2016年度 第3四半期レビュー

滝健一氏:経理担当の滝でございます。よろしくお願いいたします。

まず、1ページ目をご覧ください。2016年度第3四半期の総括を書いております。

国内製品市況や油価上昇など、上半期からは事業環境は改善する中で、千葉製油所の2年ロングランなど、当社の収益改善策の効果が顕在化してまいりました。

セグメント別に見ますと、石油事業では、下期は国内製品市況が堅調に推移するなか、これは前年同期比で、第3クオーターのみでは約2円弱、計画比でも1円強改善しております。

千葉製油所は2年ロングランで秋定修をスキップし稼働率が向上いたしました。結果といたしまして、経常利益は231億円と、在庫評価の影響も含めまして、前年同期比667億円の大幅な改善となりました。

次に、石油化学事業では、連結子会社化いたしました、丸善石油科学が、定修明けの7月以降はフル稼働を継続し、良好なエチレン市況を享受いたしました。

また、韓国のHCPは、昨年の定修影響解消によりまして、生産量増加などで収益が改善したことによりまして、経常利益は127億円と、前年同期比で125億円の、こちらも大幅な増益となりました。

次に、石油開発事業でございますが、こちらは、従来からやっておりますヘイル開発につきましては、井戸の掘削作業などを継続しております。

また、操業コスト削減などに取り組んだものの、当期、これは1月〜9月の平均でございますが、油価が39ドル、こちらは前年の1月〜9月の平均が54ドルでございましたので、ドルベースで15ドルの低下ということで、こういったことが効いてきまして、経常利益は90億円と、前年同期比で54億円の減益となっております。

決算のポイントでございますが、期初からの油価上昇によります、在庫評価の影響もございまして、表面の連結経常利益は501億円と、前年同期比で771億円の大幅な改善、四半期純利益は234億円と、こちらも前年同期比で720億円の大幅な改善となりました。

製油所の競争力強化 〜千葉2年ロングラン、千葉・四日市アライアンス〜

次に、2ページ目をご覧ください。こちらは、製油所の競争力強化を書いております。

2016年度、17年度、18年度と、3行書いておりますが、こちらは、詳細は35ページから36ページ、後ほどご参照になっていただければと思いますが。

ポイントといたしましては、この稼働率の推移でわかりますように、千葉が2年ロングランを開始したことによりまして、大幅な稼働率アップ。

加えまして、当社製油所の合計の稼働率も折れ線グラフにありますように、2015年度の83パーセントから、16年度の想定でございますが、89パーセントと大幅な稼働率のアップとなっております。このページは以上でございます。

2016年度第3四半期業績 連結損益の概要 前年同期比

次に、3ページ目をご覧ください。こちらは、16年度第3四半期の連結損益の概要でございます。

まず1行目でございますが、売上高1兆6,256億円と、前年同期比で1,059億円の減収となっております。減収率でマイナス6.1パーセントの減収率でございます。

4行目の営業利益でございますが、こちらは、前期は赤字でございましたが、今期は566億円と、前年同期比で762億円の大幅な増益。

6行目の経常利益でございますが、こちらも同じく、前期の赤から、今年は501億円の黒字ということで、こちらも前年同期比では771億円の大幅な増益となっております。

10行目でございますが、こちらは、親会社株主に帰属する四半期の当期の純利益でございます。234億円と、こちらも前年同期比で720億円の大幅な増益となっております。

ちなみにこちらは、第1、第2、第3と、いわゆる四半期決算が始まりまして、今年は9年目になっておりますが、08年度以降の最高利益となっております。

次に、12行目でございますが、在庫評価除きの経常利益。こちらは277億円ということで、いわゆるネットでございますが、こちらも前年同期比から比べまして、136億円の増益と。

その上の11行目でございます。在庫評価の影響でございますが、油価のトレンドが昨年とまったく逆になっております。昨年の前年同期比では411億円の評価損だったものが、今回の第3四半期累計ではプラス224億円と、こちらもいってこいで635億円の増益予想となっております。

2016年度第3四半期業績 連結経常利益の概要 前年同期比

次に4ページ目をご覧ください。こちらは在庫の評価の影響を除きました経常利益277億円をセグメント別に分解したページでございます。下ページの階段図で詳しく説明したいと思っております。

なお四半期ごとのデータにつきましては、16ページに詳しく、第1クオーター、第2クオーター、第3クオーター、クオーターごとの数値は載せてありますので、また後ほど見ていただければと思います。

2016年度第3四半期業績 連結損益の概要(在庫評価影響除き) 前年同期比 増減分析

次に5ページ目でございますが、こちらは在庫評価の影響除きの連結経常利益、前年同期比136億円の増益要因をセグメント別に説明させていただきます。

まず一番上の石油事業でございますが、こちらは油価上昇時のタイムラグによりますマージン縮小はあったものの、従来から申し上げております「千葉2年ロングラン」における収益の改善、あと精製コスト減少などによりまして、増益となっております。

