アメリカのYahoo!入札の行方

司会者:それではただいまより質疑応答の時間とさせていただきます。ご質問のあります方は、係の者がマイクをお持ちいたしますので、まず会社名とお名前からお願いいたします。

なお、なるべく多くの方からのご質問を頂戴したいと存じますので、ご質問はお1人2つまでとさせていただきます。

それでは、どうぞ挙手でお知らせください。

(会場挙手)

質問者1:朝日新聞のオオシマです。質問2つあります。1つ目は、先日からずっと話題になっていますアメリカのYahoo!の件なんですけれども、入札を締め切ったというような報道がありました。

孫さんからみて、日本のヤフー・ジャパンは堅調とはいえ、アメリカのYahoo!の持ち主が例えばライバルの通信会社に渡ったらあんまり好ましくないんじゃないかなと思いますが、アメリカYahoo!の先行きというのはどういうふうにご覧になっておりますでしょうか。

また、ご自身ソフトバンクのほうでも、なにか提案するとかそういったことはお考えになってるんでしょうか?

:米国のYahoo!は米国のYahoo!として、自らの方針を決めていくことだろうと思います。たまたまブランドを共有しておりますけども、先ほど示しましたように、ヤフー・ジャパンは、自らの力で順調に伸びていると。

ですから、我々としてはヤフー・ジャパンとしての今の状況、もともと最初からソフトバンクが実質的なコントロールをしてる会社ですから、今の状況でとくに問題はないと考えています。

我々自らがYahoo!アメリカを買うとか、交渉してるとか、というようなことは、少なくとも現時点ではないということです。

「パナマ文書」で公開されたグループ会社について

質問者1:もう1点。先日からパナマ文書というのが非常に話題になっていて、ソフトバンクでも2つほどあったというお話なんですけども、その2社に限らず、孫さんも非常に超リッチだと思うんですが、ああいうタックスヘイブン、プライベートカンパニーをお作りになったりしたことはございますでしょうか。

:僕個人はないですね。個人の資産とかあんまり興味なくて。ソフトバンクの株しかほとんど持ってないという状況ですから。

質問者1:なんらかの節税対策みたいなことは?

:今節税よりも仕事のほうが忙しい、ということです。

今ありましたように2社ほど、ソフトバンクグループの会社の名前が出てきましたけども、僕もテレビで見て今朝驚いたぐらいの状況なんですけども。

我々この十数年の間で、2,000社近い投資、あるいは会社設立を、グループ会社で直接、あるいは子会社、あるいは孫会社の孫会社とか、ベンチャー投資ファンドだとか、いろんなかたちで2,000社ぐらい行ってるんですね。

その2,000社ぐらいのなかでたまたま2社。金額にして、1社が6,000万円。0.5ミリオンダラーですね。もう1社が2億円ほどの投資が行われたと。

我々がその会社を設立したんじゃなくて、我々の孫会社の孫会社みたいなところが、そういうところにマイノリティ出資として、少数株主としてどうも投資を行ったらしい。金額で、6,000万円とか2億円。

2件を足しても2億数千万円という規模で、先ほど言いましたように、2,000社ぐらいいっぱい投資してますから。

僕自身もこんな細かい孫会社みたいなところを見てなかったという管理責任はありますけれども、しかしなにか悪いことをしたわけではなくて、あくまでも、節税目的とかうんぬんではなくて、投資した先がたまたま、相手がそこに登録してたという状況だったようであります。

結果どうだったかと言うと、2000年と2007年かなんかに投資したらしくて、両方とも赤字で終わったと。ですから、税を逃れたというよりも、税を払うレベルの業績にも満たなかったということであります。

T-モバイルは敵ながらあっぱれ

質問者3:東洋経済のヤマダです。スプリントで1点、国内通信で1点教えてほしいんですけれども。先ほど「Verizonや大手2社に初めて勝った」というグラフを見せられたときに、「おやっ」と思ったんですが、あのグラフは「勝った」というよりも、T-モバイルの1人勝ちという感じがしたんですね。

孫正義氏(以下、孫):そうですね。認めます。悔しいです(笑)。

質問者3:それについては手立ては考えてらっしゃるんでしょうか?

