連結決算(通期)

上條努氏(以下、上條):お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。取締役会長で出てくるというのはあまりないかと思いますけども、今日発表させていただいているとおり、今度の株主総会で尾賀が正式に取締役社長に推薦させていただくとしましたので、それまで私が取締役という立場でおりますので、この場に出させていただいております。

昨年の11月に修正した計画について、売上高、それから営業利益、経常利益、ほぼほぼ計画通りで終われたのかなと思っています。

なによりも昨年のポイントは、黒ラベル、エビスというところの柱がきちんと、尾賀が申し上げてきたとおり、「ビール強化元年」ということで、その趨勢を作ることができたということと、計画どおり銀座の新物件が稼働して、これからというところをお見せすることができたと。

加えて、為替の問題はありますけども、基本、全事業、増収増益というかたちで終われたのがよろしかったかなと思っております。

詳細は、征矢からご説明させていただき、ご質問等にお答えさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

征矢真一氏(以下、征矢):征矢でございます。改めて、よろしくお願いいたします。私からは決算短信ならびに補足説明資料をもとにご説明させていただきます。

まず短信の1ページ目、売上高が5,418億で増収になっております。

上條も申し上げましたけど、営業利益202億円、経常利益192億円ということで、これにつきましては、11月に修正計画を出しましたものを超えることができております。

最終利益が94億6,900万で終わっておりますので、各利益段階、売上も含めまして、増収増益が達成できたというところでございます。

2番のところ、配当の状況に記載がございますが、当期、開示資料にもございますけれども、配当37円とさせていただくと。従来の株式分割がございましたので、7円配当、35円配当に対しまして、2円の増配を決定いたしましたので、お知らせいたします。

それと、通期の業績予想。一番下になりますが、5,638億円、営業利益213、経常利益203、最終利益107ということで、今年に続きまして増収増益の基調を確保するという予算を立てております。

それでは、昨年度の決算の内容について、補足説明資料にしたがってご説明させていただきます。

1ページ目を開けていただきまして、補足資料のページ1でございます。

過去10年の推移を書かさせていただいております。下段の右から2列目が、昨年度の決算ということで、今申し上げました増収増益ということですが、経常利益の192億円につきましては、サッポログループとして経常利益段階では過去最高益になっているということ。

EBITDAを見ていただきますと、この10年でこちらも過去最高の465億円ということで、私どもとしては、キャッシュを稼ぐ力が十分備わってきたと判断をしております。来期につきましても、この水準を1つ超えて、上の段階の予算を組んでいるということになります。

主な売上数量・金額

では、内訳をご説明します。2ページ目になります。

国内酒類ですけれども、もうすでにこちらについては諸々の発表がありますが、(1)(2)(3)と書いてあるビール・発泡酒・新ジャンル計の、ビールジャンルの合計が、4,955万箱ということで、(前年比)99パーセントという売上で終わりました。第3四半期までも言い続けてますが、その中でも私どもが「ビール強化元年」と言って強化しているビールジャンル、黒ラベル、ヱビスとビールの合計は力強い伸びが示せたものと思っております。

一方、ワインにつきましては、国産・輸入合計が(前年比)100パーセントということで、伸びとしてはとどまっておりますけれども、私どもが目指すファインワイン、中高価格帯のワインの伸びがしっかり示せていると思っております。

スピリッツは、本年から、RTD・洋酒・焼酎ということで合計で書かせていただきますが、(前年比)112パーセントと、こちらも大きく伸長できました。

一方、海外のビールですけれども、カナダのスリーマンブランドは引き続き(前年比)102パーセントということが達成できております。加えて、世界中のサッポロブランドについては(前年比)106パーセントということで、プレミアムブランドとして展開しているサッポロブランドも、徐々に浸透が始まっていると解釈しております。

飲料水につきましては、国内のポッカサッポロが(前年比)103パーセントということになっております。

右側に今年の予想ということで書いてございますが、ビール・発泡酒・新ジャンル合計で(前年比)102パーセント、5,060万箱を予算として計上しておりまして、とくに注力すべきビールについては、今年並みの伸長を引き続き見込んでいるということ。

それと、新ジャンルの麦とホップは1月のリニューアルからスタートして、これを中心に新ジャンルの立て直しも図るということを予定しております。

ワインにつきましても(前年比)106パーセント、海外につきましてもスリーマン(前年比)101パーセント、サッポロブランド(前年比)109パーセント、こういった伸びの予算をもとに計算しております。

