バフェットの投資術の参考にすべき点

益嶋裕氏(以下、益嶋):続いてスズキ様(からの質問)。

「米国株は最高値を更新し続け、エントリーを逃してしまった感があります。下落まで待ったほうがよいか、今投資したほうがよいか、バフェット氏ならどちらを選ばれると思いますか?」

難しいご質問ですけれども、焦ってすべてを投資する必要はないのではないかなと思いますので、少し投資してみるというのは方法としてはあるとは思います。

バフェットはこの最新の(※2014年)7−9月期にも着々と銘柄の買い増しを進めておりますので、個別株という単位で見ると、バフェットはまだまだ買える銘柄はあると考えているんだと思うんですけれども。

ただ実は、今年になってから出た数値で、GDPと米国の株式市場の時価総額の比率ですね。それをバフェットは重視すると言われてるんですけれども、時価総額のほうが大きくなりすぎると、それはそろそろ全体として割高かもしれないというのが出てくるところなんですが。

そこが過去最高に近づきつつあるという話もありまして、その尺度で見ますと、もしかするとバフェットはそろそろ全体としては高値圏にあると考えてる可能性としてはあるかと思っております。

続いて123様。「バフェットの投資術は素人の投資家ではあまり参考にはならないのではないでしょうか? できましたら素人でも参考になる情報がほしい」ということです。

確かにご指摘のとおり、参考にできる部分・できない部分というのは非常に大きく分かれていると思います。

ただ、参考にしやすい部分というのははっきりあると思いますので、ぜひ先ほどご紹介した書籍なんかも使って学んでいただければなと思います。

騰落レシオの調べ方

続きましてジュンジュン様。「XYZ社を例にとった300万ドル÷3パーセントがどういう理論なのかわかりません。この理論を紹介した書籍を教えてください」

この理論をわかりやすく教えてくれているのが、この先ほども申しました『ほんとうの株のしくみ』でございます。

ここでは「オーナー利益」という言葉はバフェットの言葉なので使っていないんですけれども、バフェットがどういう考え方で企業の価値を考えているかというのは、この本にも出ていますので、ご参考いただければと思います。

ネコダ様。「IBMはバフェット視点から見て割高ではなかったのでしょうか?」

そうですね。私にはわからない部分にはなるんですけれども、ただ、(割高)ではなかったとなっているから買ってるんだと思います。

「米株の上昇・下落、変わらず銘柄数や騰落レシオを調べる方法が知りたいです。具体的にお願いします」

この騰落レシオというのは、具体的に当社のWebサイトもしくはその他のサイトでも載っている箇所というのはおそらくないかなと思っております。恐縮なんですけれども。

ただ、私自身が自分自身で調べて、騰落レシオ、米国企業については出しておりますので、今後私の書いているレポートで、1週間に1回米国市場のまとめのレポート「 米国ウィークリー 」というのを書いているんですけれども、そこに騰落レシオというのを、できれば来週から載せるようにしたいのでご期待いただければと思います。

ウォーレン・バフェットの後継者

続きましてテツ様。「バフェットが投資を追加したサンコア・エナジーは現況から見てどうなんでしょう?」

申し訳ございません。私もサンコア・エナジーについて個別に詳しく見ているわけでもございませんのでなかなか難しいんですけれども、まあ追加しているというところで見ると、7−9月期に限っては買える水準だと考えたんだと思います。

ただ、1つ大きなポイントといたしましては、もちろんこのバークシャー・ハサウェイの最終意思決定者はバフェットなわけですけれども、実はバフェット今、後継者を育てているところでございます。

2人候補がいると言われているんですけれども、その2人に一定の金額を預けて任せて運用をさせていると。なので、その2人の判断で買っている可能性もございます。

バフェットはその後継者について「非常に優秀である」「彼らを採れたことは私にとって非常に幸運であった」と言っております。

続いてシブヤ様。「バフェットの国内投資銘柄はないのでしょうか?」ということで、繰り返しになりますけれども、現時点ではわかっておりません。

ヤマヤマ様。「アメリカ株以外では難しい投資方法ですか?」

そうですね。確かに側面といたしましては、米国経済というのは今まで伸び続けてきたと、そして多くの企業が利益を伸ばしてきたというのが前提にありますので、なかなかすべてを活かすのは難しいと思います。ただ、活かせるポイントはあると思っております。

S&P500を勧める理由

続いてネコダ様。「バフェットを真似て個別株に投資。爆下げで塩漬けのできあがり。私のパターン」ということですね。

そういう局面も出てくるかとは思いますけれども、もし本当にバフェット流を実践されて、その企業が利益を出せる企業なのであれば、今後また上昇の機会も出てくるかと思いますので、そのあたりご検討いただければと思います。

ネコダ様。「S&P500とバークシャー、どちらがいい?」

これはどちらがいいというのはなかなか言いづらいどころではあるんですけれども、初めてとか、米国株にあまり慣れていないという方であれば、バークシャーというのは言っても個別銘柄1銘柄なので、S&P500、500社に分散投資してるようなS&P500をまずはチャレンジしてみるというのもいいのかなと思います。

では、トコサム様。「ROEの高さは好調時はいいが、赤字になると一転財務不安につながりませんか?」

これはROEの高さがすぐ一定の財務不安につながるというわけではないのかなと思います。ROEというのは、あくまでも自己資本をもっている割合に対する利益の金額なので、自己資本をいっぱいもっている企業がたくさん利益稼いでいたらROEが高くなるというわけなので、直接そういうわけではないかと思います。

おそらくおっしゃりたかったのは、自己資本を少なくして、さらにレバレッジをかけて利益を取りにいってる企業というのは、なにか危機があったときに怖いんじゃないかということをおっしゃってるんだと思うんですね。確かにそれはその側面はあると私も思います。

続いてタケちゃん様。「指数に連動するファンドよりもBRK、バークシャー・ハサウェイを買って持ってるほうがよくないですか?」

確かにこれまでの成績から言うとそれのほうがよかったかもしれませんけれども、今後どうなるのかはよくわからないということもございます。

タケちゃん様。「ニューヨークに上場しているETFの代わりに東証に上場しているETFでは問題がありますか?」

問題はもちろんないかと思うんですけれども。米国上場のETFと東証の上場のETFでは系比率が違う場合があるので、その点に注意をお願いしますということでございます。

そろそろ時間も大幅にオーバーしておりますので、そろそろ終わりにさせていただければと思うんですけれども。たくさんご質問いただきまして、ありがとうございます。