:いやいや、T-モバイルは立派ですよ。ジョン・レジャー。激しい性格ですけれども、なかなか立派だなと。敵ながらあっぱれと。やっぱりさすが「買収したい」と一時思った会社だなと。買収できてればよかったなと思います(笑)。

質問者3:補足で、スプリントはよくなってきたということですけれども、ここ2四半期ぐらい 純増数が44万ですか。ちょっとレベルが下がってきてます。このへんについてはどう見てらっしゃいますか?

:やっぱり競争が激しいですよね。VerizonもAT&Tも一生懸命負けないように頑張るし、T-モバイルも相変わらず頑張ってるしと。

ただ、中身はよくなってきているんですね。以前のスプリントは、サブプライムカスタマーを、しかもプリペイドとかタブレットのぜんぜん儲からないところで、赤字で顧客を取ってると。どんどん逆噴射が逆噴射を呼んでるという状況で、数合わせのような結果だったんですね。

でも、マルセロ体制になって、サブプライムの顧客は原則として審査を厳しくして、そこはもうあまり取らないと。赤字になるお客さん取ってもしょうがないじゃないということで、ポストペイドで、しかもプライムカスタマー、そちらに重点を一気にシフトして、審査も厳しくしてということですから、中身は数字以上によくなってきてると。

だから結果、コストダウンだけじゃなくて、コストダウンは先ほど一千数百億円と言いましたけれども、EBITDAは2000億円規模の改善ができたというのは、取ってる顧客の中身もよくなってきてるということもあります。

質問者3:国内通信ですけれども、実質0円の廃止とか、そういった業績への影響はどうなのかなと思うんですけれども。

むしろ実質0円販売から実質0円以上の販売になることによって、利益にはプラスなんじゃないかと思うんですけれども。そのへんについていかがお考えでしょうか?

:これはまだ新しい枠組みになったばかりですからね。いろんな影響というのは、さらにこれからいろんな別のかたちの競争が始まるでしょうから、コメントするのはちょっと時期尚早だと思います。

質問者3:ありがとうございます。

スプリントへの設備投資

質問者4:野村証券の〇〇です。2点ありまして、1点はスプリントのキャッシュの設備投資なんですが、30億ドルということで。スプリント側の説明によれば、公共施設等々で一定の使用の認可に時間がかかるので、本格的な投資は来年になるということのようですけれども。

時間が非常にもったいなくて、もうちょっと前倒しになんとかならないのかと。3キャリアアグリゲーションも来年初頭の投資ということなので。もう半年ぐらい前倒しできないのかどうか、このあたりの現状をご説明いただきたいというのが1点目です。

:私がチーフネットワークオフィサーを自ら務めてますから、私の性格として、スローダウンするということはありえないと。

金額が小さくなってるのは、投資効率のよい機器を選んでいるからだと。投資効率のよいネットワーク設計をしてるからだと。数は今まで以上に設備投資すると。機能は今までよりも加速して改善すると。

ただ、機器提供メーカーに対する価格交渉は厳しい価格交渉をより行ってますし。ソフトバンクモバイルとの合算した相乗効果の価格交渉力が今増してます。

買収した直後、ソフトバンクモバイルとのボリューム効果が出てきますということを申し上げましたけれども。まさにそのボリューム効果がいま交渉力に出てきてると。設計力が一気に上がったと。

だから、古くて高くてダメな機械を入れるんじゃなくて、世の中の人がまだ怖がってる、証明されてないような新しい技術で、最先端のテクノロジーと最先端のコストパフォーマンスのものを、他の通信キャリアがまだ怖がってる段階で早め早めに積極的に取り組んでいくと。

そしてネットワークの設計が革新的に上をいってると。だから、設備投資の金額が小さくなってるように見えるということなんですね。

だから、決してネットワークに対する設備投資を遅めているということではなくて、フルスピードでやってると思っていただいていいんじゃないかと思います。

質問者4:スプリントもスローダウンしていることは一切ないとおっしゃっているので。ただ、一部公共施設等々で時間かかるみたいな説明もあったかと思うんですが。そういうわけではない?