下のグラフを見ていただきますとわかりますように、プラス34億円となっていますが、内訳を書いております。

マージン・数量でマイナスの65億円。こちらをブレークダインいたしますと、マージンでマイナスの65億円と、こちらは前年同期比ではほぼ前年並み。細かい数字言いますと、100円程度マージンが減少しております。計画比では1円弱ということで、約500円程度を計画から未達となっております。

この数字が65億円とピッタリ一致しているということで、販売数量の影響はほとんど0でございます。

こちらは4品の数量で申し上げますと、詳細は12ページに記載しておりますが、前年同期比で100.1パーセントと、ほぼ数量影響はないということでございます。

ちなみに計画比で申し上げますと、第3クオーター累計では101.3パーセントということで、当初の計画よりは増販しているのが言えると思います。

下の輸出の47億円でございますが、こちらにつきましては中間留分といたしまして、プラスの53万キロ。前年の39万5,000キロから、今回は92万4,000キロということで、約53万キロ増販となっております。こちらも詳細は12ページをご覧ください。

計画比で申し上げますと、約4万〜5万キロ程度未達となっております。

次に、その下の精製コスト他プラス52億円をブレイクダウンいたします。こちらは、ご承知のとおり前年に比べて油価が低下しておりますので、こちらは自家燃コストの減少が56億円ということ、ほぼ自家燃コストの減少と分析しております。

次に、その隣の石油化学事業でございます。こちらはプラス123億円となっていますが、上の吹き出しに戻りますけれども、この要因といたしまして、丸善石油化学(丸化)につきましては、定修明けの7月以降フル稼働を継続し、エチレン好市況を享受いたしております。

またHCPにつきましても、定修影響解消によりまして生産量が増加などにより、増益となっております。

この123億円の内訳でございますが、会社別には非開示となっておりますが、ざっくりと割合だけ申し上げますと、HCPで約4割弱、丸善石油化学で5割弱、あと1割強がCMアロマ、コスモ松山の増益とご理解いただければと思います。

次に、その隣の石油開発事業でございます。トータルでマイナス54億円となっておりますが、これ3つに分解しております。

一番上の価格のマイナスの182億円でございますが、こちらも先ほど来申し上げましたとおり、ドバイの価格、こちらは1月–9月の9ヶ月でございますが、昨年の3クオータ累計が54.3ドルだったものが、今年の1月–9月第3クオーター累計では38.9ドルということで、ドルベースで15.4ドルの低下。

あと為替につきましても、昨年の1月–9月が120.9円、今年の1月–9月が108.7円ということで、為替も12.2円程度の円高ということで、原油安・円高の影響によりまして販売価格が182億円落ちたと分析をしております。

数量のプラス86億円でございますが、こちらにつきましては生産数量、これは13ページに生産数量を記載しておりますが、こちらは生産数量で約7パーセント増えております。

しかしながら販売数量につきましては、在庫を売ったりだとか、船が2ヶ月に1回しか入らないとか、そういうタイムラグがございまして、販売数量では約3割程度の増販ということが効いておりまして、販売数量の影響でプラスの86億円ということになっております。

その下の、操業費他プラス42億でございますが、こちらにつきましては、主に、操業コストの減少で23億円、あとは円建ての評価の減少等の為替が若干あると、合わせて42億の影響でございます。

そのとなりの、その他のプラス33億でございますが、風力発電プラス1となっております。プラス1ではございますが、ベースの利益が安定して出ますので、こちらは年度に向けても収益は期待できると考えております。

あと、その他で、連結処理他でプラス32億と。以上、合計いたしまして、プラス136億円の増益要因でございました。

2016年度第3四半期業績 連結貸借対照表の概要

次に、6ページをご覧ください。こちらは連結のバランスシートでございます。数値を読み上げますが、1番の総資産でございます。こちらは12月末で1兆5,726億円ということで、前期末比1,630億円の資産が膨らんでいると。

こちらはですね、のちほど説明いたしますが、有利子負債の増加なども含めまして、原油価格が上昇している関係で棚卸資産が増加していること、それと設備投資をしているということで借金が若干その分増えて、バランスシートの借方である資産も増えるということで、総資産が約1,600億強増えているという分析をしております。

次に、純資産でございますが、こちらは12月末では2,377億円と、こちらは前期末から350億円の増加。昨年、議論を醸したというか、私が言うと変ですもけど、コベナンツの影響は、昨年1,989億ということで、前期末は2,027億円という、ギリギリセーフみたいな感じでございましたが、今回は2377億円と、よっぽどのことがない限りはコベナンツには引っかからないというふうに我々は認識しております。

次に、3番目の自己資本でございます。こちらも前期末から210億増えて、1290億と、まだまだ威張れる水準ではございませんが、4行目でございます自己資本比率、8.2パーセントということで、前期末から0.5ポイント、わずかではございますが、着実に改善しております。

