2016年度決算説明会

小郷三朗氏:小郷です。本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。まず2016年度を振り返り、その後2017年度方針について説明いたします。

また、最後に今後に向けたお話を少しだけさせていただきたいと思います。

まずは過年度からと2016年度の振り返りです。ご覧のとおり我々は上場以来毎年、着実に増収増益を実現してきました。これは為替込みの数字でございます。

2016年度業績ハイライト

そして2016年度、売上高は2.2パーセント増の1兆4,108億円。営業利益は1.6パーセント増の935億円。純利益は8.5パーセント増の461億円となりました。

2016年度の年初予想はマイナスの為替影響を折込み、減益としています。為替はその想定以上のマイナス影響がありましたが、それを乗り越え、増収増益を達成することができました。

為替中立ベースでは、売上高は7.7パーセント増。営業利益は11.4パーセント増。純利益は16.4パーセント増を達成しました。尚、配当につきましては、期末配当39円を実施し、年間配当は前年からの5円増しの73円と、大幅な増加となります。

次に実体ビジネスの成長と為替影響を分けてお示しします。2016年度は対ユーロ、対ポンドで大きく円高に推移しました。

営業利益については年初、国際セグメント利益に対する、マイナスの為替影響を60億円程度見込んでおりましたが、それを上回る102億円のマイナス影響がありました。

しかしご覧のとおり、国内と国際のそれぞれ増収増益を達成し、為替影響を乗り越えることができました。

国内セグメント

次に国内セグメントについてご説明します。

2016年度のセグメント利益は、はじめて500億円を突破し、前年から80億円増の547億円となりました。

このように前年を大きく上回る利益を創出できたのは、高付加価値商品、小容量商品への注力や、販促費コントロールなどの非価格戦略の推進。SCMコスト削減の継続。自販機ビジネスに収益力強化といった、この数年間取り組んでいた活動の成果であります。

国際セグメント

次に国際セグメントです。2016年度はご覧のとおり。各エリアで事業基盤の強化を進めました。国、地域ごとにさまざまな課題に直面し、逆風も多い1年間でありましたが、迅速に対応し、為替中立ベースで見ると国際セグメント全体で増収増益にすることができました。

2017年度経営方針

続いて2017年度の方針についてお話をいたします。

2017年度は、各エリアで市場を上回る売上成長。売上を上回る利益成長。これを目指します。

そのために、国内・国際、いずれのエリアにおいても、ブランドや流通基盤強化を継続します。また今後、高い成長が期待できる事業領域の強化も進めてまいります。

1つはアジアやアフリカといった新興国での展開です。昨年、事業基盤を獲得したナイジェリアに加え、新たなエリアの展開も積極的に検討してまいります。

また、アジアの健康食品などのプレミアムビジネスにおいて、今後さらなる事業拡大を計ってまいります。そして1月に発表した組織変更により、各エリアにおける事実的な成長、そしてグローバル経営を強化してまいります。

続いて2017年度の業績予想です。売上高は1.4パーセント増の1兆4,300億円。営業利益は4.8パーセント増の980億円。純利益は2.0パーセント増の470億円となる見通しです。

為替中立ベースでは、売上高は2.2パーセント増。営業利益は6.4パーセント増。純利益は3.7パーセント増となる見通しです。

世界経済の不確実性が引き続き高まっていますが、着実な売上と利益の成長を実現し、5期連続の増収増益を目指してまいります。

尚、年間配当予想は1円増しの74円です。

私の説明の最後に、中長期的に目指している姿についてお話をさせていただきます。ここにお示ししているのは、我々のビジョンです。

私たちはお客様の生活に幸せと健康をもたらす、とっておきのおいしさと品質を追い求め続けます。

そして上質でユニークなブランドで認められる、飲料業界グローバル・リーディングカンパニーを目指してまいります。

我々は現在、グローバルプレーヤーとしては、やっと認知されるようになってはきましたが、まだまだ上位2社の背中は遠いのが現状であります。

我々の存在意義

そういったなかで、我々の存在意義はどこにあるのか?