:そういうわけではないです。

質問者4:わかりました。2点目は、今回5千億の資産売却をするということなんですけれども。先ほどコマース、トランスポーテーション、フィンテック、ゲーム等々ありましたけれども。

5千億の資産売却の後に、次に十分な資産というのははたして残っているのかどうかという、次の規模感なんですけれども。これは5千億の売却後の残った投資の事業価値ということでいくと、どういうふうに見てらっしゃるんでしょうか?

:5千億の資産売却といいますか、資産はたくさん持ってますから、そのほんの一部を売却する、あるいは入れ替えるということはあるかもしれませんけれども。

我々は積極的な投資を、先ほど「ソフトバンク2.0」ということで申し上げましたけれども、積極的な投資活動というのはこれからも続けていくと。

また、私自身はスプリントの業績改善にいま集中してやっておりますけれども。これは着実に進んでいるということで。ソフトバンクの経営をスローダウンするということはないということです。

日本での成功には“時間差”がある

質問者5:孫さん、ここ10年間素晴らしいパフォーマンス、おめでとうございます。私はニューヨーク大学のビジネススクールの教授をやっております。

私の質問は、アメリカでバークシャー・ハサウェイのチェアマンのウォーレン・バフェット氏が偉大な投資家の1人と言われております。彼が日本でも海外でも非常に大きく取り上げられています。

彼の会社は、ネットアセットバリューで評価されておりますけれども、純資産で評価されていますが、孫社長の会社、私のバカげたアプローチかもしれませんけれども、スプリントが0と勘定して、それでもまだ今日現在取引が実際に明確に見えるバリュエーションの3分の1で取引されていると思います。

これは日本で運営をされてるからなのか、またはそれがマイナスに見られているのか。どういうふうにお考えですか?

:日本では富というのは必ずしもマイナスに見られているわけではないと思いますけれども。いろんなかたちの時間差があると思います。とくに日本では大きく成功し、そのあとに名声がついてくるということで、時間差というのはあると思います。

ですから、必ずしもこの状況について不満を言っているものではなく、ただ待てばいいのかなと。時間差というのはあるのだろうなと思います。みなさんにとっては、ここで信じていらっしゃる方はチャンスだよと。

それを何人の方が考えていらっしゃるかわかりませんが、機会と考えてるかわかりませんし、それとも今後も割り引いて考えてらっしゃるかもしれない。それはみなさん個人次第だと思います。

そういった方を非難するものでもなく、そうした社会を非難するものでもなく、ただ、それはそれとして、現実を受け入れると。

ただ、私は希望を持ってますし、楽観視もしています。遅かれ早かれ時は来るのだと。名声または評判やバリュエーションがついてくる時が来るのだということは信じています。事実に追いつくと。事実が一番大事なことでありますから。

事実がないと、それで評判だけが追いついてしまうと、それは後々なくなってしまう。ただ、事実さえあれば、それに対する評判や名声がついてきてない、それが遅れているということであれば、それでもけっこうですよと。

私はそれでもハッピーですよと。なぜならそこにはアップサイドがあるから。まあ、それはお腹の中で笑ってもいいかもしれないし。私は明日を待てばいいんだ。明後日を待てばいいんだと。明日のほうがもっとよくなると私は思っています。ありがとうございました。

「スマホ実質0円」規制の影響

質問者6:フリーランスのイシノと申します。先ほど実質0円の規制に関して、経営への影響をコメントするのはまだ時期尚早とおっしゃっていましたけれども。実際、すでに店頭とか端末販売とかには、ある程度の影響がなにかしら出てるのではないかと推察されます。

そこに関して何かコメントをいただけないでしょうか。また、そういう状況に変わってきて、それが今後のラインナップにどのような影響を与えるのか。そろそろ夏モデルの時期でもあると思うので、そのあたりのお考えをお聞かせください。

