出席株主数・議決権の報告

孫正義氏(以下、孫):取締役ユン・マー、およびマーク・シュワルツにつきましては止む得ない事情により欠席しております。ご了承くださいますよう、お願いいたします。

また、本日はインターネットによるライブ中継を実施し、本総会の模様を公開しておりますので、ご了承くださいますよう、お願いいたします。

本総会の目的事項は、招集通知、2ページに記載のとおりでございます。なお、株主様のご発言につきましては、報告事項の報告、決議議案の説明をしたのちにお受けいたしますので、よろしくお願いいたします。

それでは、ご出席株主数およびその議決権につき報告をいたします。本総会におきまして、議決権を有する株主数は22万2,447名、その議決権数は1,146万834個でございます。

また、本総会におきまして、議決権を行使されます株主数は5,696名、その議決権数は643万9,498個でございます。したがいまして、本総会の議決の審議に必要な定足数を満たしております。以上、報告いたしました。

それでは、報告事項1の「2015年度事業報告、連結決算書類ならびに会計監査人および監査役会の連結計算書類監査結果報告の件」、報告事項2の「2015年度計算書類報告の件」の内容につきまして報告いたします。

報告事項の内容は、招集通知29ページから59ページおよび61ページ、ならびにインターネット上の当社Webサイトに掲載のとおりでございますが、概要を説明したビデオを用意しておりますのでご覧ください。

また、招集通知43ページに記載の当社グループが対処すべき課題につきましては、ビデオでの説明に加え、決議事項の議案説明ののちに、事業戦略に関する説明として、詳細につき私から説明をいたします。

売上高9兆円超、前期比8%増加

(ビデオ開始)

ナレーター:ソフトバンク1.0から、ソフトバンク2.0へ。

2015年度のソフトバンクグループは、海外に資産をもつ日本企業から、グローバルテクノロジープレイヤーへの進化に向けて、様々な取り組みを行いました。

ソフトバンクグループの2015年度の売上高は、9兆円を上回り、前期比8パーセントの増加となりました。

営業利益は前期比9パーセント増の9,995億円。

純利益は、前期にアリババ上場による一時益の計上があり、29パーセントの減少がありましたが、この影響を除くと、前期比23パーセントの増加となりました。

2015年度の株主還元の取り組みとして、総額6,200億円を上限とする自己株式の取得を発表。

さらに中間配当の20円と合わせた、2015年度の年間配当は、2014年度から1円増配の一株当たり41円を予定しており、また2016年の配当は、2015年度から3円増配の44円を予定しています。

2015年7月、持ち株会社のソフトバンク株式会社が、ソフトバンクグループ株式会社に、称号を変更しました。

事業資産と投資資産の2つの領域で、様々な取り組みを行いました。

2015年度には、国内通信4社が合併し、ソフトバンク株式会社が新たに誕生。同社、代表取締役社長兼CEO 宮内謙の指揮のもと、モバイルインターネットNO.1コア企業を目指し、成長戦略の推進と統合効果の最大化に向けて取り組みました。