お客様が求める価値を提供し続けることに他なりません。お客様のニーズは年々多様化しており、また進化をしています。これまでの商品では、満たされないニーズが次々と生まれてきています。

そういったお客様の新たなニーズに応える商品を開発し、提供し続ける点において我々は世界の競合メーカーに対して優位性を発揮し、グローバル飲料市場の中で存在感を高めることができると考えています。

清涼飲料に求められていた価値

それらお客様が求める価値、ニーズとは具体的にどういったものでありましょうか?

かつてお客様が清涼飲料に求めていたものは、砂糖や炭酸が含まれ、飲むことでスッキリとした爽快感を感じられる。Sugar、Soda、Refreshmentです。そしてこのニーズを満たす炭酸飲料やコーラ飲料によって、世界の飲料市場は拡大してきたのであります。

お客様が求める新たな価値

しかし、近年では先ほども申し上げたように、新たなニーズが次々と生まれております。

その中でも2つの消費トレンドの変化が起こっております。1つは健康志向を背景により自然なものや、健康により良いものを求めるニーズ。つまりナチュラル&ヘルシー。例えば、低カロリー商品や天然素材を使用した商品、日本における特保のような商品が急速に高まっています。天然水やニアウォーターといった商品が流行しているのも、この流れに沿ったものだと言えます。

もう1つは、より豊かな味わいや深みを追求するニーズです。歴史上、人々のこのようなニーズを満たしてきたのは、お茶やコーヒーといった嗜好品でしたが、近年はおいしいお茶やコーヒーを缶やペットボトルなどでいつでも手軽に楽しめる「Ready to Drink」、すなわちRTDトレンドが起こっております。

この2つのトレンドはそれぞれにおいて、そして重なりながら今後さらに世界で大きくなっていくと考えています。

加えて、こうした流れのなかでお客様が砂糖の摂取を控える、避糖化のトレンドも世界各地で起こっている。今後、ますます進行していくものと考えています。

世界の飲料市場のトレンド

左のグラフは世界の飲料市場の推移をカテゴリー別の示したものです。

先ほど、ご説明したSugar、Soda、Refreshmentというニーズを満たす伝統的なカテゴリーであるコーラ飲料や炭酸飲料は、近年はほぼ横ばいで推移しています。

一方、ナチュラル&ヘルシーやお茶やコーヒーのRTD化といった新たなニーズを満たす水や非炭酸飲料は大きく伸長しています。

このようなトレンドの中、なぜ我々が世界の競合メーカーに対して優位性を発揮できるのでしょうか? それは国内市場が、今ご説明したトレンドの先進市場であるからでございます。日本においては、水と非炭酸飲料の構成比がすでに8割りを超えており、欧米諸国と比較しても高い水準にあります。

我々は、この国内において新たな価値やトレンドを捉えた商品ポートフォリオをいち早く築き、市場の伸びを上回って成長し続けてまいります。

それを実現可能にした技術力やノウハウの蓄積は、今後海外でも活かせると確信をいたしております。

お客様の新たなニーズに応える新商品

実際に我々はこの数年間、日本で培った技術力やノウハウを活用しながら、世界各国の市場のトレンドを捉え、新たな価値を提供する商品を開発し、発売してまいりました。

昨年はご覧のとおり世界中で健康志向の新商品や、日本のお茶の技術を活かした新商品を発売しました。

これらは、各エリアのお客様に対し新たな価値を提供する商品であり、我々にとっては1つの挑戦でもありますが、お客様の反響から確かな手応えを感じています。

そして今年も各国で、さまざまな新商品の発売を検討しています。各国において新たなポートフォリオの構築に向けて真剣に取り組んでまいります。

To Be The Third Force〜世界第3極の地位を確立〜

このように、お客様が求める新たな価値を提供し続けることで、世界第3極の地位を確率を目指してまいります。To Be The Third Force。これこそが私たちが目指しているグローバルリーディングカンパニーの姿です。

引き続き、展開する国・地域において、それぞれのお客様に徹底的に向き合ってまいります。

私からの説明は以上です。