2点目なんですけれども。投資事業として、先ほどタクシーだったり、海外のECだったりというところご紹介されましたけれども。

実際、タクシーとか日本のユーザーが海外に行ったときに、そういうサービスを使えたら、非常に便利だと思うんですけれども。国内のソフトバンクユーザーとなにかシナジーを出していくというようなことは考えられているでしょうか。

ゲームでは、Supercellを日本のユーザーに紹介されたこともあったと思うんですけれども。そのほかの事業で国内のソフトバンクユーザーとのシナジー効果を出せるものがあれば教えてください。

:まず国内の価格、実施的な規制みたいな話ですけれども、これは国内のモバイルのユーザーの数はゼロサムと言いますか、ユーザーの数の総和は一緒なわけですね。

ですから、端末の価格が実質0円で販売されるかどうか、その結果端末の数のボリュームの回転率は下がってきているということだと思いますけれども。それは、ユーザーが同じ端末を少しでも長く使うというサイクルにいま入っていると。でも、ユーザーの数は変わらないわけですね。

そもそも我々ケータイキャリアは数をたくさん出しても、端末では儲けを取ってませんから、端末の数の回転率が上がっても別に利益が増えることにはならないと。ですから、我々にとって大切なのは端末の数の回転率ではなくて、ユーザーのトータルの数が大事だと。

1ユーザーあたりのスマホを使う、さまざまな生活に使う度合いを深めていくと。その結果、通信収入に加えてサービス収入がさまざまに上がってくるということだと思うんですね。

ですから、今は新しい端末の売り方に対する実質的な業界規制だと思いますけれども。これは国よっていろんな方針がありますけれども。私は、それを今批判するとか、意見を述べるという立場ではなくて。やっぱり日本もいろんな体験をしてみるべきだと。そのいろんな体験の中から、また一歩一歩学んでいくということになるのではないかなと。

ただ、1つ言えることは日本の通信料金は世界の先進国と比べて、本当に高いのかなと。少なくともアメリカよりははるかに安いと。

イギリス、ドイツ、フランスというようなところと比べてみても、日本は実質的にあまり高くないなと思います。それが1つですね。

ただこれは、競争が新しい枠組みになったばかりですから、競争の各社はいろんなかたちでユーザーを獲得するために、いろんな努力をしますから、これは収益にどういうかたちで影響があるかというのは、コメントするには時期早尚と。

ソフトバンクグループとしてはY!mobileというかたちで、総務省のいろんなガイドラインが出る前から低価格のサービスをやっておりますから。そういう意味では、率先して自らやっているということもコメントさせていただきたいと。

次に、海外の投資事業の会社が日本のユーザーにどういうプラスのシナジー効果を出せるかということですけれども、海外で投資した会社はその国でまず一番になるということをまっさきにやっています。

その国のなかで一番になったら、その国から外の世界にどんどんサービスを増やしていくと。インドの会社はまだ国内で手一杯です。

ただ、アリババとかは中国国内だけではなくて、ほかの国までどんどんと業容を拡大してきていますし、我々がアメリカで投資した会社というのは、日本、中国、インドと、いろんなところにも活躍をしはじめているし、これからもまた、フィンテックなんかもどんどん力を発揮するだろうと。

そういう意味で長い目で見れば、ソフトバンクグループのシナジーはこれからどんどん増えていくと思います。

スプリント事業の最終黒字化に向けた課題

質問者7:日経のオオワダです。2つお願いします。まずスプリントなんですが、孫社長は「誇りにかけて(黒字に)反転させてみる」とずっとおっしゃっていて、9年ぶりの営業黒字ということで、1つ成果が見えたと思うんですが。そうすると次は、「最終黒字がいつごろになるのか?」ということなんですけど。

明言をいただくのが難しい場合は、黒字化に向けて新たな課題、さらにどんなことをクリアしていけばいいのかというところを教えてください。

:最終利益の黒字化は近いと。どのくらいの期間で近いと言うかは人それぞれだと思いますが、少なくとも我々が内部的に掲げている目標、タイミングは近いと。

営業利益で黒字になってきているわけですから、金利が今、年間3000億円前後かかっていますけど、これは業績がよくなってくると、金利の率も下がりますし、それから絶対額も減っていくと。

フリーキャッシュフローがプラスになってくると、金利の絶対額が減ると。そういう意味で、両方で最終利益がプラスになるのは、近い将来やってくると。私はそう信じています。

質問者7:今年度中とか、そんな感じで理解していいんですか?