その下の5行目、ネット有利子負債でございます。こちらは、先ほど油価の上昇等、言い訳をしておりますが、前期末から1,078億増えまして、7740億円ということで、8,000億に近づいてきた水準となっております。

D/Eレシオにつきましては、格付ベース、これはコメントを書いておりますが、一昨年4月に実行いたしましたハイブリッドローン600億のうちの半分、300億を資本に参入した結果でございますが、D/Eレシオでネットで4.7倍と。こちらは前期末より0.1ポイント悪化しております。

この財務体質につきましては、引き続き改善に取り組んでまいりたいと思います。このページは以上でございます。

2016年度第3四半期業績 連結設備投資の概要

次に、7ページでございます。こちらは第3四半期の連結の設備投資の概要でございます。

右側の設備投資でございますが、こちらにつきましては、中計に沿った成長投資を着実に実行しており、今年度が投資のピークとなっております。

セグメント別に見ますと、1行目でございますが、石油事業では、主に、定修などの更新工事を実行いたしました。

次に、石油化学事業でございますが、連結子会社化いたしました丸善石油化学の設備投資が加わり、前年同期比では大幅な増加となっております。

その下の、石油開発事業でございますが、こちらも従来から説明しております通り、ヘイルの油田開発や既存油田の増産に向けた新規の掘削が主なものでございます。

4行目のその他でございます。こちらにつきましては、IPPの改造工事、及び、風力発電事業における新規サイトの開発を実施しております。

以上が、2016年度第3四半期決算の概要の説明となります。

2016年度通期業績予想 連結経常利益(在庫影響評価除き)前年比 増減分析

業績見込のご説明を若干させていただきたいと思いますので、23ページをご覧ください。

23ページにつきましては、こちらは、昨年の11月に公表しております、年度の見込みを書いております。下の表がわかりやすいと思いますので、石油事業で50億、石油化学事業で85億、石油開発事業で105億、その他で55億。合計で、ネットで295億と。

ここに在庫評価益235億が乗っかり、表面で530億というのが、昨年の11月に業績修正させていただいた数字でございます。今回はこれを変更しておりません。

その理由でございますが、最近原油価格と為替が、この公表した530億円のときの下期想定、こちらが50ドル、100円で想定しておりましたが、今はご承知のとおり52〜53ドルから、為替につきましては110円ちょっとということで、上振れしておりますので、このままのペースでいくますと必ず在庫評価損益が増えてまいります。

しかしながら、ご承知のとおり、米国のトランプ新政権の政策動向や、国内のマージンが若干今、悪うございますので、そのあたり期末に向けて不透明要因が多いことから、上振れするとは思いますけれども、現時点においては修正は据え置いております。というのが、今回の修正しないというところでございます。

ざっくりと環境だけ申し上げますと、23ページの先ほど申し上げました、絵の、下の表ですね、一番下に石油事業50億円って書いてあります。これは年度でございます。

先ほどご説明いたしました第3クオーターでは、石油事業はネットはプラスの13億でござました。ということで、あと37億、第4クオーターで稼げるかということでございますが、ご承知のとおり、今、若干市況が軟化しております。

ここはなるべく50億に持っていけるように努力はいたしますが、ここはちょっとまだ不透明でございます。

その右隣、石油化学事業でございますが、年度で85億円といった数字でございますが、先ほどの決算の公表数字ではもうすでに121億と出ておりますので、こちらはこの121億出た数字からもう少し積み上がってまいりますので、石油化学事業については85億円を下回ることはまずないだろうということ。

それと、先ほどの石油事業の減益部分がこの石油化学事業の増益で補えるのではないかと、我々は見ております。合わせてほぼチャラぐらいかな、プラスアルファが出るのではないかなって理解しています。

それと、その隣の石油開発事業でございますが、こちらは年度105億円の見通しに対しまして、第3クオーターでは90億実績出ております。こちらもほとんど12月決算確定しておりますので、この105億円になればいいかなという程度で、若干下回る可能性もございます。

あとその他でございますが、こちらは年度で55億円。これに対しまして第3クオーターは実績で53億ですので、先ほど来申し上げました風力等、安定した利益がここに乗っかってまいりますので、この55億円は若干上回るのではないかと思います。

したがいまして、このネットの利益の年度の見通しでございますが、この公表の295億、今の数字が277億が第3クオーターでございますので、この295億円を下回ることはないのではないかと考えております。

あとそれに加えまして、在庫評価損益、業績予想では235億と申し上げました。今、224億出ておりますので、先ほど来申し上げました油価が続くとするならば、ここは若干上乗せがあるのではないかと。

ということで、結論といたしましては、530億円を下回ることはないと思いますが、先ほど申し上げました環境要因がまだ不透明ということで、今回は業績修正はしないというのが会社の意思でございます。

私からの説明は以上でございます。