数はauのリテンションとMVNOの拡販により、2018年3月末で2,655万を目指してまいります。
右側、au経済圏の流通総額については、ライフデザイン事業の拡大、決済プラットフォームの強化により、今期1.7兆円を目指してまいります。
設備投資
設備投資についてでございます。
18年3月期の設備投資はモバイルでは3,300億円、固定・その他では2,000億円、総額で5,300億円を予定しております。
1株当たり配当金
次は1株当たりの配当金についてでございます。17年3月期は期初見通しに対して5円の増配とし、年間配当85円を予定しています。
また、今期、18年3月期は年間配当90円を予定し、16期連続の増配を予定しております。
まとめ
最後のページ、まとめでございます。左側が終わった期、17年3月期について書いてあります。国内事業の貢献により、大幅増益。
また、コマース・金融・エネルギーなどのライフデザイン事業を強化しました。株主還元は配当性向が38.3パーセントに上昇。さらに、1,000億円の自社株を取得済みでございます。
今度は右側、今期についてでございますけれども、中期目標CAGR7パーセントの営業利益成長の達成に向けて、着実な進捗を目指してまいります。
株主還元については配当性向39.2パーセント、16期連続増配を予定しております。加えて、1,000億円を上限とする自己株式取得を決議したところでございます。
今後も持続的な利益成長と株主還元強化を両立していくつもりでございます。
以上で2017年3月期の決算説明を終わります。どうもご清聴ありがとうございます。