:今年度中は早いかもしれない(笑)。

記者:来年度ぐらい?

:いやいや、まあまぁ(笑)。

(会場笑)

記者:もう1つ、電力なんですが、4月から国内で電力小売をはじめられて、FITプランを投入されて、海外でも投資をされていると思うんですけど。

そのあたりでソフトバンクさんが電力の事業を、再生可能なエネルギーでやっていくというところで、世の中どう変えていくのかという意気込みのところと、あと4月から始めた国内の小売、どれぐらい契約を取れてきているのか。そのあたり教えてもらえますか?

:電力のところは数はまだ小さいです。私自身が数えるに足らないと思ってると。ただ着実に一歩一歩増えてきていますし、とくに我々が国内で再生可能エネルギーとしてメガプラントのソーラーをあちこち作っていますけど、どんどんと増えてます。

また、インドでも最近入札に勝ちまして、大規模なソーラーの投資を行っていくことが決まっております。そういう意味で再生可能エネルギーのところについては高い関心と社会的貢献ということも含めてですね、これから一歩一歩進めていきたい。

私個人からすれば、ライフワークになっていくんじゃないかなと思っています。

熊本の震災で一番早く復旧したのはソフトバンクモバイル

質問者8:フリージャーナリストのカミオです。2点あります。まず、1点目なんですが、先日熊本震災があったと思うんですけど、先の東日本大震災は、docomo、KDDIよりもソフトバンクはつながりにくい、震災復興が遅いと。

災害対策が大手の2社さんに比べると少ないというのがかなりあったんですけど、今回の熊本震災の対応について、孫社長としてどう考えていらっしゃるのかなという部分と、中央構造帯にまだ震災の不安というのが取り除けてないんですが。

そのなかでスプリントは海外の投資としていいんですけど、国内の災害対策の投資を今後積み上げていく可能性があるのか。災害対策の部分ですね、この部分を詳しくお聞きしたいのが1点目です。

2点目が、先ほど今後の重点投資項目のなかに「自動運転」というキーワードがありましたけども、先般、先進モビリティに5億の出資をされていて、SBドライブという会社を立ち上げていますが、今後ソフトバンクグループとして、自動運転分野にどの程度の投資を考えているのか。これが2点目の質問になります。以上です。よろしくおねがいします。

:おっしゃるように、東北の震災のときには、私も非常に責任を痛感しました。我々のネットワークがつながらなかったのは事実ですし、その結果、多くの人々にご迷惑をかけたと。

また、亡くなった人も、我々のネットワークがもっとつながっていれば、1人でも2人でも亡くなった命が少なくできたんじゃないかということで、ものすごい責任を感じました。

結果、我々は一直線に設備投資を創業以来圧倒的な規模で行ったと。また、設計についても真剣に見直して、さまざまな努力をしたと。

その結果、今回の熊本の震災においては、一番早く復旧したのはソフトバンクモバイルと。私が聞いている報告では、間違いなくソフトバンクモバイル。日本の通信会社のなかで全面復旧したのは一番早かったと。

これは前回の震災のなかで、結果が違うと。それはあのとき(東日本大震災)の責任、痛感した部分を我々が行動で示す、実績で示すと。

あのとき我々は900Mhzの許認可を得てなかったとか、いろんな言いたいことありましたけど、とにかく今回はそういう言いたいこと、全部忘れて、とにかく良くするということでやりましたし、また、そのときの思いで鉄塔が倒れたり、停電したりしても、上から電波を届けるということは世界で初めてなんじゃないかと思いますけども。