スマホの電波改善に向けた継続的な取り組みの結果、スマホパケット接続率で他社を上回る高い水準を維持。

また、携帯とインターネット、電気をセットで契約すると、通信料金が割り引かれる「おうち割」を発表。

携帯料金とのセット割引により、高速のインターネット光接続サービス「SoftBank光」の累計契約数は、170万契約を突破しました。

なお、「ソフトバンクでんき」は2016年4月よりサービスの提供を開始しています。

また、格安スマホが話題を集めるなか、「Y!mobile」は割安な料金プランに加え、優れたカスタマーサポートとネットワークにより、顧客獲得に牽引しました。

さらに、世界最大級のオンラインストリーミングサービス「NETFLIX」と日本でのサービス取り扱いについて業務提携。

2016年3月からは、プロ野球や海外サッカーなど、人気スポーツ7ジャンルのライブ中継が見放題となる、「スポナビライブ」の提供を開始しました。

こうした様々な施策に取り組んだ結果、国内通信事業の営業利益は、前期比7パーセント増。フリーキャッシュフローは前期の3.5倍となる4,022億円となりました。

米国Sprintでは、CEOを務めるマルセロ・クラウレの指揮のもと、反転の兆しが見えてきました。

「純増の改善」「費用の削減」「多様な調達手段」「ネットワーク改善」という反転に向けた4つの戦略を実行。

解約率が劇的に改善し、過去3年で最高の純増を達成。ネットワークにおいては4大キャリアで最速のLTEダウンロード実効速度を達成するまでに改善。

売り上げを安定させるとともに、費用削減を推し進めた結果、営業利益は3億ドルとなり、過去9年で初の通期黒字化を達成しました。

今後も米国圧倒的NO.1のネットワーク構築に注力するなど、競争力強化へ向けた取り組みを推進していきます。

ヤフーでは、当期利益において、19期連続の増益を達成。

スマホ向けに表示する広告が好調に推移した結果、広告収入全体が増加。

ヤフーショッピングでは、取扱高が前期比62パーセント増と、大きく伸長し、第4四半期として初の1,000億円越えとなりました。

世界初の感情認識パーソナルロボット「ペッパー」は、2015年6月から7カ月連続、毎月1分で完売。ペッパーは法人での活用も進んでおり、日産自動車さまやネスレ日本さまをはじめ、1,000社を超える企業で「pepper for Biz」が導入されるなど、新たな事業として好調なスタートを切りました。

自然エネルギー発電事業を手掛けるSB Energyでは、太陽光発電所と風力発電所の建設をさらに推進。

2016年の4月には、SB Energyが発電した電気をはじめとする再生可能エネルギーを活用した「FITでんきプラン」の提供をソフトバンクより開始しました。

ソフトバンクグループが、インドやアジアなどで投資した企業群は、優れた企業家と最新のテクノロジーを活用した革新的なビジネスモデルにより、急速に事業を成長させています。

中国でeコマース事業を展開するアリババグループは、取扱高でウォルマートを通期で初めて上回り、世界最大の小売企業となりました。

このほか、インドのsnapdeal(スナップディール)は、取扱高で前年比90パーセント増。韓国のcoupang(クーパン)は、前年比293パーセント増など、アジアのeコマース企業はいずれも急激に成長しました。

トランスポーテイションの分野では、配車アプリを提供するインドのOLA(オラ)、東南アジアのGrab(グラブ)、中国のDidi(ディディ)は、予約数や乗車数が前年比が大幅な伸びを示しました。

さらに、金融とITと融合したフィンテックの分野においても、米国で学資ローンのオンライン借り換えサービスを提供するSoFi(ソーファイ)の貸付実績が前年比の3倍を記録しました。※

今後もグループ傘下の起業家の成功を継続的に支援し、「革新的な起業化集団」としてともに成長を続けていきます。

ソフトバンクグループは、現状の事業資産、投資資産に加え、IoT、人工知能、スマートロボットなどの最先端領域などに注力し、情報革命を牽引するグローバルテクノロジープレイヤーを目指してまいります。

情報革命で人々を幸せに。

:ビデオにより説明をいたしました。

なお、会計監査人及び監査役会への連結計算書類の監査結果につきましては、招集通知59ページ及び61ページに添付しております。

会計監査人及び監査役会への監査報告書謄本に記載の通りでございますので、改めて報告いたします。

計算書類作成後に生じた重要事項3点

また、計算書類作成後に生じた重要な事実について3点報告いたします。

1点目としましては、当社は2016年6月Alibaba Group Holding Limited株式の一部を資金化する、総額100億米ドルの資金調達取引を実施いたしました。

本取引は、20億米ドル相当のアリババ株式のアリババへの売却。14億米ドル相当の同社株式の売却。及び、当社グループ外部のMandatory Exchangeable Trustによる、総額66億米ドルの他社株強制転換証券の発行を通じた資金調達。この3つで構成されております。