連結損益計算書(要約)

では、次のページに移っていただきまして。まず、売上の概況をご説明いたします。

昨年度5,337億円、今年度5,418億円で80億円の増収ということですけれども、唯一、セグメントで黒が付いている国際事業51億円の減収ですが、このうち為替による影響が80億円ほどございます。したがいまして、現地通貨ベースでは30億円の増収ということで、全事業で、増収が図れているというところでございます。

とくに国内酒類につきましては、先ほど申し上げたビールの伸びに牽引するところが大きく、また、食品・飲料につきましては、新しく参入いたしました豆乳飲料、豆乳ヨーグルト等の売上が上乗せされて増収。外食事業につきましては、新しい新規店「YEBISU BAR」とか、そういった新業態ならびに改装店の売上が寄与いたしまして、11億円の増収。

不動産は昨年9月に銀座にオープンいたしました「GINZA PLACE」の稼働が始まっております。この増収の大きなところは、「恵比寿ガーデンプレイス」の安定的な賃料収入が得られたということで20億円。「GINZA PLACE」については、まだ若干、第4四半期だけですので、これは通期で今年寄与してくるものと思っております。

営業利益はトータルで202億円で63億円の増益。これは次の右のページでご説明させていただきます。営業利益以下ですけれども、営業外収支を引きました経常利益が192億円ということになっております。

営業外収益につきましては、減収ということですけれども、こちらにつきましては、昨年一時的な、配当金などがございまして、当期はイレギュラーなものはなく、営業外収益は23億円、営業費用につきましても金融収支の改善等で2億円の費用減ということで、経常利益は59億円の増益が達成できております。

税引き前利益につきましては、昨年、特別利益、とくに資産売却等を行いませんでしたので、0と。特損につきましては、通常出ます、固定資産除去損に加えて、若干の減損損失を28億円計上いたしまして、差し引き、税引き前利益は164億円。税金を引きました最終利益は94億円、33億円の増益が確保できました。

主な利益増減要因

それでは4ぺージに移っていただきます。こちら、各セグメントの増益要因のご説明になります。こちら、5事業すべて増益が達成できております。

まず、国内主流事業が31億円の増益ですけれども、大きくは、ビールの販売数量増によるものと、原価償却費の方法を変更しておりますので、原価償却費の減、ならびに、退職給付引当金の費用減と、いうコスト減も加えまして、31億円の増益が達成できております。

国際事業につきましても、先ほど申し上げました、スリーマン、北米の飲料等の売上が好調でございまして、数量差異、品種構成で北米で11億円のプラスとなっております。ただ、こちらは人権、諸経費、ならびに販売費の等価がございまして、トータルでは1億円の増益と留まっております。

ベトナムは依然として、赤字となっておりますが、赤字幅が6億円改善されております。これは固定費等の圧縮、のれんの償却費等が減っているということで、6億円の増益になりました。

食品、飲料事業になりますが、こちらも8億円の増益ということで、主に国内の食品、飲料の事業による増益幅が大きかったと。こちらはレモン、スープ等が期間商品の売上、ならびにユニークな無糖茶の領域で売上を伸ばしまして、売上、品種構成等の寄与が9億円。ならびに、原料のコスト削減がございました。

一方、マーケティング費用については、主力ブランド商品に対する、キレートレモン等に対するマーケティング費用を3億円程増加させ、一方、物流費の高騰ならびに人件費でのマイナス6億円がありまして、ネットで9億円の増益が果たせているということになります。

外食事業は、昨年、ゴールデンウィークくらいから、非常にデフレの流れが外食事業を覆っております。一般的に、外食産業全体が、デフレの中に入っておりまして、客単価としては高いもの、安いものと売れているので私どもとしては影響を受けていないのですが、客数のほうに影響が出ておりますので、その点で、既存店でマイナスの2億円ということになっております。

一方、新規店、新業態の店、ならびに期間店が夏場に新橋、銀座と復活オープンしておりますので、こちらの寄与で3億円ということになります。

不動産につきましては、「恵比寿ガーデンプレイス」が稼働率99ということで、年間フル稼動いたしております。

また、テナントさんの契約公開において、賃料値上げということも寄与し、このガーデンプレイスで18億円の、ほぼ大半を達成できております。 「GINZA PLACE」については、第4四半期の寄与ということと、開業費用ということもありまして、増益寄与としては約1億円から2億円の幅ということで、終わっております。その他事業については、前年並み。