気球に通信機器をつけて、空から電波をおくるということを今回やりましたし、また、移動ネットワーク接続車を日本で圧倒的数を持っているのはソフトバンクと。

他社の数は数えてませんけど、おそらく他社の10倍ぐらい持ってるんじゃないかと思います。ですから、ソフトバンクが災害対策について設備投資が小さいんじゃないかと。

あるいは対策が必要なんじゃないかというのは、まったくの勘違いと。実績は徹底的に違うということをぜひ、ご認識していただきたい。

また、さらにこの7~8年の間に大規模なネットワーク障害を起こしたのは、ソフトバンクモバイルは一度もないと。

この一番長い期間、一度も大規模障害を起こしていない。そういう意味で我々がネットワークを真剣に守っているかと。世界一だと思いますよ。

3万人以上、1時間以上ネットワークが倒れたら、障害を起こしたら報告すると。世界で一番倒れてないんじゃないかと私は思いますね。そのくらい真剣に我々はネットワークを運用しているということをご理解いただきたいと。

2番目の質問、自動運転のところですけど、これは世界的にスタートしたばかりの分野でして、いろんな判断をするのが時期早尚と。まぁ、小さな投資はしていますけど、大きな投資はまだやっていないと。

質問者8:一番目の質問の部分で、災害対策の費用というのを、熊本震災をうけてこれから増やす計画というのはありますか?

:今までもしていますし、これからもさらにいろんな対策をやっていくと。

質問者8:ありがとうございます。

品薄状態が続くiPhone SE

質問者9:フリーランスのイシカワと申します。Y!mobile、iPhone 5sを発売されて、非常に好調と思いますけど、そもそもあのタイミングで5sの取り扱いを始めた理由と、iPhone SEが出ていますけど、非常に好調というか、品薄状態が続いていると思います。あのへんの評価といいますか、ユーザーはだいぶ小さい画面を求めているのかなと。

そのへんどう見られているのか教えてください。

:やっぱりユーザーには好みがあって、画面がより大きほうがいいというユーザーと、とくに女性とか、若い学生とか、小さい手のなかに入るほうがいいとか、電車のつり革につかまっているときに片手で全部操作できるほうがいいとか、いろんなニーズが日本の場合とくにあると思います。

そういう意味でけっこう売れていると認識していますが、とくにY!mobileの取り組みというのは、Y!mobileは価格で勝負していると。

そういうユーザーのニーズに応えているということもありますので、そういう対応をApple社とも交渉し、その権利を得たと。そういうことだと思います。じゃあ、最後、隣の方で。

熊本の震災における基地局の停波数

質問者10:ケータイ Watchのオオタと申します。先ほどの熊本地震の件なんですが、基地局の停波数、総務省に報告されているということなんですけど、16日、一番大きい時点でdocomo40、au28、御社199とちょっとケタ違いに多くて。

docomoは最大82から停波ですけれども、御社の場合193とかの停波で。この原因というか対策があれば教えてください。

:そもそも我々は、他社よりも圧倒的に基地局の数が多いと。だから同じ地震のときに、他社さんで生き残っていた基地局の数と我々が生き残っていた数という見方をすると、生き残っていた数は我々のほうが多かったかもしれませんね。

それは詳細をチェックしてみないとわかりませんけど、少なくともそういう可能性もあると。基地局の数そのものが、我々は他社よりもはるかに多いと。というのは、2.5GHzとかを使って、電波の距離が飛ばないぶんだけ、たくさん基地局を持ったと。

我々は先ほど言いましたように、900MHzの許認可を得たのがほんの数年前ですから、その前の時点で、900MHzの許認可を得てないにもかかわらず、少しでも電波を届かせたいと。

となると、基地局の数を増やすしかないということで、圧倒的な数を作りにいったと。そういうことだと思います。

質問者10:復旧の状況というのは?

:復旧は圧倒的に他社よりも早く、全面復旧したと。それは先ほど言ったとおりです。じゃあ、だいぶ時間が過ぎましたので、ここでいったん締め切らせていただきたいと思います。