これらアリババ株式を売却することに伴い、2016年の当社業績に与える影響として、連結決算においては、関連会社株式売却益、2,000億円から2,500億円程度の利益を計上する見込みでございます。

またマンダトリエクセンブルトラストによる、総額66億米ドルの他社株強制転換証券の発行に伴い、当社グループは約54億米ドルの手取り金相当額を受領いたしました。他社株強制転換証券の発行により生じた資金につきましては、3年後の満期に、原則としてアリババ株への転換により、決済されるため、アリババ株式の売却と同様に当社の財務体質改善に寄与いたします。

2点目といたしましては当社はガンホー・オンライン・エンターテイメントが本年6月23日より実施する、自己株式の公開買付に応募することを決定いたしました。

この公開買付におきまして、当社グループが応募する株式すべてが買付られた場合には、2016年度の当社業績への影響見込みとしては、個別決算においては、関係会社株式売却益を、約560億円計上する見込みでございます。

また2016年度第1四半期の連結決算では、応募する株式を買付価格で評価することにより、約430億円の税引き前損失を計上する見込みでございます。

3点目としましては、当社グループは保有するスーパーセルの全株式をテンセントホールディングスリミテッドの関係会社に、約73億米ドルで売却することで合意いたしました。この売却による2016年度の当社業績に与える影響としましては、連結決算において約6,000億円の税引き前利益を計上する見込みでございます。

以上計算書類作成後に生じた重要な事実につきまして、報告をいたしました。

ニケシュ・アローラ氏、退任報告

それではここで本日の決議事項を上程のうえ、内容を説明いたします。

今後の進行につきましては、この決議事項の内容説明、および事業戦略説明のうちに報告事項および決議事項について、ご質問、動議および審議に関する一切のご発言をお受けし、その発言終了の後には決議事項につき、採決のみをさせていただきたいと存じますが、ご異議ございませんでしょうか?

(会場拍手)

ありがとうございます。それではこの方法で行わせていただきます。

第1号議案につきましては、剰余金処分の件でございます。議案の詳細は、収集通知6ページに記載の通りであり、当年度の期末配当金につきましては、前年度の期末配当から1円増配といたしまして、一株につき、21円とさせていただきたいと存じます。なお中間配当と合わせた年間配当は1株当たり41円となります。

次に第2号議案の取締役8人選任の件につきましてご報告いたします。冒頭の報告の通り、当社代表取締役副社長であるニケシュ・アローラは本総会の終結の時をもって、代表取締役および取締役を退任することとなりました。

これをうけ、当社は本日開催される取締役会におきまして、取締役8名選任の件の1部を取り下げ、改めて取締役7名選任の件として上程することを決議いたしました。

つきましては、候補者番号2のニケシュ・アローラを除いた取締役7名選任の件として改めてご審議を頂くものとします。議案の詳細につきまして、収集通知7ページから13ページに記載の通りでございます。

年間10億円を上限としたストック・オプションを付与

次に第3号議案は、取締役に対するストックオプションとしての報酬等の額および内容決定の件でございます。

当社取締役に対するストックオプションとして、年間10億円を上限とした新株予約権を報酬等として付与したいと存じます。議案の詳細は招集通知14ページから16ページに記載の通りでございます。なお第2号議案が可決されました場合には、本議案の対象となる取締役の員数は7名となります。

次に第4号議案はストックオプションとしての新株予約券の発行の件でございます。当社および当社の主要子会社の取締役、幹部社員等に対して、ストックオプションとして発行する新株予約権について、募集事項の決定を取締役会に委任いただくものでございます。議案の詳細は招集通知17ページから23ページに記載の通りでございます。

次に第5号議案は、グループ内組織再編に伴う子会社株式の譲渡承認の件でございます。グループ内組織再編を実施するため、当社が保有するソフトバンク株式の全株式を、ソフトバンクグループジャパン合同会社に譲渡するものでございます。議案の詳細は招集通知24ページから25ページに記載の通りでございます。