前者が5億円ほど増えておりますが、こちらについては研究部門を昨年春からサッポロビールにありました研究部門をホールディングスのほうへ、グループに集中させているということ等がありまして、ホールディングス含めたグループ本社のコストが増えて、5億円のマイナスということになっております。

この合計で、営業利益は63億円の増益ということで、現地通貨ベースではありますけれども、売上高が増収、営業利益は増益と、全セグメントで達成することができたということになります。

ちなみに、参考まで。為替ですけれども、一番下に注記でございますが、昨年度の平均レートは、USドルで約109円ということで、中でも第4四半期に非常に円安に動きましたので、このあたりが今年の原料調達の影響が出たと。

一方で、為替評価という意味では、第4四半期に円安にシフトした分は、当初の予算達成にいかなかった分ではありましたけれども、実績としては、こういった為替レートでの調達になっているということになります。

連結貸借対照表(要約)

6ページ目は、バランスシートです。

とくに大きなところはございませんが、総資産が60億円くらい増えておりますけれども、こちらについては、年末にポッカの創業地である名古屋に1つ物件を購入しているというところ等々ありまして、総資産としては額が増えてきたということになります。

セグメント変更概念図

それでは、7ページ。

情報として、昨年中、連結会社の移動としては、外食事業で2社、マルシンカワムラ、銀鱗水産という北海道を中心とした外食事業が新規連結に加わった。それと、その他のセグメントに、神州一味噌で有名な宮坂醸造を連結化いたしましたので、新たにここに加えています。

連結損益計算書(平成29年度業績見通し)

それでは、今年度の連結業績見通しについて、簡単にご説明します。8ページです。

売上高、全セグメント、これも増収で見込んでおりますが、219億円のプラス。どのセグメントも、売上を引き続き伸長させていくという予算の中、営業利益につきましては、213億円ということで、約10億円の増益を見ております。

国内酒類につきましては0、その他につきましては若干の増益幅を乗せまして、全体では10億円のプラス。経常利益も203億円でプラス10億円。税引前利益がプラス13億円。

最終利益が107億円で12億円のプラスということで、過去、当サッポログループとして、最終利益が過去最高額の107億円というものをあげておりますけども、この水準をなんとか達成して、過去最高益というものを目指していくという強い力で進んでまいりたいと思います。

主な利益増減要因(平成29年度業績見通し)

9ページ。最後に、こちらに営業利益の年間の増減でございます。

先ほど申し上げましたように、国内酒類事業は、売上としては伸長計画でございますので、売上数量増は当然見込めておるんですけども、引き続き、ビールを中心とした基幹ブランドに育成ということを考えまして、販促費等の額は一定を確保するということを考えております。結果、営業利益は前年並みを目指すということです。

国際事業は、スリーマンならびに北米飲料の伸長による増収増益をしっかり確保し、一方でベトナムでは赤字幅の圧縮を引き続き図るということで、ベトナムでは2億円の増益、北米で2億円ということになります。

食品・飲料につきましても、レモン、スープ等、先ほど言った無糖茶系を引き続き伸ばすということと、昨年の決算では若干不振であった中東の海外輸出事業も立て直しを図っておりますので、こちらの部分でもトータルで4億円の増益となります。

外食は期間店がフル年度になってくることになりますが、いずれにせよ既存店は厳しい状況にありますので、そういった部分を含めて、3億円の増益に留めております。

不動産につきましては、「GINZA PLACE」の増益が年間で寄与してくると期待しまして、6億円。また、前者のところに10億円のコスト増を今回入れております。これにつきましては11月に発表いたしました中期の計画の中で、この4年間で、経営基盤の構築をしっかりと図っていく。

まず最初に取り組むのは、R&D部門の強化ということで、試験研究費の増加。そして、全国でグループで統一されていない事業所の統一化。今年ですべて終わり切ろうということでやっておりますので、一時費用として、10億円増加で確保させていただいているという、合計で10億円の増益ということになります。

最終利益は、特別な損益等はございませんでの、最終利益は107億円を目指してまいりたいと思っております。

私からの説明はすべてではありませんが、お話させていただきました。ありがとうございました。